
| 2008.04.16 | ☆高齢医療の報酬設定を評価―日看協( 16日夜、キャリアブレイン→ 『日本看護協会(久常節子会長)はこのほど、4月からスタートした後期高齢者医療制度に関し、今回の診療報酬改定で訪問看護に対する報酬が充実した点について評価する声明を発表した。 声明は、必要に応じて緊急の訪問看護を実施できる体制を評価する「24時間対応体制加算」や、回復が難しい後期高齢者の終末期の診療方針を医師や看護師など関係職種が話し合い、文書にまとめた場合に算定できる「後期高齢者終末期相談支援療養費」などが新設された点について、「訪問看護機能の一層の充実を評価するもの」との受け止め方を示している。』 . |
| 2008.04.01 | ☆外来管理加算、遠隔医療では算定できず 31日夜、キャリアブレイン→ 『厚生労働省は2008年度診療報酬改定に関するQ&Aを3月31日までにまとめ、都道府県などに通知した。4月から診療時間の目安として「おおむね5分」を超えた場合に算定できる形に見直す外来管理加算について、遠隔医療など医師が直接診察していない場合には算定できないことを明記した。 また、回復期リハビリテーション病棟入院料の届け出では、今年3月31日以前の入退院の実績を記録していれば、9月30日以前に同入院料1と重症患者回復病棟加算の算定を認める考えを改めて示した。 Q&Aでは、診療報酬点数表の初・再診料や入院基本料、特定入院料などの項目ごとに具体的な取扱いを示した。 それによると、外来管理加算は「医師が直接診察した場合」に対する評価なため、電話による再診や遠隔医療では算定できないという。 病院や診療所が再診料に上乗せして算定する外来管理加算は、今回の診療報酬改定に伴い、診療時間が「おおむね5分」を超えた場合に算定できる形に見直される。 Q&Aによれば、診療時間は医師が患者に視診、問診、身体診察、療養上の指導を行っている時間に限られる。このため、これらの診療行為が行われず診察室に入って患者が医師を待っている時間は診療時間に含まれない。同省の説明では、例えば電子カルテを起動している時間や前の患者のカルテに記載している時間などは診療時間には含めないという。 また、衣服の着脱に必要な時間については「着脱動作を通じてADLや関節可動域の評価を行うといった診察をした場合」に診療時間に含めるという。 一方、「後期高齢者診療料」の算定要件に組み込まれた研修の実施主体については「日本医師会、日本老年医学会、都道府県医師会、関係学術団体等が考えられる」とした。 Q&Aでは、同診療料を「糖尿病などの慢性疾患を主病とする後期高齢者に対して、継続的な診療を提供し計画的な医学管理の下に、患者の心身の特性にふさわしい外来医療の提供を行う取組を評価するもの」と規定。患者が継続的に複数の診療所を受診している場合はいずれの診療所も同診療料は算定できず、「従来どおり出来高で算定する」とした。』 . |
| 2008.03.30 | ☆国立8病院:全患者にレセプト並みの詳細領収書
4月から(特・診報) 29日、毎日新聞→ 『厚生労働省は28日、国立がんセンター(東京都中央区)、国立循環器病センター(大阪府吹田市)など全国8カ所の国立高度専門医療センターで、4月から患者全員に診療報酬明細書(レセプト)並みの詳しい領収書を無料発行することを明らかにした。患者は受けた治療や投与された薬と、それぞれの診療報酬を知ることができる。 レセプト並み領収書の発行は、医療ミスなどが起きた際の事実確認に役立ち、過大請求のチェックもできることから、医療事故や薬害の被害者が実現を強く求めていた。06年度から病院の努力義務になり、国立病院では希望者に発行されるようになったが、舛添要一厚労相が情報公開をさらに進める意欲を示していた。 4月からは、400床以上の大病院でも、実費を徴収したうえでの希望者への発行が義務付けられる。また、独立行政法人・国立病院機構が持つ146病院も、国立センターと同様の対応を検討するという。』 . |
