これよりまえはこちらへ

2009.09.10  ☆シリーズ介護:新要介護認定基準、10月から適用開始 「修正」認定基準の注意点
  10日、朝日新聞→

  『今年4月に改定されたばかりの介護保険の要介護認定基準が10月1日から再び変わる。「軽度判定され、必要な介護サービスが受けられなくなる恐れがある」との批判を受けて、厚生労働相の下に設けられた「検証・検討会」(座長・田中滋・慶応大教授)が訪問調査員のテキストを大幅に見直すことを決めたためだ。見直しの経緯と、変更点、要介護認定を受ける際の注意点などをまとめた。【有田浩子】

◇調査は家族かヘルパー同席で チェック基準確かめて
■経緯
厚労省は4月からの新認定基準の影響を調べるため、各自治体で4、5月に訪問調査した約28万人分のデータを分析。中・重度者の割合は過去と比べて大きく変わらないものの、介護保険サービスが受けられない「非該当(自立)」となる申請者の割合は、前年同期の0・9%から2・4%へと大幅に増えていることが分かった。施設より在宅で、軽度者の割合が多く出ていることも明らかになった。

  4月の要介護認定の改定の柱は二つあった。一つは1次判定の訪問調査項目を82から74に削減し、コンピューターソフトを更新したこと。もう一つは06年に作られた訪問調査員のテキストの改訂だった。

  焦点は検証・検討会がどこまで見直すかだったが、最終的に調査員テキストを再度見直すことにし、コンピューターソフトの修正は見送られた。テキストの修正は74項目の約6割にあたる43項目に及ぶ。再修正について、検証・検討会のメンバーで「認知症の人と家族の会」の高見国生・代表理事は「いったん始めたものを見直したのは評価する」としながらも「10月以降、もう一度検証する必要がある」と指摘。東京都内の自治体の担当者は「コンピューターソフトまで見直さないと在宅と施設の格差が拡大する可能性もある」と話している。

■変更点
09年の調査員テキストについては当初から「常識外れ」(高見氏)との批判があった。しかし今年3月末の修正は一部にとどまった。
06年と09年の大きな違いは、06年のテキストが「日常生活への支障を勘案して判断する」方式だったのに対し、09年は調査員の主観や推測が入りこまないよう「目に見える」「確認しうる」など機械的に判断する方式に改めた点だ。しかし、この変更で自治体間のばらつきが拡大した項目もあり、「理解しにくい」という意見も多く寄せられた。

  このため、まひの有無や寝返り、歩行など対象者に実際に行ってもらう項目について、09年の当初テキストでは「実際に行ってもらった状況」(目に見える)で選択するとしていたのを、改訂版では対象者や家族から聞き取りした状況と実際に行ってもらった状況が異なる場合は「より頻繁にみられる状況」を選択するように改めた。対象者の実態に近い方を選択できるようにし、判断に幅を持たせたといえる。

  また、当初テキストでは、頭髪がない場合は「(整髪について)介助されていない」とされてきたが、寝たきりなどで毎日、頭をタオルでふくなどの介助がある場合「類似の行為で代替して評価」し、「全介助」とする。このほか、座った姿勢を保てるかを判定する「座位保持」の時間は当初テキストで1分だったのを、06年テキストと同じ10分に戻す。「食事摂取」についても、ほぐしたり小骨をとった場合、介助に含むことにした。ベテランのケアマネジャーは「今回の見直しでおおむね3月までの判断基準に戻った」と話す。

■ポイント
訪問調査を受ける際は利用者や家族にも、それなりの準備が必要だ。独居や高齢者のみの世帯では、自らの状況を客観的に伝えられないこともある。別居している家族が調査に同席したり、あるいは家族がいない場合はヘルパーや民生委員などが同席することが望ましい。

  介護に関する電話相談などを行っている市民福祉情報・オフィスハスカップの小竹雅子さんは「利用者や家族が、まずはどんな調査項目かを知っておくことと、調査を受ける際は、どういう場合に『できる』とされるのかなど、チェック基準を確かめた方がいい」と話す。

  また、2次判定では、主治医意見書が大きな役割を果たす。認定調査に詳しいケアマネジャーの水下明美さんは「日常生活をよく知っている医師に意見書を書いてもらうことが大事。そういう医師を日ごろから作っておく努力も必要だ」と話している。
それでも認定結果に納得がいかない場合は、都道府県への行政不服申し立て申請や、市区町村への区分変更申請ができる。しかし、それにはきちんとした根拠も必要だ。小竹さんは「訪問調査員のチェック記録や、認定審査会の議事録、主治医意見書などの情報開示を求め、確認したうえで行ったほうがいい」とアドバイスする。

==============
◇要介護認定
介護保険サービスを受けるための最初の手続き。まず、訪問調査の結果をコンピューターで1次判定する。主治医の意見書と調査員の書いた特記事項をもとに、専門家で構成される介護認定審査会が2次判定し、最終的に要介護度を決める。今年4月から半年間は更新申請に限り本人の希望に応じて以前と同じ要介護度にする経過措置が設けられたが、9月末で期限が切れる。』
.
2009.08.20  ☆不満は和らぐのか-介護報酬改定、「プラス」の行方(中)
  19日夜、CBニュース→

『今年度の介護報酬アップで、介護従事者の給与はどれほど改善されたのだろうか。厚生労働省は改定の影響について10月に調査を実施し、結果を来年4月に報告するとしている。しかし、介護関連団体の独自調査では、基本給などを引き上げる事業所がある一方で、賃金アップを予定していないという回答も目立っている。(大戸豊)

東京都社会福祉協議会の介護保険居宅事業者連絡会が5月25日から6月4日に1024事業所に実施した調査によると、回答した478事業所のうち、基本給を「引き上げた」もしくは「予定している」のは194事業所で、4割を超えた。その一方で、259事業所(全体の54.2%)が「引き上げの予定はない」と回答した。

基本給以外で手当てを「上げた」もしくは「予定している」のは156事業所(32.6%)で、6割を超える297事業所は「予定していない」と回答している。
また、職員の処遇を改善する上での課題として、「3年後の制度改正・報酬改定を見据えると、基本給までは手を付けられない」が190事業所(39.7%)だったほか、「介護職員処遇改善交付金の詳細が分からないので様子を見ている」が182事業所(38.1%)、「今年度の介護報酬改定は赤字補てんにしかならず、職員の処遇改善までは回らない」が175事業所(36.6%)だった(複数回答)。
今後の制度の行方が見えない中、基本給を上げれば賞与や時間外手当などにも波及するためにそうそう踏み切れない…。そんな経営側の迷いが見える。

現場の反応はどうだろう。東京介護福祉労働組合が、介護報酬引き上げの効果について4月から5月にかけて会員約200人に行ったアンケートでは、53人が回答(うち46人が高齢者介護従事者)した。
報酬改定で職場の賃金が「上がった」と回答したのが10人、「下がった」が2人、「変わらない」が32人と、処遇改善に至っていないケースが、約3分の2を占めてい。

  「上がった」と回答した人の具体的な処遇として、基本給を1万円アップしたデイサービス事業所や正規職員の基本給を1万2000円上げた特別養護老人ホームもあった。また、時給ベースでは20-50円の引き上げを行う事業所がいくつか見られたほか、時給を800円から950円に引き上たデイサービス事業所もあった。このほかにも、2000円の介護福祉士手当てを新設した訪問介護事業所や、夜勤手当を1000円プラスし、5000円にした特養もあるという。

このアンケートでは、希望する収入も聞いており、「15万円未満」7人、「15万円以上20万円未満」1人、「20万円以上25万円未満」7人、「25万円以上30万円未満」8人、「30万円以上」7人となった。
東京介護福祉労働組合では、この結果について、現在の賃金よりも5万円程度の上乗せを希望するものが多いと分析する。独身の施設職員の多くが現状では16万円-18万円の賃金だが、希望額は女性で20万円、男性は25万円とする人が多いという。また、既婚者では、女性が7万-10万円、男性は15万円程度の上乗せを希望する傾向があるとしている。
即5万円の賃金アップは現実として難しいだろう。ただ、賃金が経験年数と共に上がっていくという期待感を持てることが必要ではないか。

介護労働安定センター
が昨年11月から12月にかけて実施した昨年度の「介護労働実態調査」の結果によれば、全国の介護事業所(回答5929事業所)の離職率は18.7%(同21.6%)と、前年度から2.9ポイント改善している。だが、介護従事者(回答者1万8035人)に労働条件や仕事の負担についての悩みや不安、不満などを尋ねたところ(複数回答)、「仕事内容の割に賃金が低い」が58.3%で最も多く、前年度より8.9ポイントも増加している。

  同センターの雇用管理課では今回、離職率が改善し、給与もやや上向いたものの、働く人の不満が解消されていないと指摘。「早く改善してくれという機運が出ているのではないか。介護報酬改定などによって期待が高まる割には現状が変わらないことに、不満があるのかもしれない」としている。
アンケートは昨年度のもので介護報酬改定の結果は反映されていない。果たして今年度の報酬改定でこの不満は和らぐのか。』
.
2009.08.19  ☆加算に振り回されないか-介護報酬改定、「プラス」の行方(上)
  18日夜、CBニュース→

『2000年の介護保険制度発足から初のプラス改定となった今年度の介護報酬改定-。介護従事者の離職率が他産業に比べて高く、人材確保が困難なことから、昨年10月に政府・与党は報酬の3%引き上げ、2万円の賃金アップを示した。だが、過去2回の報酬引き下げで「マイナス分も取り戻せない」「赤字の補てんにしかならない」など、処遇改善にまで回せないとの声が上がっているほか、加算取得で利用者やその家族の負担が増えるという指摘もある。今回の報酬改定で何が変わったのか、人材の確保と定着に結び付くのかを考えたい。(大戸豊)

今回の改定は「介護従事者の人材確保・処遇改善」「医療との連携や認知症ケアの充実」「効率的なサービスの提供や新たなサービスの検証」の3つを柱に実施された。
最大の眼目は人材の確保とそのための処遇改善で、▽夜勤など負担の大きな業務への評価▽専門性への評価・定着促進▽人件費の地域差への対応-がポイントとなった。
負担が大きい業務への評価として、訪問介護ではサービス提供責任者の初回や緊急時の対応に加算が付いた。居宅介護支援では、認知症や独居の高齢者に対するケアマネジメントを評価している。

また、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の介護3施設については、基準を上回る夜勤職員の配置を評価したほか、特養では常勤の看護師や基準を上回る看護職員の配置についての、老健では看取りについての加算が新設された。このほか、認知症グループホームや短期入所生活介護でも夜勤体制を評価している。
介護従事者の専門性については、サービス全般で介護福祉士などの有資格者が一定割合以上いる場合を評価しているほか、定着促進の観点から勤続3年以上の職員が一定割合以上いる事業所も評価した。

地域区分単価については、大都市部では事業所が給与に充てる割合が高く、経営が圧迫されているという理由などで「特別区」と「乙区」が引き上げられた。また、人件費割合も見直され、人件費率の高い訪問系サービスなどは引き上げられたものの、グループホームなどでは引き下げられ、改定前よりも単価がダウンした地域もある。
今後さらに進むとみられる「医療と介護の連携と機能分化」については、短時間・個別のリハビリが評価されたほか、診療報酬で脳血管疾患リハビリテーションなどを算定している病院・診療所に対し、介護保険の通所リハビリテーションの指定があったものとする「みなし指定」が導入された。
訪問看護では、ターミナルケア加算が引き上げられたほか、看護職員による居宅療養管理指導も新たに評価している。

介護療養型老人保健施設(転換型老健)については、医薬品や医師によるサービス提供など、医療サービスに要するコストや要介護度の分布などの実態を踏まえ、報酬を引き上げた。
認知症ケアの推進については、グループホームが退去する利用者に対し、地域での生活などについて相談援助を行った場合に算定される「退去時相談援助加算」が新たに設けられたほか、看取り加算も新設された。このほか、認知症ケアについての専門研修の修了者がサービスを提供する場合への加算が新設された。

今回の介護報酬改定は多岐にわたるが、基本報酬部分の引き上げはほとんど行われていない。事業者は加算を積み上げることで、収入増を求める形となっている。これにより、加算を取得できるかどうかで差が生じ、処遇改善の程度にも差が出てくるだろう。加算がよいインセンティブになればよいが、一方で加算に振り回されることになりはしないか。

また、利用者の区分支給限度額はそのままであることから、事業所が加算を取ることで利用者が支給限度額を超えてしまい、自己負担が増えたり、サービスの時間や回数を減らしたりする事態も生じている。要件が緩和された特定事業所加算については、事業者にとって収入増につながるにもかかわらず、利用者の負担に跳ね返るという理由で、取得を控えるという声もある。

今回、介護報酬がプラス改定となったことは歓迎すべきことだろう。ただ、最大の目的である人材の確保や定着に向けた道筋は、まだ十分に見えてこない。(続く)』
.
2009.08.09  ☆介護職員処遇改善交付金の実施要領を決定―厚労省
  7日深夜、CBニュース→

『厚生労働省はこのほど、「介護職員処遇改善交付金」の実施要領についての事務連絡を都道府県の介護保険課あてに行った。実施要領については、実施要領(案)から事業年度の区分などを変更した。また、Q&Aでは、事業者が交付金を申請した月のサービス提供分から交付金の算定対象にできるなどの項目が追加された。

実施要領では、事業年度の区分を実施要領(案)の「当該年の5月から翌年4月までの交付金支払い分(当該年の3月から翌年2月までに提供された介護サービス分)」の12か月間から、「当該年の4月から翌年3月までの交付金支払い分(当該年の2月から翌年1月までに提供された介護サービス分)」の12か月間に改めた。

これに伴い、今年度の賃金改善実施期間についても、これまで示されていた5か月間から4か月間に短縮され、(1)今年10月-来年1月(2)今年11月-来年2月(3)今年12月-来年3月(4)来年1月-4月―のいずれかのパターンを事業者が選択することになった=表=。

