2008.07.03 ☆診療報酬:開業医、月平均7万5千円減 5分ルール導入で
  3日午後、毎日新聞→

  『全国保険医団体連合会は3日、4月以降、医師が患者への問診や説明などに5分を費やさないと外来管理加算(520円)を請求できなくなった「5分ルール」の影響をまとめた。開業医の場合、導入前の3月に比べると4月は同加算の請求率が下がり、平均で月7万5411円の減収になったという。
  同加算は、開業医や200床未満の病院を再診に訪れた患者から請求できる。厚生労働省は「基準があいまいだった」として、08年度診療報酬改定で5分ルールを導入した。しかし医療現場からは、「医療費削減策の一環。優秀な医師ほど短時間で診察できる」との強い反発が起きている。
  調査によると、3月に59%だった開業医の同加算の請求率は、4月には45%にダウン。医師不足から他の報酬を手厚くした小児科でも20ポイント減の65%に下がり、月の減収幅は6万1988円。最も影響を受けた皮膚科は12万4089円減という。
  調査は、全国の3843医療機関が対象。』
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2008.07.03 ☆日医と医療機関に別の文書送付か-厚労省
  3日夜、キャリアブレイン→

  『厚生労働省が作成した診療報酬改定に関する資料について、全国保険医団体連合会(保団連)が「資料は調査データを不正流用して作られた」と指摘している問題で、保団連は7月3日、記者会見を開き、資料作成の経緯などをただした質問状に対し、厚労省が回答を“拒否”していることを明らかにした。調査をめぐっては、「異なる使用目的」を記載した2種類の文書が医療機関に送付されていたが、厚労省が日本医師会に協力依頼した際には、同省が掲げる目的とは別の内容が記載されている文書が送られていたことが新たに判明した。

  問題となっているのは、4月の診療報酬改定で導入された、医師が再診時に算定することができる「外来管理加算」の“5分ルール”に関する内容。厚労省は昨年12月の中央社会保険医療協議会(中医協)に、「内科診療所における医師一人あたりの、患者一人あたり平均診療時間の分布」と題する資料=グラフ=を提出した。この中で、約9割の医療機関の平均診療時間が5分以上であることが示され、“5分ルール”の参考資料とされた。

  資料では、平均診療時間が30分以上の医療機関が圧倒的に多く、保団連が情報公開法に基づいて資料の出典開示を請求。その結果、外来管理加算の対象となる再診患者に対する診療時間の調査ではなく、厚労省の委託を受けた業者が行った「時間外診療に関する実態調査結果」の数値を基に作成されたことが分かった。

  保団連は「外来管理加算の時間要件(5分ルール)と別の目的に使用したのは、明らかな不正行為」と批判。これに対し、厚労省は、業者委託して調査を行う際、「今後の診療報酬改定の検討資料とすることを目的に実施するとした文書を送付しており、不正流用には当たらない」と反論し、保団連に新聞とホームページに訂正文を掲載するよう申し入れていた。

  しかし、保団連の調べで、調査に当たり、「診療報酬改定の検討資料」とする厚労省と、「時間外の診療体制のあり方を検討する」という業者と、互いに調査目的の異なる2種類の文書が医療機関に送付されていたことが判明。
加えて、医療機関への調査協力を依頼するため、厚労省が日医にあてた文書には、同省のいう「診療報酬改定の検討資料」ではなく、業者の文書と同じ「時間外の診療体制のあり方を検討する」という文言が記載されていることも明らかになった。

  保団連は会見後、資料を作成した厚労省保険局医療課と話し合った。この中で、同省の担当者は「(厚労省が出した)お願い文には『今後の診療報酬改定の検討資料とすることを目的に』と書いてあり、不正流用には当たらない」と繰り返し強調。業者や日医の文書には、「時間外の診療体制のあり方を検討する」と、異なる目的が書かれていたことについては、同省は関知していないとの態度を示したという。

  保団連では、「資料は、医療機関ごとの『診療時間』を患者数で割っただけの単純なもので、今回の算定要件である個々の患者に対する医師の診察・指導の時間である『診察時間』とは、全く性格が違う」と指摘。厚労省に対し、質問状に答えるなどの説明責任をあらためて求めている。

外来管理加算
  「入院中の患者以外の患者(外来患者)に対して、厚生労働大臣が定める検査ならびにリハビリテーション、処置、手術などを行わず、計画的な医学管理を行った場合は、外来管理加算を算定できる」などと定められている。今年4月の診療報酬改定で、外来管理加算を算定する場合には、おおむね5分を超える診察時間を要することになった。』
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2008.07.02 ☆医療制度に国民の過半数が不満
  2日午前、キャリアブレイン→

  『現在の医療制度に国民の54%が不満を感じていることが、NPO法人(特定非営利活動法人)日本医療政策機構が7月2日までにまとめた「日本の医療に関する2008年世論調査」の結果で明らかになった。不満の理由としては、制度決定における市民参加の度合いやプロセスの公正さを挙げる声が多く、政治や行政に対する国民の信頼度が低いことが浮き彫りとなった。

  調査は今年1月に実施され、全国の成人男女1082人が回答した。
  現在の医療制度について、「大いに不満」が11%、「やや不満」が43%で、不満を感じている国民が54%と過半数を占めた。一方、「大いに満足」は2%、「まあ満足」は39%で、満足している国民は41%だった。

  医療制度に対する具体的な不満では、「制度決定への市民参加の度合い」が77%で最も多く、「制度決定プロセスの公正さ(既得権益の排除)」が75%、「医療費の水準(保険料・窓口負担等)」と「医療制度の平等性(貧富の差への配慮)」が共に68%でこれに続いた。

  また、医療制度改革を主導すべき主体(複数回答)については、「市民代表、患者代表」が62%で最多。次いで、「医療提供者(医師など)」が51%、「専門家、有識者」が48%と続いた。
一方、「厚生労働省」は38%、「首相、内閣、又はその諮問機関」は27%、「国会、与党」は17%で、国民の政治・行政不信を裏付ける結果となった。

  さらに、望ましい医療制度について、高水準の医療を国民に等しく給付する代わりに、その費用を賄うための税や社会保険料などの負担を重くする「高負担高給付・平等型」、標準的な公的医療を国民に等しく給付し、税や社会保険料の負担を抑える「低負担低給付・平等型」、標準以上の医療は個人が選択して自己負担で受ける「低負担低給付+自己選択」の3つの回答項目で調査。
その結果、「低負担低給付・平等型」が58%と過半数を占め、「高負担高給付・平等型」と「低負担低給付+自己選択」は共に17%だった。

  このほか、社会的な格差が広がる中、低所得・低資産層の約4割が、費用が掛かるとの理由から過去1年以内に医療機関への受診を控えた経験のあることが分かった。

  同機構では、「多くの国民が医療制度の平等性を重視し、負担増には抵抗のあることが確認された。低負担を求める背景には、政治や行政に対する一般的な不信感が影響している可能性が考えられる」と分析。「目指すべき医療制度については、財源確保や負担と給付、公私のバランスなども含め、国民的議論を行う必要がある」と指摘している。』
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2008.07.02 ☆研修医の保険医登録漏れ 県立中央病院診療報酬を返還へ/青森
  2日、讀賣新聞(青森)→

  『県立中央病院(青森市)が、青森社会保険事務所から診療報酬の返還を求められていることが、わかった。事務職員の勘違いにより、研修医1人が保険医登録されていない状態で診療していたため。県病院局の武田哲郎局長は「職員同士の情報共有があれば防げたミス。まずい対応だった」と陳謝している。

  同病院によると、登録漏れがあったのは、2006年度、07年度に在籍した研修医9人のうち1人で、期間は06年4月~08年1月。この研修医は県青森保健所(現・東地方保健所)にも所属していたため、事務職員が保健所で保険医登録を済ませたと思いこみ、登録しなかったという。

 今年1月、同病院が研修医に関する資料を作成する過程で、無登録であることが発覚。同月、追加で保険医登録するとともに、同事務所に登録漏れを申告した。
  この間、この研修医によって約1200件の診療が行われ、約1600万円の診療報酬が同病院に支払われた。診療報酬を支払う前提となる保険医登録がなかったことから、同事務所は無登録で支払われた分について同病院に返還を請求。同病院は返還に応じるという。』
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2008.06.25 ☆治療費未払い、国保など保険者が代行回収しやすく 厚労省
  25日夜、日本経済新聞→

  『患者が医療機関に治療費を支払わずに病院経営を圧迫している未収金問題で、厚生労働省は25日、医療機関が国民健康保険(国保)などの保険者に治療費回収の肩代わりを要請しやすくする方針を決めた。医療機関に代わって保険者が患者から治療費を回収する仕組みはすでにあるが、あまり活用されていなかった。悪質な滞納者には強制徴収など厳しい措置をとるようにする。

  全日本病院協会など4病院団体協議会の調べによると、加盟する約3270病院の未収金額は3年間の累計で426億円に達している。診療所を含めると、さらに多いとみられる。

  国民健康保険法などによると、医療機関が治療費の回収努力をしたのに患者から支払ってもらえない場合には、市町村が運営する国保など保険者に肩代わりを依頼する「保険者徴収制度」が定められている。保険者が代わりに患者から未払いの費用を徴収する。ただあまり知られていない上に、医療機関が保険者に回収を要請する際の基準が不明確でほとんど利用されていなかった。』
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2008.06.23 ☆夜間・早朝の診察時間延長は2割 開業医対象の報酬加算/秋田
  23日、秋田魁新報→

  『病院勤務医の負担軽減のため、4月から開業医を対象に実施している夜間・早朝診療の報酬加算で、県内では5月末までに148の診療所が秋田社会保険事務局に加算の届け出をした。

  開業医全体の2割余りが手続きを済ませた格好だが、ほとんどがこれまで時間外加算なしで夜間診療してきたところで、加算を機に診察時間を延長するといった目立った動きはいまのところみられない。軽症患者を開業医に誘導しようという国の試みだが、医師の間では「掛け声倒れだ」との指摘も出ている。

  4月の診療報酬改定では、開業医が午前6?8時と午後6?10時に診察した場合の報酬を、患者一人当たり500円(50点)加算。軽症患者の受診を診療所に促し、病院が入院患者や救急対応に専念できるようにするのが狙いだ。

  同事務局によると、県内の診療所655カ所のうち、報酬加算の届け出をしたのは23%の148カ所。このうち、診療時間延長の手続きをした上で届け出をした診療所は「ごくわずか」(同事務局保険課)で、早朝の時間帯については「未集計だが、診察時間の変更届は1件もないはず」(同)という。

  届け出をしていない県央部の診療所の医師も「医師や看護師が24時間いる有床診療所は別かもしれないが、無床診療所では割に合わない」と本音を漏らす。県保険医協会も「この点数では、勤務医対策にならないと思う。国の予算の枠内で考えた小手先の対応だ」と手厳しい。』
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2008.06.07 ☆患者の暴力・暴言で退職した医療関係者273人 06年度に都内で調査
  7日、讀賣新聞(夕刊)→

『対策マニュアル配布へ

  東京都病院協会に加盟する都内の病院を対象とした調査で、2006年度に患者から暴力や暴言を受けたことを理由に病院を辞めた医療関係者が273人に上ることが分かった。
暴力の被害は2674件確認された。医師や看護師の不足が社会問題化する中、院内暴力が原因の一つになっている可能性が出てきた。

  調査は、都病院協会加盟の344病院を対象に昨年11月に実施され、国公私立の210病院(回収率61%)から回答があった。
06年度に患者や家族からの暴力や暴言が原因となって、医師や看護師、病院職員らが辞めたのは64病院、退職者数は273人だった。身体的な暴力を受けたのは、133病院で2674件。治療の説明中に、医師が突然、患者の家族から胸ぐらをつかまれたり、入浴の世話をしていた看護師が患者から手をつねられたりしたケースがあった。
患者側からのクレームは182病院で7641件あり、診察費や検査費などの支払いを拒否した事例も、123病院で727件確認された。具体的には、患者が退院する際に病院のサービスなどにクレームをつけ、病室の個室代金を支払わないケースが多い。退院時に「本来ベッドは無料のはずだ」と主張し、支払いを拒む人もいるという。

 クレームへの対応については、127病院が「体制に余裕がない」と回答した。
同協会では調査結果を参考に、対策用のポケットマニュアルを作成。加盟する病院に近く配布する。マニュアルは、「加害者から距離を取って応援を呼ぶ」「暴力の内容や時間などをメモ書きして上司に報告する」など、院内暴力への対処方法を紹介している。
調査を担当した同協会委員の西塚至・渋谷区恵比寿保健相談所所長は、「患者の暴力や暴言について、病院側が組織的な対応を取らないことを理由に、複数の職員が相次いで辞めたケースもある」と指摘。「各病院がきちんと実態を把握し、安全な職場環境が築けるよう対策に取り組んでもらいたい」と話している。

◇各地で実態調査
  医師や看護師らへの暴力・暴言に対し、各地の医師会や病院団体が実態調査に乗り出している。
愛知県医師会は今年2月、昨年1年間の被害について調査を実施。県内の7割の病院で被害があり、暴力や暴言を受けた場所は受付の窓口が最も多かった。同医師会勤務医部会の宮治真顧問は「暴力や暴言で仕事に対する意欲が低下し、辞めていく医師もいる。地域医療の崩壊につながるのでは」と心配する。

  ほかにも、徳島県医師会や広島県看護協会、富山県公的病院長協議会などが同様の調査を行っている。
静岡県病院協会は今年1月、患者の暴力・暴言をテーマにしたシンポジウムを初めて開き、警察官や弁護士も交えて対策を話し合った。出席した県教育委員会の担当者からは、学校にクレームをつける保護者への対応例も紹介され、医療関係者が参考にしたという。』
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2008.06.05 ☆診療所の初・再診料割合、皮膚科で最高
  5日午後、キャリアブレイン→

  『入院ベッドがない「無床診療所」のうち、診療報酬全体に占める初診料と再診料(外来管理加算を含む)の割合は皮膚科で最も高く、全報酬の4割を超えることが厚生労働省の調べで分かった。4月の診療報酬改定に伴い、いわゆる「5分ルール」が診療時間の目安として導入された外来管理加算の割合でも、皮膚科が最高だった。

  初診料と再診料は、共に医療機関による外来診療を評価する点数で、診療所では現在、それぞれ270点と71点に設定されている。また、再診の際、患者に療養上の説明などをした場合に52点を算定する外来管理加算は、「おおむね5分以上」の診療時間を要するため、算定しにくくなったという指摘もある。

  4月の改定の付帯意見では、初・再診料や外来管理加算を含む「基本診療料」の在り方を検討し、その結果を今後の改定に反映させる方向が盛り込まれている。

 厚労省が6月4日の中央社会保険医療協議会・基本問題小委員会に提出した資料によると、無床診療所の診療科目のうち、全報酬に占める初・再診料の割合が最高だったのは皮膚科で42.4%。以下は、耳鼻咽喉科34.5%、整形外科31.5%、小児科27.6%などの順で、無床診療所全体では23.3%だった=グラフ参照=。

  また、ベッドのある有床診療所(19床以下)では、耳鼻咽喉科での割合が28.9%で最高。これに皮膚科26.6%、小児科26.1%、整形外科22.7%などが続き、有床診療所全体では16.1%だった。

■外来管理加算の割合も
  外来管理加算だけの割合を見ると、無床診療所では皮膚科5.5%、外科5.3%、内科5.1%などの順で、全体では4.1%。有床診療所では皮膚科4.4%、内科4.2%、小児科3.8%などの順で、全体では3.1%だった。』

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2008.06.04 ☆6月4日の中医協 後期高齢者医療制度の廃止=総会に馴染まない
  4日夜、キャリアブレイン→

  『厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は6月4日、総会(第129回)と診療報酬基本問題小委員会(第122回)を開催した。舛添要一厚労相が5月30日の厚労省の会議で「(中医協は)透明性がない」と発言したことに対して、遠藤会長は総会の冒頭で不満を表した。後期高齢者医療制度の廃止に関する質問に対しては、「総会の議題にはなじまない」と一蹴(いっしゅう)する場面もあった。(新井裕充)

  総会の議題は、▽医薬品の薬価収載▽DPCにおける高額な新規の医薬品などへの対応▽在宅自己注射▽2008年度診療報酬改定結果の検証▽その他―の5点。

  冒頭、遠藤会長が舛添厚労相の発言について、「不透明と言われるゆえんは毛頭ない。大変困惑している」と不満を表した。遠藤会長は、中医協の事務局を務める厚労省に対し、「舛添厚労相の真意を確認し、誤解に基づくのであれば事実を的確に伝えてほしい」と求めた後、議事に入った。

  最初の議題の「医薬品の薬価収載」では、13日に収載予定の新医薬品(内用薬8、注射薬5)について、中医協・薬価算定組織の加藤治文委員長が報告した後、厚労省がこれらの新医薬品の収載などを提案した。通常、「医薬品の薬価収載」は委員から意見が出されずに了承されることが多いが、「中医協は不透明」との指摘を意識したのか、委員からの質問が相次いだ。

  問題となったのは、ノーベルファーマの「ルナベル配合錠」で、「子宮内膜症に伴う月経困難症」に効能・効果があるとする内用薬。この薬について、厚労省は処方日数の「14日制限」を解除。「薬価収載後1年間、投薬期間を14日に制限するのではなく、30日に制限する」との注意書きを付けた。「臨床試験で有効性や安全性が確認されている」との厚労省の説明に対し、大島伸一専門委員(国立長寿医療センター総長)が「きちんと科学的根拠を示す必要がある」と指摘。厚労省は「今回は例外的なケース」と説明した。