| 2008.03.27 | ☆勤務医の負担軽減、調査方法は? 27日、キャリアブレイン→ 『厚生労働省は3月26日、中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬改定結果検証部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)に対し、2008年度診療報酬改定の影響を調べる必要があると判断した11項目(案)を示した。調査項目に挙がった「勤務医の負担軽減」については委員からさまざまな意見があり、遠藤部会長は「改定が病院の収支に与えた影響と、それが勤務医の軽減につながっているかが非常に難しい。もう少し検討が必要だ」と述べた。次回、具体的な調査項目や実施時期について改めて議論する。(新井裕充) 厚労省が示した項目案は、(1)勤務医の負担軽減、(2)明細書、(3)外来管理加算、(4)亜急性期入院管理料など、(5)回復期リハの成果主義、(6)7対1入院基本料の見直し、(7)歯科の安全対策の加算、(8)がん対策など、(9)後発医薬品の使用促進、(10)後期高齢者医療、(11)ニコチン依存管理料――の11項目。 遠藤部会長は「具体的な項目と大枠だけの項目があるので、もう少し固める必要がある。本日はフリーディスカッションしたい」と意見を求めた。 前田雅英委員(首都大学東京法科大学院教授)は「ある程度動かしてみてから検証する価値があるものと、遅くまで引っ張った方が効果を見ることができるものがある」と指摘した。 厚労省保険局の担当者は「効果が分かるタイミングで調べた方が良い。前回(06年)は秋にスタートしたので、今回も秋になるだろう。項目によって色分けして考えたい」と回答した。 これに対し、土田武史委員(早稲田大商学部教授)は「明細書の調査は早くてもいいが、外来管理加算は実際に240億円の財源が出るかどうかを調査してほしい」と述べ、外来管理加算は2種類の調査が必要であるとした。 今回の改定で5分程度の説明が要件になった外来管理加算について、土田委員は「患者との対話ができているかが重要だが、(診療所の再診料2点分の)財源を取ってくるという意味もある。両方とも調査してほしい」と求めた。 土田委員はまた、「回復期リハの成果主義はしっかり調査してもらいたい。これはかなり問題がある。こういう手法で成果を把握できるか慎重に調査してほしい」と要望した。 ■ 勤務医の負担軽減の調査方法は? 勤務医の負担軽減に関する調査について、小林麻理委員(早稲田大大学院公共経営研究科教授)は(1)産科や小児科をターゲットにした改定の効果、(2)勤務医の負担が実際に軽減されたかどうか、(3)どのような指標を用いるか――という3つの問題があることを指摘した。 遠藤部会長は「勤務医の負担軽減の調査は難しい。産科や小児科に集中した議論、診療所と病院の役割分担、医療クラーク、救急などの項目がある」と述べ、項目の選び方によって調査の範囲が異なるとした。 その上で、「診療報酬の影響かどうかが分からないものもある。インデックスによって変化する。診療報酬の影響を幅広く考えながら、どういう変化があったかを見てもいい。少し検討が必要だ」と答えた。 これに対し、白石小百合委員(横浜市立大国際総合科学部教授)は「ターゲットを絞って調査せざるを得ない」としながらも、勤務医の意識調査を通じて現場の意見を広く吸収すべきとした。 土田委員は「負担の軽減になったという指標をどこで取るかが難しい。1つは勤務医自身の意識で把握できるが、診療報酬改定の影響は給料にかかわる問題」と指摘。遠藤部会長も「診療報酬改定が病院の収支に与えた影響と、それが勤務医の軽減につながっているかが非常に難しい。もう少し検討が必要だ」と述べた。 この日の検討会では、調査データの利用方法に関する意見もあった。遠藤部会長は「行政データをどう使うか。これは霞ヶ関全体の問題として議論されているところだ」と問題提起した。 これに対し、前田委員は「次の改定につながる材料をいかに集めるかが基本。