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2009.07.10  ☆がん幹細胞からiPS細胞 米大など成功、治療法への応用も
  9日、日本経済新聞→

『米ハーバード大の森口尚史研究員と東京医科歯科大などは、がん細胞を作り続ける「がん幹細胞」を使って新型万能細胞(iPS細胞)を作り、これを正常な細胞に変化させることに成功した。新療法につながる成果で8日からスペインで始まった国際幹細胞研究学会で9日発表する。

  がん幹細胞はがん細胞のうち、自己複製しながらがん細胞を作り続ける少数の細胞。抗がん剤が効きにくくがんの再発原因とみられている。』
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 2007.07.09 ☆世界最薄治療用シート、ナノ絆創膏を開発
  7日、讀賣新聞→


『早稲田大学などの研究チームは6日、世界一薄い治療用シート「ナノ絆創膏(ばんそうこう)」=写真=の開発に成功したと発表した。犬の肺に張り付け、傷を治す効果も確認した。

武岡真司・早大教授らが開発したのは、臓器表面の凹凸に合わせ、ラップのようにぴったりと張り付く絆創膏。材料は人体に影響の少ないカニの甲羅や昆布の成分で、厚さは数十〜千ナノ・メートル(1ナノは10億分の1)の範囲で変えることができる。

実験用に作った厚さ75ナノ・メートルの絆創膏を犬の肺の傷に張ったところ、1週間後には傷が治っていた。肺の膨らみに合わせて伸縮し、やぶれないことも確認した。傷ついた内臓の治療には、縫合のほか、厚さ数ミリの治療用シートで覆う方法が実用化されているが、シートの接着に薬剤を使うため、人体に悪影響を及ぼす恐れがあった。』
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2009.07.05 ☆乳幼児虐待:判別ソフト開発へ…事故との違い分析
  5日、毎日新聞→

『虐待か不慮の事故か見分けにくい乳幼児のけがや死亡例について、救急医療や法医学などの医学と情報処理など工学の専門家による研究チームが、3年後をめどに科学的に判別するソフトの開発を始めた。乳幼児の場合、親が虚偽の説明をすると、虐待を見分けるのは難しい。判別ソフトの開発は、発見の遅れに頭を悩ませてきた医療現場にとって役立ちそうだ。

研究チームは、産業技術総合研究所や国立成育医療センター、千葉大、長崎大などで構成している。死亡した子供のCT(コンピューター断層撮影)画像や解剖所見などのデータを収集。虐待によるけがが起きるまでのシミュレーション画像を作り、不慮の事故との違いを分析する。医師らが虐待かどうかを判断する際、けがの内容や現場の状況などを入力することで、虐待の可能性を示すソフトを開発する予定だ。

代表者の山中龍宏・緑園こどもクリニック院長は「これまでは医師や看護師の経験に頼らざるを得ず、虐待によるけがの発見と対策の遅れにつながっていた。医療現場を支援するシステムを作りたい」と話す。』
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 2009.07.05 ☆「トロイの木馬」微小細胞でがん退治 豪研究者ら開発
  4日、朝日新聞→

『オーストラリアの研究者らがこのほど、細菌から作った薬剤入りの微小な細胞を「トロイの木馬」として、がん細胞に直接送り込んで殺す手法を開発したと発表した。ネズミなどの動物実験では明確な効果を上げており、がん治療に新たな道を開く可能性がある。

開発したのは豪バイオ技術ベンチャー、エンジェネイック社の研究者ら。薬剤入りの微小な細胞は、がん細胞がそれを取り込んでしまうよう表面が偽装されている。治療は2段階で、最初に「トロイの木馬」でがん細胞の薬に対する抵抗力を失わせ、第2波の抗がん剤で殺す。

同社の研究者らは「ヒトのさまざまながん細胞を移植したネズミでの実験では、100%の生存率が得られた」と効果を強調、近く臨床試験を開始するという。今後、ヒトへの有効性や安全性が確認されれば、化学療法でがん細胞が薬剤への耐性を持つ問題を回避するとともに、副作用も軽減できると期待されている。』
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2009.07.02  ☆カプセル型内視鏡 新型を開発 龍谷大・大阪医科大研究グループ
  2日夜、NHK→

『カメラを内蔵した小さなカプセルを患者に飲み込んでもらって、体の外から遠隔操作し、胃の内部の様子などを撮影できる新たなカプセル型の内視鏡を、京都の龍谷大学と大阪医科大学の研究グループが開発しました。

カメラを内蔵した小型のカプセル型の検査器具「カプセル内視鏡」は、これまでもありましたが、患者の体内でカメラの向きを変えることができないため、医師が確認したい場所を自由に撮影できないことが悩みでした。今回、開発されたのは、患者に飲み込んでもらったカプセル内視鏡を、体の外から磁力を使って遠隔操作できるようにしたもので、筒状のカプセル内視鏡には、磁石のヒレがついており、直径1.4センチ、長さ5センチほどの大きさです。

犬を使って実験したところ、胃の中でカプセル内視鏡の位置や向きが変わり、撮影したい場所を正確に撮影することができたということです。龍谷大学理工学部の大塚尚武教授は「見落としのない検査ができるようになり、がんなどの早期発見につながることを期待したい」と話しています。研究グループは、1年以内に臨床試験を始め、実用化を目指したいとしています。』
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2009.07.02  ☆「髪の元」細胞で神経修復 脊髄損傷治療に道(医療科学)
  2日夕、讀賣新聞→

『人間の髪の元になる細胞を使って、切断されたマウスの足の神経を修復することに北里大など日米の研究チームが成功した。脊髄(せきずい)損傷や事故で切断された手足の再生治療に応用が期待され、米専門誌に発表した。

同大の天羽康之講師(皮膚科学)らは、体毛の周囲にあり、毛のほか神経や筋肉、皮膚の細胞に変化する能力を持つ「毛包幹細胞」に着目。この細胞を髪のそばから取って増やした後、マウスの末梢(まっしょう)神経の切断部分に移植した。

その結果、8週間後、切れた神経はつながり、足の付け根から電気刺激を与えると足が動いた。自然治癒にまかせたマウスに電気を流しても足は動かなかった。

毛包幹細胞は、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や新型万能細胞(iPS細胞)に比べ変化できる器官は限られ増殖能力も低いが、人間に移植した際のがん化の危険性は少ない。』
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2009.07.02  ☆脳の文法中枢、腫瘍患者で実証=言語障害のリハビリ改善期待-東大など
  1日、時事通信→

『脳の左側に2カ所ある「文法中枢」に脳腫瘍(しゅよう)があると、日本語の能動文や受動文などの文法を理解する能力に障害が生じることが、成人患者を対象とするテストで分かった。東京大や東京女子医科大、昭和大の研究チームが1日、国際科学誌ブレイン・アンド・ランゲージの電子版に発表した。