  また、塩野義製薬と大日本住友製薬の血圧降下剤「イルベサルタン」と、中外製薬の注射薬「トシリズマブ」について、支払側の対馬忠明委員(健保連専務理事)が「今回、市場規模の予測が約500億円の薬が2つある。新規性が高いなら理解できるが、そうではない。これは販売戦略か、よくあることか」と質問。厚労省の薬剤管理官は「全体の市場が約4000億円で、製薬企業の見込みはその1割。必ずしも変ではない」と回答した。審議の結果、今回提案された13種類の新医薬品はすべて承認された。

「  DPCにおける高額な新規の医薬品などへの対応」では、13日に収載予定の新医薬品のうち、入院費の包括払い方式(DPC)に関係する3種類の医薬品について、包括評価の対象外とすることを承認した。
このため、次の診療報酬改定まで出来高算定(包括評価の対象外)となる医薬品に、ファイザーの「スーテントカプセル」、バイエル薬品の「ゼヴァリン イットリウム」と「ゼヴァリン インジウム」の3品目が加わった。

  「在宅自己注射」では、関節リウマチに対する治療に使用する「アダリムマブ」について議論が紛糾したが、最終的には承認された。
「在宅自己注射」とは、長期にわたって頻繁に注射する必要がある患者の利便性を考慮して、自宅でも注射できる薬剤の保険適用を限定的に認めることで、現在18種類ある。
今回、厚労省は「フォリスチム」と「アダリムマブ」の2種類の薬剤の保険適用を提案。このうち、「アダリムマブ」の用法を「2週間に1回、皮下注射する」とした。

  これに対して、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)が異を唱えた。「これを認めてしまうと無限に広がる。基準を明確にしないと、なし崩し的に例外が増える」と指摘、自己注射した後に病状が急変した場合への対応などを懸念した。西澤委員は「2週間に1回なら、医師の訪問診療や訪問看護の際に注射すべき」と慎重な対応を求めた。
遠藤会長は再審議を提案したが、山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)が「次回の審議にすると、また延びてしまう。現在通院している患者のことを考えるべき」と主張。厚労省は「在宅自己注射には、外来通院の困難性という視点もある」と強調した。議論の末、今回提案された2種類の薬剤の保険適用が承認された。

  「2008年度診療報酬改定結果の検証」では、5月21日の検証部会で決定した調査項目について、同部会の庄司洋子部会長(立教大大学院教授)が報告した後、保険局の担当者が「検証の視点」「調査対象」などを説明した。
今年度の調査項目は、▽勤務医の負担軽減▽外来管理加算▽後発医薬品の使用状況▽後期高齢者医療制度(後期高齢者診療料)▽同(後期高齢者終末期相談支援料)―で、来年度の調査項目は▽明細書▽医療機能の分化と連携▽回復期リハビリの「質の評価」▽歯科外来診療環境体制加算▽ニコチン依存管理料。

  質疑では、藤原淳委員(日本医師会常任理事)が「外来管理加算」にかみついた。今回の改定で5分程度の説明が算定要件に加わった同加算について、「かつて経験したことがないほど、現場から不満が噴出している。『5分間要件』の呪縛(じゅばく)から解き放してほしい」と強い口調で不満を表したが、遠藤会長は「中医協小委員会での議論だ」と一蹴した。
このほか、対馬委員から「来年度に調査する項目が次回の改定に生かせるかどうか心配だ」との意見も出された。
審議の結果、「調査の項目」「検証の視点」「調査年度」など、改定の影響を調査する事項の大枠は了承された。具体的な調査内容は、検証部会で引き続き審議する。

  最後の議題の「その他」は、撤廃を求める動きが活発化している「後期高齢者医療制度」。保険局の原徳壽・医療課長が「与党のプロジェクトチームから一定の方向性が出ると聞いている。(厚生労働)大臣も考えを出すようなので、中医協での議論が必要なものがあるかもしれない。その際にはよろしくお願いしたい」と述べた。

  これに対して、大島委員が「後期高齢者医療制度が廃止になったら、どのような影響が出るのか」と質問したが、中川俊男委員(日医常任理事)が「政治的な議論は総会になじまない」と遮った。遠藤会長も「この場の議題として取り上げるべきではない」と同調した。大島委員は「手続き上の問題だけではどうか。廃案になったら、現在進んでいる手続きはストップするのか」と粘ったが、対馬委員も「大島委員の気持ちは分かるが、やはり問題ある」と反対したため、大島委員は質問を取り下げた。竹嶋康弘委員(日医副会長)は「中医協には限界がある」と強調した。

■ 診療報酬基本問題小委員会(小委、遠藤久夫委員長)
  総会に続いて開かれた小委では、「基本診療料(初診料・再診料)」について審議した。原課長は冒頭、「次回の診療報酬改定に向けて議論する場合、『基本診療料』『DPC』『薬価』が重要な事項となる。本日は『基本診療料』のうち、初・再診料について議論していただきたい」と述べ、「初診料、再診料の考え方」と題する資料を提示した。

  この日、厚労省が示した資料は、「初・再診料の点数」「初・再診料に含まれると考えられる項目」「初・再診料の点数の変遷」など。

  質疑では、対馬委員が資料について強く批判。「資料には『考え方』と書いてあるが、単純に点数などが書いてあるだけではないか。これで『考え方』と言えるのか」と追及した。西澤委員もこの意見に賛同し、「初・再診料の考え方は、『診療報酬とは何か』という問題に行き着く。基本診療料は『医師の技術料』といわれるが、そうでないものも含まれている。議論の材料(資料)をもっと整理する必要がある」と注文を付けた。
藤原委員は再び「外来管理加算」に触れながら、「基本診療料も明確になっていない。これまでの政策を進めてきた厚労省の基本的な考えをプレゼンテーションすべきだ」と求めた。

  遠藤委員長は「幅の広い議論だ。多様な意見が出たので、要望にかなう資料をあらためて提出してほしい」と厚労省に求め、この日の小委は終了した。』
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2008.06.04 ☆研修医バイトに厚労省が罰則、定員削減決める
  3日夜、讀賣新聞→

  『医師法で禁じられている臨床研修医のアルバイト診療をめぐり、厚生労働省が、今年度にアルバイトが発覚した研修先病院に対し、罰則として今後の研修医定員を削減することを決めた。

  近畿地区で昨年度に実施した調査の結果、34病院の研修医157人のアルバイトが判明したため、同省は対策の強化が必要と判断。定員削減は、研修医の数に応じて交付される補助金の減少や診療体制の縮小につながり、病院運営にも影響を与えそうだ。
医師法に基づく臨床研修医制度は基本的な診療能力の習得が目的で、医師免許取得後、国が指定する病院や大学病院などで2年間、内科や外科などの研修を義務付け、昨年度は全国で約1万6000人が研修を受けた。同法は研修への専念義務を定めており、別の病院でのアルバイト診療は認められない。

  しかし、同省近畿厚生局が昨年度に近畿地区で行った調査では、同地区の研修医約3000人のうち大阪府内27病院の126人、兵庫県内6病院の30人、奈良県内1病院の1人のアルバイトが判明。大阪大付属病院が19人で最も多く、大阪市立総合医療センターと神戸大付属病院もそれぞれ14人だった。
大量違反の判明を受け、同省は再発防止策を検討。今年度以降、アルバイトが発覚した研修先病院に対し、違反者の人数に応じて次年度の研修医定員を減らすことを決めた。

  今回の調査では、過去にアルバイト問題で同厚生局から厳重注意を受けながら新たにアルバイトが確認された兵庫医大病院など4病院が、国の補助金計3000万円を返還した。

  同省は「病院が、研修医の管理指導を適正に行っていないとみなす。医師不足の中で、定員削減は病院にとって影響が大きく、研修医の管理を徹底するのではないか」としている。』
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2008.06.01 ☆精神科患者の支援、人手不足
  30日夜、キャリアブレイン→

  『アルツハイマー病や統合失調症などで「精神病床」に入院している患者の退院促進策や地域の支援体制などを議論している厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」(座長=樋口輝彦国立精神・神経センター総長)がこのほど開かれ、精神障害者を支える「精神保健医療体系の現状」をテーマに意見交換した。委員からは「准看護師には病院からの訪問看護が認められていないので、もっと准看護師の活用方法を考えるべき」「システムをつくっても動かない。マンパワーが足りない」など、人材確保の必要性を訴える意見が相次いだ。

  検討会は、2014年までに見直しを図る「精神保健医療福祉の改革ビジョン」に基づいて、「後期5年間」の重点的な施策を09年9月に策定する必要があるため、今年4月に設置された。

  3回目となった5月29日の会合で、厚労省側は「全体的な具体像を示すには至っていない」と前置きした上で、精神障害を抱える人たちを支援する体制(精神保健医療体系)のアウトラインとして、▽相談体制▽入院医療▽通院・在宅医療▽医療体制・連携▽質の向上―の5つの柱を示した。

  「相談体制」では、02年に保健所が実施した「精神保健福祉相談」を利用した「被指導延人員」が02年から05年にかけて減少する一方で、市町村の「被指導延人員」が増加に転じていることや、保健所が市町村から受ける相談内容として「困難事例の解決」が99.5%を占めていること(07年厚生労働科学研究)などを示した上で、今後の課題を提示した。
具体的には、▽精神保健福祉センターや保健所、市町村などの行政機関と医療機関の役割分担▽行政機関内での役割分担▽障害者自立支援法などの「精神障害者福祉」に関する相談体制と、「精神保健」に関する相談体制との関係―などを整理する必要があるとした。

  「入院医療」では、精神病床に入院している患者約32万4000人(05年)のうち、約19万6500人(同)が統合失調症であることや、55歳以上の入院患者が増加しているとのデータなどを示した上で、精神病床の機能を病期(急性期、回復期、療養期)に応じて分けることや、疾患(統合失調症、認知症、うつ病など)に応じて入院の機能を分けることなどを提案した。

  「通院・在宅医療」では、精神科デイ・ケアなどの利用状況や、訪問看護の効果などを示した上で、症状に応じたデイ・ケアの機能分化や、精神科の訪問看護をさらに普及することなどを提案した。

  「医療体制・連携」では、精神科の救急医療体制の整備状況や、各都道府県が策定する「医療計画制度」の見直しなどを示した上で、「精神科救急医療体制の充実」や「精神医療における病院と診療所の機能とその分担」など、6つの課題を提示した。

  「質の向上」では、抗精神病薬の処方で日本は欧米に比べて「3剤以上」が多いことや、精神科病院に勤務する准看護師が1999年(3万9622人)から2005年(3万7090人)にかけて減少していることなどを示した上で、今後取り組むべき課題として、薬物療法と精神医療にかかわる人材の確保などを挙げた。

  質疑で、小川忍委員(日本看護協会常任理事)は財源や人員の問題に触れながら、「精神障害だけが別格という議論をしてきたが、看護師の配置などを一般病床と同じベースで考えるべきだ。『精神は別格だ』という特別視が差別や偏見につながっている」と指摘し、人材確保に焦点を当てた議論を求めた。
広田和子委員(精神医療サバイバー)は「ベッドが足りないし、医師は不足している。精神科のクリニックは『協力する』という手ぬるいことを言わないで『参画する』ということを打ち出すべき」と強調。長野敏宏委員(特定非営利活動法人「ハートinなんぐん市場」理事)は「人材の再教育、再配置が大事。准看護師には病院からの訪問看護が認められていないので、もっと准看護師の活用方法を考えるべきだ」と要望した。谷畑英吾委員(滋賀県湖南市長)も「システムをつくっても動かない。マンパワーが足りない」と述べ、人材確保の必要性を強調した。』
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2008.06.01 ☆病院の1割で1億円超の未収金(医療)
  29日夜、キャリアブレイン→

  『未払いの治療費や入院料など一病院当たりの2006年度末現在の未収金総額が、前年度より66万7660円多い4581万382円に上っていたことが、厚生労働省の調べで分かった。未収金総額が1億円以上の病院も、全体の1割を超えた。未収金が発生した主な理由では、「分納中・分納交渉中」(16.6%)が最多で、「生活困窮で支払い能力がない」も10. 6%と多かった。また、治療費を払わない患者の26.1%が、以前にも払わなかったことがあることも分かった。

  同省は、4月23日に開かれた「医療機関の未収金問題に関する検討会」に調査結果の速報値を提示。今回は、追加データを反映したものを5月28日の同検討会に示した。

  それによると、06年度現在の一病院当たりの未収金総額は4581万382円で、05年度末の4514万2722円から66万7660円増えた。04年度末現在では4376万1203円。06年度末時点で未収金総額が1億円を超えていた病院も、全体の10.5%あった。

  また、07年12月の未収金の発生件数は一病院当たり31.5件で、金額は144万8598円だった。一件当たりの平均金額は、入院で11万7565円、外来で1万1256円。入院分の未収金は、件数ベースでは全体の32.6%にすぎなかったが、金額ベースでは83.5%を占めていた。

  未収金が発生した理由は、「分納中・分納交渉中」(16.6%)、「回収の働き掛けをしていないため、理由が分からない」(12.1%)、「生活困窮で支払い能力がない」(10. 6%)などの順。支払い能力はあるが、初めから払う意思がないケースも9.5%あった。また、治療費を払わない患者の26.1%は、以前にも払わなかったことがある「リピーター」だった。

  このほか、病院による回収のための取り組みとしては、全体の9割以上が「電話による催促」や「文書による催促」を行っていた。債権回収業者を利用する病院も5.3%あった。

  同省が、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の加盟病院を対象にアンケート調査を実施。2844病院に調査票を送り、812病院から回答を得た(4月22日現在、有効回収率28.6%)。回答病院の平均病床数は264.6床で、全国平均の181.9床を上回っている。』
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2008.05.22 ☆専門看護師・認定看護師制度…上質の看護提供 広がる活躍の場
  22日、讀賣新聞→

  『医療の高度化・複雑化に伴い、患者・国民のニーズも多様になる中、看護の分野でも専門的な知識や技術が求められています。それに応じ、質の高い看護を提供するため養成されているのが「専門看護師」と「認定看護師」です。医療法改正で昨年から広告可能な専門資格となり、各医療機関がどんな専門性をもつ看護師がいるか情報提供できるようになりました。
専門看護師の制度ができたのは1994年。受験資格は、看護師等の国家免許を持つ人が<1>看護系大学院修士課程を修了し、<2>実務経験が通算5年以上――などで、日本看護協会が認定します。「がん看護」と「精神看護」の2分野から徐々に拡大し、現在10分野に増え、認定者数は238人、教育課程をもつ大学院は34。

  ただ、当初は看護系大学の数も少なく、養成が急には進まないことから、専門看護師制度ができた翌年に認定看護師の制度が発足しました。実務経験が5年以上で、看護協会や大学が実施する認定看護師教育課程を修了し、書類審査と筆記試験を経て認定されます。「救急看護」など現在18分野計3367人が認定を受けています。

  役割は、専門性の高い看護を行うほか、患者家族を支える様々な医療・福祉サービスの調整や教育・研究活動などがありますが、最近は活躍の場が広がっています。例えば、今年度の診療報酬改定では、医師だけでなく「糖尿病看護認定看護師」など専門研修を修了した看護師が、糖尿病に伴う潰瘍(かいよう)や神経障害など足の合併症を起こすリスクの高い患者に重点的な指導・管理を行うことが評価されることになりました。血糖値の管理など合併症予防の看護外来(看護師による個別指導)も可能になりました。また、がん診療を担う拠点病院では、がんに関する専門看護師、認定看護師などの配置が義務づけられるようになってきました。

  しかし、専門資格を持つ看護師の数はまだまだ足りません。数年後には認定看護師は約1万人になる見込みですが、全看護師の1%にすぎません。また、がん診療連携拠点病院は全国に351あるのに対し、がん看護専門看護師は104人しかいません。今後、質を維持しながら養成数を増やすとともに、専門性が発揮できる雇用環境を整備していく必要もあるでしょう。』
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2008.05.20 ☆医薬品販売の議論が足踏み 薬事法改正で
  19日夜、キャリアブレイン→

 『コンビニエンスストアが大衆薬(一般用医薬品)を販売できるなど、医薬品の販売制度を全面的に見直した改正薬事法の施行を来年度に控え、販売体制や環境の整備を図る省令などの制定に向けた検討が足踏みをしている。厚生労働省はこのほど、「医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会」(座長・井村伸正北里大名誉教授)で、これまでの議論を踏まえた「報告書案」を提示したが、意見はまとまらなかった。

  5月16日の検討会で、厚労省は意見が分かれている「管理者の指定の基準」の項目だけを両論併記で示し、その他の項目について意見を求めたがまとまらなかった。厚労省は6月に開催する次回の検討会で報告書をまとめたい考えだが、調整は難航しそうだ。

  医薬品の販売制度をめぐっては、消費者が一般用医薬品を手軽に購入できる「利便性」と、医薬品を安心して購入できる「安全性」のはざまで議論が揺れている。
  2006年の改正薬事法は、規制緩和を求めるスーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストアなどの声を受け入れたが、医師の処方せんなしで購入できる一般用医薬品の中には、副作用を引き起こす可能性が高い成分を含むものもある。