アカデミック利用というよりも政策判断の材料だ」と述べた。 小林委員も「検証部会のミッションは診療報酬改定がどのような効果を生んでいるか、それを2010年改定にどう生かしていくかであり、ここは押さえてほしい」と強調した。 次回、具体的な調査項目や実施時期について改めて議論する。今回の診療報酬改定の影響については、病院関係者からさまざまな批判や意見が既に出始めている。今日の医療問題を国民全体の議論にするためには、改定の影響を調査する項目だけでなく、情報開示の在り方も含めた検討が必要だろう。』 . |
| 2008.03.26 | ☆「医療経済だけでは国は滅びる」 26日、キャリアブレイン→ 『【特集・第2回】 2008年度診療報酬改定(2) 筑波メディカルセンター病院院長・石川詔雄(あきお)さん 2008年度の診療報酬改定は病院勤務医の負担を軽減する取り組みを評価するほか、手術料の一部が引き上げられるなど病院経営 の改善を図る内容が目立つ。「可もなく不可もなく」と言われる今回の改定を病院現場はどのように受け止めているだろうか。茨城 県の中核的な医療機関の1つである筑波メディカルセンター病院(茨城県つくば市、409床)は地域医療支援病院、救命救急センター、茨城県地域が んセンター、災害拠点病院など幅広い機能を持ち、臨床研修指定病院として若手の育成にも力を入れている。今回の改定や今後の医療の 方向性などについて、同院の病院長・石川詔雄さんに話を聞いた。(新井裕充) ――今回の診療報酬改定について、感想をお願いします。 もう少しプラスになると思っていましたが、トントンという感じです。努力しないとプラスにするには厳しいかもしれません。当院につい て言えば、DPC(包括支払方式)は「マルメ」の部分(包括部分)が下がっていますので、その分を調整係数などで補っていく必要がありま すし、ジェネリック(後発医薬品)に積極的に変えていかないと収入は落ちるかもしれません。そういう意味で、努力が必要でしょう。 ――次回の診療報酬改定に向けて、要望などはありますか。 今回、手術料が少し上がりましたが、下がったものもあります。今後は医師の技術をもっと評価すべきでしょう。例えば、外科医が 完成するまでには最低でも10年かかります。臨床研修を終えて外科医になってから、外科の専門医を取得するまでに約5年。その後、 消化器外科や心臓血管外科など各分野の専門医を取得するまで5年。専門医を取得するには関係学会が認定した施設で手術をしな いと症例数にカウントされませんし、論文や試験もあります。専門的な治療ができる外科医ができ上がるまでには時間がかかるのです。 従って、医師の技術や経験などを診療報酬上でもっと評価する必要があるでしょう。 ――今回の改定では、外科医の手術経験などを診療報酬で評価することが見送られました。 私は、医師の技術と結果(アウトカム)との間には相関関係があると考えています。医師の技術を評価して加算するようなアウトカム評価を診 療報酬に導入すべきだと思います。当院では、心筋梗塞(こうそく)を合併した大腸がんの患者さんや、脳梗塞後の治療経過中に吐血 して胃がんが見つかったような(リスクが高い)患者さんの手術が多いのですが、成績(5年生存率)はかなり良いです。冠動脈インターベン ションの症例数は全国でもトップクラスですし、高い技術を持った医師が揃っているため、難しい治療に対応できる病院です。医師の技術と 成績は絶対に関係あるでしょう。 ――例えば、ドラマに登場する「ゴッドハンド」と呼ばれるような医師は現実に存在するものでしょうか。 確実にいます。故中山恒明先生は手術が早く、真っすぐに物事を進める人でした。オーラがありました。手術が上手な医師というのは、 とにかく目的に向かって真っすぐに進むことができる人です。無駄がない。そして、丁寧であること、3次元で考えられる人です。逆 に、寄り道をする人、変なところにこだわる人、バランスが悪い人もいます。