Q&Aでは、選択した賃金改善実施期間に必ずしも毎月賃金を改善する必要のないことが明記された。仮に(1)のパターンを選択した場合の賃金改善方法については、毎月の基本給などに交付金を充当する方法だけでなく、来年1月に賞与などの形で一括支給することもできるとしている。

また、交付金の対象となる介護職員については、これまで具体的な記載がなかったが、「指定基準上の訪問介護員等、介護職員、指定(介護予防)小規模多機能型居宅介護従業者(看護師、准看護師として配置されている者を除く。)又は(介護予防)指定認知症対応型共同生活介護従事者として勤務した者」と明記された。厚労省では、「看護師などが介護職員として勤務している場合も、交付金支給の対象として認められる」としている。

このほか、Q&Aの追加項目として、事業者が交付金を申請した月のサービス提供分から交付金の算定対象にすることができるとされた。仮に今年10月のサービス提供分から交付を受ける場合は、10月中に交付の申請を行えば承認されるという。ただしこの場合、交付金の支払い時期が「サービス提供分の翌々月」に間に合わないこともあり得るという。

また、厚労省はこのほど、「介護職員処遇改善等臨時特例基金管理運営要領」についての老健局長通知を都道府県知事あてに出し、来年度の交付金申請が行われる前に、介護事業者に対し説明会を実施することを求めた。「キャリア・パス」に関する要件が中心になるという。

来年度以降、事業者が交付を受ける場合は、交付金の支給要件として、職員の「キャリア・パス」に関する要件が追加され、これを満たさない場合は、交付金の減額が予定されている。』

■実施要領案はこちら

.
2009.08.02  ☆介護職員処遇改善交付金で事業者向け説明会―東京都
  30日夜、CBニュース→

『東京都は7月30日、介護職員処遇改善交付金についての事業者向け説明会を行った。同日午前に行われた第1回の説明会には1000人以上が詰め掛けた。説明会は同日と31日に合わせて4回実施される。

説明会では都の職員が、交付金の概要、事務の流れ、実施要領案、申請や報告の方法などを説明した。都では、今回の資料はまだ案であり、一部修正される可能性があるとしている。

事業所や法人は交付金を受ける場合、「介護職員処遇改善計画書」を作成する。計画書には、交付金見込額、介護職員の賃金改善見込額、具体的な賃金改善の方法、実施期間、賃金以外での処遇改善の方法などを記載する。その上で、この計画書と共に、申請書や就業規則、給与規程、労働保険に加入していることを証明する書類、職員への周知証明などの添付書類を都に郵送して申請する。申請期限は、サービス開始月の前月15日必着。申請は事業年度ごとに行う必要がある。

交付金見込額は、見込まれる介護報酬の総額に、サービス区分ごとに異なる交付率を掛けて算出する。
また、賃金改善見込額は、交付金見込額を上回らなければならない。
賃金改善の方法は、「基本給の増額」「手当の新設」「賞与」「一時金の新設」などを選ぶことができる。都では、交付金の職員への支給について、原則としてすべての介護職員に交付すること、給与規程などの客観的かつ明確な基準を用いて行うことの2点を留意点として挙げている。
また、賃金以外の処遇改善の方法については、非正規職員から正規職員への転換や、研修の充実、出産・子育て支援の強化などの項目から、今年4月以降に実施したものや今後実施予定の事項について、1項目以上を必ず選ぶ必要がある。

さらに、掲示や職員に対するメール送信、コピーの配布などの方法により、計画書の内容を事業所の職員に周知しなければならない。都の担当者は、「職員に周知しなかった場合は、交付金は支給されないし、後でその事実が発覚した場合は、交付金の返還または支給停止になることが予想される」と述べた。

また、交付金を受けた事業所は、事業年度での最後の交付金支払いがあった月の翌々月の末日までに、都に対して「介護職員処遇改善実績報告書」を提出しなければならない。その際、受給した交付金の額が賃金改善所要額を上回った場合は、差額を都に返還する。
報告書には、実際の交付金受給総額、賃金改善実施期間、具体的な賃金改善の方法、賃金改善所要額などを記載する。賃金改善所要額を記載する際は、積算の内訳を添付する。都の担当者は、積算内訳の添付書類について、法人が作成する財務諸表、賃金台帳などを想定していると述べた。

このほか、来年度以降交付を受ける場合は、交付金の支給要件として、職員の「キャリア・パス」に関する要件が追加される。この要件を満たさない場合は、交付金の減額が予定されているという。また、事業者の責務として、労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法などの法律を順守することを求めている。』
.
 2009.07.30 ☆介護職員の処遇はどうする 09年衆院選各党マニフェスト
  次回衆議院議員選挙は来月18日公示、30日投票となる。7月29日時点での各党マニフェストの中で、介護職員の処遇に関して、どのように記載されているのかを見てみた。

  自民党
:「介護職員の処遇を改善」するとし、「介護報酬の3%アップ、介護事業主に職員一人あたり給料月額1・5万円引き上げ相当額を助成する。」と要旨に記載している。

  民主党
:「介護報酬の7%相当額を税財源から給付することで介護労働者の賃金改善・介護人材の確保を図り、介護サービスの安定提供・質向上に繋げる。」とし、「認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。」とした。

  公明党:「介護従事者の処遇改善のさらなる推進」を図るとし、「介護従事者が安心して継続的に働ける雇用環境を築くため、賃金の引き上げやキャリアアップ支援など、処遇改善をさらに推進します。」と記載している。

  共産党:「介護労働者の労働条件を改善し、人材不足を解消する」ために、「介護報酬を5%引き上げるとともに、介護報酬とは別枠の公費投入で、介護労働者の賃金を月3万円以上引き上げます。2014年度を目処に、150万人の介護従事者を養成・確保します。」としている。

  社民党:7月16日公表の第一次マニフェストでは、「再建1 “はたらく” 働く者の使い捨てを許さない」の中で、『「いのち」(介護、医療、福祉、教育)と「みどり」(農林水産業、環境・自然エネルギー)分野へ重点的に投資し、働きがいのある人間らしい仕事を作ります。』としているが、介護職員の処遇に関しての記載はされていない。

  国民新党はマニフェストを現時点では公表していない。
(ぶるま)
.
2009.07.28  ☆介護職員処遇改善交付金どう使う?―在宅協・トップセミナー
  27日夜、CBニュース→

『日本在宅介護協会東京支部は7月27日、東京都内で「トップセミナー」を開いた。この中で、「介護職員処遇改善交付金」による職員の処遇改善の方法などについて、民間事業者が発表を行った。

セミナーでは最初に、東京都の宮平弓子・介護人材係長が介護職員処遇改善交付金について、概要や事務の流れ、実施要領案などを説明。申請や報告に必要な書類については、記入例を用いながら解説した。

続いて、交付金の取得要件の満たし方や、介護職員の処遇改善の方法などについて民間の事業者が発表を行った。
「やさしい手」の香取幹社長は、あくまでもシミュレーションとした上で、「介護職員処遇改善計画書」の作成例を示し、具体的な処遇改善の方策として「移動時間手当」や「記録記載手当」を支給することを提案した。また、交付金を受けようとする事業者の責務として、労働基準法などの順守が挙げられていることを指摘。適切に有給休暇を取得させるなど、交付金を労働基準法順守のための原資とする考えを示した。

「ケアサービス」管理本部の福島良一取締役本部長は、交付金による賃金改善の方法として、交付金を基本給に反映させた場合、交付金がなくなった段階で人件費が急に上がってしまうとして、「手当の新設」か「賞与または一時金の新設」を選択する可能性が高いと述べた。また、課題として、2011年度末までという期限付きの制度であることなどをスタッフが正しく理解することや、交付金の対象にならないスタッフへの施策などを挙げた。

「セントケア東京」の藤間和敏社長は、まだ交付金の説明会が開かれていない都道府県もあることなどから、会社として具体的には決まっていないとしながらも、グループとして交付金の申請をして対応したいと述べた。交付金の活用方法については、基本給に上乗せするのではなく、手当として支給していくとの考えを示した。

■経過措置で要介護認定の意味がなくなる―淑徳大・結城准教授
セミナーではさらに、淑徳大総合福祉学部の結城康博准教授が講演した。この中で、今年度から始まった新要介護認定制度にかかわる「経過措置」について、5月に経過措置で認定を受け、半年後の11月に再度経過措置で認定を受けることになる例を挙げた上で、「経過措置を二度使うということは事実上、要介護認定そのものは要らないということ」と指摘した。また、経過措置が認定審査員のモチベーションや、利用者の介護保険に対する信頼の低下につながるとの懸念を示し、経過措置の解除を訴えた。

さらに、介護保険制度は民間事業所の競争原理の中で営まれてきたと指摘し、「交付金を出すということは、介護保険制度の競争原理が失敗だったと認めたようなもの」と述べた。その上で、交付金は制度上間違いであり、介護報酬自体を上げるべきだと強調した。』
.
2009.07.21  ☆介護職員処遇改善交付金の実施要領案で事務連絡
  21日夜、CBニュース→

『厚生労働省はこのほど、「介護職員処遇改善交付金」(仮称)の実施要領案についての事務連絡を都道府県の介護保険担当課あてに行った。交付金の手続きの流れやQ&Aを紹介しているが、交付金事業実施要領(案)については、近日中に正式な通知発出を予定しているとし、一部変更もあるとしている。

介護職員処遇改善交付金の助成を受ける場合、事業者は「介護職員処遇改善計画書」を作成する。これと共に申請書と添付書類(就業規則や労働保険加入証明書類)を都道府県に提出して申請を行い、条件を満たしていれば、承認の通知が来ることになる。
交付金制度のスタートは今年10月からだが、年末に最初の支払いとなる。事業所は処遇改善分として介護職員に支給するが、支給方法は「毎月支払う」や「全額を一時金とする」など、法人に委ねられている。

Q&Aでは、「1人当たり月額1万5000円を上回る賃金改善計画を策定しなければ、助成は受けられないのか」という質問に対し、1万5000円は交付率を決定するために用いた指標で、事業規模や職員体制で変わってくるとし、すべての事業者に月額1人当たり1万5000円の助成が行われるわけではないと説明している。

介護給付収入の変動などにより、実際の賃金改善額が計画書にある改善見込額を下回ることも考えられるが、この場合は交付金の受給総額から賃金改善に掛かった費用の差額を年度ごとに返還することで足りるとしている。

また、賃金改善見込額などは、処遇改善計画書の作成単位全体の平均で見るとしており、全職員に対して同額の賃金引き上げを行う必要はないとしている。
賃金改善額については、原則的に昨年度下期における介護職員の賃金水準との比較になるが、今年4月以降に処遇の改善をしている場合、今年10月以降の「賃金改善実施期間」における支給分については、賃金改善額に含むとしている。賃金改善実施期間は事業者が任意に選択することとされており、今年度は図のようになる。

職員への周知は、事業所に介護職員処遇改善計画書を掲示することなどが示されているほか、できるだけ介護職員1人当たりの賃金改善見込額を盛り込むよう要請している。

また、介護職員以外の職種は交付金の対象にはならず、他職種への処遇改善は介護報酬改定分などを活用して対応してほしいとしている。

このほか、職員の入れ替えなどがあった場合の賃金改善額の考え方については、個々の事業者の実態に応じた適切な方法で計算するよう求めているが、例えば手当を新設したり、昇給額が計算できたりするなど、明確に賃金改善額が区分できる場合は、その改善額の総額が交付金の総額を上回っていればよいとされている。』
.
2009.07.07  ■【参考】株式会社らいふ、介護職の処遇改善の一環として 『全介護職員の賃金アップ』を発表(プレス発表資料)
.
2009.07.06  ☆介護職員処遇改善交付金で要望書-UIゼンセン同盟
  6日夕、CBニュース→

『産業別労働組合の「UIゼンセン同盟」はこのほど、舛添要一厚生労働相あてに「介護職員処遇改善交付金」(仮称)についての要望書を提出した。現時点では交付金の実施時期が2011年度末までとなっており、制度終了とともに賃金低下が起こるならば、安心して働けないとしている。

要望書は、12年度以降はすべての介護従事者の処遇改善につながる恒久的な制度の構築を求め、交付金の支給対象は「介護職員」に限定せず、事業所内の配分は労使の判断に委ねることとしている。
また、交付金申請は処遇改善計画書と共に労使協定書の提出を条件とすることや、交付金が介護従事者の処遇改善に結び付いているかどうかの点検・検証などを行う「処遇改善委員会」の設置、不正受給への対策を要請している。』
.
 2009.06.28 ☆処遇改善交付金、介護報酬に織り込む可能性も-厚労省老人保健課長
  26日夜、CBニュース→

『厚生労働省の鈴木康裕・老人保健課長は6月25日、日本慢性期医療学会浜松大会で「医療・介護改革の方向」と題して講演した。鈴木課長は、膨張する介護保険財政への対応や、地域の状況に応じた高齢者施策の必要性、介護人材の確保などを中心に話し、この中で、介護職員処遇改善交付金(仮称)について、3年後、何らかの形で介護報酬に織り込む可能性があるとの見解を示した。

鈴木課長は、常勤換算で介護職員1人当たり月額1万5000円の賃金引き上げを目指す「介護職員処遇改善交付金」(仮称)について、「座布団をいきなり引っぺがすなどということはできないと思う」と指摘。その上で、3年後の取り扱いについて、「どの程度かは別として、きちっと介護報酬に織り込むということがあると思う」と述べた。

介護保険制度の課題については、財政規模が制度スタート当初の3.2兆円から約2倍になっていると指摘。高齢者の増加に伴いサービスの利用者が増えてきたことから、マーケットの規模が毎年約4%の割合で大きくなっていると述べた。さらに、2009年度の介護報酬のプラス改定や介護職員処遇改善交付金などを考慮すると、第5期計画期間が始まる12年度には介護保険料が大幅にアップしかねないとし、一定の制度改正が必要との見方を示した。また、09-11年度の第4期の介護保険料は平均で約4200円となっているが、これは第3期の介護保険料の「余り」を使っていることが影響したもので、第5期ではこの余剰分は使えないと指摘。介護保険財政の厳しい見通しを強調した。