  このため厚労省は3月30日、医薬品をリスクの程度に応じて3グループに分類する「一般用医薬品の区分リスト」を各都道府県に通知。(1)特にリスクの高い医薬品(第一類医薬品)(2)比較的リスクの高い医薬品(第二類医薬品)(3)比較的リスクの低い医薬品(第三類医薬品)―の3グループと、該当する医薬品の種類などを明示した。

  厚労省の検討会では、一般用医薬品のリスクの程度に応じた販売体制の在り方が議論になっており、「店舗の管理者は薬剤師か、登録販売者でもよいか」(管理者の指定の基準)が最大の争点になっている。』
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2008.05.17 ☆医療事故防止キャンペーン始まる
  17日夜、NHK→

  『全国の病院に医療事故を防ぐための対策を進めてもらうことで、医療事故で亡くなる人を2年間で1万人減らそうというキャンペーンが始まることになりました。このキャンペーンは、医療の質・安全学会や日本医師会などが全国の病院に呼びかけて行うもので、17日に東京・千代田区で説明会が開かれました。

  参加する病院は、危険な薬を誤って投与しないようにする対策や、院内感染を防ぐ手洗いの徹底、医療機器の安全な操作など、8つの項目から1つ以上を選んでインターネットで登録し、医療事故の防止に取り組みます。厚生労働省の研究班の報告では、入院患者の6.4%が医療行為によって何らかの被害を受けているということで、主催する団体では、キャンペーンを通じて、再来年5月までの2年間に30万件の事故を減らし、1万人の命を救うことを目指しています。

  医療の質・安全学会の高久史麿理事長は「相次ぐ医療事故によって医療への信頼が揺らいでいる。全国3000以上の病院にキャンペーンに参加してもらい、目に見える成果を出して、医療に対する患者の信頼を高めたい」と話しています。』
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2008.05.17 ☆地域医療:政府、一体化支援 診療報酬割り増し検討
  16日、毎日新聞→

  『政府は15日、地域の複数の病院や診療所がグループ化して機能を分担し、救急医療、高度・専門医療から外来診療、健康相談まで一体的な医療サービスを提供する場合、診療報酬割り増しなどの支援策を講じる方向で検討に入った。地域病院の役割分担を明確化することで医師不足に対応、救急患者のたらい回しなども極力回避できるようにする狙い。
政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大教授)が6月上旬にまとめる中間報告で、地域医療再生に向けた地域医療機関の強化策として打ち出す。

 地域医療機関のグループ化ではまず、複数の市町村にまたがる地域で、救急医療や高度医療を行う中核病院を決める。そのうえで、周辺の病院は専門医療や外来診療、日常の健康管理を行う医療機関にそれぞれ転換。「かかりつけ医」も含め、地域として一体的な医療体制を整える。

 グループ化で人や設備など限られた資源を効率的に活用し、地域全体として充実した医療サービスを提供できるようにする。
すでに、地方自治体が運営する病院では複数の市町村が参加する広域連合単位で機能再編やグループ化の試みが始まっている。ただ、「地域医療の充実には、一般病院や診療所などの医療機関もグループ化することが不可欠」との指摘も多い。このため、政府は診療報酬の割り増しなど新たな支援措置を導入することで、グループ化を促したい考えだ。』
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2008.05.15 ☆診療報酬2年ぶり改定 戸惑いの医療現場
  15日、中日新聞→

  『病院で治療を受けたり薬を処方してもらったりする時にかかる診療報酬が四月から二年ぶりに改定された。患者の負担増や医療機関の減収につながる場合もあり、医療現場からはさまざまな戸惑いや不信の声が聞かれる。 (佐橋大、野村由美子)
今回の報酬改定で医療機関の戸惑いが大きいのは、患者に対し問診や療養の注意をする際の「外来管理加算」で、「おおむね五分以上の診察」という要件が新設されたことだ。
これまでは、病床二百床未満の病院や診療所は、診察と投薬のみの再診患者に、診察の長さに関係なく一回五百二十円の外来管理加算を請求できた。それが「外来管理加算は丁寧な説明への報酬」(厚生労働省)という理由で、「診察時間がおおむね五分以上」(同)の場合にしか請求できなくなった。

  「漫然と聴診器を当てて薬を出すだけの医療を改善するには、いいこと」と医師、患者双方から評価する声もあるが、愛知県春日井市の竹内医院(内科・小児科)の竹内達生院長はこう反論する。
「患者には、事細かく療養上の注意をしてほしい人もいれば、嫌う人もいる。患者が注意を受け入れてくれるように、説明の時間を調節するのも必要。時間のかかる医療の方が良い医療といえるだろうか。予約患者のカルテに前日に目を通し、診察時間を減らしている努力も考慮されないのは不合理」

  愛知県保険医協会が県内の医療機関を対象に三月に実施した調査では、これまで外来管理加算を請求してきた約36%が対象外となり「医療機関の採算が悪化し、医療崩壊が進む」と懸念する。
また、神奈川県保険医協会が同時期に県内の小児科診療所に限って行った調査では、75%の外来管理加算が算定できなくなる。「外来加算のために診察時間を長くすれば、待ち時間も長くなり、患者が医療機関で別の感染症にかかるリスクが高まる。五分以上のために、待ち時間が長くなったという影響も実際に聞いている」と、同協会の担当者は指摘する。


  深夜・早朝、休日の「時間外」の診療報酬の算定も変わった。
名古屋市内の男性会社員(59)は、四月に入って、かかりつけの医院に午後六時十五分ごろ受診したところ、時間外の本人負担分(三割)として百五十円が加算されていた。受付で午後六時以降は割り増しになったと説明され「たった十五分遅いだけで…」と憤る。
今回の改定により、診療所では、開業時間内でも土曜日を含む平日の朝(午前六-八時)、夜(午後六-十時)などの診療に、五百円を加算できる。調剤薬局でも平日の夜(午後七時以降)などが新たに時間外になった。
背景には、病院の勤務医不足の問題がある。夜間も開く診療所が増えれば、軽症の患者を受け入れることで、救急を手掛ける病院の負担も軽くなるからだ。しかし、名古屋や京阪神などの都市部では、時間外加算なしで夜間診療をしてきた診療所も多く、患者には違和感が強い。このため「今まで通ってきた人に急に請求できない」(開業医)という声もある。

  調剤薬局では「今日でなくていい薬なら明日午後七時前に来てください」とアドバイスするところも。
名古屋市天白区で午後八時から十時までの夜間救急システムを実施する「小児科医ネットワークなごや」のメンバーで朽名昌彦・平針原クリニック院長は「もともと午後七時、八時まで診療してきたのに、患者さんに時間外加算について説明するのは心苦しい。患者さんが安心してかかれる医療の体制づくりを国は考えてほしい」と話す。

  このほか、後発医薬品(ジェネリック医薬品)については四月から、医師が「使用不可」と処方せんに署名しない限り原則使用できることになったが、薬局では「ジェネリックを求められても何千種もある薬から、すぐに出せなかったり、取り寄せが必要だったりする」と戸惑いを隠せない。』
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2008.05.14 ☆看護教育4年制移行を議論する場?
  13日夜、キャリアブレイン→

  『5月12日に開かれた厚生労働省の「第5回看護基礎教育のあり方に関する懇談会」。「修業年限についてはテーマではない」という前提のはずだったが、この日の議論では年限問題が随所に顔をのぞかせた。

  そもそも日本看護協会(久常節子会長)は、看護師の基礎教育を現在の3年制から4年制にすべきだという姿勢を打ち出している。また、准看護師の養成は停止し、移行教育の上、資格を看護師に統一すべきだとも主張している。この懇談会では、同協会の副会長でもある聖路加看護大の井部俊子学長が委員になっており、看護界の「代表」としての主張をしてきた。一方、日本医師会は准看護師制度の存続を強く訴えてきた経緯がある。
  この日、懇談会がヒアリングを行った日医の羽生田俊常任理事は、地域医療における准看護師の役割をあらためて強調。各地の医師会で准看護師の養成学校を運営していることが、地域の看護職確保に大いに役立っていると主張した。

  さらに質疑応答の中でも、随所に修業年限の問題が取り上げられた。
  「臨地実習での制限が多い」という議論の中では、羽生田氏が「冗談半分として聞いていただきたい」と前置きはしたものの、「みんな2年コースとすれば、准看護師の免許を持って実習に行ける、ということも考えられなくはない」。

  また、井部氏が「医師と看護師は車の両輪。片方がいびつではうまく走れない。大きさ、形をそろえてうまく走るには、教育背景を一緒にする必要がある。そのための展望は」と質問したのに対し、羽生田氏は次のように述べた。
「わたしはそうした看護師さんがいてもいいと思う。しかし、すべてがそうなる必要があるのか、とも考える。例えば、われわれの診療所で、大学を出た看護師さんが、大学で得た高度な知識・技術を生かせる場はほとんどない。現場に対応できるレベルの知識・技術は当然必要だが、全体として見た時、基礎教育というのは最低限どこまでできればいいかというもの。高度な医療技術を身に付けるのは基礎教育ではない。そうした部分は上積みの教育で考えるべきだ」
  看護職員の養成には複数の選択肢が必要で、4年制にこだわる必要はないと、否定的な見解を示した。

  また、看護師の20年後の在り方に絡んで、看護師の業務範囲の拡大について問われると、「看護師に求められる業務については、今現在の法律上でできることもしていない。また、業務拡大を望んでいない看護師もいる。基礎教育という中では、初めから業務拡大ありき(で年限延長)の議論をすべきではない」と述べた。

 一方、全日本病院協会の西澤寛俊会長は、4年制に移行する、しないの議論の前に、現在の3年制の問題点を追及し、改善していくべきだと述べた。
  西澤氏は「3年制の中で教育時間を増やしていくことは可能。その上で、4年制への移行を議論・検討すべきでは」と、現時点での4年制への移行論議は時期尚早との考えを示した。
  ただ、准看護師の問題には触れずじまいで、医療の急速な進歩による高度化に対応するには、長期的な課題として4年制移行も否定しないと発言。病院団体である全日病と、開業医が中心の日医との間に微妙な温度差があることが見て取れた。』
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2008.05.14 ☆DPC算定病床、一般病床の3割超に
  13日昼、キャリアブレイン→

  『厚生労働省はこのほど、投薬や注射、入院などの費用が病名ごとに決められた一日当たりの定額制になる「DPC対象病院」に、今年度から新たに358病院が加わると発表した。これにより病床ベースでは、91万1014床(2006年10月現在)ある全一般病床の31.7%に当たる28万8610床が、DPC算定病床となる。

  06年度からデータ提出のみの形で参加していた「DPC準備病院」371施設から、▽DPCへの参加を希望する▽「10対1(患者10人に対し看護師1人)」以上の看護配置をしている―など一定の基準を満たす病院を選定した。

  新しいDPC対象病院のうち174施設は4月から参加済みで、7月に残りの184施設が加わる予定だ。

  DPC準備病院のうち、DPCへの参加を希望する施設を対象に開催した説明会には、371施設中358施設が参加していた。DPCへの移行を見合わせた13病院は、今年度以降も引き続き準備病院として参加する。

  これにより、昨年度までに参加済みの360病院を合わせると、DPC対象病院は計718施設になる。国内の全一般病院8943施設(06年10月現在)の8.0%がDPC対象病院になる計算だ。』
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2008.05.12 ☆診察「5分ルール」に反発 大幅減収に、と医師ら
  12日夜、共同通信→

  『4月から実施された診療報酬改定で、再診の際に医師が診察や説明に5分以上かけないと報酬の一部が支払われない「5分ルール」について、医師らが反発。厚生労働省は「丁寧に診てもらうため」と説明するが、医師からは「診療内容を時間で評価するなんて」「医師への報酬が減る」との声が聞かれる。

  5分ルールが適用されるのは、医師が患者に療養上の注意など医学管理を行った場合に1人当たり520円の報酬となる「外来管理加算」など。これまでも再診料に加えてこの加算が請求されるケースが多かった。

  厚労省によると、5分要件は「患者が診察室に入って出るまでの時間」。そのまま適用すると診察できる患者数は1時間当たり最大で12人までしか算定できない計算になる。

  こうした状況について、横浜市のある小児科医は「診療の質は時間ではかれない。ばかにされている気分で、やる気を失ってしまう」と憤る。』
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2008.05.10 ☆後期高齢者終末期相談支援料:希望未確認でも算定--厚労省通知
  10日、毎日新聞→

  『厚生労働省は9日の民主党厚労部門会議で、終末期の75歳以上の人の診療方針を患者らと話し合い、内容を文書などに記録した場合に算定できる診療報酬「後期高齢者終末期相談支援料」(2000円)について、病状急変時の診療方針などで患者の希望を確認できなくても、算定を認めると都道府県などに通知したことを明らかにした。支援料は、08年度の診療報酬改定で新設された。終末期を迎えた75歳以上の人の病状急変に備え、あらかじめ診療方針を患者や家族と話し合い、文書や映像で記録した場合に算定できる。

  しかし、野党は「延命治療の中止など、患者に意思決定を無理強いする」と批判しており、厚労省は自治体などへの通知文に、患者の希望を「不明」や「未定」としていても、差し支えないと明記した。』
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☆日医の中川理事、財政審に反論 「病診格差是正、はなはだ場違い」
  9日夜、キャリアブレイン→

  『財政制度等審議会(財政審)における議論の中で、現在の診療報酬は「診療所優位」として格差是正を求める声が上がっていることについて、日本医師会の中川俊男常任理事は定例の記者会見で、一般診療所で掛かっている医療費が病院よりも少ない点などを指摘して、こうしたとらえ方に反論した。


  中川氏は、診療所では再診料が病院よりも高く設定されている一方で、病院が算定できる「入院時医学管理加算」が入院設備のある有床診療所では算定できない点などを強調。「病院と一般診療所の数の比率はおおむね1対9だが、必要な医療費は7対3と逆転する」と述べた。
  その上で、「病院と診療所の(点数)格差については、中央社会保険医療協議会(中医協)で継続的に議論することになっているので、この結果を尊重すべきだ。表面的なことだけを見て病診格差を是正すべきだと言うのは、はなはだ場違い。医療関係者や国民に対して失礼だ」と財政審を厳しく批判した。

  財政審の部会が4月25日に実施した医療関係者からのヒアリングでは、診療所に比べて大規模病院が診療報酬の面で冷遇されているとして、改善を求める声が出た。また、部会終了後の記者会見で財政審の西室泰三会長は、中医協について「利害関係者間の議論になるので、小幅な改正(診療報酬の改定)しかできない」と発言し、中医協改革が必要だとの考えを表明。このほか、外来診療に掛かる医療費の一部を患者負担扱いにする「保険免責制」の導入の必要性にも言及している。

  このうち中医協改革について、中川氏は会見で、「支払側と診療側と公益委員がいる。相対的にも絶対的にもバランスが取れたメンバー構成と言えるのではないか」とする一方で、「財政審こそ偏った利害関係者の集合ではないか」と強調。「財政審の言う中医協の在り方が非常に問題だというのは当たらない」と反論した。

  保険免責制については、「いったん導入されると、なし崩し的に限度額が上がるのは、患者負担の引き上げの歴史からみても明らか」と述べ、患者による受診抑制や公的負担の形骸(けいがい)化への懸念を表明。さらに、「一時的には国の財政や経済界にメリットをもたらすかもしれないが、最終的には疾病の重症化や公的保険の崩壊につながり、誰も幸せにならない」と述べた。』
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2008.05.07 ☆医師への診療ガイドライン、患者向けに解説・医療機能評価機構
  7日夕、日本経済新聞→

  『医師向けの診療ガイドラインを患者や一般の人にも参考にしてもらおうと日本医療機能評価機構(東京・千代田)が「解説」作りに取り組んでいる。要点を抜き出し、表現をかみ砕いたコメントを付ける形式で、すでに4つのガイドラインで完成。同機構は「主治医の説明を理解したり、質問したりする上で、解説を活用してほしい」としている。

  診療ガイドラインは、医師の“我流”で行われがちだった治療を、科学的根拠の有無の観点からチェックし、推奨できる治療法を示す指針。学会などが作成、数年ごとに改定する。ただ、その数は数百ともいわれる。同機構はその中から、基準を満たすガイドライン約50をサイトで公表しているが、それでも専門用語や統計データが多く、一般の人がただちに理解するのは難しい。』
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2008.05.07 ☆緊急リポート:「国立」病院廃止の深層(後編)
  6日、キャリアブレイン→

〜(後編)問われる新型インフル対策■断ち切られる病診連携

  「横浜市として、なくなったら困る。何とかしてほしい」―。南横浜病院の廃止に対し、横浜市の担当課長は不安を隠せない。
市は4月8日付けで、独立行政法人国立病院機構に対し「市内における適切な結核医療体制の確保を図るため、特段の注意を払うよう要請する」との要望書を提出したが、先行きは不透明だ。

  同市によると、南横浜病院の廃止問題について同機構と協議を開始したのは昨年末。
話し合いを重ねる中で、市側は結核医療を専門とする同病院の役割を強調。再三にわたり廃止取りやめを申し入れたが、同機構は「神奈川県全体に結核患者があふれることはない。秦野市にある神奈川病院で吸収できるから大丈夫」と説明したという。