手術の上手な医師と下手な医師がいることは確かです。 ――どうしたら手術が上手になるのでしょうか。 技術が高く、優秀な指導医がいるところで勉強することです。しかし、何よりも忙しい環境で経験を積むことが必要です。私の専門 は肝臓がん治療ですが、私を含めた4人の医師がたくさんの手術をこなしています。少ない人数で多くの症例をこなしていますから 腕は磨かれますし、手術も早くなります。当院は災害拠点病院ですから、のんびりした環境でやっていては災害時に対応できません 。臨床研修で全国から若手が集まるのは、忙しく駆け回っている姿を見たからでしょう。 ■ 勤務医の疲弊と患者の意識 ――今回の診療報酬改定では、勤務医の負担軽減が緊急課題になりました。 当院は3次救急ですので、重い病気に対応できる医療機関です。しかし、「昼間に来る時間がないので夜に来た」といった患者さんが 非常に多いので困っています。当院は高度な機能を持った病院ですので、重い病気の患者さんに利用していただきたい。待合室を 「トリアージナース」が回って患者さんの重症度を判断していますが、半分以上は軽症です。2時間待っても順番が来ないので怒って帰る患 者さんもいますが、本当に重症だったら帰れません。 ――勤務医の疲弊と患者の意識が問題になっています。 院内で転んでけがをして、「賠償金を出せ」、「傷害罪だ」などと言う患者さんもいるようです。しかし、医療者にそんな悪い人はいま せん。困っている人を見れば優しい心になるものです。患者さんを陥れようとか、苦痛を与えようなんて考えている人はいません。 通常の医療行為をしながらも、一定の割合で合併症などは発生します。現代の医療ではやむを得ない場合がありますので、そこのみ をあまり追及するのはいかがなものでしょうか。むしろ、どうしたら医療が良くなるのかを考えるべきです。 ――医療を国民全体で考える必要があります。 ヨーロッパでは選挙の際、街頭に集団がいくつもできて政策について熱く議論していました。日本ではそういうことが全然ありません 。話し合わずに国の政治が決まっていく不安があります。民主主義や個人主義が根付いていないと感じます。自分のことばかり考え て権利だけを主張するのは利己主義であって、個人主義ではありません。病院はどんなに看護師を増やしても1人の患者さんにずっ と付いているのは無理です。みんなで医療者を共有してほしい。そして、今後の医療について、「お金をかけるべき」とか、「人を増や すべき」ということをみんなで考えないといけません。 ■ 新しい医学や治療法をつくる風土を ――これからの日本の医療、どうしたら良いでしょうか。 私は、新しい医学や治療法をつくることが大切だと考えています。目の前の1人の患者さんを助けることはもちろん大切ですが、も っと人類全体を救うような方向を考えるべきです。そのためには最先端の医学を考える研究者をいかに育成するかが問題になりま すが、この部分が抜けているような気がしてなりません。医学研究の道に進む人も少ないと思います。 ――研究の分野を志望する医師が少ないのは、なぜでしょうか。 研究にお金が出ていませんので、優れた先生が集まりません。魅力的な指導者がいなければ若い医師も集まりません。これは問題 だと思います。昔、日本人が欧米でもてはやされたのは、勤勉でコツコツと努力するからです。最近では、インドや中国の人が海外から招か れますが、日本人はあまり呼ばれません。今後、国はコツコツと科学する風土をつくっていくべきです。 ――医学部を卒業した後、大学に残って研究する人を増やすべきでしょうか。 いきなり研究しても駄目です。現場で困っている患者さんを見て、「この患者さんを治すために大学に戻って研究しよう」という研 究者が増えるようにすべきです。最近、人の皮膚細胞から「万能細胞」を作った京都大学の山中伸弥先生は臨床をやっていた人です。 臨床現場から研究に向かう人を増やすためには、出すべきところにお金を出さないといけません。 ――ビルや道路など、目に見えるところにはお金が出ますね。 経済効果が目に映りやすい方向に流れています。これで人が幸せになるとか、困っている人が救えるということは目に見えにくい 。科学は1分野が伸びればいいものではなく、全体的に上げていかないと新しいものは生まれません。目に見えない、地道な部分にお 金を出す必要があります。医療や福祉を経済の原則だけで考えたら、その国は滅びると思います。」 . |