 東大の酒井邦嘉准教授によると、この障害があっても、日常会話では文脈や常識で理解し合えるため、助詞の「てにをは」が抜ける程度で、本人も気付きにくい。しかし、手術後に外国語を習得しようとすると、通常より難しい可能性がある。また、脳疾患で言語障害になった後にリハビリを行う際には、文法機能に注目したプログラムを組むと、回復ぶりが良くなるのではないかという。』
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 2009.06.30 ☆タミフル耐性を初確認 北欧の新型インフル患者で
  30日未明、共同通信→

『 【ジュネーブ29日共同】世界保健機関(WHO)は29日、デンマークの新型インフルエンザ感染者の中から、抗ウイルス剤タミフルに耐性を持つ初のウイルス検体が確認されたことを明らかにした。

タミフル投与はワクチンが完成していない現在、新型インフルエンザの治療で最も有効な手段だが、タミフルが効かないウイルスの感染が拡大すれば、対策の練り直しを迫られる恐れもある。
WHO当局者によると、耐性ウイルスはデンマークの軽症患者1人から確認された。患者は既に回復して元気になっている。ウイルスは同じH1N1型が突然変異したものだが、今のところ耐性ウイルスが拡大する兆しはみられないという。

WHOは加盟国間を結ぶ情報網を通じて耐性ウイルスの確認を伝達。拡大しないかどうかを注視する方針。

新型インフルエンザへの効果が確認されている抗ウイルス剤にはタミフルのほかにリレンザがあるが、流通量はタミフルの方が圧倒的に多い。耐性ウイルスが広がれば、リレンザの増産が必要になる可能性がある。』
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2009.06.29  ☆脳波で動く車いす 開発に成功 理化研とトヨタ
  29日夜、NHK→

『「前に進みたい」などと頭の中で念じたときの脳波の変化をとらえて、その方向に車いすを動かすことができる新たな技術の開発に理化学研究所などが成功し、体に障害のある人の介護や医療などに応用できる技術として注目されています。

 この技術を開発したのは理化学研究所とトヨタ自動車などの研究グループで、29日、文部科学省で記者会見して新たな技術を披露しました。研究グループは「手を上げる」などと念じるとき、脳の運動野と呼ばれる部分のうち、ある特定の場所の脳波が小さくなることに注目し、脳波と行動との関係をプログラムしました。そして、このプログラムを電動車いすに組み込み、乗った人が「前に進みたい」などと念じたところ、意思のとおり、車いすを前進させることに成功しました。

 今のところ、脳波から行動を検知できるのは「前進」のほか、「左」と「右」に曲がる3つのパターンだけで、1日3時間の訓練を1週間程度続けることで、95%の信頼度で動かすことができるということです。こうした技術は国内外のグループが研究を進めていますが、これまで数秒間は必要とされた脳波の解析時間が10分の1秒で済むため、ほぼリアルタイムで意思を反映させられるのが最大の特徴です。研究グループでは、体が不自由な人の医療や介護などへの応用を目指すということで、「検知できる行動の種類を増やすなどして実用化につなげたい」と話しています。』
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☆頭でイメージするだけ、脳波で動く車いす 理化研とトヨタ
  29日夜、讀賣新聞→

  『両手足の動きをイメージしただけで電動車いすを動かすことに、理化学研究所とトヨタ自動車などの研究チームが成功した。
29日、文部科学省の庁舎内で、8の字を描きスムーズに走る様子を披露した。

  脳波の変化を頭にかぶった装置の電極5個で検知し、0・1秒で分析して車いすのモーターに伝える仕組み。「右手を上げる」と想像すると、左脳が発する脳波が小さくなり右に進む。左手を上げようと考えると右脳、足を動かそうと考えると中央部が発する脳波が小さくなり、左に進んだり、前進したりする。

  ほおを膨らませると筋肉の動きをセンサーがとらえ、緊急停止する安全策も組み込んでいる。
1日3時間、1週間の訓練で操作できるようになるという。ただ、熟達には個人差があるといい、同研究所の山田整客員研究員は「個人差が出ないような脳波の解析能力と、安全性を高めるセンサー機能を持たせれば、実用化に近づく」と話している。』
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2009.06.28  ☆世界初 “自閉症のマウス” 治療薬開発に期待
  26日朝、NHK→

『遺伝子の組み換え技術によって自閉症の人と同じような行動をとるマウスを作り出すことに世界で初めて成功したと広島大学大学院の教授らの研究グループが発表し、今後、自閉症の治療薬の開発などにつながるものと期待されています。

自閉症は脳の機能の一部に障害があるために起こるとされていますが、根本的な治療法は見つかっていません。広島大学大学院の内匠透教授や民間の研究機関などでつくる研究グループでは、マウスの遺伝子を一部の自閉症の人に見られる遺伝子の配列に組み換えた結果、▽ほかのマウスと関係が築けず孤立した状態になったり、▽同じ行動を何度も繰り返したりするなど、自閉症の人に見られる特徴的な行動をとるようになったということです。

研究グループによりますと、こうした遺伝子の特殊な組み換え技術によって自閉症の人と同じような行動パターンをとるマウスを作り出すことができたのは世界で初めてで、この技術を用いれば統合失調症などの症状のあるマウスを作ることも可能になるということです。内匠教授は「自閉症をはじめとするさまざまな精神疾患について、発症のメカニズムの解明や治療薬の開発につながることが期待できる」と話しています。今回の研究成果はアメリカの生物学の専門誌にも掲載されることになっています。』
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2009.06.24  ☆マウスのアルツハイマー病、カフェインで改善
  22日夜、朝日新聞→

『コーヒーなどに含まれるカフェインがアルツハイマー病の認知症状を改善するとともに、患者の脳に沈着する異常なたんぱく質が作られにくくすることを埼玉医大の森隆准教授ら日米のチームがマウスの実験で確認した。米医学誌「ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ」(電子版)で発表した。

研究チームは、アルツハイマー病を発症した生後約18カ月の高齢モデルマウスに、人間で換算すると1日当たりコーヒー5杯に相当するカフェインを水に混ぜて1カ月飲ませ、認知や運動機能テストなど8項目について調べた。

目的地まで迷子にならないかを調べる実験では、カフェインを飲ませたマウスはミスが減って毎回場所が変わる目的地までの到達時間も早くなり、健康なマウスと同程度の成績だった。水だけを飲んだマウスでは症状は改善しなかった。

カフェインを飲ませたマウスは、記憶をつかさどる脳の海馬や大脳皮質で異常なたんぱくの沈着が減少。カフェインの投与で異常なたんぱく質を作り出す酵素の働きが抑えられることも分かった。