  市の担当者は「理屈は分かるが、南横浜病院の患者が神奈川病院に行くには遠過ぎる」とこぼす。横浜市から秦野市まで直線距離で約45キロ、急行電車で約1時間かかる。転院する患者の負担面だけでなく、横浜市の感染症対策に与える影響も大きい。

 同市によると、市内で発生する結核患者(年間約800人)のうち、およそ半数が南横浜病院に入院。特に、日雇い労働者のための簡易宿泊所が多い中区の寿町には、結核の罹患(りかん)者が多いため、市は1999年度から寿町への服薬支援事業を展開している。その中心的な役割を果たしてきたのが、同病院と寿町の診療所との「病診連携」だった。
市が懸念するのは、同病院の廃止によって「病診連携」が断ち切られ、減少傾向にある結核罹患率が増加に転じること。しかし、それ以上に深刻なのは、新型インフルエンザが発生した場合の対応だ。

■心配される“地域格差”
  同市は新型インフルエンザ発生時の行動計画の中で、同病院の役割を重要視している。具体的には、新型インフルエンザの感染患者を第一次的に横浜市立市民病院に受け入れてもらい、そのベッドが満床になったら南横浜病院が受け入れるという計画だが、市民病院に結核病床はなく、感染症患者のための病床はわずか26床。感染症の病原体を院外に拡散させない「陰圧病床」を有する南横浜病院が廃止された場合、新型インフルエンザ対策に必要な体制を取れるのだろうか―。
市の担当者は「採算が合わないので、多額の費用を掛けて新たに結核病床をつくる病院があるとは考えにくい。できれば南横浜病院を残していただきたい」と話す。

  神奈川県の受け止め方はどうか。県の担当者は「感染症指定医療機関は県内に8か所しかないので、これでは足りなくなる」と困惑している。「排菌が継続している結核患者が入院する病院がないと困る。機構は県内全域での病院数の過不足を判断し、神奈川病院で患者を吸収できるとみているようだが、地域間の偏りが出ないか心配だ」

■ 廃止に反対の署名活動も
南横浜病院の近隣の自治会では、廃止に反対する署名活動も始まった。「新型インフルエンザが大発生したら、この地区では対応できなくなる。南横浜病院以外に空きベッドはないのではないか。この状況をどう考えているのか」と、地元の自治会長は語気を強める。
「以前、南横浜病院が経営に苦しんでいた時、“守る会”をつくって地域住民が活動したことがあった。独立行政法人化されるまでは、病院と地域が交流する『健康まつり』を毎年開催し、2003年には約6000人が参加した。地域住民として黙っているわけにはいかない」

「結核は国民病」という時代が終わったとはいえ、結核に代わる感染症への対策が終わったわけではない。「医療は国民の安全保障」ともいわれる。不採算を理由に「政策医療」を廃したとき、残るのは「格差医療」だろうか。企業経営と同様の経済原理だけで医療を論じていいのか、国の対応が今、問われている。
(完)
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☆緊急リポート:「国立」病院廃止の深層(前編)
  5日、キャリアブレイン→

  〜(前編)縮小する「政策医療」



  約70年の歴史を持つ横浜市の南横浜病院が、今年12月でその歴史に幕を閉じようとしている。独立行政法人国立病院機構が4月、同病院の廃止を決めたからだ。2004年に全国の国立病院・療養所が同機構に移行してから、赤字を理由に病院が廃止されるのは今回が初めて。結核医療の拠点となってきた同病院が廃止されると、神奈川県内の結核医療の基準病床が不足する。加えて、新型インフルエンザへの対策が急がれる中、同病院は感染症の病原体を院外に拡散させない「陰圧病床」を有している。このため、同病院の廃止による影響を懸念する声が少なくない。(山田利和・新井裕充)

■経営効率優先の医療
「  経営改善計画(再生プラン)の達成不能な病院として、貴院を廃止することとした」-。このような通知が4月8日、同機構から南横浜病院長に届いた。知らせはすぐに院内に広がり、職員や入院患者らに正式に廃止が伝えられた。
「病棟の縮小や赤字経営の問題で、ある程度は予想していたが、本当に残念」。同病院に28年間勤務し、あと4年で定年を迎える看護師はこう嘆いた。

  独立採算制の同機構では、経営効率を優先した病院運営を展開。過去の債務が返済できない、または単独で運営費を確保できない状況にあるなど、早急な経営改善が必要な病院に対して、病床規模や人員配置などを見直し、収入増とコスト減を図る「再生プラン」を策定するよう求めている。南横浜病院は3月に同プランを提出。しかし、「経営改善を行うとしても収支改善の見通しが立たず、約22億円の債務も返済できない状況にある」として、同機構が「達成不能」と判断し、廃止を決めた。

  同病院は、戦前の1937年に神奈川県立結核療養所として開院。結核医療のパイオニア的存在で、結核をはじめとする呼吸器疾患の治療や地域医療で中心的な役割を担ってきた。同機構に移行した2004年には、結核病床147床と一般病床138床の6病棟285床で運営。その後、結核患者に加え、一般医療の患者も減少する中、経営改善の一環として同機構が病棟を集約し、毎年1病棟ずつ閉鎖してきた。これにより、05年に5病棟、06年に4病棟、07年に3病棟、今年3月には結核病床49床と一般病床42床の2病棟91床にまで縮小していた。

  こうした経緯について、同機構の職員で構成する全日本国立医療労働組合(全医労)南横浜支部の役員は、「病棟の閉鎖によって収入が激減し、赤字が増えていたにもかかわらず、耐震工事やボイラーの設備更新などを行って支出を増やしたことで、経営状態が急激に悪化した」と指摘。「多額の債務といっても、多くは04年以降に累積したもので、意図的につくられた赤字、計画的に偽装した『倒産』というほかない」と、同機構を厳しく批判している。

■切られる不採算医療
  結核は、1950年ごろまで年間死亡者が十数万人に上り、日本人の死亡原因の第一位だった。このため、国を挙げて取り組まなければならない疾病を対象とする医療(政策医療)に位置付けられ、これを国立病院が担ってきた歴史がある。国立病院が2004年に独立行政法人国立病院機構に移行してからは、同機構の54結核病院(南横浜病院を含む)が受け継いできた。政策医療は民間の医療機関では取り組みにくい「不採算医療」が多く、結核医療も不採算部門となっている。

  神奈川県内の結核医療について、同機構は「県単位で神奈川病院(秦野市)に効率的に集約する」との方針を表明。しかし、同支部では「日本の結核罹患(りかん)率は諸外国と比べ依然として高い。強力な耐性菌の出現とともに、都市部の若年層の間で新たな広がりを見せている中、県都市部における結核など呼吸器疾患の治療に基幹的な役割を果たしてきた南横浜病院の廃止は深刻な影響を及ぼす」と警告している。

  結核などの政策医療が不採算医療として、効率優先の流れの中で縮小していくことに対し、ある関係者は危機感を強めている。
「赤字という理由だけで同機構の病院が廃止されるのなら、他の病院にも採算の取れないところから計画的な廃止や政策医療からの撤退の動きが波及するだろう。南横浜病院は、始まりにすぎない」』
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2008.05.06 ☆赤十字 “無断使用やめて” 日本赤十字社
  6日朝、NHK→

  『紛争地帯にあっても中立の立場でけが人を救護する施設などを示す「赤十字のマーク」が関係のない医療機関などに誤って使われるケースが多いとして、日本赤十字社は、無断使用をやめるよう呼びかけています。

  白地に赤い十字を描く赤十字のマークは、紛争地帯にあっても中立の立場でけが人を救護する施設などを示すもので、世界194か国が加入するジュネーブ条約で攻撃してはならない場所と定められています。国内でも日本赤十字社が使う場合と許可を受けて表示する場合を除いては使用が禁止され、違反すると懲役や罰金が科せられます。ところが日赤以外の医療機関や薬局、それに救急箱など医療に関係する施設や物に無断で使われることが多いということです。さらに最近では、医療保険の冊子や、高速道路の工事を知らせるチラシなど宣伝や広告でも無断使用が目立つということです。
  このため日赤は、赤十字のマークの意味を伝えるパンフレットを作り、正しい理解と無断使用の禁止を呼びかけています。

  日本赤十字社企画広報室の石川隆英広報主幹は「日本では赤十字のマークが医療や医薬品全般を表すものだと誤って認識されている。いざというとき役割を果たすためにも正しい理解を広めていきたい」と話しています。』
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2008.05.01 ☆二次救急医療機関への財政支援を
  1日夜、キャリアブレイン→

  『厚生労働省の「救急医療の今後のあり方に関する検討会」が4月30日に行ったヒアリングでは、医療法人の経営者や、すべての患者を救急室(ER)で初期診療するER型救急の担当医らが二次救急の現場の実態について報告した。 大阪市で加納総合病院を運営する特定・特別医療法人協和会の加納繁照理事長は、昨年4月から今年3月までの1年間に救急受け入れ要請があった9,229件のうち、6割を超える5,743件で対応できなかったことを明らかにした。受け入れられなかった理由としては、「処置中」が35%で最多。以下は、「適切な部屋がない」15%、「専門外」13%などの順だった。受け入れ不能は、医師や看護職員が少なくなる深夜帯(午後11時-午前8時)で特に多くなるという。

  また加納氏は、夜間救急に携わる医師や看護師、技師、事務職員らの人件費だけで年間1億6,000万円も掛かる一方で、救急搬送される患者の約1割で未収金が発生する現状も指摘。受け入れ不能の解消に向けた課題として、待遇改善を柱とする医師・看護師不足の解消や、未収金問題の解決を挙げた。

 加納氏は「二次救急医療に十分な点数が付かないことも現状としてある」との認識を表明。二次救急に積極参加する医療機関が算定できる「救急搬送加算」の新設など、財政面からの支援を求めた。

■ER救急の全国普及、今からでは困難
  福井大学医学部付属病院でER型の救急医として勤務する寺沢秀一氏は、ER型救急を今から全国展開することは困難との見方を示した。

  ER型救急では、担当医が全患者を初期診療した上で、入院や手術が必要な患者を各診療科に振り分ける。ER型救急の担当医は入院治療や手術を担当しない。

  寺沢氏によると、ER型の救急体制を取る場合には、▽受け入れ拒否が発生しない▽初期診療が標準化できる―などのメリットが見込める。しかし一方で、▽救命救急科や総合内科がないと、入院中の主治医が決まるまでに時間がかかるため、医療の質の維持が困難になる▽ER型救急医と各科の専門医の関係が悪化しかねない▽ERでの患者の待ち時間が長くなる―などのデメリットもあるという。

  寺沢氏は、ER型救急の普及を図るには、病院の経営陣や医療従事者だけでなく、患者の理解も不可欠との考えを表明。その上で、「ER型救急医の働き方を理解してもらえるまでには、ものすごく過酷な試練を経なければならない。ざっと20年はかかるが、今の救急医療の状況では20年後まで待てない」と述べ、これから全国規模でER型救急体制の普及を進めるのは困難との見方を示した。』
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2008.05.01 ☆「救急医療あり方検討会」がヒアリング
  1日、キャリアブレイン→

  『厚生労働省の「救急医療の今後のあり方に関する検討会」は4月30日、救急治療を終えた患者を受け入れる療養病床を持つ病院や救急医療の関係者らからヒアリングし、医療現場での救急受け入れ不能問題などの解決策を話し合った。この中で、国立病院機構大阪医療センター(大阪市)の定光大海救命救急医療センター長は、救急患者の受け入れ要請が増加する一方、自殺企図のある患者や脊椎(せきつい)損傷といった重症患者などは、救急医療を終えた後の転院先を探すのが困難な状況にあるとの認識を示した。

  検討会はこの日の意見も踏まえて6月中に中間報告をまとめる。必要経費は2009年度の予算要求に盛り込みたい考え。検討会では当初、三次救急医療機関の整備方針に限って議論してきたが、医療現場による救急患者の受け入れ不能問題が深刻化しているのを受け、二次救急の現状などについても中間報告に盛り込む見通しだ。

  定光氏によると、同センターでは2006年12月ごろから受け入れに対応できないケースが増え始め、07年には1,083人の救急患者を受け入れたものの、対応できないケースも600人以上に達した。
また、急性期治療を終えた患者の転棟・転院先が見つからなかったため、入院期間が1か月以上になったケースが22例あり、このうち2例では6か月以上に達した。特に、▽自殺企図による外傷▽脊椎損傷▽医療依存度の低い寝たきり▽生活困窮―などの患者で転院が困難になり、長期入院につながりやすいという。

  定光氏は「後方病床で経過を見るため、一定期間を置いた患者の受け入れを(急性期病院に)お願いするのは極めて困難。どの患者を受け入れるかの選択権は受け入れ側にある」と述べ、こうした状況が救命救急センターの長期入院につながっているとの見方を示した。

  一方、医療法人社団康明会(東京都日野市)の遠藤正樹事務局長は、06年の診療報酬改定に伴い、患者の重症度に応じて診療報酬に差をつける仕組みが療養病棟に導入されたことが、二次、三次救急医療機関からの患者の受け入れを困難にしているとの見方を示した。

  遠藤氏によると、康明会が運営する日野田中病院では新たな仕組みが導入された同年7月の受け入れ割合が、前月から14ポイントダウンした。遠藤氏は、二次、三次救急医療機関から受け入れ要請のある患者では診療報酬の低くなるケースが多いと指摘。現状の報酬設定では受け入れがますます困難になるとの見通しを示し、軽症患者についての報酬を入院から6か月間は高くするなどの見直しを求めた。』
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2008.04.28 ☆院内暴力に対する体制整備は2割
  28日、キャリアブレイン→

  『全日本病院協会(全日病)が会員医療機関に実施したアンケート調査で、院内暴力についての報告制度を実施している医療機関は全体の4割であることが分かった。しかし、組織的に対応する委員会などの場を設けているのは全体の2割にとどまっている。全日病の川島周常任理事は「患者からの暴力は、われわれにとって想定外のもので、対応のための組織体制は不十分。今後、シンポジウムなどで医療機関に対して啓発していきたい」と話している。

  調査は昨年12月から今年1月にかけて、会員の2,248病院を対象に実施。有効回収率は49.2%だった。

  調査結果によると、患者や家族などから職員が受ける暴力を把握するため、報告制度を「実施している」との回答は41.0%。「検討中」の18.3%を加えると59.3%で、6割近くの医療機関が院内暴力に対する体制整備の必要性を認識している様子がうかがえる。
  しかし、実際に委員会など組織的なリスク管理体制を「整備している」は22.0%、「検討中」は23.3%で、合わせても半数を下回っている。報告制度はあっても、問題に対応したり、改善策を検討したりする場が整っているとは言えないのが実情だ。

  所轄の警察と定期的に打ち合わせをしている医療機関はわずか2.3%で、45.7%が警察との特別な連絡体制を有していなかった。院内暴力に対するマニュアルやガイドラインを作っているのは16.2%、暴力を受けないようにするための研修などを実施しているのは12.7%にとどまった。

  院内暴力への保安対策(複数回答)としては、「防犯ビデオ・カメラの設置」が40.7%で最も多く、以下は「深夜の帰宅を避ける」21.1%、「ユニフォームの変更(スカートからパンツへの変更など)」20.3%、「過去に暴力行為のあった患者のスクリーニング」20.0%などの順だった。

■家族からの暴力が1割超
  調査では、52.1%と過半数の医療機関が過去1年間に暴力を受けたことがあると回答した。患者やその家族から受けた暴力の件数は延べ6,882件で、殴るなどの「身体的暴力」が2,315件(34%)、暴言などの「精神的暴力」3,436件(50%)、「セクハラ」935件(14%)など。このうち、家族からの暴力は904件(13%)と1割を超えた。特に「精神的暴力」が784件(87%)と、「身体的暴力」の62件(7%)、「セクハラ」の35件(4%)に比べて圧倒的に多かった。

  川島氏は「女性医師が男性患者に殴られたり、患者の家族から『病院なのになぜ治らない』と詰め寄られたりするなど、以前には考えられないような暴力が起こっている。行政も、医療機関へのかかり方などを患者に啓発してほしい。こうした暴力は、病院だけでなく教育機関でも起きており、全国的な問題」と話している。

  全日病は院内暴力への対応マニュアルを既に作成しており、今年11月には啓発シンポジウムを開くなど、今後も啓発活動を続けていく考えだ。』
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2008.04.26 ☆医療制度改革に中医協改革必要、財制審会長が認識
  26日、日本経済新聞→

  『財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の西室泰三会長は25日の記者会見で、診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(中医協)のあり方に関して「利害関係者だけ集まって分科会をつくっているので抜本的な改革ができない」と指摘した。医療制度改革には中医協改革が必要との認識を示したもので、6月の建議で何らかの改革策に触れる考えを表明した。』
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2008.04.26 ☆看護師の医療補助業務拡大を―財政審
  25日深夜キャリアブレイン→

  『財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)の西室泰三会長は4月25日、部会終了後の記者会見で、夏までにまとめる2009年度予算の建議について、勤務医の負担軽減の観点から看護師の医療補助業務の拡大を求めるほか、診療報酬の配分を病院に手厚くすることなどを盛り込むとの見方を示した。