| 2008.03.25 | ☆診療報酬増額分を勤務医へ=病院経営者に要請-舛添厚労相 25日、時事通信→ 『舛添要一厚生労働相は25日の閣議後記者会見で、2008年度診療報酬改定で病院勤務医対策などを1500億円増額することに関連し、「診療報酬で上がった分は、現場で働いている医師にきちんと配分することを(病院経営者に)お願いしたい」と述べ、勤務医の待遇改善に充てるよう要請した。』 . |
| 2008.03.25 | ☆【特集・第1回】
2008年度診療報酬改定(1) 「第3の診療報酬体系を」 25日夜、キャリアブレイン→ 『(インタビュー)赤穂市民病院院長・邉見(へんみ)公雄さん(全国公私病院連盟副会長) 今年4月、治療や検査などで医療機関が受け取る診療報酬が改定される。今回の診療報酬改定では、医師不足が深刻化している産科や小児科などの病院勤務医の負担軽減策に約1,500億円が充てられたが、「不十分だ」との声もある。地域医療の崩壊が叫ばれる中、診療報酬改定を審議する中央社会保険医療協議会(中医協)の診療側委員として、地方病院の苦悩や救急医療の現状などを訴えてきた赤穂市民病院院長の邉見公雄さん(全国公私病院連盟副会長)に話を聞いた。(新井裕充) ――今回の診療報酬改定について、感想をお聞かせください。 入院基本料や手術料などで引き上げがありましたが、日本病院団体協議会が声明を出したように「安心も満足もしていない」といったところです。前回の改定は変更点が多かったので、反省もあったのでしょう。前回の後始末という面と、次回の改定に向けた方針を示す意味があります。そういう意味で、次回の改定は激変の可能性が大きい。DPC(包括支払方式)や初・再診料、入院基本料の見直しなどが大きなポイントになるでしょう。 ――次回の診療報酬改定に向けて、改善点はありますか。 中医協の今までの議論は現場から離れた意見が多かったと思います。診療所中心、外来医療中心、内科系中心ですので、約30の職種のチーム医療を行っている病院医療や入院医療、手術や救急が取り上げられる機会が少なかったのです。われわれ病院代表が出て行くのが遅すぎました。今後、診療報酬は薬などのモノ代の評価から技術の評価へ、そしてシステムの評価へと移らなければいけません。 ――「システムの評価」とは。 医療は安全保障です。例えば、伝染病や災害に備えて人や設備を配置しておくのと同じように、いざという時のための備えにお金をかけるべきです。これは防衛費も同じです。そういう意味で日本はすべて遅れています。囲碁で言えばもう終盤で、打つ場所がないところで局地的な議論をしている。こっちの黒を白にすると、あちらの白を黒にしなければならない。こういう中では新しい政策は出てきません。「時、既に遅し」という感じもします。 ――どうしたら良いでしょう。 一度、碁盤をひっくり返して第一手から打ちたい。しかし、そうすると「1点10円は高過ぎるので7点にしよう」という意見が診療報酬の支払側から出てきそうです。そうなると、国民皆保険が崩れてしまう恐れがある。フリーアクセスを絶対に守った上で、DPC(包括支払方式)でも出来高払いでもない“第3の診療報酬体系”を構築する必要があります。 ■ 第3の診療報酬体系 ――「第3の診療報酬体系」とは、どのような内容でしょうか。 たくさんレントゲンを撮ったから評価するという方法ではなく、「医師の技術」と「システム」を重視すべきです。医師の技術を評価するためにアウトカム評価(成績評価)が必要です。しかし、算定要件などに組み込むと患者選別の恐れがあるので、要件で縛るような「減点方式」は反対です。