森准教授は「人間の疫学調査などで予想されていた症状改善の仕組みが解明できた。マウスではあるが、症状の進行を抑える方法を考えるうえで有効なデータだと思う」と話している。』
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2009.06.21  ☆新型インフル、人体内で急速増殖能力 変異ウイルス 中国で確認
  20日、讀賣新聞→

『中国の患者から採取した新型インフルエンザウイルスが、人の体内で効率よく増殖する能力を獲得していたことが19日わかった。東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は「人での感染が爆発的に広がる恐れがある。動向を監視する必要がある」と、注意を呼びかけている。

河岡教授によると、この新型ウイルスは上海市の女性患者(22)から先月31日に採取された。世界中のウイルスの遺伝情報を集めたデータベースに登録されていたものを、河岡教授が分析した。新型ウイルスは、豚と鳥、人のウイルスが混ざり合ってできている。増殖にかかわる遺伝子は鳥由来で、鳥の体温(42度)で最も効率的に増える。

ところが、上海で見つかったウイルスは、この遺伝子が1文字分だけ変異して、人の体温(36度)で、効率的に増殖できるように変化していた。
マウスの実験では、ウイルスのこの部分を変化させると、増殖力が爆発的に増え、病原性が高まることが分かっている。』
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2009.06.18  ☆新型インフルに変異種=毒性変わらず、ワクチン有効-ブラジル
  17日朝、時事通信→

『 【サンパウロ16日時事】ブラジル・サンパウロ州のアドルフォ・ルッツ研究所は16日、世界中で感染が広がる新型インフルエンザウイルスが変異した新たな亜種が見つかったと発表した。

同研究所は、メキシコから帰国後に感染が判明した男性(26)の呼吸分泌物を採取して遺伝子を解析。米カリフォルニア州由来のウイルスと比較した結果、表面の突起状糖たんぱく質(HA)のアミノ酸配列などがわずかながら変化していた。

ただ、同州保健当局は「ウイルスの毒性を強める変異は特定されなかった」と指摘。現在開発が進む新型インフルエンザのワクチンは、変異種にも有効との見方を示している。』
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2009.06.16  ☆新型インフルウイルス、体内で増殖 遺伝子変異を確認 東大のグループ
  15日午後、NHK→

『各国で確認された新型インフルエンザのウイルスを調べたところ、一部でヒトの体内で増えやすくなるおそれのある遺伝子の変異が起きていることを東京大学医科学研究所の研究グループが確認しました。研究グループでは、こうした変異を起こしたウイルスが増えると、この冬の流行が大きくなると指摘しています。

東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの研究グループは、新型インフルエンザのウイルスがどのような変異を起こしているか調べるため、アメリカなど各国で取られたウイルスの遺伝子を分析しました。その結果、ヒトの細胞の表面に結び付く働きのある「ヘマグルチニン」というたんぱく質の一部に、ヒトの細胞とより結び付きやすくなる変異が起きていることが確認されたということです。

研究グループでは今後、ヒトの間で感染を繰り返す間にのどや肺などで増えやすいタイプに変化するおそれがあるとしています。河岡教授は「ヒトの体内で増えるようになるとこの冬の流行が大きくなり、重症の患者が出る危険性も高まる。新型のウイルスの変化を注意深く監視する必要がある」と話しています。この研究はイギリスの科学雑誌、ネイチャーの電子版に掲載されます。』
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2009.06.15  ☆活動時の新型インフルウイルス 初の撮影
  15日朝、NHK→

『新型インフルエンザのウイルスが、感染した細胞から、ほかの細胞に移動しようとしている様子の撮影に、東京大学医科学研究所が世界で初めて成功し、ウイルスの活動や構造の分析につながる成果として注目されます。

新型インフルエンザウイルスの活動の様子の撮影に成功したのは、東大医科学研究所・感染症国際研究センターの野田岳志特任助教です。野田特任助教は、新型のウイルスを研究用の動物の細胞に感染させたうえで、増殖する様子やこれまで明らかになっていない内部の構造を電子顕微鏡で撮影しました。このうち、感染させてから24時間後に撮った写真では、細胞の表面から、棒のような細長い形をした、いくつもの新型のウイルスが飛び出す様子がとらえられています。これは、細胞の中で増殖したウイルスがほかの細胞に移ろうとしているところをとらえたもので、丸ではなく、棒のように細長い形をしている理由はよくわからないということです。

また、ウイルスの断面をとらえた写真では、内部にある遺伝情報を持つ物質も確認できます。新型インフルエンザのウイルスが活動している様子を電子顕微鏡でとらえたのは世界で初めてだということです。野田特任助教は「毎年流行しているインフルエンザのウイルスの多くも、棒のような形をしており、新型も形の上で違いはないことが確認できた。今後、さらに撮影を続け、新型ウイルスの構造的な特徴や活動の分析につなげていきたい」と話しています。』
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2009.06.14  ☆白髪ができる原因を解明 東京医科歯科大学などの研究グループ
  12日朝、NHK→

『年をとると白髪ができる原因についてはこれまで詳しくわかっていませんでしたが、黒い色素の元となる細胞の増殖を制御する特殊な遺伝子が働いているためであることを東京医科歯科大学などの研究グループがマウスを使った研究で解明しました。

研究を行ったのは、東京医科歯科大学の西村栄美教授と金沢大学などのグループで、12日発行のアメリカの科学雑誌「セル」の電子版で発表しました。研究グループでは、黒い毛のマウスに放射線を当てると毛が白くなることに注目し、マウスの毛根付近の細胞を調べました。その結果、通常は「幹細胞」という細胞が増殖しながら黒い色素を作り出していますが、この細胞の遺伝子が放射線で傷つくと増殖しなくなり、黒い色素が少なくなって毛が白くなることがわかりました。

さらに、その仕組みを詳しく調べたところ、遺伝子が一定以上傷つくと幹細胞から増殖する能力を失わせるという特殊な遺伝子があることも確認したということです。遺伝子が傷ついた細胞はがんになるリスクが高いとされており、研究を行った西村教授は「白髪になるということはリスクの高い細胞の増殖を止め、体から排除するという重要な仕組みの結果ではないかと考えている」と話しています。』
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2009.06.11  ☆阪大、アルツハイマー発症の「目印」発見 早期診断に道
  11日、日本経済新聞→

『物忘れなどアルツハイマー病の症状が出る前から体内で増える物質を、大阪大学の大河内正康講師と武田雅俊教授らの研究チームが発見した。「APL1ベータ」と呼ぶペプチド(たんぱく質の断片)で、これを手掛かりに、将来アルツハイマー病の早期診断が可能になるとみている。欧州分子生物学機構の専門誌(電子版)に10日、論文を発表した。