また、「介護保険制度が始まって以来、高齢者の問題はすべて、介護保険で解決していく流れがあるが、これは介護保険の膨張につながる」とし、「そこの見切りが大切だと思う」と語った。特に検討すべき事項として、補足給付や生活援助サービスを挙げた。

介護をめぐる状況は日本国内の各地で異なっており、もはや国が一定のモデルを地域に押し付けることはできないとも指摘。むしろ、「地域が『こういうやり方をしたい』という時に、どう支えるかという視点が大切」と主張した。

人材確保の問題では、将来的に約190万人の介護人材が必要になるが、少子化で労働人口の増加があまり望めず、ほかの「魅力的な産業」と競争しつつ人材を確保しなければならないと指摘。給与や職へのイメージ、仕事のやりがいなどの面で、人を惹きつけられる魅力が必要だと述べた。また、高校や短大、大学を出たばかりの若い新卒者だけを集めるのは「限界だと思う」と指摘し、女性や元気な中高齢者、外国人などを含め、どう人材を確保するか議論していかなければならないと述べた。』
.
2009.06.25  ☆「介護職員処遇改善交付金」に質問相次ぐ―介護給付費分科会
  24日深夜、CBニュース→

『6月24日に開催された厚生労働省の「第64回社会保障審議会介護給付費分科会」(分科会長=大森彌・東大名誉教授)では、「介護職員処遇改善交付金」(仮称)の要件などについて、委員から厚労省側に質問が相次いだ。

「介護職員処遇改善交付金」は、介護報酬とは別に、介護職員(常勤換算)1人当たり月額1万5000円の賃金引き上げを目指すもので、今年10月から2011年度末までの交付が決まっている。委員からは、交付金が12年度以降はどうなるのかや、交付金を受けるための要件などについて厚労省側に質問が相次いだ。

民間介護事業推進委員会代表委員の馬袋秀男委員は交付金について、「法人としても扱いに悩んでいる。(「介護従事者処遇状況等調査」でも)交付金についての項目を増やして、実態調査をしてほしい」と述べた。

全国町村会会長の山本文男委員は、「3年たったらなくなるのか、それともずっと続けていくのか」と質問。厚労省側は、「12年4月の介護報酬改定にとどまらず、介護保険制度全体のありようも検討した上で、あらためて検討する必要がある」と答えるにとどまった。これに対し山本委員は、「続けていかなければ保険料に跳ね返る。(保険者が)保険料を上げるのは大変」との懸念を示した。

また、参考人として出席した内藤圭之・全国老人保健施設協会常務理事は、「昨年の10月くらいから(職員の給与を)上げてしまったところについてはどう扱うのか」と質問。厚労省側は「既に努力しているところにも配慮する」とした上で、「具体的な交付要件については検討していきたい」と述べた。また、内藤参考人は交付金の税の扱いなどについても、経営者としては気になっているとした。

このほか、龍谷大教授の池田省三委員は、交付金の対象が介護職員に限定されていることについて、「介護はチームプレーなので、(介護職員とそれ以外の職種の職員などとの間に)問題が起こってしまう」と指摘した。
また、「認知症の人と家族の会」副代表理事の勝田登志子委員は、介護報酬改定による昇給が容易ではないという事例を紹介した上で、交付金について「実態と懸け離れている論議が行われている」と述べた。』
.
2009.06.21  ☆介護職員処遇改善交付金の交付率決定-厚労省
  19日午後、CBニュース→

『厚生労働省は「介護職員処遇改善交付金」(仮称)の交付率を最終的に決定し、6月17日付で介護保険関係団体などに事務連絡を行った。

4月27日付の事務連絡で、厚労省は交付額が給与水準に連動することを想定し、各サービスの人件費率に応じた交付率(案)を示していたが、給与水準にかかわらず、1人当たり月額1万5000円の交付を行うことになったため、今回介護職員数に応じた交付率に見直したとしている。

交付率は、「訪問介護」4.0%、「通所介護」1.9%、「通所リハビリテーション」1.7%、「小規模多機能型居宅介護」4.2%、「認知症対応型共同生活介護」3.9%、「介護福祉施設サービス」2.5%、「介護保健施設サービス」1.5%などで、多くのサービスで当初案から変更があった。』


.
2009.06.21  ☆介護報酬改定で「基本給上げた」37%-東社協調査
18日深夜、CBニュース→

『東京都社会福祉協議会の介護保険居宅事業者連絡会は6月18日、今年度の介護報酬改定後の処遇改善などについての調査結果を公表した。それによると、職員の基本給を上げた事業所は全体の37.2%だった。同連絡会では、事業者は処遇改善を実施しつつあるとしている。

調査は東社協会員の1024事業所を対象に、5月25日から6月4日まで行われ、478事業所が回答した(回答率46.6%)。それによると、今年4月の売り上げ見込みと前年同月の売り上げを比べた場合、「20%以上の増収」が37事業所(7.7%)、「10%以上20%未満の増収」54事業所(11.3%)、「10%未満の増収」173事業所(36.2%)となった。
「変わらない」は65事業所(13.6%)で、「10%未満の減収」は98事業所(20.5%)、「10%以上20%未満の減収」32事業所(6.7%)、「20%以上の減収」11事業所(2.3%)だった。

増収と回答した264事業所のうち、「地域区分ごとの報酬単価・人件費割合の変動があった」81事業所(30.7%)、「多くの加算を取得できたから」としたのは70事業所(26.5%)で、「報酬単価そのものが増額した」65事業所(24.6%)、「介護報酬改定以外の要因で売り上げが増えた」112事業所(42.4%)となった。

介護報酬以外の要因で売り上げが増えた理由としては、「利用率・利用人数が増加した」「職員を増員し、サービスが拡大した」「利用者の要介護度が高くなった」などが挙げられた。
今年4月以降の職員(非常勤を含む)の処遇改善への取り組みの状況については、「基本給を上げた」が178事業所(37.2%)で最も多く、「(資格手当など)基本給以外の部分で手当を上げた」が111事業所(23.2%)となった一方で、259事業(54.2%)で基本給のアップを、297事業所(62.1%)では手当のアップを予定していなかった。

職員の処遇改善を行う上での課題(複数回答)としては、「3年後の制度改正・報酬改定を見据えると、基本給までは手を付けられない」が190事業所(39.7%)だったほか、「『介護職員処遇改善交付金』の詳細が分からないので様子を見ている」が182事業所(38.1%)、「今年度の介護報酬改定は赤字補てんにしかならず、職員への処遇改善までは回らない」が175事業所(36.6%)だった。

同連絡会では調査結果のポイントとして、▽介護報酬改定でも利用者への支給限度額は上がらず、利用抑制などの影響が出ている▽地域区分やサービスの人件費割合が見直され、収入が落ちた地域やサービスがある▽加算を取るためのコストと加算による収益が見合わない▽介護事業者は処遇改善を実施しつつある-などと指摘している。』

介護報酬改定後の取組み調査報告書」〜平成21年度介護報酬改定後の会員事業所の状況、制度改善に向けて〜東京都社会福祉協議会 
2009.06.21  ☆「介護報酬改定で現場はどうなった?」 社福と営利法人での差も
  18日夜、CBニュース→

『東京都社会福祉協議会の介護保険居宅事業者連絡会は6月18日、東京都新宿区で介護従事者による情報交換会を開催し、今年度の介護報酬改定による現場の影響などについて話し合った。会場からは、加算が取れる場合でも、利用者の負担を考えて取得をためらうという意見などが出た。

「介護報酬改定後、現場はどうなった?」と題した情報交換会では、参加した介護従事者が「居宅介護支援」「訪問介護」「通所介護」のグループに分かれて、今年度の報酬改定で現場にどのような影響があったかなどを話し合った。後半の報告会では、各グループが報告を行った。

居宅介護支援のグループからは、給与を上げた事業者と様子見の事業者があるという話が出たほか、今年度の補正予算に盛り込まれた「介護職員処遇改善交付金」の対象にケアマネジャーが入っていないことへの不満もあった。今年度の改定で新設された「独居高齢者加算」について、比較的容易に取得できる自治体がある一方で、住民票の提出などを求める自治体もあり、対応が異なるという指摘もあった。

訪問介護のグループからは、介護報酬がアップしても利用支給額は上がらないことから、サービス利用が減るといった影響が出たり、加算が取れる場合でも、事業所が利用者の負担を考えて取得を躊躇したりするという指摘があった。このほか、「リフレッシュ手当」という名目で、処遇改善のため月額3000円を支給する事業所もあるという。

また、事業所はヘルパーに休日手当を出しているが、休日に対応する加算がないことに疑問の声があったほか、今年度の改定でサービス提供責任者による初回と緊急時の対応への加算が新設されたが、仕事がハードであるにもかかわらず報酬が伴っていないという意見もあった。

通所介護のグループからは、事業所の運営主体が社会福祉法人と株式会社の場合では、賃金についての考え方が違うという指摘や、送迎についての加算を設けてほしい、複数人で介助する入浴と機械浴の報酬が同額なのはおかしいなどの意見があった。』
.
2009.05.31  ☆介護職員の処遇改善計画書案を提示-厚労省
  29日午後、CBニュース→

『5月28日に開かれた全国介護保険担当課長会議で厚生労働省は、介護職員の賃金改善のために介護報酬とは別に交付される「介護職員処遇改善交付金」(仮称)を受ける際に事業者が提出する処遇改善計画書の案を示した。

介護職員(常勤換算)1人当たり月額1万5000円の賃金引き上げを目指す「介護職員処遇改善交付金」の助成を受ける場合、事業者は都道府県に処遇改善計画書を提出する必要がある。事業者は計画書を職員が閲覧できる場所に掲示するなど、全職員に周知した上で提出しなければならないとされている。

計画書には、「交付金の1か月当たりの交付見込み額」「介護職員1人当たりの賃金改善見込み額(月額)」「賃金改善の方法」「前年度の介護職員の常勤換算数(総数)」「前年度の賃金の総額」の各項目がある。

このうち、「賃金改善の方法」では、改善しようとする給与項目や改善の期間を記載するが、給与項目については、基本給や各種手当の増額、手当の新設、夜勤手当の単価の割り増しなどが例示されている。

計画書には併せて、人事制度の整備や教育・研修体制、出産・子育て支援の強化といった職場環境の整備など、賃金以外の処遇改善についても記載する必要がある。ただし、「介護職員処遇改善交付金」は使途を賃金に限定しているため、職場環境の整備などには充当できないとしている。
また計画書には、就業規則(作成義務のある事業所に限る)と労働保険料の納入証明書など労働保険への加入が確認できる書類を添付する必要があるとされている。

一方、交付金の助成を受けていた事業所が、労働基準法などに違反して罰金刑以上の刑に処せられた場合、都道府県は助成金の返還や違反状態の適正化が行われるまでの間、助成金の支給停止ができるとされた。

また、介護職員の定着に向け、能力・資格・経験などに応じた処遇を促すため、来年度以降の助成にはキャリア・パスの要件を加え、満たさない事業所には交付率の減額を予定している。
キャリア・パスの具体的内容は検討中だが、事業所内の一定のポストに就くために必要な能力・資格・経験などのほか、それに応じた給与水準を定めることを想定しているという。
今後は、特別養護老人ホームや訪問看護など、事業者の特性に応じたモデルを事業者団体の協力を得ながら具体化していくとしている。

■代替職員の勤務時間は研修時間の4倍が目安
同日の全国介護保険担当課長会議では、介護職員の研修支援についても説明が行われた。
介護職員のスキルアップと併せて地域での雇用創出を図るため、現任の介護職員が研修に参加する場合をはじめ、職員を講師として派遣する場合や外国人の介護福祉士候補者が語学講座を受講する場合などに代替職員を雇用する事業について説明があった。
代替職員の雇用期間は最大1年間で、職員の研修参加時間の合計が10時間の場合、代替職員の勤務時間はその4倍の40時間であることが望ましいとされた。

その後の質疑応答では、「介護福祉士の候補生だけでなく、看護師の候補生も含めてもいいのか」との質問に対し、厚労省側は「都道府県のアレンジの中でやることは可能」と答えた。また、「研修参加時間に移動時間も含めていいのか」という質問には、「研修に係る移動時間も含めて差し支えない」とした。』

■内容は こちら をご覧ください(TOPページにもリンクあります)
.
2009.05.26  ☆次回介護報酬改定時に大規模制度改革も
  26日夕、CBニュース→

『厚生労働省の宮島俊彦老健局長は5月25日、政府の「経済危機対策」に盛り込まれている「介護職員処遇改善交付金」(仮称)について、ボーナスなどの手当ではなく、本給に組み込んでほしいと述べた。また、次回の介護報酬改定時には制度改革により、介護保険の財源を確保するとの考えを示した。日赤振興会が開いた「これからの介護政策―介護報酬改定を踏まえて介護政策の進むべき道」と題する講習会で語った。

宮島局長は「これからの医療・介護保険制度改革と地域包括ケアの展開」と題して基調講演を行った。この中で、介護職員処遇改善交付金について言及。介護報酬とは別に賃金上乗せ分として交付される職員1人当たり1万5000円相当の補助について、2011年度末には終了する見通しであるため、本給には組み込まず、ボーナスなどの手当に組み込むという事業者の声を紹介した。これについて、「介護の職場でもキャリアパスをしっかりつくってもらいたい。なるべく介護の職場に職員が定着するように、本俸に組み込んでもらい、先々が見える賃金体系をつくる第1ステップとして今回の補助金を位置付けたいと考えている」と述べた。

また、「こういうこと(交付金)をやるからには」と前置きした上で、経済危機対策終了後の12年度の介護報酬改定では、「制度改正をやって介護保険の財源を確保するということは、必ずやらなければいけなくなった」と強調。「だから、なるべく事業主の皆さんにはボーナスに組み込むという発想ではなく、なるべく本給与の中に組み入れてもらいたい」とも語った。