技術を評価してプラスにする目的でアウトカム評価を導入することは賛成です。 ――「システム」とは、どのような内容でしょうか。 国民が、いつでもどこでも必要なときに医療を受けることができる体制で、フリーアクセスを絶対に守ることが必要です。さらに、平等性の確保も必要です。山奥のように交通手段が乏しい地域で、フリーアクセスが絵に描いた餅にならないようにする必要があります。行き過ぎた集約化はやめて、「フリーアクセスの空洞化」を防がなければいけません。 ――大きな拠点病院を地域にドンと建てて、そこでトリアージしては駄目でしょうか。 うまくいけばいいのですが、現実的には難しいでしょう。救急は1〜2時間以内で送れないと車内で赤ちゃんが産まれてしまいます。例えば兵庫県豊岡市の但馬空港の場合、冬の間は霧と雪でほとんど飛べないので、年間100日ぐらいは動きません。国内にはさまざまな地域がありますので、安易に集約化の方向にかじを切ることは問題です。 ――確かに、今回の改定は大きな病院を優遇しているという声もあります。 今回、病院勤務医の負担を軽減する対策として産科や小児、救急に配慮した改定になりました。しかし、中小病院にとって「これでは食えない」という内容です。例えば、こども病院のような小児医療の中核病院は国内に30程度しかない。小児や救急のトップランナーに点数が付いていますが、地域医療の中心はセカンドランナーです。財源が全体に行き渡らなかったのは、マイナス0.82%(診療報酬全体の改定率)が効いているからでしょう。 ■ 「低医療費政策をやめるべき」 ――限られた財源の中では、もはや打つ手はないのでしょうか。 これは議論を呼ぶかもしれませんが、診療科によって初・再診料の点数を変える必要があるかもしれません。リスクが多くて学生に嫌われる診療科の点数を引き上げてはどうでしょうか。最近の学生に人気があるのは眼科、皮膚・形成、精神科です。これは、訴訟リスクが少なくて開業しやすい診療科です。つまり、ローリスクハイリターンの診療科に人気が集まる。外科医は「24時間365日、ドクターローソン」です。当院の若い医師は「市民病院だから市外からの救急は断ってほしい」と言いますが、私は彼らに「患者さんは自分の親や子どもと同じと思え」と言っています。しかし、それも限界があります。 ――救急車を降りて傘を差す患者がいると聞きます。 「帰りも救急車を呼んでくれ」と言う患者さんもいます。昨年の大みそかには100人以上の救急患者が来ましたが、入院したのはたった2人でした。ほかは軽症です。しかも、待合室で「待ち時間が長い」と怒っている。年明けに医師が私のところに来て、「この国はどうなっているんだ!」と怒っていました。クレームを付ける患者さんが増えている背景には医療に対する不信感があるのではないでしょうか。医療事故に関するマスコミの報道の仕方も問題です。「医療ミス」と大きな見出しを打っておきながら、最終的に病院側が裁判で勝つと小さなベタ記事の扱いです。 ――「救急たらい回し」の報道には、医療機関が悪いような論調もあります。 やむなく救急を断っても、「あの患者さんは大丈夫だろうか」と心配で眠れないのが医師の職業精神です。しかし、最近はこのような「医師の使命感」が機能しなくなっています。「医者もサラリーマン」という考えが、医師と患者の両側にあることが問題です。医師の中には「医者はあまり頑張る必要はない。国民がおでこをぶつけて気がつくまで放っておけばいい」という者もいますが、当院では健康講座や病院祭りなどを開催して地域住民と接する機会を増やしています。互いの顔が見える「開かれた病院」を目指さなければ、これからの自治体病院は生き残れないでしょう。 ――医療費抑制の中、患者は良質な医療を求める。医療と経営は両立するのでしょうか。 国も自治体も経営が傾いているので経営の観点は必要です。コストに見合った政策も必要でしょう。しかし、高齢社会で治りにくい病気の患者が増えています。医学や医療も進歩していますので、医療費は増える方向にあります。