  部会はこの日、国立病院機構の矢崎義雄理事長らから、医療と介護の現状についてヒアリングを実施。この中で、大病院は診療所に比べて診療報酬上、冷遇されていることや、外来に患者が殺到するために運営が非効率になっているとして、診療所が一次救急としてトリアージを担うことが必要だとする意見が出た。
  これについて西室会長は、「病院と診療所の役割分担が必要」と述べ、診療報酬上の配分で考える方針を示した。また、勤務医の負担軽減の観点から、「看護師の医療補助業務についても、ちゃんとトレーニングして資格を与えるようにすれば、(業務中に処置などのために)医師を呼ばなくても済み、医師は専門(の分野)に集中できるのでは」と述べた。麻酔科医の不足については、麻酔ができる歯科医の能力も活用できると指摘した。

■慢性期医療の提供にナーシングホームを
  療養病床の削減について、西室会長は「療養病床を35万床から15万床にまで減らすという方針が、本当にそれでいいのか疑問だ。経営判断で病床をつぶさせるような指導方針はまずい」と苦言を呈した。また、「医療サービスと介護サービスの提供が交ざって分かりにくくなっているため、はっきりさせるべきだ」との認識を示した。さらに、療養病床が減っても、慢性期医療が必要な人の受け入れ先として、ナーシングホームのようなさまざまな施設が考えられるとした。
介護報酬については、「生活援助」などが多くなる介護度が低い人へのサービスの配分を減らし、介護度が高い重度の人への配分を厚くする方向性も示唆した。

■中医協は抜本的議論を
  西室会長は中央社会保険医療協議会(中医協)の在り方についても言及し、「分科会で利害関係者の議論となるため、小幅な改正(診療報酬の改定)しかできない。大きな方針の見直しをして、立て直してほしい。中医協らしいことをやってほしいという内容を、どう(建議に)書こうかと思う」と述べた。

  次回部会は5月13日で、再度、社会保障分野からのヒアリングを実施する予定だ。』
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2008.04.24 ☆増える病院の未収金 1施設約5千万円
  24日午後、キャリアブレイン→

  『未払いの治療費や入院料など、病院の経営に大きな影響を与えている未収金が増加傾向にあることが、厚生労働省の調べで分かった。2006年度末現在の一施設当たりの未収金は約4,790万円で、前年度末から約95万円増加。損金処理をした金額(不良債権)は約297万円で、前年度末から約26万円増えている。

  厚労省は4月24日、「医療機関の未収金問題に関する検討会」(座長・岩村正彦東大法学部教授)の第5回会合を開き、これまでの意見をまとめた「議論の整理(案)」とともに、未収金対策を検討するための基礎資料として、「未収金に関するアンケート調査結果の概要(速報値)」を示した。

  アンケート調査は、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)のいずれかに加盟している病院を対象に実施。2,844病院に調査票を送り、755病院から回答を得た。回答した病院の平均病床数は271.5床で、全国平均の181.9床をかなり上回っており、200床以上の病院が過半数(50.5%)を占めている。

  調査結果によると、一施設当たりの未収金は04年度末が約4,559万円、05年度末約4,695万円、06年度末約4,790万円と年々増加。損金処理をした金額も、04年度末約259万円、05年度末約271万円、06年度末約297万円と増加傾向にある。

  未収金が発生する理由としては、明確な理由を特定しない「その他」が38.0%で最も多かった。以下は、「分納中・分納交渉中」21.1%、「生活困窮で支払い能力がない」14.3%、「支払い方法未決定」8.2%、「支払い能力はあるが、支払う意思がない」5.5%、「診療に対し不満があり、払いたくない」0.7%の順。厚労省の担当者は「診療への不満による未払いは、検討会での指摘とは異なり、意外と少なかった」と話している。

  一方、回収のための努力として、「電話催促」(97.3%)と「手紙などの文書催告」(95.8%)はほとんどの医療機関が実施しているが、「個別訪問」は53.2%、「内容証明郵便」は42.5%だった。「支払督促」(9.3%)や「少額訴訟」(4.6%)など法的手段による回収努力は少なかった。
回収に取り組む体制については、「医事課職員が行う」93.2%、「対策チームを設置」9.6%、「専任職員を配置」9.4%、「特に何もしていない」0.9%、「その他」11.1%となっている。

  回収の工夫は、「未収金患者リスト作成」87.1%、高額療養費や出産育児一時金の代理受け取りなどの「制度説明」82.4%、「未収金マニュアル作成」52.4%、「クレジットカード対応」39.9%だった。』
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2008.04.23 ☆新型インフル、未発症の「保有者」も入院措置へ
  23日昼、朝日新聞→

  『新型インフルエンザの発生に備え、感染症予防法と検疫法の改正案の審議が23日午前、衆院厚生労働委員会で始まった。自民、民主両党が合意しており、一部修正して成立する見通し。同日中に委員会採決が行われ、24日に衆院本会議で可決された後、参院に送られ、成立する運びだ。

  改正案は、新型インフルを危険度の高い「1類感染症」相当と位置づけ、患者らの強制入院や就業制限、指定施設への留置ができるようにする。危険区域の封鎖や立ち入り制限、交通規制も可能となる。

  両党の修正協議で付帯決議として、入院措置などの対象に、患者のほか、感染しながら潜伏期間で発症していない人を新たに追加する。

  また、治療薬やプレパンデミック(大流行前)ワクチンの備蓄増やワクチンの研究開発に向けた早期の製造承認を進めることも、付則として盛り込まれる。』
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2008.04.21 ☆小児延命見送り、84人中80人…成育医療センター
  21日夜、讀賣新聞→

  『国立成育医療センター(東京都世田谷区)は21日、2002年3月〜07年5月に、集中治療室に入った小児患者のうち、死期が数時間以内に迫っていると診断した84人中80人について、人工呼吸器などの延命措置を中止したり、措置をさらに手厚くするのをやめていたことを明らかにした。

 小児専門病院が延命措置の中止や差し控えの具体的件数を明らかにするのは異例。いずれも家族と医療側の合意の上での措置だと同センターは説明している。

 小児の終末期医療では、延命や蘇生(そせい)の措置をむやみに続けることが必ずしも患者の利益にならないとの意見がある。わが国ではそうした点が十分に議論されていない。同センターは25日から都内で開かれる日本小児科学会で、延命中止の決定過程を詳しく報告する。

 同センターの小児集中治療室に入った患者は、この期間、3668人。年齢は0〜29歳で、0〜2歳の乳幼児が大半を占める。うち99人が集中治療室内で死亡した。15人は入室時に、心肺停止の段階だったため、残り84人に治療を行った。

 センターによれば、肺の先天性疾患や心臓病、脳出血などで死期が迫っていると診断した患者で、人工呼吸器や透析など生命維持にかかわるすべての治療を中止した人は30人、現状の治療以外に、心臓マッサージや強心剤の投与など新たな延命治療や蘇生行為を行わない「治療を差し控えた人」は50人だった。残り4人は延命治療を継続した。

 同センター手術集中治療部の清水直樹医長は「小児医療に関して明確な終末期のガイドラインはない。この問題に正面から向き合う議論を始めるきっかけにしてほしい」と話している。』
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2008.04.21 ☆医師不足6割 負担増には反対
  21日朝、NHK→

  『救急の患者の受け入れ拒否や産婦人科の休診などが相次ぐなか、6割以上の人が、身近なところに「医師が足りない」と感じているものの、対策を取るために税金を投入するなど負担が増えることについてはおよそ7割が反対しているという調査結果をNPO法人がまとめました。

 調査を行ったのは、医療問題などに取り組んでいるNPO法人「日本医療政策機構」で、ことし1月、全国の20歳以上の男女4000人にアンケートして、1082人から回答を得ました。その結果、62%の人が、自分自身の経験から身近なところで医師が「足りない」または「一部の地域や診療科で足りない」と答えました。

 一方、医師不足を解消するために税金や医療費などの負担を増やしてもよいかを尋ねたところ、「反対」「どちらかといえば反対」と答えた人が69%に上りました。所得別では、▽世帯の収入が800万円以上の場合、半数以下の47%にとどまりましたが、▽300万円以下では反対する人が80%に上りました。調査を行ったNPO法人は「所得格差が広がって行政や政治への不信感が高まっていることもあって、多くの人が負担を増やすことに抵抗を感じている。医師不足を解消する対策を取るためにどのような形で財源を確保していくのか、議論していく必要がある」と話しています。』
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2008.04.19 ☆医療クライシス:医療費が足りない/5 負担重く往診拒む(
  19日、毎日新聞→

『◇「寝たきり」でも外来
  富山県高岡市の高岡駅南クリニックに、寝たきりで褥創(じょくそう)(床ずれ)を抱える母親を連れ、外来受診を続ける自営業の男性がいる。褥創にはベッドの状況など家庭内の環境も関係し、治療のためには往診が望ましい。待ち時間や移動で体に負担もかかるため、塚田邦夫院長(57)はたびたび往診を勧めた。
だが、男性は「外来の方が安いから」と往診を拒む。材料費などを除いた自己負担は外来なら500円程度だが、往診だと平均約1500円。褥創が悪化すると、感染症になって命にかかわる恐れもある。外来受診の回数を増やすよう勧めても無理だという。

  近年、費用を理由に往診を受けない患者が増えていると塚田院長は感じる。クリニックに来院する褥創患者を調べると、98〜03年度の18人では、完全な寝たきり患者はいなかった。しかし、04〜07年度の26人では6人が完全な寝たきり患者。塚田院長は「02年に高齢者の医療費自己負担が1割に引き上げられた影響だ」と分析する。
往診は病院側の負担も大きい。移動時間を含めると1時間半〜2時間半程度かかる。診療報酬は毎月、初回約3万円、2回目約2万円、3回目以降約1万円で、医師や看護師の人件費、車の燃料費などを払うと黒字はほとんど出ないという。

  塚田院長は毎週木曜午後を往診にあてる。「以前はゆったり往診しても、一般診療である程度収入が確保できた」。だが、医療費抑制で医療収入の減少が続き、より多くの外来患者を診る必要性が出てきた。「このままでは往診をする余裕がなくなる。在宅医療も崩壊に向かっている印象がある」と話す。

  がん患者の苦痛を緩和する緩和ケアでも同様の問題がある。
健康保険が適用される緩和ケア病棟(ホスピス)では、治療の質や量に関係なく、診療報酬は患者1人当たり1日3万7800円。痛みを和らげる麻薬を大量に使ったり、高額の薬剤を使うと病院は赤字だ。近畿の大学病院の緩和ケア専門医は「病院の懐具合を心配しながら使っているのが現状。患者が十分な治療を受けられない可能性もあり、せめて薬などは出来高払いにしてもらいたい」と訴える。

■ ■
  日本の医療費はGDP(国内総生産)比でみると、先進7カ国で最も少ない。財政面からは少ないにこしたことはないが、必要な医療ができないほど少ないと、しわ寄せを受けるのは患者だ。
OECD(経済協力開発機構)が各国の状況を分析し、04年にまとめた医療制度のあり方に関する報告書に、こんな一節がある。

  「医療部門での賃金と価格を人為的に低く保つシステムは、最終的には問題に直面する可能性が高い。医療の人材確保や離職防止が困難になり、サービスや革新的な医薬品の供給が不足する」
まさに日本の現状そのものだ。国際的に突出した低医療費政策を転換する以外に、「医療クライシス」の抜本的な解決策は見当たらない。=おわり』
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.☆医療クライシス:医療費が足りない/4 医師支える事務員
  18日、毎日新聞→

◇患者にもメリット
  今年2月、岩手県立千厩(せんまや)病院(一関市)泌尿器科の診察室。阿部俊和副院長(現国保金ケ崎診療所副所長)は診察しながら、「薬は前回と同じ」「次の予約は4週間後」と、横に座る医療クラーク(事務員)の女性に、処方せんや診察予約の指示を伝えた。医療クラークは手際よくパソコンに入力していく。

  「医療クラークが事務作業を処理してくれるお陰で、患者に向き合い、集中できる時間が増えた」と、阿部医師は医療クラークの良さを説く。
医療クラークは医師の指示で、カルテの記載や処方せん発行、保険会社への診断書作成など主に事務作業を行う。海外では普及しているが、日本の病院にはほとんどいない。

  情報開示や医療事故対策が進むにつれ、医師の事務作業が増えている。阿部医師は「ここ10〜20年で書類の作成量が3倍くらいに増えた」と話す。負担の重さは、勤務医の病院離れにもつながる。
  岩手県は医師確保対策の一環として昨秋、県立3病院に試験的に医療クラークを導入、千厩病院にも2人を配置した。今年度からは県立の21病院に、医師数や病床数に応じて10〜1人を導入した。
  国も今年度から、医療クラークの人件費を診療報酬の加算で補う制度を始めたが、伊藤達朗千厩病院長は「診察時間を従来より多くでき、患者にとってもメリットが大きい。医師1人当たり医療クラーク1人を目指すべきだ」と訴える。

■ ■
  米ピッツバーグ大に留学中の津久井宏行医師(37)は、上司の外科医や2人のPA(Physician Assistant=医師助手)とともに、4人で年間450〜500例もの心臓手術(開心術)をしている。日本ではこれほど多くの手術をこなす病院は少ないが、津久井医師は「精神的にも体力的にも非常に余裕がある」と話す。なぜ余裕があるのか。
鍵を握るのは、日本にはないPA制度だ。PAは米国の国家資格で、医師の監督下で診察や治療、検査の指示、処方せん発行などができる。津久井医師の同僚のPAは、手術の第1助手、検査データ分析などの術後管理、病棟回診までこなす。全米では7万人近いPAが働いている。

  米国の病院では、多様な職種が医師を支える。通常の看護師より専門的な資格で、処方や簡単な処置を行える「Nurse Practitioner=公認看護師」もいる。呼吸管理、点滴などを行うための「静脈ライン」確保、院内の患者搬送など、それぞれに専門職がいる。医療クラークに相当する医療秘書もおり、ほとんどすべての医師に秘書がつくという。
  津久井医師は月曜から金曜まで毎日手術をするが、術後管理や書類作成などはPAらが担ってくれるため、早い日は午後4時に帰宅することもある。長期休暇も年に4週間くらいは取れるという。
  津久井医師は「病院では、ほとんど手術室にいる。米国の心臓外科医は、まさに手術をするためにいる」と話す。そのうえで現在の状況をこう表現した。「労働時間は日本の半分か3分の2で、年収は最低でも2〜3倍だ」=つづく
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☆医療クライシス:医療費が足りない/3 激務の勤務医
  17日、毎日新聞→

『◇止まらぬ病院離れ
  長時間勤務が続き、麻酔薬の種類や量を間違えそうな危うい場面が重なった。「このままでは、いつか事故を起こす」
03年春、仙台市の麻酔科医、皆瀬(かいせ)敦さん(51)は、勤務先の国立仙台病院(現国立病院機構仙台医療センター)を退職しようと決めた。
  超過勤務は月100時間以上。深夜に及ぶ長時間の手術の後、翌日は通常の勤務をこなした。「常にイライラし、研修医に当たったりした」と振り返る。超過勤務手当の不十分さも不満だった。
所属する東北大医学部麻酔科から慰留されたが、同科も人を派遣する余裕はない。04年春に退職し、フリーの麻酔科医として働く道を選んだ。現在は主に、週3日は仙台医療センター、2日は東北大で働く。拘束時間と精神的な負担は減り、収入は3倍近くになった。趣味のスノーボードも楽しめる。皆瀬さんは「センターが私に払う人件費は2倍ぐらいになったはず。せめて2割増しぐらいにしてもらえれば、辞めずに頑張れた」と話す。

  東北大病院では16の手術室の大半が常に稼働し、日に3〜5件程度の緊急手術が入る。全身麻酔手術が06年度には、約10年前の1・5倍の約6400件になった。だが、麻酔科所属の医師は、関連病院へ派遣中の医師も含め、かつての約70人から約50人に減少。辞めるのは30代の中堅医師が多く、大きな痛手だ。フリーの麻酔科医や、関連病院からの非常勤医師の応援なしには手術をこなせない。
麻酔科長の黒澤伸教授(47)は「最近は、地域病院の勤務を選んだ医師が『物足りない』と大学病院に戻るケースもある。あと3年ぐらい頑張れば、少しは楽になるのではないか」と希望をつなぐ。

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  「収入がもっと多かったら開業はしなかった」。兵庫県西宮市の病院に勤める外科系の男性医師(49)は退職した同僚の中堅医師から、こんな言葉を聞いた。男性医師は退職の影響で仕事が増えたが、「気持ちは分かる。子どもが成長し、教育に金がかかる時期だ」と話す。
  男性医師は外来を週3回担当し、年に延べ約4200人を診察する。診療報酬上は約3000万円を稼ぐ計算だ。しかし、年収は月5回の他の病院でのアルバイトを含めても約1500万円。「パートの看護師を雇って開業すれば……」と考えてもおかしくない。

  男性医師は「ほとんどの勤務医が、命を扱う責任の重さや、忙しさに見合った給料でないと感じている。問題は、働き盛りの中堅医師が勤務医を辞めていくことだ。若い人に教える教師役がいなくなる」と訴える。
大学病院にいたころは本来の業務に加え、他の病院で週3回アルバイトし、手術の手伝いにも行った。大学の給料が年に約700万円だったのに対し、アルバイト収入は計約1000万円に達した。「正常な姿とは思わないが、アルバイトをしなければ自分の思うような収入は得られない」と話す。

  低医療費政策が続く限り、勤務医の待遇改善は困難だ。勤務医の病院離れは止まらず、各地で地域医療の崩壊が進む。=つづく』
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2008.04.19 ☆低所得層の4割が受診抑制、「格差」鮮明に
  18日午後、キャリアブレイン→