続いて行われたシンポジウムの中で、同省の鈴木康裕老人保健課長も、12年度の介護報酬改定について、「次回の改定はかなりの大きな制度改定を含めたものになるだろう」との見通しを示した。また、介護報酬に関して、「ここ2年くらいで少し潮目が変わった。今まで比較的抑制という方向だったが、大事なものは出さなきゃいけない」とした。』
.
2009.05.22  ☆介護報酬増えたけど 特養、待遇改善進まず 北海学園大・川村准教授が調査
  22日、北海道新聞→

『介護福祉士やホームヘルパーなど介護職の待遇改善を目的に四月一日から介護報酬が平均3%増額されたものの、人件費増には必ずしも結びついていない実態が、北海学園大の川村雅則准教授(労働経済学)の調査で明らかになった。

道内の特別養護老人ホームが対象で、回答した施設の八割が、政府が示していた「月額二万円の給与増」を「実現不可能」とするなど、待遇改善による人手不足解消にほど遠い現実も浮かび上がった。
約三百施設を対象に、今年四月にアンケート票を送付、五月上旬までに七十施設が回答した。

「一人月額二万円の給与増」について八割の五十三施設が「まったく実現不可能」と回答。「おおむね実現可能」は二施設のみだった。増えた報酬のうち、全額を人件費に回すとしたのは二割強の十六施設。最多は「(報酬の)半分以下」で、四割の二十七施設だった。

人件費に回せない理由について、過去二回の報酬改定がマイナス改定だったため、「グループ企業の支援を受けてきたので、全額は回せない」との意見や、「(給与を月額二万円増なら)年額二千万円必要だが(実際の増額は)半額」と訴える施設もあった。

介護報酬は、介護保険制度に基づき、介護サービスを提供した事業者に支払われ、使途は決められていない。
川村准教授は「介護職の労働は過酷。その上、低賃金が改善されなければ、労働者は倒れるしかない。今回のような一時しのぎ的な対策ではなく、抜本的な改善策が必要だ」と話している。 』
.
2009.05.20  ☆ケアマネやPTも調査対象に―厚労省 介護給付費分科会
  18日深夜、CBニュース→

『厚生労働省は5月18日、介護給付費分科会調査実施委員会(委員長=田中滋・慶大教授)の第2回会合を開いた。会合では事務局側が、前回の議論を踏まえた具体的な調査票の案を提示。調査対象職種として、ケアマネジャーや理学療法士なども含める方針を明らかにした。また、調査内容などについて、全国老人福祉施設協議会など関係6団体から意見のヒアリングを行った。

委員会は、今年4月の介護報酬改定に伴う処遇改善の状況を検証する方法などを検討するために設置されたもの。4月20日の初会合では、事務局側が示した調査の基本的な考え方について議論された。

18日の会合ではまず、鈴木康裕老人保健課長が、初会合で調査について出された意見の反映状況を説明した。
まず調査対象職種について、看護職員と介護職員だけでなく、ほかの職種も含めるべきとの意見があったことから、「直接処遇職員及び介護支援専門員」とする修正案を提示。ケアマネジャーや理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、生活相談員などを追加するとした。

調査対象サービスでは、▽介護老人福祉施設▽介護老人保健施設▽訪問介護▽認知症対応型共同生活介護▽介護療養型医療施設―に加え、居宅介護支援事業所などを含めるべきとの意見が出されていたが、居宅介護支援事業所の9割が「併設型」で、「ケアマネジャーの処遇状況は、調査対象職種を拡大することで把握できる」として対象から外した。

前回の議論で、政府の経済危機対策で示された「介護職員処遇改善交付金(仮称)」の影響も併せて把握する必要があると指摘する意見があったことについては、「来年度に同様の調査を行い、交付金実施の前後の状況を比較することで、交付金の影響分を把握する」とした。また、交付金の認識に関する調査項目を追加し、交付金の申請状況などを把握するとした。

続いて会合では、関係6団体からヒアリングを実施した。全老施協の桝田和平・介護保険委員会委員長は、今年4月の介護報酬改定では、基本報酬の引き上げではなく加算方式が取られたため、多くの施設が「非常に不確定な状況」にあると指摘。基本給の引き上げには踏み切らず、「賞与に反映させる所も多いのではないか」と述べた。また、給与の引き上げをしないと回答した事業者に対して、「しない理由を聞いてほしい」と求めた。また、日本慢性期医療協会の安藤高朗副会長は、介護保険適用の療養病床と医療保険適用の療養病床が混在している場合、「介護保険分のみ給与を引き上げるのは難しい」と訴えた。

厚労省では今後、各団体と調整した上で調査案に修正を加え、委員らに送付。委員らのコメントを基に再度修正し、6-7月ごろ、介護給付費分科会に調査内容の案を示す予定だ。』
.
2009.05.17  ☆認知症介護指導者養成研修の修了者も加算算定対象に―厚労省
  14日深夜、CBニュース→

『厚生労働省は、「認知症介護指導者養成研修」の修了者を「認知症介護実践リーダー研修」の修了者と見なし、「認知症専門ケア加算」の算定要件に組み込むことができるとする事務連絡を、5月13日付で都道府県の介護保険主管部局あてに行った。

リーダー研修が未修であっても、指導者養成研修を修了した者をリーダー研修の修了者と見なし、算定の要件に組み込むことができるようになる。昨年度までの指導者養成研修のカリキュラムに、リーダー研修の内容が含まれていたことなどを受けての措置。

今年4月の介護報酬改定で新設された認知症専門ケア加算は、リーダー研修を修了している職員を一定数以上配置することなどが算定の要件になっている。しかし、複数の自治体から、「指導者養成研修の修了者をリーダー研修の修了者と見なせないか」という照会があったという。

また、原則としてリーダー研修の修了者が受講対象になっている指導者養成研修については、経過措置として、今年度に限りリーダー研修未修者もリーダー研修の修了者と見なすとしている。ただし、研修中に一定のプログラムを行うことなどが条件。来年度以降は受講者をリーダー研修の修了者に限定するという。』
.
 2009.05.17 ☆「福祉全体の給与引き上げに取り組む」-自民・田村氏
  13日夜、CBニュース→

『次期衆院選に向けた各党の介護政策を聞くため、「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」(介護1000万人の輪)は5月13日、東京都千代田区で公開政策討論会を開いた。この中で、自民党の田村憲久衆院議員は、政府の追加経済対策で示された介護職員の処遇改善のための4000億円の交付金について、「3年後も続けることが大前提」と強調。また、介護だけでなく、福祉全体の給与引き上げにも取り組むと述べた。

討論の中では、政府が4月の経済危機対策(追加経済対策)の中で示した約4000億円の「介護職員処遇改善交付金」(仮称)が3年を期限としていることについて、各党が意見を述べた。
民主党の山井和則衆院議員は、「(3年後に)はしごを外されるか分からないので、介護事業者は怖くて賃上げに回せない」と述べたほか、民主、共産、社民、国民新の野党4党で3月に参院に提出した、介護人材の確保に約4000億円の財源を充てることを盛り込んだ法案に触れ、「政権を取れば、年4000億円をずっと付ける」と訴えた。
これに対し、自民党の田村議員は、「介護従事者の給与を引き上げなければならないのは同じ思い。ただ、財源をどこで担保するのか」と疑問を呈するとともに、同交付金について「当然、3年後もやることが大前提」と強調した。

また、介護だけでなく、福祉全体の給与を引き上げていかなければならないとし、「介護はよかったけれど、保育は駄目というのは不幸な話。福祉で世の中が回っていくようにしなければならない」と述べた。』
.
2009.05.14  ☆介護従事者の処遇改善に新たな補助金枠 現場の期待と評価はいかに?
  14日、日経BPネット→

『15兆円超(事業規模にして56兆8000億円)という過去最大の財政出動による経済危機対策が、裏づけとなる2009年度補正予算の成立とともに動き出す。社会保障分野において、注目されているメニューの一つが「介護職員処遇改善交付金」だ。介護職員の処遇改善といえば、2009年度の介護報酬改定でも3%アップという触れ込みで実現が図られたばかり。今回の追加的施策には、果たしてどんな意味があるのか。その実効性は期待できるのか。

事業規模4000億円にのぼる交付金が介護職員待遇の切り札として動き出す
今回盛り込まれた「介護職員処遇改善交付金」の事業規模は約4000億円。介護保険の枠外であるがゆえに、当然のことながら全額が国費からの財政出動となる・・・(田中元=介護福祉ジャーナリスト)』

■続き はこちら
.
2009.04.26  ☆国の介護報酬引き上げ 事業所で効果に差 人手不足解消も不透明/山口
  26日、毎日新聞(山口)→

『不況続きの中、依然「人手不足」状態が続く介護業界。「重労働の割に賃金水準が低い」とのイメージが根強いのが原因とみられ、国は今年度、00年の介護保険制度開始以来初めて介護報酬を引き上げ(3%)、労働者の処遇改善をうたった。しかし、国家資格である介護福祉士の多い事業所などに有利な仕組みのため、現場からは「格差が広がる」と効果を疑問視する声も根強い。一方で、介護福祉士の受験資格が厳格化される方針も決まっており、人手不足の解消につながるかも不透明だ。【諌山耕】

 今回の報酬引き上げは、(1)夜勤など負担の大きい業務のサービス単価引き上げ(2)介護福祉士などを多く配置する事業所への加算(3)賃金水準の高い都市部への単価上乗せ--が3本柱で、県内には(3)の該当地域はない。

 「介護福祉士の多い事業所の加算額が大きいが、うちの陣容では……」。山口市内で訪問介護や通所・入所系施設など36事業所を運営する医療法人「青藍会」(同市吉敷中東)の岩本悟史次長が表情を曇らせる。
国はサービスの種類ごとに、事業所職員に占める介護福祉士の比率と、それを達成した場合の報酬加算額を定めている。訪問入浴介護は、比率が30%以上なら、サービス1回につき240円▽通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーション(デイケア)は40%以上で同120円▽入所施設なら50%以上で利用者1人1日につき120円--など。

 岩本さんは「この加算が取れると取れないでは、報酬全体のアップに大きく影響する」と話す。青藍会の場合、200人弱の介護職員のうち介護福祉士は約3割。現状で確実に加算基準を満たすのは、36事業所のうち4事業所にすぎないという。
そのため、同会は職員に介護福祉士資格の取得を促し、毎年1月の試験の前に勉強会を開くなどの支援をしてきた。介護福祉士には毎月数万円の資格手当を設けているため希望者は多く、昨年は約20人が受験した。

 そんな中、国は07年、介護福祉士の受験資格を厳格化する法改正を行った。3年以上の実務経験があれば受験資格が得られたのを、12年度からは、さらに大学や専門学校での半年以上の受講が義務づけられる。人材の質の向上が狙いという。

  「仕事の後の数時間を割いて受講せねばならないし、費用もかさむ。職員の意欲が低下しなければいいが」。岩本さんは首をかしげる。介護福祉士を目指す女性職員(21)は「質の向上は分かるが、“人手不足の解消”の流れと逆行するのでは。なり手が減ると、今いる私たちの負担が増える」と懸念する。

 介護労働安定センターの07年度の調査では、介護労働者の離職率は21・6%と、全産業平均の15・4%を大きく上回る。高齢化の進展で確実に増す介護ニーズに応えるための、働きやすい環境の構築が急務だ。』
.
2009.04.23  ☆ショートステイの個別リハ「利便性高い」―全老健
  21日深夜、CBニュース→

『全国老人保健施設協会は4月21日、東京都内で「2009年度介護報酬改定セミナー」を開いた。厚生労働省による介護報酬改定の解釈通知やQ&Aの発出を受けた現段階で、老健の運営での対応策を説明することなどが目的で、厚労省老健局老人保健課の鈴木健彦課長補佐が講演し、老健が担うリハビリ機能の重要性などを指摘した。また全老健の社会保障制度・報酬委員長の内藤圭之氏や管理運営委員長の東憲太郎氏は、介護報酬改定への具体的な対応策などについて講演し、特にショートステイにおける個別リハビリテーション実施加算について、「非常に利便性が高い」と述べた。

セミナーではまず、鈴木課長補佐が「09介護報酬改定と従来型老健の今後の方向性」と題して講演。老健にかかわる主な改定内容として、▽夜間における手厚い職員配置等に対する評価▽ターミナルケアの評価▽在宅復帰支援機能加算の見直し▽短期集中リハビリテーション実施加算の見直し▽外泊時費用の見直し―の5点を挙げた。

さらに鈴木課長補佐は、老健で実施できるリハの「バリエーション」が増えた点や、在宅復帰率が50%以上の場合のみ算定可能だった在宅復帰支援機能加算が、在宅への退所者の割合に応じた段階的な評価に見直された点を指摘。今後の老健の役割について、在宅の要介護者にリハを提供したり、リハによって入所者の在宅復帰を目指したりすることなどが、「非常に大きな役割になるのではないか」と述べた。また、「これらは実際に行ってもらえれば、加算が取れる仕組みになっている。こういったところをきちんとやってもらうのが、老健の皆さんの使命になるのではないかというのが、わたしの個人的な考えだ」と語った。

次に内藤氏が講演し、介護報酬改定の内容の解釈を全老健が厚労省に照会した点などについて説明した。特に今年度改定で新設されたショートステイにおける個別リハビリテーション実施加算について、算定期間の有無を問い合わせたところ、「要件を満たせば算定期間の定めはない」との回答を得たと発言。また、「通所リハビリテーションで短期集中リハビリテーション実施加算を利用している利用者が、短期入所療養介護を利用した際に個別リハビリテーション実施加算を算定することは可能か」との問いに対して、「要件を満たしていれば算定可能」との回答を得たと説明した。