医療にも経済原理が必要ならば、経済成長とともに総医療費を増やさなければいけない。外国への経済援助には何百億円も使うのに、日本人の医療にかかるお金を抑制するのはおかしな話です。国は低医療費政策をやめるべきです。 ――やはり医療費の総額を増やす必要があります。 そうです。しかし、そのような国会議員を選んだのは国民です。昨年の参議院選挙では医療も1つの争点でしたが、大臣の発言や年金問題で消えてしまい、国民が医療を考えるチャンスを奪ってしまった。このままでは国民が不幸になってしまいます。国民が他人事ではなく、もっと真剣に医療を考えるべきだと思います。』 . |
| 2008.03.24 | ☆4月から診療報酬改定、再診料「5分ルール」 24日、讀賣新聞夕刊→ 『待ち時間長くなるかも…520円加算、対話が条件 診察時間が5分以上になると料金が変わります――。4月の診療報酬改定で、そんなルールが外来の再診料に導入され、5分未満だと外来管理加算(520円)がなくなる。 「懇切丁寧に診察してもらうため」と厚生労働省は説明、じっくり話す機会は増えそうだが、現場の医師からは「時間で区切るなんて」「加算が減って大幅な減収になる」と反発も強い。医師の話が長引いて待ち時間が増えるという見方も出ている。 再診料は、診療所と中小病院(一般病床200床未満)が対象。処置や検査、リハビリ、精神療法などがなく、問診や身体診察、説明、指導が中心の時は、基本の再診料(病院600円、診療所710円)に外来管理加算を上乗せできる。 現在は時間の規定がなく、ほぼ自動的に加算されているが、4月から「おおむね5分以上」が条件になる。3割負担の患者の場合、加算の有無によって支払いに156円の差が出る。 厚労省保険局は、診察にかけた時間をカルテに記録するよう求めている。調査する際は、1時間に12人を超える診療がないかをチェックする方針。「時間が長ければ長いほど、患者にとって質の高い医療になる」と強調する。 これに対し、全日本病院協会は「普通に診察すれば5分ぐらいかかる」と静観の構えだが、再診は定期的に通う慢性の患者も多く、開業医や中小病院からは不満の声が出ている。 長崎市で内科医院を開業する本田孝也医師は、ある日の診察時間を計ってみた。午前中の患者29人中、5分以上は2人で、平均は2分29秒だった。「長ければいいわけじゃない。必要なやりとりを、手を抜かずに早く終えるのも熟練した技術だ」と本田医師。 青森県保険医協会は「地方では診療所が足りず、公立病院に患者が集中している。患者を待たせないようにすると加算がつかず、大幅な減収になって医療崩壊を加速する」と懸念する。 大阪市内で診療所を経営する内科医は「時計をにらんで話を引き延ばす医師も出てくる」と語るなど様々な影響が出そうだ。』 . |
| 2008.03.24 | ☆医療秘書4月から診療報酬
勤務医不足解消に期待 24日夜、共同通信→ 『医師に診察や手術などに専念してもらうため、医師の書類作成などを代行する「医療クラーク(秘書)」に注目が集まっている。病院勤務医の負担軽減策として、4月から医療秘書が働く病院へ診療報酬も支払われる。一部の病院では既に導入され、勤務医不足の解消に役立つとの期待も大きい。 埼玉県栗橋町の済生会栗橋病院。多くの職種が医師を補助している米国の例などを参考に、約2年前から医療秘書を本格的に配置、現在6人が働いている。 医師は診察などの本来業務のほかに診断書作成といった事務作業が多く、誰かが肩代わりすれば、負担が軽減される。 その一人新井夕子さんは、生命保険用の診断書や介護保険の主治医意見書など数十種類の書類作成を担当。医師の指示に従って毎月約500枚を作成する。医師は新井さんが下書きした内容を確認し、サインするだけですむ。 同病院の本田宏副院長は「以前は手術などを終えた後や休日に書類書きに追われ、疲労感が強かった。今は医療秘書なしにはやっていけない」と話す。』 . |