 認知症患者のほぼ半分を占めるアルツハイマー病は、脳細胞が死滅して脳が萎縮し、物忘れや判断力・思考力の低下といった様々な症状が出てくる。脳内にアミロイドベータがたまることが原因とされている。
研究チームはアミロイドベータを作る際に働く2種類の酵素が、脳内にAPL1ベータも作り出していることを突き止めた。』
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2009.06.07  ☆メルクの子宮頸がん予防ワクチン、WHOから初認定
  5日、日経産業新聞→

『米メルクの子会社、万有製薬は4日、女性の子宮頸(けい)がんを予防するメルクのワクチンについて、世界保健機関(WHO)から品質や安全性などの基準を満たすワクチンとして認定されたことを明らかにした。認定を受けた子宮頸がん予防ワクチンは初めて。同ワクチンは米国など111カ国で製品として承認を受けているが、日本での承認取得にも追い風となりそうだ。

 このほど認定を受けたのは子宮頸がん予防ワクチン「ガーダシル(製品名)」。同認定は「事前認定」という制度で、WHOが品質や安全性、有効性などの基準に沿ったワクチンと認めるもの。国連などが認定によりワクチンを調達しやすくなる。』
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2009.06.05  ☆呼吸器感染 新たな細菌発見 杏林大教授ら「キョーリネンス」命名
  4日、讀賣新聞→

『呼吸器に感染する新しい細菌を杏林大呼吸器内科の後藤元(はじめ)教授たちが世界で初めて発見し、米内科学会誌に報告した。細菌は杏林大の名前にちなみ、「マイコバクテリアム・キョーリネンス」と命名された。

菌が見つかったのは、3年前に呼吸困難で入院した89歳の男性。長期間の喫煙による「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」を患っており、結核の感染歴もあった。検査で既存の細菌とは違うことがわかり、同大臨床検査部の渡辺卓教授らと岐阜大、大阪市立大が遺伝子解析を行ったところ、昨年、新しい細菌であることが確定した。

この菌は、結核菌の仲間で、すでに100種類以上が知られている抗酸菌の一種。どの程度の病原性があるかはまだ不明だが、慢性の呼吸器病のある人や免疫不全の人などでは重症化する可能性があるという。調査にあたった杏林大呼吸器内科の和田裕雄講師は「感染の実態や、最適な治療法を今後、早急に調べたい」と話している。』
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2009.06.01  ☆インターフェロン、白血病治療に期待
  1日、朝日新聞→

『東京医科歯科大と秋田大のグループは、ウイルスの増殖を抑えるとされるインターフェロン(IFN)が、血液細胞の源になる造血幹細胞の働きを制御することを突き止めた。IFNと抗がん剤を組み合わせて白血病治療に使えば副作用が少なく治療効果の向上が期待できるという。31日付の米科学誌ネイチャーメディシン電子版で発表する。

樗木(おおてき)俊聡(としあき)・東京医科歯科大教授(免疫学)らは、IFNを体内で作り出せる物質を、マウスに与え、造血幹細胞の変化を調べた。この物質を一時的に与えると造血幹細胞は増殖し、慢性的に与えると減少することがわかった。IFNが造血幹細胞の働きを左右していた。

慢性骨髄性白血病では、造血幹細胞に似た「幹細胞」が白血病細胞を作り出す。白血病を抗がん剤で治療する場合、増殖中の細胞でないと抗がん剤は効果を発揮しない。白血病の幹細胞が休止状態にあると抗がん剤を投与しても十分効かず、これが再発につながることが問題とされていた。

今回、IFNを一時的に与えると、造血幹細胞が活性化することがはっきりした。このことから、樗木さんらは「抗がん剤の治療をする前にIFNを与えて白血病の幹細胞を活性化させてから抗がん剤を与えれば、抗がん剤の効果が上がる可能性がある。白血病の根治につなげられるかもしれない」と期待している。』
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2009.05.22  ☆iPS細胞 パーキンソン病 解明に期待
  22日朝、NHK→

『あらゆる組織や臓器になることができるとされる「iPS細胞」の技術を使って、パーキンソン病の患者の細胞から脳の神経細胞を作り出すことに慶応大学のグループが成功しました。脳の神経細胞がどのように変化してパーキンソン病を発症するのか、原因の解明に役立つと期待されています。

研究を行ったのは慶応大学医学部神経内科の鈴木則宏教授らのグループです。パーキンソン病は「ドーパミン」という物質を作る脳の神経細胞がしだいに壊れ、体が自由に動かなくなる難病で、国内におよそ15万人の患者がいるとされていますが、詳しい原因はわかっていません。

研究グループではパーキンソン病の50代の男性から提供された皮膚を使い、iPS細胞を作り出しました。そして、このiPS細胞を特殊な細胞といっしょに培養することで、およそ1か月後に脳の神経細胞を作り出すことに成功したということです。これまでのところ、この細胞はドーパミンを作る機能が正常に働いているということで、今後どういうきっかけでパーキンソン病を発症するのか調べることにしています。鈴木教授は「患者の脳の神経細胞を直接研究することは難しいが、iPS細胞から作り出した神経細胞であれば様々な研究が可能になる。パーキンソン病の原因究明のきっかけになってほしい」と話しています。』
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2009.05.13  ☆「ポケットカルテ」に16万の医療機関検索機能を追加
  12日午後、CBニュース→

『利用者の健康情報を電子化して一元的に管理し、簡単に閲覧可能とすることで、さらなる医療サービスの向上と個人の健康管理に貢献することを目指したサービス「ポケットカルテ」に、全国約16万の病院、診療所、歯科診療所の検索機能が追加された。

ポケットカルテは、NPO法人日本サスティナブル・コミュニティ・センター(京都市)の健康・医療・福祉分野情報化プロジェクト「どこカル.ネット」と、アピウス(本社東京都千代田区)、フェイス(同京都市)、ウィルコム(同東京都港区)の3社が共同開発した、個人向け健康情報管理サービス。昨年10月1日から正式にサービスを開始し、4か月で登録者1万人を突破した。

これまでの機能は、「特定健診結果の管理」と「紹介状(診療情報提供書)の管理」で、今回は、パソコン向けに全国16万の病院、診療所、歯科診療所が検索できる機能を追加。所在地、路線、診療科目からの絞り込み検索が可能になり、検索結果には病院の所在地、電話番号、地図、診療時間が表示される。

今後は「薬手帳機能のモバイル対応」や、病院でもらう薬に記されたコード番号を入力することで薬を調べる「薬検索機能の充実」、またアピウス提供の電子カルテ「エクリュ」に対応する予定になっており、全国100以上の医療機関の電子カルテ情報をポケットカルテを通じてユーザー自身が管理することが可能になる見込み。