  『具合の悪いところがあっても、低所得層の約4割は医療機関の受診を控えていることが、NPO法人(特定非営利活動法人)日本医療政策機構の4月18日までの調査で明らかになった。受診抑制は高所得層で約2割、低所得層と高所得層のどちらにも属さない中間層で約3割となっており、同機構では「医療へのアクセスにも『格差』が生じている」と話している。

  調査は今年1月に実施され、成人男女926人が回答。過去1年以内に、「費用が掛かる」という理由で、「具合が悪くても医療機関に行かなかったことがある」と答えた人は283人(31%)に上った。

   こうした受診抑制を世帯収入別に見ると、年間収入300万円未満で純金融資産300万円未満の低所得・低資産層では39%で、年間収入800万円以上で純金融資産2,000万円以上の高所得・高資産層の18%と比べると、2倍以上もあった。中間層では29%。

  また、低所得層の16%が「薬を処方してもらわなかったことがある」と回答し、高所得層の2%を大きく上回っていた。中間層では11%だった。

  低所得の人ほど受診を控えるという傾向は、昨年の調査でも示されており、同機構では「経済力の違いによる受診抑制の実態が2年続けて明らかになった」と指摘。「調査結果は、医療制度の根幹をなしてきた平等性の理念と実態との間にずれが生じている可能性があることを示唆しており、医療費負担と給付の在り方などについて国民的な議論を進めることが求められる」と話している。』
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2008.04.17 ☆医師確保費5年で5倍…都道府県の総額148億円
  17日午後、讀賣新聞→

  『医師確保対策費として各都道府県が2008年度当初予算に盛り込んだ総額が148億円となり、この5年間で5倍以上に膨らんでいることが読売新聞の全国調査でわかった。
  財政難が続く中でも、医師確保が全国共通の緊急課題となっていることを裏付けた形だが、財政力のある自治体に医師が偏在する懸念も出ている。

  本紙が、03年度から08年度の対策費について全都道府県にアンケート調査したところ、08年度は、知事交代で暫定予算を編成した大阪府を除く46都道府県が計上。総額は、当初予算ベースで前年度比6割増となった。06年度から都立病院での出産取り扱い停止などが続く東京都が、40億円を確保。中堅医師らの年収を220万〜300万円増額させるなどの対策を行う。
一方で長崎(12億円)、和歌山(9億円)など離島や過疎地を抱える県も上位に並ぶ。東京都を除く平均は約2億4000万円。多くが、地元勤務を条件とした医学生への奨学金、県外から医師を集めるドクターバンクなどにつぎ込む。対象は、自治体によって異なり、公立、民間など多岐にわたる。

  慢性的な医師不足に悩んでいた自治体では以前から対策に力を入れており、03年度は岩手、長崎、沖縄など17府県が計27億円を計上したとする。05年度からは全国的に増え続け、07年度は全都道府県で92億円になった。04年度から始まった新医師臨床研修制度により、都市部にあることや好待遇を理由に研修病院を選ぶ若い医師が増加。地方の医師不足で各地で入院患者の受け入れを停止する病院などが相次いだためだ。
  福島県では06年度、県立医科大の嘱託医の待遇を上げて公立病院に派遣する制度を始めた。しかし、担当者は「身を削って派遣しているだけ」と話す。山梨県は昨年度、県職員に採用した医師が任期3年のうち1年を有給で研修できる制度を設けたが、応募はゼロ。山梨県の担当者が「優遇制度で医師を集めるのは、もう無理だ」と嘆くように、医師確保対策が限界に近づいている自治体もある。

  新医師臨床研修制度 総合的な診療能力向上のため、新人医師に2年間、内科、外科、小児科などの研修を義務付けた国の制度。それまでは若手医師の大半が大学病院に所属し、地域の公立病院などに派遣されたが、医師が研修先を選べる制度の導入は、医師配置の地域バランスを崩した一因とされる。

[解説]「裕福」自治体に偏在の懸念
  病院の救急や入院患者の受け入れ停止など医療サービスの低下は各地で深刻になっており、自治体が医師確保に躍起になるのはわかる。
  しかし、根本的な医師不足が続く中での限られた人材の奪い合いで、財政力のある自治体への医師集中を招きかねない。NPO法人「医療制度研究会」の本田宏副理事長は、「予算の多寡による医師偏在が生まれかねない。地域ごとの医師配置の調整が必要ではないか」と指摘する。
  医師総数の増加抑制をしてきた国は医師不足を認め、07年度から医学部の定員を増やす方針転換をした。国はさらに、各地域に必要な医師数を算出し、調整によって偏在を解消することが必要だろう。国がこうした機能を果たさなければ、自治体は膨大な対策費をかけて医師を奪い合う現状から脱却できない。』
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2008.04.16 ☆医療クライシス:医療費が足りない/2 苦しむ病院
  16日、毎日新聞→

『 ◇赤字経営が常態化
  堺市堺区の中核病院の一つ、耳原総合病院(386床)。正面玄関を入ると、たくさんの患者が行き来し、総合受付の女性職員が対応に追われている。会計などの事務職員も忙しそうだ。
だが、彼女たちは正規職員ではなく、派遣職員だ。同病院は04年度から、約20人の職員が担っていた案内や会計、レセプト請求などの業務を外部委託し、年間約6000万円の人件費を削減した。

  それでも経営は楽にならない。06年度は7年ぶりに約4800万円の黒字を達成したが、07年度は2月末現在で約1億8000万円の赤字で、通年でも赤字の見込みという。
穴井勉事務長は「今の診療報酬体系では、普通に経営していると赤字になる。外部委託で何とか持っている状態だ」と説明する。
同病院は月平均約660人の入院患者に対応、1日平均約353人の外来患者を診る。救急患者も積極的に受け入れている。その診療報酬などで、月平均約5億1300万円の事業収益がある。

  しかし、人件費が月平均3億1000万円と収益の6割に達し、経営を圧迫する。穴井事務長は「医師や看護師を確保するため、人件費は下げられない」と頭を抱える。
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  赤字の病院が増えている。日本病院団体協議会の調査(回答2837病院)によると、06年度は病院の43%が赤字で、前年度の37%から上昇。公立病院に限ると、92%(前年度89%)が赤字だ。
背景には国の低医療費政策がある。医療機関の主な収入源である診療報酬は、ほぼ2年ごとに改定されているが、国は物価上昇に見合った引き上げをしてこなかった。
全国保険医団体連合会によると、06年の消費者物価指数は81年比で124・44%に上がった。逆に、診療報酬はこの間、98・35%に落ち込んだ。06年度に赤字の病院が増えたのも、3・16%の大幅なマイナス改定があったためだ。

  マイナス改定は02、04、06年度と続き、病院経営に大きく影響してきた。東京都によると、11の都立病院の収支は、マイナス改定時に悪化し、翌年は改善という傾向が続く。都病院経営本部の小室一人財務課長は「経営努力をしても、マイナス改定で吸収されてしまう」とこぼす。
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  耳原総合病院は昨年12月25日未明、30分間に3件も救急患者受け入れ要請を受けた。この時間帯の当直医は2人で、最初の2件は対応できたが、3件目は断るしかなかった。実は、3件目の患者は、嘔吐(おうと)などの体調不良を訴えたが、30病院で受け入れを断られた末に死亡した大阪府富田林市の女性(当時89歳)だった。

  当直医が多ければ、女性を受け入れることができた。だが、穴井事務長は「今の診療報酬では『3人目』のためにスタッフを増やすと、収支が悪化して病院がつぶれかねない。経営面からは入院患者を増やしてベッドをできるだけ埋める必要があるが、空きがないと救急患者を受け入れられない」と苦しい胸の内を明かす。

  低医療費政策のつけは、結局患者に回って来る。』
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☆医療クライシス:医療費が足りない/1 自己負担の重荷
  15日、毎日新聞→

『◇払えず死ぬ悲劇
  「苦しくなると、病院に電話がかかってきた。でも、『外来に来て』とお願いしても、来なかった。お金がかかるからって……」
埼玉県南東部の総合病院に勤務する医療ソーシャルワーカーの女性(25)は今でも、今年1月に亡くなった60代の肺がん患者の男性を忘れられない。

  男性は、60代の妻と自閉症の20代の長男の3人で暮らしていた。昨年3月、心不全のため救急車でこの病院へ搬送。その後の検査で肺がんが見つかった。
収入は男性のアルバイト代と、妻と長男の年金で月20万円余りあったが、病気で激減。国民健康保険の保険料は払っていたが、自己負担が壁となり、手術や抗がん剤治療を断った。医療費の自己負担が収入の2割近い月3万円以上になる可能性があったためだ。
悪化して呼吸が苦しくなっても、酸素吸引の治療すら月約2万円の自己負担が重荷となり途中でやめた。12月に入院したが、結核性の脊髄(せきずい)炎で死亡した。
  医療ソーシャルワーカーは「家族第一の人で、最後まで家族のことを心配していた。治療費の心配がなかったら、治療できたかもしれない」と悔しさをにじませる。

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  費用を理由に受診を控えたことによる悲劇が各地で起きている。
京都市の50代男性は昨年11月、物がのどを通りにくくなった。しかし、「金がかかる」とすぐには病院に行かなかった。2年前に糖尿病による網膜症で視力が低下してタクシー運転手をやめており、アルバイトのわずかな収入しかなかった。
症状は悪くなる一方で、お茶漬けを食べるのに1時間もかかるようになり、男性の姉は「このまま死んじゃうのかなあ」と覚悟を決めた。今年1月下旬、生活保護を受け初めて病院に行くと、咽頭(いんとう)がんだった。手術を受けたが、闘病は続く。
東日本の総合病院に糖尿病で通院中の50代男性。昨年11月の離婚後も世話を続ける元妻は「治療費が払えないので、離婚して夫に生活保護を受けさせた」と明かす。
  男性は一昨年、糖尿病に加えて脳梗塞(こうそく)も発症した。仕事ができなくなり、収入は元妻のパートなどの月10万円余りに。3割負担は重く、男性は糖尿病の薬や通院を控えるようになり、まともに歩けないほど症状が悪化した。元妻は訴える。
「収入に関係なく、病気を治したい気持ちはみんな同じだ。最低限の医療すら受けられない国に未来はないのではないか」

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  国保料を払えずに国民健康保険証を取り上げられ、窓口で全額自己負担が必要な「資格証明書」を発行された約34万世帯は、より受診が困難だ。全国保険医団体連合会の推計では、資格証明書を持つ人の医療機関受診率は一般の約50分の1。受診を控えたための死者も報告されている。
後期高齢者医療制度の開始に伴い、75歳以上も資格証明書の交付対象となった。交付が進めば、受診の手控えが広がるのは必至だ。
× ×
  医師不足の深刻化など「医療クライシス」の背景には、国が続ける低医療費政策がある。医療費が足りない現場で何が起きているのかを追う。』
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2008.04.15 ☆新型インフルワクチン、医師ら6000人に事前接種・厚労省検討
  15日夕、日本経済新聞→

  『厚生労働省は15日、出現が懸念される新型インフルエンザに備え、発生時に感染する恐れが高い医師や検疫官など6000人を対象に、ワクチンを今年度内に事前接種する方向で検討に入った。16日に専門家会議を開き、正式に決める。有効性が確認されれば対象者を1000万人に広げる考え。国民へのワクチンの事前接種はスイスなども計画しているが、実際に実施すれば世界でも初めての試みになる。

  舛添要一厚労相が閣議後会見で明らかにした。事前接種を検討するのは、新型インフルエンザの発症を防ぐ効果があるとされるワクチン。「プレパンデミック・ワクチン」と呼ばれ、中国やインドネシア、ベトナムで採取したH5N1型という鳥インフルエンザのウイルスをもとに作った。政府は合計2000万人分を備蓄している。専門会議ではワクチンの備蓄量を増やすことも検討する。

  接種対象となる医師や検疫官らは、発生すれば患者と接触する機会が多く、感染の危険性が高い。』
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2008.04.15 ☆救急受け入れ「ベッドがない」(2)〜特集・救急医療現場の悲鳴
  15日、キャリアブレイン→

  『「10月からは救急受け入れをやめるしかない。今入院している患者を無理やり在宅になんて帰せないが、ベッドがない」―。新潟市内で二次救急を担う桑名病院の渡辺正人院長は、現場の惨状を訴えた。国が進める療養病床削減と2008年度診療報酬改定が、混乱する救急医療に追い打ちを掛けた。「9月末までに何とかしなければ、病院がつぶれてしまう」。地域の救急医療を担ってきた二次救急に今、何が起きているのだろうか。(熊田梨恵)

■病床削減と08年度改定が追い打ち

  人口80万人の新潟市。高齢化率の高い東部地域で、50年以上地域医療の中核を担ってきた同院は、脳卒中センターを備え、急性期病棟132床、療養病棟48床など計230床を有する二次救急医療機関だ。急性期の治療を終えた患者の回復期リハビリテーション病棟、療養病棟のほか、在宅の患者のための訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所も併設するなど、トータルで患者を支援する体制を整えている。昨年は約2,100件の救急搬送を受け入れており、脳外科医不足が深刻な新潟市にとって頼みの綱だ。

  しかし、地域医療に貢献してきた同院を暗雲が覆った。国が医療費抑制を目的に始めた療養病床削減と、08年度診療報酬改定だ。

  「ここまで厳しいことをされるとは思わなかった」と、渡辺院長は漏らす。今回の診療報酬改定では、特殊疾患病棟入院料と障害者施設等入院基本料を見直し、脳卒中の後遺症や認知症の患者が10月以降、これらの算定要件の対象から外されることになった。同院では、療養病棟(障害者施設等入院基本料算定)の9割を脳卒中の後遺症患者が占めているため、10月以降は同基本料を算定できなくなる。現在の職員数のまま看護配置を見直せば、ベッド数を減らして在院日数も短縮しなければならない。医療経営コンサルタントからも、考えられる案がないと言われた。「入院料が算定できなくなれば、経営を維持できない。しかし、身寄りもなく寝たきりの患者を、サービスを整えられる余裕のない在宅などに帰せないし、施設の受け入れ先もない」と、渡辺院長は訴える。

  同院への入院は年間1,000件超で、うち約600件が救急搬送からの入院のため、ベッドを空けなければ新しい患者を受け入れられない。しかし、三次救急の新潟市民病院と同様、慢性期の患者の受け入れ先自体が減っているため、脳卒中の後遺症患者など医療区分が低い患者の受け入れ先はほとんど見つからない。1年以上入院している患者もおり、受け入れ先があっても、自宅から車で1時間半以上も離れた介護老人保健施設(老健)だったりと、本人や家族が望む所を見つけるのは難しい。

  「状態が安定していても、介護が必要な患者は多く、家族状況や経済面など社会的背景から、在宅での介護サービスの利用を想定しても、在宅療養が難しい場合が多々ある」と、同院の医療ソーシャルワーカーは話す。特別養護老人ホームや老健は待機者があふれており、有料老人ホームは入居金などの経済的負担が患者や家族にとって大きい。回復期リハビリテーション病棟も、今回の診療報酬改定が影響して、在宅復帰が見込めない患者の受け入れに消極的になる恐れがある。「受け入れ先を探す場合、患者の病状やADL、社会的背景などを考慮し、どのような患者の受け入れが可能か、これまで以上に(受け入れ先と)相談する必要がある」。例えば、身体拘束が必要な患者は受け入れ先から敬遠されることが多いため、医療ソーシャルワーカーと看護師らで連携して何とか拘束用ミトンを外し、受け入れてもらいやすいようにするなど、「地道な努力を続けるしかない」という。

  世帯構造の変化も、患者の在宅復帰を阻んでいる。新潟県内には約80万世帯あるが、65歳以上の単身世帯が05年には5年前に比べて約1万2,000世帯増加、65歳以上の夫婦のみの世帯も約1万1,000世帯増えた。老老介護や独居の高齢者が増え、介護の担い手がいない家庭が増えている。医療ソーシャルワーカーが在宅復帰を家族とともに考えても、高齢者のみの世帯や共働きで幼い子どものいる核家族では、ヘルパーがいない間の介護の担い手がいない。「全介助の寝たきりでトイレに行けなかったり、認知症で大きな声を上げたりする患者は、家族が在宅復帰を渋る。せめて寝たきりの患者が帰っても安心して暮らせるだけの介護のマンパワーとサービスがあれば」と、同院の職員は話す。

  「一日も早く自宅復帰できる療養病床を」と、東京で先駆的な運営を続ける永生病院の飯田達能院長は、「これは全国的な問題。脳血管疾患の患者は特に行き場がないので、急性期の病院はパンクしてしまう。療養病床は急性期と介護施設や在宅との間で有効に機能していた『クッション』で、平均在院日数が少なくなっても患者を支えられるのは療養病床があるから。これが切り取られては回復期や在宅も成り立たなくなるし、今後の医療提供体制が崩れてしまう」と危機感を募らせる。

  療養病床削減が救急医療を圧迫している現状に関して、厚生労働省では「療養病床は閉鎖ではなく、医療が必要ではない人には介護に移ってもらうために転換を進めている」という認識だ。担当者は「今後、団塊世代の高齢化などを考えると、医療従事者や財源など限りある資源を効率的に配分する必要があるが、慢性期医療が必要な人のための医療は残さねばならない。実態を見て地域の医療を確保していくことは、国と都道府県の使命だ」と話している。