| 2008.03.18 | ☆「オンライン請求義務化は実現不可能」 18日午後、キャリアブレイン→ 『2011年4月からレセプト(診療報酬請求書)のオンライン請求を義務化する厚生労働省の方針に対し、医科・歯科ともに「対応できる」が半数以下にとどまり、オンライン請求が義務化されれば、医科で12.2%、歯科で7.2%が「開業医を辞める」と考えていることが明らかになった。「辞める」とする理由では、「操作に対応できない」▽「導入に見合う収入がない」-などが上位を占めており「オンライン請求義務化は実現不可能」という実態が裏付けられた形だ。 レセプトの提出については、手書きで紙レセプトを提出する▽レセプト作成用コンピュータ(レセコン)で紙レセプトを作成・提出する▽レセコンでデータ作成してCD-Rやフロッピーディスク等の記録メディアで提出する▽レセコンで作成し、データ送信用パソコンからISDN回線やインターネット回線を用いてオンラインで電子的に請求する-の4つがある。 これらについて、厚生労働省は今年4月からオンライン請求を段階的に施行。11年度以降は原則として、ほとんどの医療機関にオンライン請求を義務化することにしている。 このオンライン請求の義務化に関し、医科開業医5万183人(全体の65.4%)・歯科開業医3万4,394人(同58.3%)・勤務医1万7,969人(医科・歯科の合計数)で組織する全国保険医団体連合会(保団連)がアンケートを実施。医科1万1,069件・歯科3,010件から回答があった。 オンライン請求への対応については、「対応できる」が医科で5,110件(46.2%)、歯科で995件(33.1%)と、医科・歯科ともに半数以下にとどまった。一方、「対応できない」は医科で2,247件(20.3%)、歯科で649件(21.6%)。ほかに「分からない」が医科で3,611件(32.6%)、歯科で1,342件(44.6%)などがあった。 「義務化された場合に開業医を続けるか」では、「続ける」が医科で7,986件(73.1%)、歯科で2,273件(77.4%)だったものの、「辞める」とする回答が医科で1,336件(12.2%)、歯科で212件(7.2%)あった。 「開業医を辞める(継承する)理由」(複数回答)に関しては、「操作に対応できない」が医科917人(35.8%)、歯科247人(40.2%)▽「導入に見合う収入がない」が医科1,149人(44.9%)、歯科460人(74.8%)▽「人員確保が困難」が医科739人(28.9%)、歯科219人(35.6%)-などが上位を占めた。 結果を受けて、保団連は「オンライン請求義務化は実現不可能ということを表している」と指摘。そのうえで「1割を超える開業医が辞めると答えており、現実になれば地域医療に深刻な影響を及ぼすことが予想される。医療のIT化は推進すべきだが、個々の医療機関の実情に応じた柔軟な対応が必要であり、一律にオンライン方式を義務化すべきではない」と、義務化の撤回を求めている。』 . |
| 2008.03.18 | ☆(香川)県立病院に医療補助者
4月から県が配置方針 18日、四国新聞→ 『香川県は17日、県立病院勤務医の負担軽減に向け、医師の仕事を補助する医師事務作業補助者(医療クラーク)を新年度から配置する方針を明らかにした。中央病院が7人、白鳥病院が2人で、それぞれ4月1日に配置する。 同日の2月定例県議会一般質問で有福哲二氏(自民・坂出)の質問に平川方久病院事業管理者が答えた。 両病院では、診療業務が高度化・複雑化して長時間の過重労働となるなど、医師にとって厳しい職場環境が続いている。そんな中、香川県は、来年度の診療報酬改定で報酬の加算が認められた医療クラークに着目。公募を行うなど準備を進めていた。 医療クラークの業務は、診断書などの文書作成や電子カルテへの入力など、医師でなくても対応可能な作業を想定。国家資格は必要ないが、研修で一定の医療知識を身に付けてもらう。 平川管理者は「医師が患者の治療に専念できる職場環境を作り、安全で良質な医療の提供に |