サービスへの登録は無料。インターネット機能搭載のPHS、携帯利用者が対象で、ウィルコムのPHSはユーザー登録、カルテ閲覧がモバイルで可能。携帯3社au、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルの携帯電話からはユーザー登録のみ可能で、サービス利用はパソコンからとなる。』
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■詳しくは 「どこかる.ネット」
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 2009.05.12 ☆パーキンソン病発症の可能性28倍、遺伝子の変異発見
  12日、讀賣新聞→

『パーキンソン病を発症させやすくする遺伝子の変異を、東京大などの研究チームが突き止めた。

この変異を持っている人は、ない人に比べ、発症の可能性が28倍高くなり、発症する場合の年齢も6・3歳早まるという。成果は12日、米専門誌電子版に掲載される。

パーキンソン病は、手足の震えなどを引き起こす。患者は全国に10万人以上いるとされ、症状を緩和する薬はあるが、根本的な治療法はない。患者の5〜10%は必ず発症につながる特定の遺伝子をもつが、残り90〜95%は原因がよく分かっていなかった。

辻省次・東大教授(神経内科)らの研究チームは、古くなった細胞の処理にかかわる酵素「グルコセレブロシダーゼ(GBA)」の遺伝子に注目。日本人の患者534人と健常者544人を調べた結果、通常の遺伝子配列と違う部分(変異)が患者の9・4%に見つかった。健常者は0・4%しか変異が見られなかった。

辻教授は「変異を持っていても、必ず発症するわけではないが、病気の仕組みの解明や治療法の開発につながる」と話している。』
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 2009.05.10 ☆漢方「麻黄湯」、インフルにタミフル並み効果…福岡大病院
  9日、讀賣新聞→

『インフルエンザの治療に漢方製剤の「麻黄湯(まおうとう)」を使うと、抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという研究結果を、福岡大病院の鍋島茂樹・総合診療部長らが明らかにした。
新型インフルエンザへの効果は未確認だが、タミフルの効かない耐性ウイルスも増える中、注目を集めそうだ。

日本感染症学会で4月に発表された鍋島部長らの研究は、昨年1月〜4月に同病院を受診し、A型ウイルスを検出した18〜66歳の男女20人の同意を得て実施。うち8人はタミフル、12人は麻黄湯エキスを5日間処方した。ともに発症48時間以内に服用し、高熱が続く時は解熱剤を飲んでもらった。

服用開始から平熱に戻るまでの平均時間は、タミフルが20・0時間、麻黄湯が21・4時間でほとんど違わなかった。解熱剤の平均服用回数はタミフルの2・4回に比べ、麻黄湯は0・6回と少なくて済んだ。
麻黄湯のインフルエンザへの効能は以前から承認されており、健康保険で使える。』
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2009.05.04  ☆感染者に近づけばメールが届く 携帯電話で秋にも実験
  3日、朝日新聞→

『利用者の居場所を特定できる携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能を活用し、感染症の世界的大流行(パンデミック)を防げないか――。総務省は今秋にもこんな実験に乗り出す。新型の豚インフルエンザの感染拡大懸念が強まるなか、注目を集めそうだ。

実験は都市部と地方の2カ所で計2千人程度のモニターを募って実施。GPSの精度や費用対効果を見極め、実用化できるかどうか検討する。

具体的には、携帯電話会社などがモニター全員の移動履歴をデータベースに蓄積。その後、1人が感染症にかかったとの想定で全モニターの移動履歴をさかのぼり、感染者と同じ電車やバスに乗るなど感染の可能性がある人を抽出し、注意喚起や対処方法を知らせるメールを送る試みだ。

こうした個人の移動履歴や物品の購入履歴を活用するサービスには、NTTドコモが提供する携帯電話サービス「iコンシェル」などがあり、今後もサービスの増加が見込まれている。ただ、プライバシーである移動履歴をどこまで共有して活用できるか、といった点は意見が分かれる。このため、総務省は実験を通じ、移動履歴の活用に対する心理的抵抗感などもあわせて検証する方針だ。』
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2009.05.04  ☆東北大、米で認知症予防を指導 「脳トレ」のノウハウ活用
  2日、日本経済新聞→

『東北大学は今秋にも、米国最大の高齢者団体AARPと共同で、簡単な読み書きや計算を通じて高齢者の認知症を予防・改善する指導を米国で始める。脳を活性化する手法を用いるもので、任天堂のゲームソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」にも応用された。米国人向けに教材も改良し、現地で普及をめざす。

第1弾としてワシントン近郊の老人ホームで約半年間実施する。教育事業の公文教育研究会(大阪市)が、東北大の研究成果を基に開発した教材を使う。文章の朗読や足し算などを繰り返すことで高齢者の理解力や記憶力の回復をめざす。』
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2009.04.27  ☆豚インフル ウイルスは新種か(続報、医療科学)
  27日夜、NHK→

『今回問題になっている豚インフルエンザのウイルスは、アメリカのCDC=疾病対策センターの発表によりますと、豚のウイルスにヒトや鳥のインフルエンザウイルスの遺伝子が混ざっている、これまで知られていないタイプだということです。

インフルエンザウイルスには、さまざまなタイプがあり、通常はヒト、豚、鳥などそれぞれの動物に感染するウイルスのタイプは決まっていて、種を超えてはそれほど感染しないと考えられています。しかし、豚は鳥インフルエンザとヒトのインフルエンザの両方に感染しやすいことが、これまでの研究でわかっています。

このため、感染症の専門家は、ヒトのインフルエンザウイルスが豚に感染して豚の体内でウイルスの遺伝子が混じり合い、ヒトにも感染しやすい性質を獲得したのではないかと分析しています。実際、1957年のアジアかぜや1968年の香港かぜなど、当時、大きな被害をもたらしたウイルスは、鳥インフルエンザが豚の体の中でヒトのインフルエンザウイルスと混ざり合って変異し、人に感染するようになったと考えられています。

これについて、国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は「豚の呼吸器には、ヒトのインフルエンザウイルスと鳥のウイルスの両方を引き受けるシステムがある。豚を介してヒトに感染しやすい新しいインフルエンザウイルスが流行したことは過去にもあり、今回もまったく予想外の出来事が起きたのではない。想定の中で起きたことと考えている」と話しています。』
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2009.04.27 ☆新たな抗生物質 新薬に期待も
  27日朝、NHK→

『これまでとは化学構造が違って性質も大きく異なるとみられる抗生物質を作り出すことに、茨城県つくば市にある研究所などのグループが成功しました。研究グループは、従来の抗生物質が効かない細菌に対抗する新薬の開発につながると期待しています。