続いて講演した東氏も、ショートステイでの個別リハビリテーション実施加算について、▽週単位または利用期間中における回数の上限がない▽リハビリの内容も問わない(身体リハでも認知症リハでも可)▽「過去3か月の算定の有無」など、認知症短期集中リハビリテーション実施加算に設定されているような縛りはない―との特徴を挙げ、「非常に利便性が高い」「在宅支援での強力な武器として大いに活用すべき」と述べた。

  具体的には、認知症短期集中リハビリテーション実施加算を3か月算定した後、利用者を在宅に帰したが、認知症の症状が悪化し、再度、認知症リハが必要になった際、再び同加算を算定できるようになるまでの間、「スポット的にショートステイを使い、悪化を食い止める」ことができると指摘した。』
.
2009.04.20  ☆介護職員給与1万5000円増額 待遇改善計画に交付金 厚労省
  20日、産経新聞→

『厚生労働省は、追加経済対策に盛り込まれた介護分野の充実策をまとめた。4月からの介護報酬3%アップでも改善されない介護職員の給与を、さらに1人当たり月1万5000円引き上げるため、待遇改善計画を作成した介護事業者に交付金を支給するほか、高齢者の受け皿不足解消に向け、施設整備に対する補助金も増やす。厚労省は、今回の介護充実策の内容を3年後の介護報酬改定に反映させて恒久措置としたい考えだが、消費税増などによる安定財源を確保できるかが課題となる。

充実策の一番の柱は介護職員の待遇に関する追加改善策だ。政府・与党は昨秋、21年度の介護報酬改定で、介護保険制度の創設以来初めて介護報酬を引き上げ、介護職員の給与を月2万円増やすとしていた。だが、実際には引き上げ分が介護事業者の運転資金などに回ったため給与増につながらず、介護施設団体の調査によると月5000円程度しか上がらなかった。

今回の介護充実策では、介護職員の待遇改善策を作成して職員に通知した介護事業者に対し、23年度まで介護報酬とは別に「介護職員処遇改善交付金」を支給。支給額は介護サービスごとに異なり、人手がかかる訪問介護などに手厚く配分する。今年10月から支給を始め、22年度以降は、職員のキャリアアップに向けた研修計画を作成しない事業者の支給額を減額することで、事業者側の待遇改善努力を促していく。交付金の総額約4000億円は介護報酬に換算すると2%分に相当するが、全額を国費で賄うため保険料額は増えない仕組みとなっている。

新たな交付金の支給で、常勤職員の平均給与は月1万5000円増えると見込まれており、政府・与党は「これで介護報酬アップ分と合わせ、当初約束していた月2万円引き上げになる」(閣僚経験者)としている。厚労省は、24年度の次期介護報酬改定で今回の待遇改善策の恒久化も視野に入れているが、そのためには介護報酬のさらなる引き上げが必要。消費税率アップなどによる税投入や保険料負担増が不可欠で、実現のハードルは高そうだ。

このほか、介護分野の充実策では、群馬の老人施設火災などで施設不足が指摘されていることを受け、特別養護老人ホームなど施設整備への補助金を拡充。開設準備に伴う職員向け訓練や広報などの経費も支給する。23年度までの3年間で必要な約3000億円は全額国費で賄う。
厚労省は、合わせて介護職員の養成・研修支援や相談体制の強化も行うとしており、23年度までに介護施設を従来計画よりも4万床、介護職員も10万人増やすとしている。


サービス別の処遇改善交付金上乗せ率
・訪問介護、夜間訪問介護 4.0%
・ショートステイ 2.9%
・デイサービス、訪問入浴介護 2.6%
・特養ホーム、小規模多機能型施設 2.3%
・グループホーム 2.0%
・老健施設 1.8%
・デイケア、介護療養施設 1.5%

※対象事業者には、元々受け取っている介護報酬の総額に上乗せ率をかけた金額が、介護報酬とは別に支給される』
.
2009.04.17  ☆【ゆうゆうLife】介護報酬UP 職員給与や利用料は?(下)
  16日、産経新聞→

■短時間の訪問介護、値上がり
介護報酬の改定で、介護サービスの利用料も変わります。特に、1時間未満の家事援助や、30分未満の身体介護など、短時間の訪問介護を頼んでいる場合、利用者負担は1回当たり20円程度の値上げになります。東京23区など、都市部に住む人の利用料にも影響が出そうです。(清水麻子)
「介護保険の利用料は上がるんでしょうか?」
東京都北区の実家を訪れた会社員、鈴木一雄さん(54)は先月下旬、認知症の母、正江さん(75、要介護2)のケアマネジャー、三橋正宏さんに尋ねた。
「ヘルパー代は1000円程度上がりますが、デイサービスが若干下がるので、負担増は数百円程度で済むと思いますよ」。三橋さんが電卓をたたくと、鈴木さんはほっとした表情を見せた。

父親の範二郎さん(89、要介護5)が入院中のため、正江さんはヘルパーに助けてもらい、自宅で1人暮らし。父母の年金は月に計約22万円だが、父親の入院費約10万円と、年々上がる介護保険料、家の借地料などを引くと、生活費はそれほど残らない。母親のヘルパー利用を極力抑え、1日1時間ほどしか来てもらっていないが、短時間利用の値段が上がると聞いて不安だったという。
鈴木さんは「不況の影響で、私の年収は60万円以上減り、高校や大学に通う4人の子供にもお金がかかる。父母にもっとお金を出してあげたいのですが、僕にかい性がなく…、悔しい」と肩を落とす。


■都市部では“二重苦” 事業所収入は増加へ
介護報酬改定で、短時間のヘルパーサービスの報酬単価が上がる。それに伴い、利用料は、30分以上1時間未満の家事援助ヘルパーが1回あたり21円増、30分未満の身体介護ヘルパーが同23円増になる。
厚生労働省老人保健課の担当者は「介護保険の財源は限られている。ヘルパーサービスは、長時間より、短時間で頻回に訪問した方が、事業所収入としても効率的で、利用者の自立につながる可能性もあるので、短時間利用を増やしたい」と解説する。
事業所収入が上がれば、現在、1200円程度のヘルパーの時給を上げられる。長く勤めてもらい、質の高いサービスにつなげる狙いだ。

多くの訪問介護事業所では、先月から利用者に説明を開始した。アサヒサンクリーンの鈴木昭彦・東京支店長は「利用者はまだ、実感が伴わないようだ。4月分の請求書は5月初旬に送付し始めるため、声が大きくなるのはこれからかもしれない」と話す。
立正大学の国光登志子教授は「経済的に苦しい人が、医療ニーズが高かったり、認知症の問題行動があったりで、頻回のヘルパー利用が必要だと、大変だ」と懸念する。また、利用限度額を超えてサービスを使わざるをえない人は、限度額を超えた利用に10割の自己負担がかかる。

大学の非常勤講師として働く仙台市の本村昌文さん(38)は、自宅で脳梗塞(こうそく)で倒れた妻(44)=要介護4=を介護する。先月、ケアマネジャーから「利用料が少し上がるかもしれない」と説明された。同市は地域加算が増え、利用料も上がるためだ。同様に東京23区など、都市部で利用料が上がる。
本村さんは介護報酬引き上げ前も、自己負担分を含め月に約15万円を払っていた。「あまり上がると、サービスを減らさなければならない。仕事との両立が難しくなる…」と心配顔だ。

国光教授はケアマネジャーの手腕に期待する。「ケアマネは地域の助け合いサービスなど、安く使える自費サービスや、認知症の見守りなどの住民参加型サービスの情報提供をし、負担軽減になるプランを考えてほしい」と話している。』
.
2009.04.17  ☆介護分野の経済危機対策で事務連絡-厚労省(続報)
15日深夜、CBニュース→

『厚生労働省は4月13日付で、介護分野における経済危機対策(追加経済対策)について、都道府県介護保険担当課などに事務連絡を行った。

事務連絡は、政府・与党が10日に決定した経済危機対策のうち、介護分野の対策をまとめたもの。対策には、特別養護老人ホームなどの介護拠点の緊急整備や、介護職員の処遇向上のため介護報酬とは別に交付する「介護職員処遇改善交付金」(仮称)の創設などが盛り込まれている。

介護拠点の緊急整備の事業規模は約3000億円で、第4期介護保険事業計画にある約12万床の整備に加え、3年間で約4万床を追加整備する。
助成の対象には、市町村交付金で対応するものとして、▽小規模(定員29人以下)特養▽小規模老健▽小規模ケアハウス▽認知症高齢者グループホーム▽小規模多機能型居宅介護事業所-が、都道府県補助分として、▽大規模(定員30人以上)特養▽大規模老健▽大規模ケアハウス-がそれぞれ挙げられている。

介護報酬とは別に交付する「介護職員処遇改善交付金」の事業規模は3年間で約4000億円。介護職員(常勤換算)1人当たりに換算すると、月額1万5000円の賃金アップに相当する額としており、今年10月から実施する予定だ。
事業所が交付を受けるには、介護職員1人当たりの交付金の見込み額を算定し、それを上回る処遇改善計画を作成して職員に計画を周知した上で、都道府県に提出する必要がある。また、2010年度以降は、キャリア・パスについての要件を加え、満たさない事業所は交付率を減額するとしている。
事業者への交付額は、介護報酬総額(利用者負担を含み、補足給付を含まない)に交付率を掛けて計算する。交付率としては、訪問介護4.0%、特養2.3%などが示されている一方、訪問看護や居宅介護支援は助成対象外となっている。

また、介護職員に外部研修などを受講させる場合、代替の職員を雇用するための支援を行うほか、雇用保険の受給資格のない離職者などに対し、社会福祉施設などで職業訓練が受けられるようにする。
離職者への職業訓練は6か月から1年を予定しており、参加者への訓練手当は1人当たり月10万-12万円を想定。受け入れ施設にも1人当たり月10万円程度の奨励金を想定しているが、老健局振興課では、訓練の規模は現在のところ未定としている。』
.
2009.04.16  ☆【ゆうゆうLife】介護報酬UP 職員給与や利用料は?(中)
  15日、産経新聞→

■給与の引き上げ、施設で差
介護報酬の引き上げで、4月から職員給与を上げる施設があれば、上げない施設もあり、職員は明暗さまざま。全体で3%上がったはずなのに、なぜ施設によって差が生じるのだろうか。
(清水麻子)

東京都でも、自然が豊かな日の出町。特別養護老人ホーム「ひのでホーム」で介護職として働く大和田健司さん(29)は「給与が上がると、さらに頑張ろうという気がわきます」と力を込めた。
大学卒業後、高齢者にかかわりたいと仕事に就き、今年で8年目。毎年少しずつ昇給はあったが、月の手取りは20万円前後だった。
しかし、今年は初めて計2万円の大幅増になる予定だ。ホームでは、介護福祉士の資格手当(5000円)が新設され、さらに昇格で主任手当(1万5000円)も加わる。「介護の仕事は、お金に変えられないやりがいがある。でも、続けるには生活の安定が必要。増えた分は将来のために貯金しようと思います」と大和田さん。

一方、神奈川県秦野市の新型特別養護老人ホーム「はだの松寿苑」の介護職、亀井俊至さん(29)は昇給はあったが、特別な支給はなし。「子供が生まれたばかりですし、特別に支給がなかったのは残念」と肩を落とす。

以前は会社員だったが、介護の世界に転職し、今年で4年目。上司や同僚に恵まれ、仕事も楽しい。しかし、子供が成長した10年後の年収で教育費が確保できるか不安がよぎるという。

■「加算」が分けた明暗 質の高さ・重い業務に多くの費用
給与が上がる大和田さんと、上がらない亀井さん。明暗は、介護報酬改定に組み込まれた「加算」の影響だ。日本社会事業大学の藤井賢一郎准教授は「『加算』は『これをやれば高い報酬をあげます』という国の政策誘導策。3%増といっても、サービス全体を引き上げたのではない。加算が取れた施設、取れない施設で明暗が分かれる」と説明する。
今回の改定では、介護福祉士資格のある職員が一定以上いる▽3年以上勤務する職員が3割以上▽夜勤職員が国の基準より1人以上多い-などの施設へ、加算が新設された。質の高いケア、業務の負担が重い施設に多くの費用が出る仕掛けだ。

大和田さんが勤める「ひのでホーム」では、介護福祉士の資格を持つ職員が6割。新設加算5種類がつき、ホームの収入は前年比1000万円以上増。増収で介護福祉士手当と社会福祉士手当(各5000円)を新設し、パートを含め、専門資格のある職員給与を手厚くできた。神田明啓理事は「東京23区の施設は地域加算で報酬単価が手厚くなったが、日の出町は同じ都内でも地域加算がつかない。それでも、経営努力を続けてきたからこそ職員に還元できた」と胸を張る。
一方、給与が上がらなかった亀井さんが働く「はだの松寿苑」は地域加算の対象でもなく、新設加算も2種類しか取れなかった。
久保谷勤理事長によると、オープン3年目で介護福祉士はまだ少ない。また、国の方針を受け、全室個室のユニットケアの施設を、土地込み総工費約20億円で建設したが、補助金や交付金が年々減り、借金返済に追われる。節電や能力給導入など、効率化に血眼になるが、単年度収支を黒字にするのがやっと。久保谷理事長は「職員に還元できず申し訳ないが、国の方針に振り回され、どうしようもない」と肩を落とす。

藤井准教授は「国が加算で介護サービス全体の質を高めていくのは良いことだが、経営が回っていない施設で働く職員の給与は担保されない。首都圏のベッドタウンの日の出町や秦野市では、人件費は東京23区に比べてそれほど低くない。それなのに、介護報酬が最も低い区分に分類されているのは制度設計上の問題で、再考が必要だ」と指摘している。

【用語解説】地域加算
都市部では地方より物価や人件費が高いため、介護報酬1単位が高く設定されている。基本は1単位10円だが、今回の改定で東京23区は最大11・05円になる。基礎単価が上がるので事業収入への影響が大きい。』
.
2009.04.14  ☆介護保険最新情報NO.75
■ LINK「介護分野における経済危機対策について」(介護職員処遇改善交付金)  PDF
.
2009.04.14  ☆【ゆうゆうLife】介護報酬UP 職員給与や利用料は?(上)
  14日、産経新聞→