  今年度、厚労省は都道府県が出した療養病床転換推進計画を基に、あらためて療養病床再編の方針を決め、全国医療費適正化計画を策定する。国が現場の声にどう応えるかは、計画に盛り込む数値次第だ。

  最近、桑名病院の近隣の脳外科専門病院が医師や看護師の不足を理由に、夜間はかかりつけの患者以外の救急を受け入れないようになったため、同院に搬送される脳外科対応の患者が一層増えた。これまでは満床になった時でもベッドをやり繰りして何とか受け入れてきたが、満床が続くことが多くなったため、救急隊の受け入れ要請を断るケースも出てきた。

  「患者を診たいのに、ベッドがない。入院基本料が算定できなくなる10月まであと半年。病院がつぶれるか、救急の受け入れをやめるか」(渡辺院長)。地域に根付いた医療を提供して二次救急を支えてきた病院が、医療崩壊の荒波にのまれようとしている。(続く)』
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☆救急受け入れ「ベッドがない」(1)〜特集・救急医療現場の悲鳴
  14日、キャリアブレイン→

  『療養病床削減の影響により、救命センターで患者を受け入れられない事態が起きている。国が医療費抑制のために進めている療養病床削減が、受け入れ不能などに混迷する今の救急医療現場に与えている影響とは何なのか。市民の命を支える救命救急センターや二次救急、救急隊に何が起きているのか。被災経験が教える地域の在り方とは―。
  きょうから4回シリーズで、救急医療現場の実態について特集します。(熊田梨恵)

■療養病床削減が救命センターからベッドを消す
  人口93万人の新潟医療圏を支える救急医療の最後のとりで、新潟市民病院(660床)。救命救急・循環器病・脳卒中センターや周産期母子総合医療センターを備え、年間約1万6,000件の救急患者を受け入れる三次救急医療機関だ。同院の広瀬保夫救命救急センター副部長は「患者を診たいのに、ベッドがないから新しい救急患者を受け入れられない」と、苦渋の表情をにじませた。

  橋本幸平さん(78歳、仮名)は、平均在院日数が14.1日(2007年10月現在)の同院に、2年以上入院している。橋本さんは道路を横断中に車にはねられ、同院に搬送されて一命を取り留めたものの、頸椎(けいつい)を骨折して寝たきりの状態になった。気管切開して人工呼吸器を使用、経管栄養となり医療区分は最重度の状態だ。橋本さんは住所がなく、唯一の家族である息子とも関係は断絶状態。未収金などのリスクが懸念され、受け入れ先がいまだに見つからない。「40日や50日入院している患者も最近は多い」と、広瀬医師は漏らす。

  「今まで転院先になっていた療養型の病院が、受け入れてくれなくなった」と、医療ソーシャルワーカーの星龍実さんは話す。これまで同院で急性期の治療を終えた患者の受け皿となってきた病院が、相次いで病棟閉鎖や病床削減に追い込まれたり、介護保険適用の施設に転換したりしたため、同院のベッドは受け入れ先の決まらない患者で埋まるようになってきた。同医療圏では、90床の療養病床を有していた済生会の病院が「経営を維持できなくなった」として、ファンドに土地を売却。3月末に閉院し、6月に有料老人ホームに転換する。療養病床を介護老人保健施設(老健)に転換した病院や、約80床の病棟を閉鎖して診療所になった病院もあった。

  新潟県内の療養病床は5,378床(医療型3,068床、介護型2,310床、08年4月1日現在)で、5年前に比べ131床減っている。背景には、国が進める療養病床削減政策がある。国は年間1兆円ずつ膨張する医療費を抑制するため、受け入れ先がないために入院が長期化するなどのいわゆる「社会的入院」の多い療養病床を削減する方針を打ち出しており、12年度末までに現在36万床ある療養病床を20万床までに削減し、介護型は全廃する考えだ。

  このため、06年度の診療報酬改定で、医療依存度やADLで入院基本料に差をつける療養病棟入院基本料を創設。医療依存度の低い患者を介護保険施設などに移らせるため、中心静脈栄養(IVH)など最も重度の患者と軽度の患者とで、診療報酬に約1,000点の差をつけた。このため、経営が悪化して病床の転換や閉鎖を迫られる施設が相次ぎ、残る療養病床も医療区分の低い患者では受け入れない施設が増えている。現在では、診療報酬の低い軽度の患者では受け入れ先がほとんどないのが実情だ。回復期リハビリテーション病棟も診療報酬改定が影響して、在宅復帰の見込みが少ない患者の受け入れには消極的だ。療養病床が老健に転換してベッド数自体が確保されていたとしても、老健での日常的な医療は介護保険施設サービス費に包括されるため、投薬が減ったり、医療依存度の高い人を敬遠したりするなどの問題も指摘され、「療養病床でなければ、慢性期を担うのは難しい」との声が現場から上がっている。

  こうした状況から、同院に救急搬送された患者が急性期治療を終え、一般病棟に移っても、慢性期の受け入れ先がないために入院が長引く患者が増え、新しい救急患者を受け入れられない状況が常態化している。1999年は3.8日だった救命救急センターの平均在院日数も、今では約1日延びた。このため、最後のとりでの三次救急である同院も、救急隊の受け入れ要請を「満床」を理由に断らざるを得ないことが近年増えてきた。「患者を診たくても、受け入れられないのがわれわれの最大のストレス。せめてベッドの回転が良くなる仕組みがあれば」と、広瀬医師は訴える。

特に橋本さんのように、住所不定で無収入のほか、老老介護や独り暮らしなど、在宅復帰や家族との関係が難しいケースでは、受け入れ側が難色を示す。広瀬医師は「高齢化とともにそういう人が増えているので、なおさら受け入れ先を探すのが難しいが、救急で運ばれてきた患者は断れない」と話す。入院中に成年後見制度を利用するケースが昨年は3回あるなど、搬送患者の福祉的な支援のため、入院期間が延びることもある。広瀬医師も「今後、団塊世代が高齢化すると、大量の医療・介護難民が出るのではないか」と懸念する。

  こうした状況は、新潟にとどまらない。東京では療養病床が足りないため、近隣の県に慢性期の患者を送るケースが増えている。長野県内で、病院や特養、老健、有料老人ホームなどを展開している松本協立病院の医療ソーシャルワーカー、赤坂律子さんも「地域で対応できるようにさまざまな施設を備え、何とか対応してきたが、最近は急性期からの受け入れ先が足りなくなってきた。制度そのものがおかしいとしか思えない」と指摘する。

  昭和大学病院の有賀徹副院長(医学部救急医学教授)は「日本の縮図」と、新潟県の現状を指摘する。「救急医療に携わる医師は後方ベッドの確保を第一に考えてきた。救急患者の出口の議論をせずに、入り口の話だけをする今の政策には意味がない。今にどこの病院のベッドもパンクしてしまう」と語る。「国はまず、医療全体のあるべき姿を描き、国民に理解を求めることから始めなければ。今のような行き当たりばったりの政策ではいけない」と訴える。

  新潟市民病院のICU。急性アルコール中毒で搬送されて来た独り暮らしの高齢の男性が寝ている。広瀬医師は昨年も、救急搬送されて来た彼を診た。退院しても、こうして何度も運ばれて来る患者もいる。「これまでは、頑張っていれば救急医療もだんだんと良い方向に向かうのだろうと、漠然と思っていた。でも、今は先の見通しがまるで立たなくて、不安の方が強い。この中でどうやって頑張れというのか…」。広瀬医師は患者を前にうなだれた。(続く)』
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2008.04.14 ☆厚生年金病院は公的に存続を
  14日夜、キャリアブレイン→

  『社会保険庁が所有する全国10か所の厚生年金病院の公的病院としての存続を求め、地元自治体と住民代表が4月14日、各党の国会議員や厚生労働省に要請活動を行った。公的存続を求める署名が100万人を超えているほか、47地方議会が意見書を採択しており、要請活動では代表して大分県由布市の首藤奉文市長が「公的病院として存続させることが関係自治体と住民の総意だ」と訴えた。

  政府・与党は2004年、社会保険庁改革の一環として、同庁の関連施設を整理することを決定。厚生年金病院は全国53か所の社会保険病院とともに、施設の売却・廃止を行う独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)」に今年9月末までに一括して移管され、今後の運営形態が検討されることになっている。

  こうした中、医師や看護師の退職が相次ぎ、診療内容の縮小を余儀なくされる病院も出ていることから、地元自治体のほか、「大阪厚生年金病院を存続させ公的医療を守り発展させる会」や「厚生年金高知リハビリテーション病院の存続・発展を願う会」など、各地の住民団体が公的病院としての存続を求める活動を展開してきた。

  要請活動では、首藤市長らが「厚生年金病院は、地域医療の中核病院として救急医療や災害医療などを担うとともに、民間病院などと連携し、高度な総合的リハビリテーション病院として先駆的な役割を果たしてきた」と指摘。RFOが今後の運営形態を検討することについて、「病院がいつ売却・廃止されるか分からない状態に置かれ、地域医療の危機的な状況が深刻化する」として、「政府は問題解決を先送りせず、公的医療機関として存続させる方針を速やかに決断すべき」と要望した。

  これに対し、民主党の足立信也参院議員、共産党の高橋千鶴子衆院議員、社民党の阿部知子衆院議員、国民新党の自見庄三郎参院議員ら野党代表は、公的病院として存続させる必要性を明言した。しかし、与党側は自民党の菅原一秀衆院議員が「どういう方向がふさわしいかを検討することが与党の責任」、公明党の渡辺孝男参院議員が「公益的な機能を果たせる移譲先を見つけることも選択肢の一つ」などと述べるにとどまった。

  厚生年金病院については、山田洋二氏(映画監督)や筑紫哲也氏(ジャーナリスト)、西村京太郎氏(作家)ら著名人が公的存続を求める緊急アピールを発表している。』
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2008.04.08 ☆リハビリに壁 新たに時間制限導入 「医療水準保てない」増す苦悩
  8日、北海道新聞→

  『国は、二年前に医療保険が適用されるリハビリテーションの日数を一疾患当たり最大百八十日に制限したのに続き、今年四月から、特例で上限を超えてリハビリを続けている患者を対象に新たな時間制限を導入した。道内には医療保険でリハビリを受けたくても受けられない人が数千人に上るとみられ、今後、こうした患者がさらに増えるのは必至だ。

  国は二〇〇六年四月、運動器疾患などのリハビリ患者に対し、医療保険を適用できる期間を疾患別に九十-百八十日に制限した。医師の診断で症状に改善が見られた患者は特例で上限日数以上のリハビリができるが、国はさらに今年四月の診療報酬改定で、上限日数を超えたリハビリに月あたり計四時間二十分の上限を設定した。

  これに対し、勤医協中央病院(札幌)の平賀なつえ技師長(作業療法士)は「いままでと同じ水準のリハビリができない患者が増えてしまう」と懸念。札幌南一条病院の八田香緒里・理学療法士も「呼吸器系疾患の患者はリハビリに時間がかかる。毎日やることが必要なのに」と戸惑う。

  九年前に脳卒中を煩ってから続けていたリハビリを、二年前、国の日数制限で打ち切られた札幌市の主婦(65)は「国は規格を作って、それに無理やりはめこもうとしている」と批判。今も左足はひざから下が動かない状態で、「同じように苦しんでいる仲間がたくさんいる」と話す。

  全国保険医団体連合会推計では、医療保険でリハビリを受けられない人は、道内の数千人を含め全国約二十万人に上る。国は上限日数を超えた患者に対し、介護保険でリハビリを続けるよう促すが、介護施設に専門家が少ないなど体制が整っていないのが実情。

  わずかでも患者の改善部分を見いだし、上限日数を超えたリハビリを続けている西円山病院(札幌)の伊藤隆リハビリテーション部長(作業療法士)は「そもそも高齢者に急激な『改善』を求めること自体が問題。国の制度は年々厳しくなっており、現場は危機感を強めている」と話す。 』
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2008.04.08 ☆混合診療、8割が賛成・調査のNPO「タブー視せず議論を」(医療)
  8日、日本経済新聞→

  『がんなどの命にかかわる病気では、健康保険が使える治療と保険が使えない治療を併用する「混合診療」を認めるべきだとの意見が一般成人の約8割を占めることが、特定非営利活動法人「日本医療政策機構」(東京・千代田)の調査で分かった。

  現在は混合診療を受けると、保険でまかなえる治療部分も全額自己負担となっている。厚生労働省は「お金がないと進んだ治療が受けられない恐れがあり、現行の保険制度を揺るがしかねない」と保険制度上の混合診療を原則禁止しているが、政府の規制改革会議は全面解禁を主張。昨年11月には東京地裁が「禁止する法的根拠はない」と判決(国が控訴)を出している。同機構の近藤正晃ジェームス事務局長は「タブー視せずに是非を議論すべき時期にきている」と話している。』
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2008.04.06 ☆院内事故調:大病院対象に義務化へ 外部委員加え 厚労省
  5日、毎日新聞夕刊→

  『厚生労働省は、病院内で医療過誤が疑われる死亡事故が起きた際、一定規模以上の病院に対して外部委員を加えた院内事故調査委員会を設置し、遺族への調査結果の説明を義務付けるよう法令改正する方針を固めた。新設される死因究明の第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」と連動し、10年度以降の導入を目指す。

  大学病院や国立病院で起きた重大事故は、04年10月から厚労省の外郭団体への報告が義務化された。しかし調査方法などについては、医療法施行規則が「安全管理の委員会を開く」と定めているだけで、病院ごとに対応が分かれている。そのため調査方法や報告書の内容、取り扱いなどが被害者側の不信を招きトラブルになるケースも少なくなかった。

  一方、3日公表された医療安全調査委に関する厚労省試案では、病院が第三者機関に調査を丸投げしたのでは再発防止に役立たないとの考えから、「医療機関は当事者として独自に原因究明をする責任がある」と指摘している。これを具体化するため、内部調査への医師や弁護士らの参加と遺族への結果説明の義務を、医療法施行規則などに盛り込むことにした。

  中小病院や診療所については、自主調査が困難な面もあることから、調査委などによる支援体制を検討するとしている。
医療事故の被害者遺族で中央社会保険医療協議会委員の勝村久司さん(46)は「医療紛争の大半は事実経過を巡る争いなので、内部調査を透明化する意義は大きい。調査過程で被害者側から必ず事情を聴く規定も設けてほしい」と話している。』
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2008.04.03 ☆医療事故調査で厚労省が試案
 3日夜、NHK→

  『患者が死亡した医療事故の原因を第三者機関が調べる新しい制度について、厚生労働省が試案をまとめました。第三者機関には立ち入り調査をする権限が与えられ、カルテの改ざんや重大な過失のある事故など悪質なケースに限定して、警察に通知するとしています。

  厚生労働省は、診療中の患者が死亡する医療事故が起きた場合、その原因を第三者機関の「医療安全調査委員会」が調べる新しい制度を設ける方針で、3日、試案を発表しました。それによりますと、医療安全調査委員会は医師会や学会、患者の代表、それに弁護士などからなり、国に設置される中央委員会と地方ブロックごとに設置される地方委員会に分かれます。すべての医療機関に、医療ミスの疑いのある事故や、患者の死亡を予期していなかった事故は、委員会への届け出を義務づけます。これによって、現在、医師法で定められている警察への届け出はしなくてもいいことになります。

  一方で、委員会は、患者の遺族からも調査の依頼を受け付けます。届け出や調査依頼を受けた委員会は事故ごとに調査チームを編成し、医療機関に立ち入り調査をしてカルテを調べたり、遺体を解剖したりして原因を究明します。その結果、「問題あり」と判明した場合は、情報を公開して再発防止策を提言したり、医療機関や医師個人の行政処分を行ったりします。このうち、カルテの改ざんや隠ぺいが明らかになった場合や、故意や重大な過失が認められた場合、それに何度も事故を繰り返すいわゆるリピーター医師が起こした場合など、悪質なケースに限定して、委員会から警察に通知します。

  厚生労働省は新しい制度によって、年間2000件から3000件の医療事故が調査の対象になると推計しています。この制度をめぐっては、被害者の遺族たちが真相の究明と再発の防止につながるとして創設を求めているのに対し、医療界の一部は医師が刑事責任を問われるおそれがあるとして反対しています。厚生労働省は、この試案をたたき台に検討会で議論を進めるとともに、ホームページにも公表して広く意見を募り、今の通常国会に医療法や医師法などの改正案を提出したいとしています。』
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☆厚労省が「医療事故調」案公表、医療起因の死亡届け出義務化
  3日、讀賣新聞(夕刊)→

  『厚生労働省は3日、医療事故死の原因究明と再発防止を担う「医療安全調査委員会(仮称)」設置案を公表した。
異状死の警察への届け出を義務づけた医師法を改正し、医療に起因して死亡したケースについては、医療機関から委員会への届け出を義務化する。個人だけでなく医療機関も行政処分の対象となるよう医療法も改正する。

  医療機関が委員会に届け出る対象は<1>明らかに医療ミスに起因して死亡<2>医療ミスがあったか明らかでないが、医療に起因して死亡――に限定し、医療機関がどちらにも該当しないと判断すれば届け出る必要はない。ただ、遺族の届けで調査を始めることもできる。委員会は悪質なケースに限り警察に通報。警察は遺族から相談があれば、まず委員会への届け出を勧める。