 新しい抗生物質を作り出すことに成功したのは、つくば市にある「食品総合研究所」と東京に本社がある製薬会社などの研究グループです。この研究グループによりますと、従来の抗生物質とは化学構造が違うのが大きな特徴で、放線菌という微生物のうち、一部の種類がこの抗生物質を作っているのを突き止めたということです。もともと放線菌の多くの種類は、ほかの微生物を寄せ付けずに栄養分を独占しようとして抗生物質を放出するということですが、この種類はこれまで抗生物質を作らないとされてきました。

 しかし、特殊な環境で培養を繰り返したところ、1億分の1程度の確率で、これまでとは化学構造が違う抗生物質を放出していることが確認されたということです。この抗生物質は「ピペリダマイシン」と名付けられ、従来の抗生物質とは性質も大きく異なるとみられることから、研究グループは、従来の抗生物質が効かない細菌に対抗する新薬の開発に役立つと期待しています。

 食品総合研究所の越智幸三研究専門員は「抗生物質が効かない結核など、社会問題となっている多剤耐性菌を克服する抗生物質として、その性質を見極めるといった研究を進めたい」と話しています。』
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2009.04.26  ☆遺伝子使わずiPS細胞 米独チーム、がん化リスク低減
  24日、朝日新聞→

『遺伝子を使わずにマウスの新しい万能細胞(iPS細胞)をつくることに米独チームが成功した。遺伝子を使うと細胞ががん化する恐れがあり、使う遺伝子を減らす世界的な開発競争が続いていた。再生医療の実現につながる安全性の高いiPS細胞の開発に向けた大きな成果となる。

開発したのは、米スクリプス研究所のシェン・ディン准教授や独マックスプランク分子医薬研究所のハンス・シェラー教授らのチーム。23日付の米科学誌セル・ステムセル電子版に発表する。
京都大の山中伸弥教授らが最初にiPS開発に成功した方法は、ウイルスを使って4遺伝子を細胞に入れる。しかし、遺伝子を入れると細胞が持つ本来の遺伝子を壊したり、入れた遺伝子が異常に働いたりして、がん化する危険がある。遺伝子を入れずにiPS細胞を作ることができれば、がん化の恐れは低くなるが、方法は開発されていなかった。

チームは山中教授らがiPS細胞の作製で使ったのと同じ4遺伝子から、たんぱく質を細胞外で大腸菌につくらせた。たんぱく質が細胞膜を通過しやすいように、分子の小さな物質につなげ、マウスの胎児細胞内に入れた。

この細胞を約1カ月培養すると、形や性質が万能細胞に似た細胞ができた。それをマウスの受精卵に入れ、この細胞が心臓や肝臓、生殖細胞などさまざまな細胞になりうることを確認。チームは、たんぱく質(protein)の頭文字をとり、この細胞を「piPS細胞」と名づけた。

iPS細胞は、病気やけがで失った臓器の細胞に成長させて移植すれば、拒絶反応のない再生医療につながると期待されている。しかし、今回の方法はまだ動物実験の段階で、ヒトの細胞でも可能なのかや安全や安定性の検証を重ねる必要がある。

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹グループディレクターは「ヒトで成功すれば、実用化に向けて、有望な選択肢の一つになりうる。研究開発の競争が世界中で速いスピードで進んでおり、遠からず、最良の方法がわかるだろう」と話している。(林義則)


<iPS細胞>
 皮膚や肝臓などの細胞は、受精卵が細胞分裂を繰り返してできる。iPS細胞は、皮膚などの細胞に、受精卵のようにあらゆる細胞になれる能力を持たせた。受精卵から作る「ES細胞」も同様だが、受精が生命の始まりとの考え方もあり倫理面で問題が指摘されている。』
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2009.04.23  ☆脳血管障害発症の仕組み解明 新潟大など
  23日朝、NHK→

『脳の血管が詰まって脳こうそくを引き起こす、遺伝性の「脳血管障害」が、脳細胞から分泌される特定のタンパク質の量が増えて引き起こされることを、新潟大学の研究チームが突き止め、今後、遺伝性ではない脳血管障害の新たな治療法の開発にもつながると期待されています。

 この研究は、新潟大学脳研究所の小野寺理准教授を中心とする研究チームが行ったものです。研究グループは、若いころから症状が出る遺伝性の脳血管障害の患者について調べ、脳細胞から分泌される特定のタンパク質の量を抑制する遺伝子が機能していないことを突き止めました。このタンパク質が通常より多く分泌されると血管が狭くなり、血の流れが悪くなるということです。

 特定のタンパク質の増加が原因とわかったことで、今後、遺伝性ではない脳血管障害による脳こうそくや、認知症の新たな治療法の開発につながると期待されています。小野寺准教授は「血管が傷む仕組みを説明できたので、ほかの血管障害にも応用して、血管の傷みを抑える治療が可能になる」と話しています。
 この研究の成果は、23日に発行されるアメリカの医学専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表されます。』
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 2009.04.23 ☆コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待
  22日、讀賣新聞→

『コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに、アルツハイマー病の予防効果があるとする研究結果を、森隆・埼玉医大准教授と米フロリダアルツハイマー病研究センターなどが動物実験からまとめた。
米国で近く患者らにカフェインを投与する臨床試験に入る。米専門誌に論文が掲載される。
物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳にたんぱく質のアミロイドベータ(Aβ)が異常に蓄積して、神経細胞が死んでしまう。研究チームは、生まれつきAβが蓄積しやすいマウスに、1日あたり約1・5ミリ・グラムのカフェインを水に溶かして4〜5週間与えた。人間がコーヒーを毎日5杯ずつ飲むのに相当する。

その結果、カフェインを与えないマウスに比べ、記憶力の低下が改善した。記憶にかかわる脳の海馬や大脳皮質では、Aβが蓄積した「老人斑」の形成が4〜5割減少した。カフェインがAβを作る酵素の働きを抑えることも突き止めた。
森准教授は「カフェイン入り飲料は広く飲まれており、病気の予防や進行抑制の効果を注目していきたい」と話している。』
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2009.04.22  ☆早期皮膚がん治療にケミカルピーリング活用 和歌山医大
  21日夕、朝日新聞→

『美容効果で人気が高いケミカルピーリングの技法が、早期皮膚がんの新たな治療法になりそうだ。和歌山県立医大が治療後の長期追跡調査をし、患者の8割は1年以上再発せず、完治していた。入院や麻酔、複雑な器具がいらないため、老人保健施設などに入所しているお年寄りへの訪問治療の道が開ける。