■私の2万円…どこに?
  介護保険サービスの値段にあたる「介護報酬」が1日から、3%上がった。報酬引き上げは介護保険スタート以来。政府は介護職員の給与増でケアの質を高めたい意向だ。しかし、現場では「給与が上がらない」との声も。なぜ、介護報酬が上がっても、給与は上がらないのか。改定の影響を3回でリポートする。(清水麻子)

「みなさん、ちょっと来てもらえますか」。2月下旬、東海地方の特別養護老人ホームで、施設長に呼ばれ、職員らが集まった。
「いよいよか」。デイサービスに携わる介護職、江村洋介さん(33)=仮名=は期待に胸を膨らませた。昨秋からテレビで「職員1人当たり月に2万円給与が上がる」と繰り返してきた舛添要一・厚生労働相の顔が浮かんだ。

しかし、期待は外れた。「うちは、給与は上げません。皆さんのプラスになるよう職場環境の改善に使います」。施設長の言葉に、「それでは、意味がないじゃないか」と声が出かかった。
江村さんが、この法人に就職して8年。3年目には介護福祉士になり、5年目にはケアマネジャー資格を取り、専門性を磨いてきた。利用者に満足してもらえるよう、毎日頑張ってきたつもりだ。

しかし、30歳を過ぎたころから、20万円にも満たない給与に疑問を抱くようになった。今の手取りは約18万円。「寮が月6000円なので生活はできます。でも、狭いので、結婚して子供ができたら暮らせません」。節約しようと、休みには実家で食事を取り、母に作ってもらった1週間分の総菜を抱えて寮に帰る。
「30歳を過ぎて自活できず、両親には申し訳ない。でも、結婚して子供が3人いる同僚も親にパラサイトせざるをえないと嘆いています。『1人2万円』は一体、どこに消えたのでしょう?」

■給与上がらず広がる失望感 職員に説明必要
厚生労働省の調査では、介護施設職員の月収は全年齢平均(税込み)で男性は23万円、女性は21万円。全産業平均の男性37万円、女性24万円を下回り、将来的にもあまり上がらない。
介護職の離職や不足が絶えないことから、政府は昨年10月、介護報酬を3%上げ、給与水準を引き上げる方針を打ち出した。総額約2300億円は、全国の介護職約80万人(常勤換算)で割ると、1人月に2万円超。この数字に期待をかけた職員は多かった。

しかし年が明け、給与がそれほど上がらないと分かると、失望感が広がった。
厚労省は「3%分は職員の給与や研修など、待遇改善に使うよう、事業者に理解を求めている。しかし、強制はできない。事業者がどう職員の待遇改善をしたか、今秋にも調査するつもりだ」(老人保健課)と説明する。

淑徳大学の結城康博准教授は「介護報酬は過去2回の改定で連続して下がっており、事業者に報酬のすべてを給与に回す体力は残っていない。ただ、報酬増分を何にどう使うか、事業者が丁寧に説明しないと、職員から逆に不信感を買う」と警鐘を鳴らす。

東京都足立区の特別養護老人ホーム「千住桜花苑」は報酬改定で収入が実質2・4%分増えた。だが、土地と建物の借金返済があり、職員への還元は1人約6000円。先月下旬、職員会議を開き、厳しい経営状況で賃上げにつなげたことに理解を求めた。
近藤常博施設長は「十分説明しなければ、苦しい中でつけた6000円が当然の権利になってしまう。給与はお上から降ってくるものではなく、経営努力で増えるもの。それを職員に周知するうえでも、説明は大切」と話す。

一方、3%では給与水準は改善しないとの意見が相次ぎ、与党は追加経済対策で、3年間で約4000億円規模の公費を投入し、賃上げを図る方針だ。結城准教授は「こちらも、職員の期待が先走っている。事業者は詳細が分かり次第、職員に説明していくべきだ」と話している。

【用語解説】介護報酬
介護保険でサービスを提供する介護事業者に支払われる、サービスごとの公定価格。事業者の運営実態を考慮し、3年に1度、見直される。』
.
2009.04.11  ☆追加経済対策の早急な実行を 介護職員給与引き上げに400億の基金―首相
 10日夜、CBニュース→

『麻生太郎首相は4月10日、首相官邸で記者会見し、政府が同日決めた追加経済対策を実行に移すため、必要な補正予算案と関連法案を早急に取りまとめて今通常国会に提出し、成立を急ぐ考えを示した。

 麻生首相は冒頭、国民生活を守るとともに、世界各国と共に経済危機に対処するため、断固とした対策を打つと強調。
 その上で、今回の追加経済対策について、景気の底割れを防ぐためだけでなく、生活者の安心と未来への経済成長につなげることに力を入れたとした。

 追加経済対策の中で医療・介護分野については、地域医療の再生のため、総額3100億円の交付金をつくることを表明。地域内での医療機関・医療従事者の役割分担を進めることで、効率的で十分な医療サービスの提供を支援するとした。
 また、介護職員の処遇改善については、4000億円の基金をつくり、給与を引き上げると述べた。』
.
2009.04.08  ☆介護職の賃金、月額1.5万円アップ 厚労省方針
  8日、朝日新聞→

  『厚生労働省は7日、新経済対策として、介護職員の賃金を1人(常勤換算)当たり月額1万5千円引き上げるため、事業者に人件費として3年間で総額4千億円を交付する方針を固めた。また、高齢者の「受け皿」が不足していることから、施設整備への財政支援を拡充する。3年間で約3千億円を充てる方針だ。

「介護職員処遇改善交付金」(仮称)は、申請を受けて事業者に支給する。自治体の準備が必要なため10月実施の予定。交付金を受けるには、(1)職員の賃金アップのための処遇改善計画を作成し、職員に示す(2)10年度以降は、キャリアアップの研修計画を加える――ことが条件だ。

処遇改善のため、厚労省は4月に介護報酬を3%引き上げた。今回の4千億円は、規模としては介護報酬2%相当分。全体で5%アップと同水準だが、保険制度の枠組みの中でこれを維持するには、3年後の報酬改定で保険料引き上げが必要になる。

特別養護老人ホームなどを緊急整備するため、例えば小規模な特養を建設する場合、現在1床あたり国から200万円の助成金が出ているところを、2倍程度に増額。さらに開設準備に必要な経費に、新たな補助金をつける。』
.
2009.03.31  ☆介護報酬改定へのパブコメ結果を公表-厚労省
  31日夕、CBニュース→

『厚生労働省は3月31日、2009年度介護報酬改定についてのパブリックコメントの結果を公表した。意見募集は1月22日から2月20日まで実施され、324人から501件の意見が集まった。

意見や質問は厚労省が30項目・約160件に整理・集約を行い、それぞれ回答している。

代表的なものとして、「今回の介護報酬改定のプラス幅では現場の問題は解決できない」という意見に対し厚労省は、政府も介護従事者の処遇改善に向けた対策を講じる考えがあると回答。具体策として「介護従事者の雇用管理改善に取り組む事業主等に対する総合的な支援の実施」「事業者に参考となる経営指標や経費配分のモデル(経営モデル)の作成・提示」「介護報酬改定後の介護従事者の給与水準についての検証」などに取り組み、介護従事者の処遇改善に確実に結びつくような工夫を行うとした。

詳しくは、電子政府のホームページ』

■ここです
.
 2009.03.31 ☆介護の雇用拡大、まず賃金改善から
  31日、日経ネットPLUS→

◇結城康博(淑徳大総合福祉学部准教授)
政府は雇用のミスマッチを解消するため、介護など慢性的な人手不足の産業に労働力を移転させる政策を打ち出した。「派遣切り」に遭った労働者の受け皿としても介護・福祉産業への期待がある。だが、介護・福祉分野の雇用拡大を考えるのであれば、まずは給与水準の低さから現場を離れた有資格者の復帰を促す政策を優先すべきだ。

政府は「派遣切り」などで失業した非正規労働者にホームヘルパーの資格取得を促す訓練費用も盛り込んだが、右から左へ移転するほど単純ではない。認知症の老人らをケアするには高度な技術、温かい心、高い志が必要だ。「派遣切り」に遭った人が転じても、即戦力とはなりにくい要素がある。

■平均を200万円下回る年収
さらに、低賃金こそが介護・福祉分野に労働者が定着しない最大の理由となっている。厚生労働省の2007年の調査によると、有料老人ホームなどで働く施設介護職員(男性)の平均年収は307万円。男性労働者全体の平均である511万円を200万円以上下回る。事務職の派遣社員でも日中勤務(午後5時退社)で300万円前後はもらえる。それが介護だと夜勤や休日勤務までこなしてようやく同じ水準だ。

ホームヘルパーや介護職員の離職率(就職後3年以内に退職する人の比率)は正社員の場合で20%、非正社員だと23%(08年7月、介護労働安全センター調べ)となっている。一般労働者の離職率は12%だから著しく高い。介護関連職種の有効求人倍率は07年に2倍を超え、年々人手不足に拍車がかかっているのに、厚労省は介護事業者に支払う介護報酬を過去9年間のうちに2回減額した。保険財政の膨張を抑制するためだ。

08年度第2次補正予算や09年度予算に福祉・介護人材確保の予算を盛り込んだ。介護保険料の引き上げを抑制し、介護報酬を3%引き上げる交付金を予算化した。しかし、これでは不十分だ。現状のままでは、介護は雇用の受け皿どころか、調整弁にしかならない。

■離職介護士を生かせ
「派遣切り」に遭った失業者の中には意欲があり、再教育を受けて介護・福祉分野に定着する人もいるだろう。しかし多くは景気が持ち直せばより高い報酬を求めて離職するに違いない。公的支援でヘルパー資格を取得させても、税金が無駄になる可能性が否定できない。

介護現場の従事者は約120万人いる。このうち国家資格の介護福祉士を持つのは約30万人と想定される。一方、資格を持ちながら介護の現場を離れた「潜在介護福祉士」は約25万人いる。介護報酬を大幅に引き上げ、年収が100万円増えるだけでもかなりの数の潜在介護福祉士を現場に呼び戻せるだろう。未経験者を研修するより低いコストで済むはずだ。優秀な介護福祉士が低賃金を理由に現場から離れてしまい、労働力の質や介護サービスのレベルが落ちるという問題にも歯止めを掛けられる。

■介護の公的雇用を増やせ
公的な介護サービスの拡大も重要だ。民間企業は有料老人ホームや訪問介護などには参入したが、虐待を受けた老人や認知症患者のケアとなると敬遠する。3月に火災で10人が死亡した、群馬県渋川市の無届け老人施設は生活保護受給者を受け入れていた。このような施設は本来、国や自治体が整備すべき分野だし、結果として安定したサービスと雇用が広がる。

消費税の福祉目的税化などで財源を賄うよう検討すべきだ。高齢者は増加の一途なのに、財政悪化を理由に社会保障費を削減してきた対応には無理がある。社会に対して公が担うべき分野は厳然とある。国や自治体は行政コストの無駄遣いをなくし、その上で国民も必要な負担増は受け入れる覚悟が必要だ。年金、医療、介護は政治として粛々と決断すべき課題だ。決断しない政治を許すなら、国民も無責任のそしりを免れない。介護現場でケアマネジャーをした私の経験からもそう思う。

◇ ◇ ◇
◎介護職員の平均年収(2007年)
(単位:万円、カッコ内は平均年齢)
男性 女性
全労働者 511(41.9) 327(39.2)
施設介護職員 307(32.6) 277(37.4)
ホームヘルパー 287(36.7) 263(45.3)
ケアマネジャー 399(38.6) 367(45.0)
(注)単位万円、カッコ内は平均年齢。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」などを基に結城康博・淑徳大准教授がまとめた

◎政府の主な福祉・介護人材確保対策
(2008年度補正予算、09年度予算)
・介護関係業務の未経験者を雇う事業者に一定額を助成
・職業訓練の経費を事業者に一部助成
・介護報酬の3%プラス改定による処遇改善
・教育訓練経費の一定額を雇用保険から支給
・就職して間もない従業員への巡回相談
・主要ハローワークに「福祉人材コーナー」を設置
(注)厚生労働省の2月17日付資料から抜粋』
.
2009.03.27  ☆有資格者に手当支給、介護職員の待遇改善へ追加策
  27日、産経新聞→

『政府・与党がまとめた追加経済対策の素案のうち、介護職員待遇改善・人材確保の追加対策の概要が26日、明らかになった。介護福祉士などの有資格者を対象に税金で給与に直接補助する。

事業は3年の期間限定とし、財源規模は6000億円を予定している。政府は4月から介護報酬を3%引き上げ、事業所の増収分を職員の待遇改善に回す対応策を決めたが、「実際に待遇改善となるかは不透明だ」との批判が強まり、新たな対策を講じることにした。

追加待遇改善策の対象を長年介護現場で働いてきた有資格者に限定することにしたのは、介護職員は転職者も多く、手当だけもらって離職するケースも想定されるためだ。

制度の具体的な仕組みは厚生労働省が中心となって詰めるが、医師不足対策で救急医や産科医らに手当を直接支給する制度をモデルに、事業所の給与規定に有資格者に対する手当を創設してもらい、手当の財源を国や都道府県などが負担して支給する案が有力となっている。事業所には処遇改善計画の作成を求める。

政府・与党が追加策を講じることにしたのは、介護報酬の引き上げによる増収分の使い道を職員給与に反映させるよう、事業所に義務付けることができず、事業所の運転資金などに回る可能性があるためだ。

しかも、報酬増となる事業所は「常勤者を多数雇用」といった条件が付けられており、関係者からは「待遇改善に結び付かない事業所が多数にのぼる」との指摘も出ていた。介護施設団体の試算によると、対象となる事業所でも「5000円程度の賃金増にしかならない」との分析もあり、効果を疑問視する見方が強まっていた。