  医療事故に絡む行政処分は個人が対象で体制の不備を問う手段がなかった。そこで医療法に医療機関の処分規定を創設し、安全保のための体制整備計画書を提出させるなど業務改善命令を出せる規定を設ける。
同省案は、昨年3月に作成した素案に加え、有識者検討会や自民党の医療紛争処理のあり方検討会の議論を踏まえてまとめられた。』
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2008.04.02 ☆医療事故、立ち入り権限「調査委」案 届け出対象は限定
  2日、讀賣新聞(夕刊)→

  『医療事故死の原因究明と再発防止にあたる新たな調査機関として、厚生労働省が検討してきた「医療安全調査委員会(仮称)」設置案の全容が明らかになった。
医療機関への立ち入りやカルテ提出を命令する権限を持つ。現在は、異状死があれば医療機関は警察に届け出るが、医師法を改正し、医療機関からの届け出は委員会へと一本化。悪質なケースに限り委員会から警察に通報する。遺族からの届け出も委員会が受け付ける。同省は近く案を公表、関連法案の今国会提出を目指す。
国の機関となる委員会は、病理医、法医、臨床医、看護師など医師以外の医療関係者、法律家、患者の立場を代表する識者らで構成。

  現在、診療中の予期せぬ死亡は医師法21条に基づき異状死として警察に届けることが多いが、同法を改正し、医療機関が委員会へ届け出るよう義務化する。

  しかし、届け出の対象については当初、予期せぬ死亡すべてとすることを検討していたが、明らかな医療ミスでの死亡や、ミスの有無は不明でも死因について合理的説明がつかない場合などに限定。医療機関がこれらに該当しないと判断すれば届け出る義務はない。ただ、委員会は遺族の届け出によって調査を始めることもできる。
委員会は、カルテ改ざん、医療事故の繰り返し、故意や標準的な医療行為から著しく逸脱した重大な過失など、悪質なケースに限り警察に通報する。

[解説]「現場委縮」批判に配慮
  医療版事故調査委員会とも言える「医療安全調査委員会」の厚労省案は、委員会の調査が刑事手続きにつながることに対し、医療界の一部から「現場が委縮し、リスクの高い診療科離れが進んで医療崩壊を招く」などと反発の声が出たことに配慮した内容になった。
例えば、医療事故死すべての届け出を義務化する当初方針を変更して委員会への届け出範囲を限定し、判断も医療機関にゆだねた。遺族が警察に持ち込んだ場合も、警察は委員会での調査を勧めるという。
  しかし、カルテ改ざんや隠ぺいなどが繰り返された医療界への不信は根強い。新たな仕組みが幅広い支持を得るには、委員会が、患者、医療従事者双方にとって信頼できる公正中立な機関となることが大前提だ。』
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2008.04.01 ☆医療地域連携(上) 転院しても 切れ目なし
  1日、讀賣新聞→

『脳卒中治療の経過を共有
  患者の治療・回復に複数の医療機関が協力し、在宅療養につなげようという地域連携が動き始めている。4月実施の診療報酬改定では、脳卒中の患者について、連携する医療機関などに転・退院させると報酬が新たに支払われる仕組みも導入された。先行事例として注目される現場を訪ねた。(内田健司、写真も)

◆夜の会議
 香川県丸亀市の香川労災病院。近くにある丸亀城が夜間照明に浮かび上がる午後7時前、病院の会議室に、勤務を終えた県内25機関の医師や看護師、ケアマネジャーら約110人が集まった。藤本俊一郎・同病院脳神経外科部長を中心とする、香川シームレス研究会のメンバーたちだ。
  シームレスとは、切れ目ないという意味。研究会は、連携施設ごとで異なっていた患者の病態などの評価方法や、情報提供内容を標準化しようと、2002年から活動してきた同病院内の地域医療連携班を中核に05年に設立された。

  脳卒中の場合、手術で一命を取り留めた後はすぐにリハビリに移るなど、回復まで切れ目ないサービスが欠かせない。このため、研究会はまず、急性期の病院からリハビリを受けるための転院先へ伝えられる診療情報提供書などについて、実態を調査した。
  この結果、互いの施設について知らないだけでなく、<1>医師の紹介状は役に立たない場合がある<2>転院後の患者の動向を知る仕組みがない<3>医療機関と介護施設では介助度の評価が統一されていない――などの問題点がわかった。

◆計画を共有
  こうしたことから、研究会では、いつ、どの病院で、どんな治療を受けたのかを、今後の見通しも含めて示した地域連携診療計画を作り、共有することにした。その際、医療機関ごとの計画とは別に、リハビリの経過を中心に、日常生活動作や栄養状態がどう改善されたかがわかるようにした。
  寝返りや起き上がり、車いすへの移乗、歩行器による歩行を始めた日、最終排便日やカテーテルの更新日などを、パソコンで記録できる
 ソフトを病院スタッフが開発。職種ごとに表示の仕方や判断基準が異ならないよう、項目ごとに選択肢を例示する工夫も重ねた。
診療計画を共有したことで、「リハビリの進行状況の把握が容易になり、転院先から患者の状態を知らせる返書率も増え始めた」(藤本部長)という。医療機関のスタッフらが相互に訪問しあい、顔の見える関係を構築してきたことも大きな財産となっている。

◆患者も納得
  患者に対しては、患者用の診療計画を作成し、手渡すようにした。回復状況に応じて、いつごろどこへ転・退院するかの基準をあらかじめ具体的に示すことで、家族も含めて無理なく準備ができるようにした。
  06年10月から07年12月まで、労災病院から転院した脳卒中患者219人のうち、回復期リハ病院とリハビリ施設へは175人。このうち退院した121人中64人がその後在宅に復帰した。こんなデータの収集、分析も可能になり、患者へも説明しやすくなった。
  風呂場で倒れ右半身にまひが残る男性(64)の家族は「どこに転院しても知っていてもらえているので安心」と好意的。発症直後10日ほど意識をなくしながらほぼ回復した女性(66)は、「リハビリのためとはいえ、家から遠くなる転院は嫌だったが、今は納得している」と話す。

 研究会では、在宅復帰後まで見通し、ケアマネジャーらも利用できる在宅用の診療計画を作成。3月16日に試行が始まった。県介護支援専門員協議会長の大原昌樹・陶(すえ)病院院長は、「診療計画を共有し、医療職と介護職の橋渡しをしたい。多職種がかかわる在宅で療養する患者のためにもなる」と期待を寄せる。
地域連携診療計画

 急性期で入院してから回復するまで、地域にある複数の医療機関が効率よく連携し、切れ目なくサービスを提供するためのツール。地域連携クリティカルパスともいう。地域ごとに様々な方法が模索されている。』
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2008.03.30 ☆ガソリンだけじゃない 4月から大きく変わる「医療」
  30日夜、産経新聞→

  『4月から医療制度が大きく変わる。75歳以上が対象の後期高齢者医療制度やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の「特定健康診査」がスタートするほか、後発医薬品(ジェネリック医薬品)も使いやすくなる。主な変更点をまとめた。

■75歳以上の高齢者
 75歳以上のお年寄りは、現在加入している健康保険から「後期高齢者医療制度」に移行する。
 現在受けている治療は継続できるが、慢性的な病気を抱える人が多いことから、患者がかかりつけの主治医を指定し、治療方針や検査予定が記入された年間診療計画書に基づく継続的な治療を受けることになる。外来から入院、在宅治療まで主治医が一貫してかかわる仕組みだ。
 外来治療は「定額払い」が導入され、毎月1回「後期高齢者診療料」(1割負担の場合600円)のみで基本的な治療や検査は何度受けても原則、追加支払いはしなくてよくなる。
保険料は原則年金から天引きされる。国民健康保険からの移行者は4月、健保組合などからの移行者は10月に天引きが始まる。扶養家族でこれまで保険料負担がなかった人は、10月から保険料徴収が始まる。

■メタボ健診
 糖尿病や心筋梗塞(こうそく)などの生活習慣病につながる恐れのあるメタボリックシンドロームの「特定健康診査」も始まる。40〜74歳が対象で、会社員は職場健診に 腹囲測定などの項目が含まれるようになる。会社員の妻など扶養家族は、それぞれの健保が指定した医療機関で、国民健康保険加入者は近所の医療機関で健診を受けることになる。
 メタボリックシンドロームや予備軍と診断されれば、医師や管理栄養士などから生活習慣改善のための「特定保健指導」を受ける。食事や運動の目標を設定し半年後に目標通りにできたかチェックする。

■後発医薬品
 先発医薬品と同じ成分や効果ながら安価な後発医薬品の普及に向け、処方箋(せん)様式が変わる。これまでは医師が後発薬への変更を認めたときに「変更可」欄にチェックする様式だが、これを百八十度転換。医師が「変更不可」欄に署名しない限り、患者が希望すれば後発薬を処方してもらえるようになる。患者が後発薬を1週間程度お試し使用することも認められる。

■その他
 再診時に医師から詳しい病状説明を受けたときの上乗せ治療代である「外来管理加算」(520円)は、「おおむね5分以上」(5分ルール)の診療時間でなければ請求されなくなる。
また、ベッド数400床以上の大病院では、患者が希望すれば、診療報酬明細書(レセプト)並みの詳しい領収書を発行してもらえるようになる。

 医療と介護保険の両方を利用する世帯の自己負担が重くなりすぎないよう、合算限度額が設けられ、申請すれば超過分が払い戻される。さらに乳幼児医療費の窓口自己負担割合の2割軽減は、3歳未満から小学校入学前まで拡大される。』
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2008.03.28 ☆妊婦受け入れ改善、厚労省が産科病床数の上限撤廃
 28日、讀賣新聞→

  『産科医不足で、全国の産科医療機関が相次いで閉鎖されるなか、厚生労働省は、現在診療を受け入れている産科医療機関の能力を最大限に活用するため、地域ごとに設定されている病床の上限数から、産科病床を例外的にはずすことを決め、27日、各都道府県に通知した。
 
  医療機関の病床数については、医療法により各都道府県が地域ごとに必要な基準病床数を設定。この基準より実際の病床数が多 いベッド過剰地域では、新たな増床は原則として認められない。基準病床数は診療科に関係なく全体の総数で決められているため、受け入れに余力がある産科の医療機関が増床を申し出ても、ほかの診療科の病床が多い場合、この規制により、認められなかった。
 
  同省では、医療法の施行規則の一部を改正し、出産を扱う医療機関の病床は、基準病床数を超えていても新たな増床を認めることにした。各医療機関の要望を受け、都道府県の医療審議会で必要と認められた場合、都道府県と国が協議した上で許可する。
 
  これを受け、愛育病院(東京都港区)では産科病床を増やす方針を表明している。
 中部地方の産科医院では周囲の病院が医師不足などで産科を閉鎖したため、妊産婦が殺到。増床を申し出たが、県はこの地域がすでに基準病床数を超えていることから認めなかった。今回の決定を受け、同医院では「今までベッド数が足りなくて、受診制限をせざるを得なかった。増床が認められれば、もっと多くの妊婦が受け入れられる」と話している。』
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2008.03.27 ☆混合診療の範囲を拡大、安全性高い先進医療追加・厚労省方針
  27日、日本経済新聞→

  『厚生労働省は26日、公的医療保険が適用される保険診療と保険外の診療を併用する混合診療の範囲に、薬事法で認められていない医薬品や医療機器を使った治療を追加する方針を決めた。「高度医療評価制度」と呼ぶ新たな仕組みを導入し、一定の条件を満たした先進医療を認めていく。混合診療の範囲を広げ、患者のニーズに応えるのが狙い。

  同日開いた中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に報告し、了承された。4月から実施する。混合診療を認める場合として、国内外の使用実績で安全性や有効性が期待できることや、臨床研究の倫理指針に適合するなどの条件をつけた。大学病院など高水準の医療技術をもつ医療機関が申請できる。
今年3月末には混合診療の対象になっている先進医療の一部が期限切れとなり、医療費の全額が患者の自己負担になるはずだった。今回の制度導入で患者の自己負担は引き続き一部で済むようになる。』
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2008.03.26 ☆未承認薬を混合診療に追加 規制会議主張受け4月から
  26日夜、共同通信→

  『厚生労働省は26日、公的医療保険が適用される保険診療と保険がきかない自由診療を併用する「混合診療」について新制度を設け 、薬事法で承認されていない医薬品と医療機器を治療で使った場合でも、一定のルールに基づき混合診療の対象に加える方針を中央社 会保険医療協議会(中医協)に示し、了承された。4月から実施する。

 現在は、欧米で使用されていても国内で未承認の抗がん剤などを使えば、保険適用部分も含め全額が患者の自己負担となるのが原則。新制度導入で「海外の新たな治療薬を試したい」との患者の要望が実現する見通しとなった。政府の規制改革会議による混合診療拡大の主張を受けた形だ。』
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2008.03.26 ☆新薬の審査期間、短縮へ体制強化・厚労省
  26日午前、日本経済新聞→

『厚生労働省は新薬を患者に使えるようになるまでの期間を欧米並みに短くするため、2008年度に審査体制を大幅に強化する。審 査員を07年度に比べて3割増やす。申請前に薬の成分の毒性などをあらかじめ評価し、審査期間を短くする「事前評価制度」の09年度 導入に向けた準備も進める。新薬を安全で早く使えるようにして患者の選択肢を広げるほか、製薬会社の国際的な競争力を高める 狙いがある。

  海外で承認された新薬が自国で使えるようになるまでの期間は日本が約4年なのに対し、米国や英国は約1年半。比較的長いフランスで も約2年半だ。日本は承認に時間がかかり、欧米で広く使える薬が国内では使えない「ドラッグ・ラグ(薬の時間差)」の短縮が課題になっ ている。』
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2008.03.25 ☆社会医療法人の要件、26日にも公布
  25日、キャリアブレイン→

  『厚生労働省医政局指導課の金森勝徳指導官は3月23日、日本医療法人協会主催のセミナーで今年4月から本格的な運用が始まる社会医療法人の認定要件などについて解説し、都道府県をまたいで複数の病院や診療所を開設する医療法人が社会医療法人の認定を受けるためには、各都道府県で1施設以上が事業の実績要件を満たす必要があることなどを説明した。また、正式な認定要件が26日にも公布されることも明らかにした。

  都道府県による社会医療法人の認定はこの4月からスタートする。医療法人が認定を受けるには、救急・災害・へき地・周産期・小児医療の5つの事業に関する要件(救急医療等確保事業の実施に関する要件)と、理事の定数や役員報酬などに関する要件(公的な運営に関する要件)のほか、▼同一親族等関係者の制限▼残余財産の帰属先の制限―をクリアしなければならない。

  具体的には、既存の特定医療法人のものに加えて、事業に関する要件以外に▽役員等の報酬の基準の策定▽遊休財産の保有▽役員の同一団体との兼職制限―などが新たに追加される。その一方で、特定医療法人に求められる「差額ベッドの割合制限」(30%以下)などは社会医療法人の要件に組み込まれていない。

  金森氏の見通しでは、特定医療法人として認定済みの全国407法人のうち、社会医療法人の認定要件をクリアできる可能性が高いのは250法人程度という。

  事業要件では、5つの事業ごとに実績・体制・構造設備に関する基準を設定する。このうち実績面では、医療法人が運営する病院や診療所のうち1施設以上が基準をクリアすることが求められる。

  金森氏によれば、複数の都道府県で病院や診療所を開設する医療法人が認定を受けるには、それぞれの都道府県で1施設以上が事業ごとの実績要件を満たす必要があるという。ただ、ある都道府県で病院(診療所)を開設する医療法人が、別の都道府県で介護老人保健施設を運営している場合には、老健施設のある都道府県での要件クリアは求めない。

  また事業ごとの実績要件では、指定管理者制度によって運営している公立病院などの実績について、指定管理前の自治体が運営していた時期のデータは実績として認められないという。

  一方、事業ごとの体制に関する要件では、都道府県が作成する医療計画に「(事業ごとの)医療連携体制を構築するものとして記載されていること」を求めている。金森氏は、例えば、救急医療事業の担い手として認定された社会医療法人が、認定後に救急医療から撤退したり、医療計画から病院名が削除されたりすれば、社会医療法人の認定も取り消される点を強調した。

■「認定後も限りない努力必要に」公認会計士の松田氏が指摘
  この日のセミナーでは、公認会計士の松田紘一郎氏も社会医療法人の実務について講演した。
  松田氏は、社会医療法人の認定を受ければ、認定要件をクリアしていることを毎年証明する必要がある点を指摘。「認定を受けた後も体制の整備に限りない努力が求められる」と述べ、安易な手挙げは控えるよう注意喚起した。』
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2008.03.25 ☆5月開始の診療報酬オンライン請求、病院など4000機関参加
  25日、日本経済新聞→

  『今年5月から本格的に始まる診療報酬のオンライン請求制度に、医療機関や調剤薬局、健康保険組合など約4000の法人・団体が参加することが分かった。これらの法人・団体は5月以降、診療報酬明細書(レセプト)を紙ではなく、電子情報としてやり取りする。事務作業の軽減、間違いや不正の早期発見が期待できるため、将来的には医療全体の効率化につながりそうだ。

 レセプトには患者の氏名や病名、診療報酬の基になる点数などが記されており、まだ紙が多い。病院などはレセプトを審査機関の社会保険診療報酬支払基金に郵送。基金は審査後に健保組合にレセプトを送り、健保組