ケミカルピーリングは、化学薬品で皮膚表面を薄く溶かし、健康な皮膚の再生を促す治療法。しみやニキビ跡など美容皮膚科でよく使われている。和歌山医大皮膚科は、皮膚表面にとどまっている早期の皮膚がんをこの手法で取り去る試みを8年前に始めた。早期皮膚がんは通常、手術で切り取る。傷が残るうえ、麻酔に耐えられない人や、耳たぶやまぶたなどには対応しにくかった。山本有紀准教授らは、このような患者のうち、説明を受け希望した31〜91歳の46人に1〜8回のピーリング療法をした。

その結果、15%に当たる7人が、がんが取りきれず手術を受けた。残りの39人を治療から1〜6年間観察したところ、1年後に2人再発したが、80%に当たる37人は、再発しなかった。病状を分析し(1)がんの厚さが0.4ミリを超える(2)がんの中に細胞分裂の活発さを示すたんぱく質が多い、という条件がある患者は、ピーリング療法では治りにくいことが分かった。
ピーリング療法は、綿棒に薬剤をつけ、がんの部分にぴっと塗るだけ。1回数秒で、痛みは一瞬だ。1カ月に1回の治療を、1〜8回する。

これらの結果は、今月発行の米国皮膚科学会誌に発表された。
山本准教授は「高齢化社会に伴って、皮膚がんの患者は増えている。この治療法は今後、在宅医療のひとつになるだろう」と話している。
この治療は自費診療で、和歌山医大では1回約7千円。(編集委員・中村通子)

<ケミカルピーリング>
主にニキビ跡やしみの治療、皮膚の若返りなど、皮膚の美容的な状態改善を目的とする医療の一つ。安全に実施するには皮膚科学の専門知識が欠かせない。美容的な目的でのピーリングでは、肌への刺激が比較的穏やかなグリコール酸などを使うことが多いが、和歌山県立医大のがん治療では、細胞死を誘導する効果が強いフェノールを使っている。
厚生労働省が00年に「医業に該当する」と明言する以前は、美容サロンなど非医療者によるピーリングでトラブルが起きる例が多発した。日本皮膚科学会は医師向けに「ケミカルピーリングガイドライン」を01年に作り、昨年は新たな研究成果を盛り込んだ改訂3版を発表している。 』
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2009.04.19  ☆アルツハイマー病、早期診断確立へ=国内36施設、600人で臨床研究-NEDO
 19日午後、時事通信→

『アルツハイマー病の早期診断法を確立し、治療薬の開発に役立てるため、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は19日、国内36施設で計600人の患者を2-3年間経過観察する過去最大級の臨床研究を行うと発表した。主に軽度の認知障害患者を対象として、ボランティアを募集する。参加者は無料で各種検査を受け、専門医に診断してもらえるメリットがある。

プロジェクトは東大や国立精神・神経センターなど10研究機関と国立長寿医療センター(愛知県大府市)など36の臨床施設が中心となり、アステラス製薬など製薬企業10社とGE横河メディカルシステムなど画像診断企業7社が協力する。

磁気共鳴画像診断装置(MRI)による脳容積測定、陽電子断層撮影装置(PET)による脳画像診断のほか、血液・脳脊髄(せきずい)液に含まれる病気の指標となる物質の測定や記憶検査などを行う。こうした大規模臨床研究は米国が2005年から実施し、欧州やオーストラリアでも始まったが、日本は人種や生活様式が異なるため、海外と連携しつつも、独自の研究が必要という。』
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2009.04.07  ☆富士フイルム、がん画像診断を支援 ソフト開発
  7日、日本経済新聞→

『富士フイルムと静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)は、コンピューター断層撮影装置(CT)などの検査機器を使った画像診断で、がん発見を支援するソフトを共同開発した。蓄積した過去の症例のデータから、似た画像を自動的に検索して医師の診断を助ける。2010年の実用化を目指す。

開発したのは「画像診断支援ロボット」。静岡がんセンターのもつ約500の肺がんの症例画像をデータベース(DB)化し、富士フイルムの画像処理ノウハウを組み合わせた。医師がパソコンに表示された検査画像からがんと思われる陰影をクリックすると、形や大きさ、位置などが似ている過去の症例を自動提示する。』
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2009.03.29  ☆子宮頸がん予防、新ワクチン開発
  29日、讀賣新聞→

『子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の次世代型ワクチンを、国立感染症研究所などが開発した。

 欧米などで使われているワクチンは子宮頸がんの6〜7割を予防するだけだが、新ワクチンはより幅広い効果が期待できる。4月3日、京都市で開かれる日本産科婦人科学会で発表する。

 子宮頸がんは国内で年間約8000人が発症、約2500人が死亡している。HPVには構造が微妙に違う型が100種類ほどあり、そのうち15の型が子宮頸がんの原因になる。海外のワクチンは各型に特有のたんぱく質をもとに作っているため、2〜4の型のHPVにしか効果がない。

 感染研の近藤一成研究員らは、15の型のHPVに共通している表面たんぱく質に注目。これを利用した抗体が、少なくとも八つの型のHPVに有効なことを動物実験で確認した。』
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2009.03.27  ☆心臓手術を支援するロボットの開発に成功
  27日、讀賣新聞→

『狭心症などの心臓手術を支援するロボット=写真=の開発に、早稲田大と岐阜大が成功した。心臓の動きに同調して動き、遠隔操作で血管を正確に縫い合わせることができるという。

狭まった冠動脈のバイパス手術をする時、治療個所が動かないように押さえつけることが多いが、患者に負担がかかる難点があった。支援ロボは、手術針を持つアームが心臓の拍動と同じリズムで動くので、治療個所を固定する必要がなくなる。
ブタの心臓で実験済みで、藤江正克・早大教授は「精度を高めて実用化を目指したい」と話している。』
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2009.03.24  ☆注射針使わず電流で 痛くない予防接種、京都薬科大開発
  23日夜、朝日新聞→

『注射針を使わずに、弱い電流で薬物を体内に吸収させる「痛くない予防接種」の開発に、京都薬科大や北海道大などのグループが動物実験で成功した。麻酔薬などの投与法では実用化されているが予防接種成分ではできなかった。28日の日本薬学会で発表する。

 薬物に電気を帯びさせて、電流を使って皮膚に吸収させる手法は、注射針のように皮膚を傷つけず痛みもない。日本ではほとんど使われていないが、痛みを極度に嫌う人が多い米国などでは需要があるという。薬を飲み込めない高齢者や飲んでも吐いてしまう人などにも使われる。

 しかし、予防接種成分は、分子量が大きく、電気を帯びにくいため、この手法が使えなかった。そこで、京都薬科大の小暮健太朗教授らは、予防接種成分に、リポソームという電気を帯びやすい物質を混ぜて粒子状にした。ネズミの背中の皮膚に電流を流して送り込むと皮下にまんべんなく広がった。免疫が刺激され、予防接種成分に対する抗体ができたことも確認した。