介護職員をめぐっては、介護報酬の引き下げが続いたため賃金が低水準で抑えられ、人手不足が深刻化。政府・与党は21年度の介護報酬改定で3%引き上げ、職員賃金を平均2万円アップさせるとしていた。

政府・与党は待遇改善策とは別に、介護施設の整備費を国が補助し雇用創出する案も検討している。』
.
 2009.03.27  ☆介護従事者の待遇改善に1兆円 厚労省、補助金を検討(09介護報酬)
  27日、朝日新聞→

『厚生労働省は26日、介護従事者の処遇を改善するため、追加経済対策に介護事業者に対する人件費の補助を盛り込む方向で検討に入った。09年度の補正予算を念頭に、与党と調整を進めており、税負担で基金をつくり、事業者に手当を支給する案を軸とする考えだ。

介護分野での追加経済対策では、従事者の処遇改善のほか、都心部を中心に入所待機者が急増している介護施設の整備費用の助成措置も検討されている。全体としては、3年間で1兆円規模の案が出ている。

介護従事者の賃金月額は、施設介護職員の男性22万5900円、女性20万4400円と、全産業平均の男性37万2400円、女性24万1700円を大きく下回る。

給与水準を上げるため、政府は4月の介護報酬改定で3%引き上げを決定。本来なら、高齢者らが負担する保険料アップとして跳ね返るが、国主導の改定のため、08年度の補正予算で1154億円を投入。都道府県ごとの基金を設け、影響額の半分を国費で手当てした。

介護従事者は約80万人(常勤換算)。政府は当初、3%アップで、「従事者の賃金を月2万円上げられる財源を確保」と説明していた。しかし、「3%分は、事業者の赤字補填(ほてん)に充てられ、実際には賃金アップにつながらない」(与党幹部)との判断から、再度、処遇改善策を検討していた。

ただ、介護保険を運営する市町村のほとんどが、4月から3年間の保険料を決定済みで、介護報酬を引き上げるのは事実上不可能。このため、緊急対策として今回は国費から事業者に支給する方向で調整している。12年度以降は保険料に反映される見通しだ。

このほか、群馬県渋川市の老人施設の火災で、ケアが必要な人の「暮らしの場」の不足が指摘されており、介護保険施設整備の助成も盛り込まれる方向。主に、将来の整備計画の前倒しを念頭に置いている。

ただ、財務当局には、保険が原則の介護事業への税の追加投入に慎重意見もある。
民主、共産、社民、国民新の4党は26日、政府が決めた介護報酬の3%増に、7%を上乗せして引き上げ幅を1割とする介護労働者賃金引き上げ法案を参院に提出した。 』
.
☆介護職員の手当支給を検討 政府与党、1人月額最大2万円増
  26日夜、共同通信→

『政府、与党は26日、給与水準が低いとされる介護現場の職員に対し、サービス事業者に支払われる介護報酬とは別に公費をさらに投入し、手当を支給する形で実質的な賃上げを図る方向で検討に入った。

新たな経済対策に盛り込み、2009年度中に実施したい考え。公費の規模は年1000億円台で、手当は1人当たり月1万5000-2万円程度を想定している。公費投入で利用者の保険料上昇を避ける一方、人手不足が深刻な介護現場への人材定着に加え、他業界からの転職者獲得など雇用拡大を狙う。

このほか、待機者の多い特別養護老人ホームなど介護施設を新しく建設したり増改築する際の費用を国が補助して、建設需要や雇用創出を図ることも検討している。
介護職員の待遇改善をめぐっては、介護報酬が4月から3%引き上げられることが決まっている。政府は当初「報酬引き上げにより月額2万円の職員賃上げにつながる」と説明していた。

しかし、事業者団体などから「3%では月5000円アップも難しい」などと不満が続出。民主党など野党4党が報酬をさらに7%引き上げる法案を今国会に提出したこともあり、政府、与党は追加的な待遇改善策を迫られていた。

具体的には、夜間や休日の出勤などに割り増しで手当を支給することを検討中。特定のサービス事業者や一部の職員に支給が偏らないよう、一定期間勤務した実績がある職員を対象にするなど、支給の条件や詳細を詰めている。』
.
☆介護報酬10%アップ法案を参院に提出-野党4党
  26日夜、CBニュース→

『民主、共産、社民、国民新の野党4党は3月26日、「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」を参院に提出した。法案は、介護人材の確保のための加算創設を盛り込んでおり、約4100億円の財源が必要としている。4党ではこれにより、来年度の介護報酬3%増と合わせ、合計で10%のアップになるとしている。

野党4党は、介護分野における人材難の原因が、過去2回の介護報酬引き下げによってもたらされた介護職員の待遇の低さにあるとし、4月からの3%の介護報酬アップでは不十分で、人手不足を解消できるような賃金引き上げは困難としている。
法案では、介護を担う人材を確保するための加算を義務付けているほか、事業主には介護職員の賃金引き上げの努力義務と、待遇改善状況の毎年の報告義務を課している。

法案では、この加算に必要な財源を約4100億円としており、4党は増額分がすべて人件費に回った場合、介護労働者約80万人(常勤換算)に対して、1人当たり月額4万円程度の賃金引き上げが可能になるとし、新たに3年間で非常勤職員を含む40万人の雇用創出が見込まれるとしている。
4100億円の財源については、暫定的にすべて一般財源を充て、介護保険料の引き上げは行わないとしている。』
2009.03.20 ☆介護報酬改定による処遇改善、職員に説明を
  19日深夜、CBニュース→

『日本在宅介護協会東京支部は3月19日、東京都新宿区で勉強会を開催した。来年度の介護報酬改定に伴う雇用・労務環境の変化や、能力開発・人材育成の在り方などについて話し合われた。

講演した社会保険労務士の小前和男氏は、来年度の介護報酬改定によって「介護職は常勤で月6000-7000円ほど賃金アップすると報道されているが、多少賃金を戻したレベル。産業全体では昨年まで5000円ほどの定期昇給があった」と指摘した。

小前氏は、職員の処遇改善を行う前に、雇用の際に労働条件通知書や就業規則を示すなどして労働条件を明確にするほか、健康診断の実施や時間外・休日労働についての労使協定である「三六協定」の締結、労働者名簿、出勤簿、賃金台帳の作成など、まずは基本的な法定事項を整備することを求めた。

また、時給1000円の職員であっても、移動費や業務報告書、社会保険の費用などを含めれば、経営側は1500円以上の負担になることや、有給休暇のコスト負担の重さについて説明した。

小前氏は「今回、職員の処遇を向上させなければならないが、まず法律が定める労働条件の整備に使ってほしい。それが十分ならば、賃金の上積みをすべき」と述べた。また、労働条件の整備をしても、必ずしも職員の満足度が高まったとは言えないことから、人材確保のためには働きやすい職場となっているかも重要なポイントとした。
また、「今回の介護報酬改定の意味合いと社会保険などの重要性をしっかり伝えないと、『何だ、上がっていないじゃないか』という話になってしまう」と注意を促した。

続いて東大社会科学研究所の堀田聰子特任准教授が、介護職員の離職防止や定着について講演した。
この中で、介護職を選んだ理由のトップは「働きがい」であるとし、職員は仕事の内容に対する意識が高いと指摘した。
その一方で、離職の理由として、介護福祉士では一番に「仕事にやりがいが感じられない」ことが挙げられ、これに「職場の人間関係」が続くと説明。「利用者と共に成長できると感じられ、意見が言えるなど、自分が参加しているという実感が持てることなどが、人材定着の大きなカギではないか」と述べた。

また、「職場の人間関係」の一方で、「人間関係が職場にない」ことも離職の理由になっていると指摘した。
特に訪問介護では、直行・直帰のため事業所で顔を合わすことがないため、いかに職員同士のつながりをつくるかが重要だとした。「働く人たちも、やはり独りになりたくない。気に掛けていることを伝えることが大切」という。
また離職の理由として、「経営理念や運営の在り方」も多く、堀田氏は介護業界に独特のものと述べ、「ヘルパーが現場で仕事をしていて、経営理念との矛盾を感じないことが重要」とした。

介護報酬改定に伴う処遇改善についても、「賃金に回すことが難しいのであれば、スキルアップを図るなど、職員が納得のいく対応をした上で、しっかり説明することが必要」と述べた。』
.
2009.03.12  ☆介護報酬:アップ…「賃上げ期待できぬ」 ヘルパーら300人回答
11日、毎日新聞(夕刊)→

『介護職場の待遇改善のため4月から介護報酬が3%アップされるのを前に、介護従事者に賃上げの状況を尋ねたところ、約半数が増額は期待できないと回答し、報酬改定した国の姿勢を評価したのは約1割にとどまることが、結城康博・淑徳大准教授(社会保障論)の調査でわかった。

 調査は介護報酬の4月の改定による介護従事者や利用者への影響について実施。2月上旬から3月上旬、東京、大阪、栃木、神奈川、千葉の5都府県でヘルパーなど介護従事者に聞き、約300人から回答を得た。

 国は昨年、介護従事者の人材確保と処遇改善のため制度スタート以来初となる介護報酬の3%アップを決めた。「月額2万円アップ」のイメージが先行したが「月給はどのくらい引き上がると思うか」尋ねたところ、1万円以上と答えたのは2・5%にとどまり、3000円以上1万円未満が8・0%、3000円未満は12・7%だった。「賃上げは期待できず0円かもしくは引き下がる」が48・9%を占め、25・3%は「わからない」と答えた。また、国の姿勢を評価したのは11・5%にとどまり、「十分ではない」「まったく不十分」が約9割(87・5%)に上った。

 結城准教授は「調査結果から報酬アップは大半がよくて数千円にとどまりそうで、今回の報酬改定では待遇改善にはつながらない」と指摘している。』
.
2009.03.10  ☆認知症関連加算などへの疑義について説明-厚労省
  10日午後、CBニュース→

『日本病院会が3月9日に開催した来年度の介護報酬改定説明会で、厚生労働省老健局老人保健課の鈴木健彦課長補佐が、会場から出た加算についての疑問点に答えた。

「サービス提供体制強化加算」の算定要件の一つとなる「3年以上の勤務年数のある者」について鈴木課長補佐は、「例えば、同一の医療法人で病院に1年以上、老健に2年以上いるならば、3年以上と認められる。育児休暇なども勤続年数に加えることができる」と説明した。
老健施設などの譲渡が行われ、職員が別法人に移った場合でも、譲渡前から通算3年以上勤務していれば、算定を認めるとしている。

新設される「認知症情報提供加算」は、認知症の疑いがある老健施設の入所者を確定診断の行える「認知症疾患医療センター等」に紹介する場合に算定できるが、鈴木課長補佐は「認知症疾患医療センター等」の範囲について、「センターを150か所整備する予定だが、現在十数か所にとどまるため、認知症疾患医療センターと同等の機能を有する施設への紹介も対象となる」と説明した。

「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」の対象となる医師について鈴木課長補佐は、既に算定している老健施設に準拠するとし、「(精神科医や神経内科医に加え)認知症サポート医や認知症に対するリハビリテーションに関する研修を修了した医師が該当する」と説明。「認知症に対するリハビリテーションに関する研修」には、月内に行われる日本慢性期医療協会の研修や、日本リハビリテーション病院・施設協会と全国老人デイ・ケア連絡協議会による合同研修会などが当てはまるとした。

また、通所リハビリテーションの「リハビリテーションマネジメント加算」については新たに、月8回以上の通所リハビリを行う場合に算定することを基本的な考えとした。ただし、利用者が病気になるなどやむを得ない場合は、8回未満でも算定できるとしている。
特殊な例としては、サービスを開始する月で、月の中旬からリハビリを行う場合、8回未満でも加算が算定できるという。しかし、月の途中でサービスが終了し、8回に満たない場合は算定できないとした。

訪問看護で新設される「複数名訪問加算」について鈴木課長補佐は、「既に訪問介護で複数人訪問の規定があるので、それを踏襲する。利用者の身体的理由や、夜間1人で訪問するなど危険性が考えられる場合などに、複数訪問が認められている」としている。』
.
 2009.03.10 ☆来年度介護報酬改定で説明会-日病
 9日深夜、CBニュース→

『日本病院会は3月9日、東京都千代田区で来年度の介護報酬改定についての説明会を開き、厚生労働省老健局老人保健課の鈴木健彦課長補佐が、医療と介護の連携や認知症などにおけるポイントを示した。

鈴木課長補佐は、介護保険の通所リハビリテーションが長時間の利用を対象とするいわゆる「お預かり」機能も果たしているが、リハビリだけを受けたいというニーズもあることから、医療と介護の連携や機能分化を促すものとして、短時間(1時間以上2時間未満)を対象とする通所リハビリテーションが新設されると指摘した。

訪問看護については、ターミナルケア加算が新設されるほか、特別管理加算の対象に重度褥瘡を加えるとともに、特別管理加算を算定している人に1時間30分以上の訪問を行った場合についても評価することなどを説明した。

認知症については、グループホームが施設退去時の相談支援や看取り介護、夜間のケアを行う場合に算定できる加算が新設されることを説明。また、認知症行動・心理症状(BPSD)が発症した場合でも、環境を変えると収まることがあることから、短期入所系サービスやグループホームのショートステイによる緊急受け入れを評価する認知症行動・心理症状緊急対応加算が新設されるとした。

鈴木課長補佐は今後の課題として、来年度の介護報酬改定が介護従事者の処遇改善につながったかを検証するほか、介護サービスの質の評価についても、「今回は専門性の高い職員の配置が指標となったものの、別に介護サービスの質について評価できる指標を検討していく」と述べた。このほか、介護サービス事業者が効率的にサービスを行える方法について考えるほか、介護事業経営実態調査や介護サービス情報の公表制度についても検討していくという。』
.
2009.03.05  ☆来月から介護報酬アップ 人手不足解消なるか
  5日、東京新聞→