 インフルエンザでは最初に感染する鼻やのどなどの粘膜に抗体ができると、予防効果が高まるとされるが、予防注射による抗体は主に血液中にできる。今回の方法で、補助に加える物質を工夫すると粘膜にも抗体ができるという。

 小暮教授は「すでに安全性が確かめられている材料のみをそろえれば海外での臨床試験が可能になるかもしれない」と話している。』
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2008.03.19  ☆ES細胞研究申請 国の審査廃止方針
 18日、讀賣新聞→

『文部科学省の専門委員会は17日、人の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使った基礎研究の申請手続きについて、国の審査を廃止する方針を決めた。

実施機関には代わりに研究の届け出を求める。同省は夏までにES細胞の指針改正案をまとめ、国の総合科学技術会議に諮問する。手続きが簡略化されれば、国内の幹細胞研究が加速すると期待される。

同省の指針では今のところ、研究機関がES細胞の基礎研究を行う際、各機関と国の審査をそれぞれ受ける必要がある。国の審査には2か月程度かかっており、研究者から「機関内だけの審査で十分ではないか」という意見が出ていた。』
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2009.03.17  ☆小児がん:「グリッド」技術で治療薬開発スタート 千葉大など
  17日夜、毎日新聞→

『複数のパソコンをネットワークでつないでスーパーコンピューター並みの大規模計算をする「グリッド・コンピューティング」の技術を使って、小児がんの治療薬の候補になる化合物を探すプロジェクトが17日、始まった。個人や企業がPCの余剰処理能力を寄付するIBM主導の「ワールド・コミュニティ・グリッド」(WCG)に、千葉県がんセンターと千葉大が参加して実施する。

プロジェクトは、小児がんの中でも治療が難しい「神経芽腫(がしゅ)」の治療薬開発に必要なデータを選別する。がん細胞の増殖を助ける3つのたんぱく質の機能を抑制する薬剤を、約300万個の化合物の中から探す作業で、一般的なコンピューターでは化合物1つあたり6時間かかるが、100万台のコンピューターを使えば、最短3カ月で終わるという。

千葉県がんセンターの中川原章・研究局長は「神経芽腫は、赤ちゃんが発症することが多く、進行した状態で見つかる。治癒率は日本でも40%未満と低い。アジア地域では毎年約2万人が発症している」と説明し、治療薬開発の意義を訴えた。グリッド技術を使って化合物を選別した後、マウスによる実験を行い、最短で2年後に臨床試験を始めたい考え。

WCGは、世界で120万台のコンピューターが参加。本来の業務に使われていない時間の処理能力を使って、疾病、環境、食糧問題などに役立つ研究をしている。04年の発足時からの累計で、パソコン1台あたりに換算すると約22万年分の処理をしている。現在は小児がんプロジェクトも含め7つのプロジェクトが稼動。PCの処理能力を寄付する場合、特定のプロジェクトを選ぶことも、全てのプロジェクトに寄付することも可能。

WCGの「グリッド」技術を使うには、非営利の人道的な研究であることを条件に、諮問委員会が選定する。小児がんプロジェクトは、子供の将来にかかわる研究であることが重視されて選ばれた。』
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 2009.03.09 ☆iPS細胞で腎臓作製…東大チーム マウス実験で成功
  9日、讀賣新聞→

『新型万能細胞(iPS細胞)を利用し、マウスの体内で腎臓を作製することに東京大医科学研究所の中内啓光教授らが成功した。
研究チームは、遺伝子操作によって腎臓が作れない雌雄のマウスを活用。交配で得られた受精卵(胚(はい))を培養した後、正常なマウスから作ったiPS細胞を注入した。

この胚を代理母の子宮に移植したところ、生まれたマウスに腎臓ができた。ぼうこうも膨らみ、尿が作られたとみられる。注入したiPS細胞が欠損するはずだった腎臓を補ったと考えられ、がん化は見られないという。

研究チームは、同様の手法で、ブタの体内で、より人に近いサル由来の臓器を作るという計画も進めている。中内教授は「将来、人の腎臓もブタを使って作れるようになれば、移植医療の臓器不足の問題が解消できる」としている。』
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 2009.03.08 ☆iPSで筋ジス改善…京大
  7日、讀賣新聞→

『全身の筋肉が徐々に弱くなる筋ジストロフィーのマウスに、新型万能細胞(iPS細胞)から作った筋肉細胞を移植して機能を改善することに、中畑龍俊・京都大教授らのグループが成功した。6日、東京で開かれた日本再生医療学会で発表した。
根本的な治療法がない筋ジストロフィーの発症を抑えることができる可能性があるという。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉の構造を維持するたんぱく質ジストロフィンが作られず、10歳ごろから歩行が困難になる。中畑教授らは、マウスのiPS細胞から筋肉を補強する細胞を作り、ジストロフィン遺伝子が欠損したマウスに移植した。

この細胞は筋肉に接着してジストロフィンを分泌し始め、筋肉組織を6か月以上、安定した状態に保ち続けた。

筋ジストロフィーの患者からiPS細胞を作製することにも成功しており、中畑教授は「iPS細胞でジストロフィン遺伝子を補い、早い時期に移植できれば、発症を数十年遅らせることができる」と話している。』
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 2009.03.08 ☆iPS細胞の高品質化に成功 米チーム、パーキンソンなど難病治療に前進(医療科学)
  6日、朝日新聞→

『パーキンソン病患者の皮膚からさまざまな細胞に成長する人工多能性幹細胞(iPS細胞)を高品質でつくることに、米国チームが成功した。従来の作製法と比べ、iPS細胞の性質のばらつきを抑え、がん化などの危険性も減らせるという。6日付の米科学誌セルに発表する。

 パーキンソン病は神経細胞が減って神経伝達物質のドーパミンが不足し、手足のふるえなどが起こる難病。米マサチューセッツ工科大などのチームは、53〜85歳の男女5人の患者の皮膚細胞に、iPS細胞をつくるのに必要な三つの遺伝子を導入した。

 遺伝子の導入には従来通りウイルスを使ったが、iPS細胞ができた後、特殊な酵素で導入遺伝子を取り除き、遺伝子が過剰に働かないようにする仕組みも加えた。すると、iPS細胞の遺伝子の働きぶりが、従来のiPS細胞より、もうひとつの万能細胞の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に近くなることがわかった。

 患者の細胞からつくったiPS細胞は、難病の原因解明の研究や、拒絶反応のない移植治療に使えると期待されているが、導入遺伝子が残っていると性質がばらつくとされ、課題になっている。

 国立成育医療センター研究所の阿久津英憲室長は「技術改良が着実に進んでいる。導入遺伝子を残さない今回のような作製法は、今後の主流になる可能性がある」と話す。』
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