『介護保険制度で事業者へ支払われる介護報酬が四月から引き上げになる。二〇〇〇年度に制度が始まって以来初めての報酬アップによって、介護の現場はどう変わるのか。介護職員の立場と利用者の立場から考える。 (佐橋大)
介護報酬は二〇〇三年度の改定で2・3%、〇六年度の改定でそれぞれ2・4%引き下げられたが、今回は一転して全体で3・0%の引き上げになる。

 介護職場は、低賃金などから人材が離れ、人手不足に陥っている。報酬アップで待遇を改善し、人手不足を解消するのが厚生労働省の今改定の狙いだ。

 ただし、すべての事業所の収入が等しく3%増えるのではない。今回の報酬アップは主に、一定の基準を満たす事業所に報酬を上積みする「加算方式」で、条件を満たす事業所の収入が増える。
例えば、夜勤など負担の大きい業務を行う事業所で基準以上の人員を配置した場合や、介護福祉士などの有資格者や勤続年数の長い職員を多く配置している事業所に、報酬を上乗せする。

 夜勤の負担の重さに耐えられず辞める人も多く、職員が定着するよう、一人当たりの負担を減らしたところには、報酬で応えようというものだ。
大都市部で賃金が他産業を大きく下回ることから、五つの地域区分ごとに報酬割増率を見直し、東京二十三区内などで引き上げ。一方で中山間地域など効率的な運営が難しい地域の小規模事業者に報酬が10%上乗せされる。

 こうした加算で、介護の職場の低賃金や人手不足が一気に解消すればいいが、「劇的な効果はない」というのが、介護関係者の一般的な見方のようだ。
福祉総合調査研究機関「ヤトウ」(名古屋市)社長で、びわこ学院大(滋賀県東近江市)の烏野猛准教授は「当初、介護で働く人の月給が二万円アップするという舛添厚生労働相の発言があったが、それは難しいだろう。厳しめの現実的な試算をすると、特別養護老人ホームで、いろんな加算を取り込んでも平均二千円アップ程度では」とする。「介護福祉士などの資格を持ちながら介護の職場で働いていない人を呼び戻すほどのインパクトはない」と分析する。

 福祉、保育の職場で働く人がつくる労組、全国福祉保育労働組合も同じ見方。同労組が、実際に宮城県内で特養(定員五十人)やデイサービスセンター(同三十人)などを経営する社会福祉法人を用いた試算では、年間で増える報酬をすべて職員の賃金アップに回しても、賃上げは月約七千円にとどまるという。「実際には、アップ分を待遇改善に振り向けない事業所も出ると予想される。十分な額ではないが、改定の趣旨を生かして、待遇改善を」と主張。加算も「規模の大きなところに有利で不公平」とする。日本医師会も「今回のアップでは過去二回のマイナス改定で減った分が取り戻せておらず、不十分」と指摘する。

 「報酬の加算で、事業所によっては、かえって収入が減ることもある」との見方も。岐阜県で特養や訪問介護事業所を運営する社会福祉法人の理事長は「以前、ヘルパーの計画的な研修など、サービスの質を高める事業所を評価する加算(特別事業所加算)を付けたら『あそこは高い』としか見てもらえず、新規の利用者が増えなかった。今度も同じことになり、利用者が減る可能性も」と心配する。
利用者にとってのメリットは、認知症関連のサービスの充実が期待できることだ。報酬を手厚くし、事業所の新規参入を促す。

 その一つが、三年前に導入された小規模多機能型居宅介護。一カ月の定額料金を払えば、一カ所で、通い、泊まり、在宅介護のサービスが受けられる。認知症の人のケアに有効とされているが、報酬の低さから新規参入が進んでいない。
このため、日常生活に支障をきたす認知症の人の受け入れに一人当たり月五千-八千円(利用者負担五百-八百円)が加算されるほか、一定割合以上の介護福祉士がいても加算。事業が軌道に乗るまでの報酬単価も高く設定できるようになる。事業者の中には「グループホームに比べ、報酬がまだ少なく不十分」とする意見もあるが、サービス普及に弾みがつくとの見方もある。

 グループホームが若年性認知症の人を受け入れる場合にも加算がつき、妄想や暴力などの症状が出た認知症の人をグループホームなどが緊急に受け入れることへの加算も新設した。
認知症以外では、短時間(一-二時間)の通所リハビリテーションに報酬が払われるようになる。これまで報酬を得るには、三時間以上サービスを提供しなければならず「短時間で機能回復の訓練がしたい」などの要望に応えられなかったが、これからは、より個別の希望に沿ったサービスができる。


しかし、利用者の立場からすると、報酬アップを喜んでばかりもいられない。報酬の一割が利用者の負担という今の仕組みでは、報酬アップは利用者負担の増加に直結するからだ。今でも、経済的な理由から、利用したいサービスを我慢している人は多くいる。この人たちは、さらに厳しい状況に追い込まれる。
このため、認知症の人と家族の会は、改定についての見解の中で「今回の改定に伴う利用者の負担増がサービス利用の抑制につながらないか。利用者の負担増に配慮し、あえて加算をとらず、待遇改善を行えない事業者が出てこないか」と懸念を示している。

 また、利用単価のアップにもかかわらず、要介護度ごとの支給上限額は引き上げられなかった。このため、上限額いっぱいでサービスを受けていた人の中には、サービスを削るか、サービスの一部を100%自己負担で受けなければならなくなる人も出てくる。
全日本民主医療機関連合会は「利用者の視点が欠落している。利用料の負担軽減を図り、支給限度額を引き上げる必要がある」と指摘している。


六十五歳以上の人が払う介護保険料も四月から変わる。報酬のプラス改定に伴う保険料の上昇を緩和するため、国は、報酬アップに伴う保険料増加に対し、〇九年度は全額、一〇年度は半額を補てんする。
しかし、高齢化に伴う利用者数は増えるため、保険料を引き上げる自治体も多い。』
.
 2009.03.01 ☆来年度介護報酬改定のQ&Aを公表-全日病
  27日午後、キャリアブレイン→

『全日本病院協会はこのほど、来年度の介護報酬改定に関するQ&Aを公表した。同協会が2月4日に開催した介護報酬改定説明会で会場から出た質問に対し後日、厚生労働省老健局老人保健課が回答したもので、リハビリテーションなどについて示している。

通所リハビリテーションでは、理学療法士の配置基準がこれまで常勤換算法で0.2人だったのが、利用者100人までに対して1人に変わることから、理学療法士を毎日配置する必要があるのかという質問には、「階段方式になっていたものを、係数的に上がっていく方向性に変えた。理学療法士の配置は、リハビリを実施している時間についてのみの配置で足りるものとする」と回答している。

また通所リハビリでは、毎回算定できていたリハビリテーションマネジメント加算が、月8回以上の利用でないと算定できなくなることから、週1回の利用者は加算が取れなくなり、短期集中リハビリテーション実施加算も算定できなくなるのかという質問には、「現在の短期集中リハビリは、週2回以上の実施となっているが、利用者の急病などやむを得ない場合、週2回の実施でなくても算定できることとなっており、このような経緯も踏まえて、現在取り扱いについて検討中」としている。

短期集中リハビリ実施加算は、どのくらいの間隔が空けば算定してよいのか(入院などをして病態が変わった時なのか)については、「同じ状態の人が、施設を変えて連続して算定することは適切ではないと考えている。現在、老健施設または介護療養型医療施設における短期集中リハビリは、過去3か月の間に、その施設に入所したことがない場合に算定できることとなっており、これを踏まえて検討中」としている。

老健などがサービス提供体制強化加算を算定するには、▽介護福祉士を50%以上配置▽常勤職員を75%以上配置▽3年以上の勤続年数のある者を30%以上配置-のいずれかに該当する必要がある。

「介護福祉士を50%以上配置」に非常勤でも該当するかについては、「介護職員の実配置数は常勤換算で算出し、介護福祉士の割合が50%以上であれば算定可能」としている。
また、「3年以上の勤続年数のある者を30%以上配置」について、同一法人内で複数の介護サービスを提供している場合、法人全体で30%以上と考えてよいかについては、「原則的には各サービスの加算であり、各サービスにおける勤続年数だが、同一法人内の異動であれば、引き続き勤続年数に計算してよいこととしたいと考えている」と回答している。

このほか、開設して3年未満の施設ならば「3年以上の勤続年数のある者を30%以上配置」の要件には全く該当しないのではという質問には、「3年以上の勤続年数の算定については、同一法人の間での異動は引き続き勤続年数に計算可能とすることとしているため、開設して3年未満の施設であっても必ずしも要件に全く該当しないとは限らないと考えている。なお、ほとんどの施設は常勤職員の割合などのそれ以外の要件のいずれかには該当するものと考えている」と回答している。』

■期待していたら・・・あら? 3ページしかないわ・・・左をクリック
.
2009.02.24  ☆介護報酬改定、現場から発言-東社協シンポ
  23日深夜、キャリアブレイン→

『東京都社会福祉協議会の介護保険居宅事業者連絡会は2月23日、今年度第2回総会を渋谷区で開いた。同時開催のシンポジウムでは、来年度の介護報酬改定について現場からの声が上がった。

同連絡会の山田禎一運営委員長は冒頭のあいさつで、「介護報酬改定と同時に要介護認定も変わる。介護や認知症を知る立場として、主治医意見書についても意見してほしい」と述べたほか、介護従事者の処遇改善についての調査が今年9月に実施されることについて、「次回改定の参考になるため、しっかり対応してほしい」と述べた。

総会に続いて、日本社会事業大専門職大学院の田島誠一教授が介護報酬改定を踏まえた経営戦略について講演。医療・福祉は、報酬改定など制度変更によるリスクが付きまとうことから、利用者のニーズを予測し、制度変更の予兆を鋭く感じ取る必要があるとした。

今後の介護保険については、給付範囲が制限され、給付水準も抑制される方向に向かうと予測したほか、若年層に保険負担を求めたり、障害者介護との統合や施設給付から居住費を切り離したりすることも考えられるという。

医療機関や介護サービス事業者は、利用者や家族、地域住民の信頼性を高めながら、「この事業所でなければ」と思われるような差別化を図る必要があると強調。「社会福祉法人にずっといるので、経営理念の大切さは身に染みている。一般企業でも重要さは変わらないだろう」と長期の展望を求めた。

続いて行われたシンポジウムでは、現場における介護報酬改定の影響と今後の運営について、訪問介護、通所介護、居宅介護支援の現場責任者が意見を述べた。
日本介護センターの福永美枝子営業企画課長は、来年度の介護報酬のアップが、そのまま事業所の売り上げ増に結び付かないとした。従業員の賃金アップがあるほか、区分支給限度額も引き上げられないため、利用者へのサービス抑制も考えられるという。

今後は経営基盤の立て直しを進めるが、サービスに影響する人員削減は行わずに、売り上げ目標の確実な達成や人件費以外のコスト削減で対応するほか、キャリアや介護技術を考慮した処遇改善に取り組みたいとしている。

通所介護の立場からは、「あすなろみんなの家」の今裕司施設長が、来年度の報酬改定で介護福祉士の配置や勤続年数などが評価されることに触れ、「どれだけの事業所が要件を満たせるのか」と疑問を呈した。通所介護では小規模ほど赤字傾向にあるとし、基本報酬単価が変わらない中、「加算頼み」では非常に厳しいと述べたほか、収入が増えたとしても、赤字事業所では処遇改善には回せないと指摘した。

大規模事業所加算についても、2006年度の報酬改定では、月当たり900人を超えないように定員を抑えるような動きもあったと指摘。来年度の改定でも利用者にしわ寄せが行くのではないかと危惧(きぐ)した。その一方で、介護福祉士の資格取得が目標として明確になったと評価した。

居宅介護支援の立場からは、「やさしい手」大橋在宅介護支援センターの井岡幸子氏が、ケアマネジャーが40件以上を担当する場合、全件数に逓減制を適用する現行制度を改めたことをはじめ、病院と利用者の情報共有などに着目した評価、認知症高齢者や独居高齢者に対するケアマネジメントについての加算ができたことを評価した。同社の居宅支援事業部では、▽ケアマネジメントと事業運営の適正化▽医療との連携▽認知症-について重点的に取り組んでいくという。

質疑応答では、福永課長が「利用者に対して『良いサービス』の説明が難しい。介護福祉士が増えたというのは、利用者には見えない」と述べたのに対し、今施設長は「現在、家族などに説明をしているところ。事情をよく説明して、胸を張って加算を取らせてもらう」と語った。

また、コーディネーターも務めた田島教授が、「ケアマネジャーとして、加算を取るからいい施設なのか、費用が高い施設なのか、どちらを利用者に説明するか」と井岡氏に質問したのに対し、井岡氏は「どちらも説明します」と答えた。
田島教授は、離職率が10%以下の事業所と30%以上のところに二分されていることを説明したほか、介護職の給与が全産業の平均に比べて低過ぎることを指摘。「ただし、今回の改定で本給をいじるのは慎重に。3年後にどうなっているか分からない」とまとめた。』
.
 2009.02.22 ☆「リハマネの実質義務化」-全老健が介護報酬改定説明会
  20日夜、キャリアブレイン→

『全国老人保健施設協会は2月20日、来年度の介護報酬改定についての説明会を東京都港区で開いた。この中で、小規模施設や借入金を多く抱えている施設では、経営健全化や人材確保のための給与の改善には程遠いとの見方を示した。

川合秀治会長は今回の介護報酬改定について、厚生労働省の介護給付費分科会での議論の最中にプラス3%の改定率が決まったほか、「過去2回の改定で、施設はそれぞれ4%下がったのに対し、国は今回の3%であたかも善政を施したかのように言っている」と指摘した上で、「悔しい」と語った

川合会長は、国会議員などを前に説明や発言をする場面が増える中、「わたしのような者が政治に対し発言せねばならない時代はおかしいが、当分言い続けねばならない」と述べた。会場にも、「現場に議員を連れ出して、もっと現場の姿を見せよう」と訴えた。
また川合会長は、「今回の改定で『方向性が見えてよかった』という声もあるようだが、どこが勝利なのか。完全な敗北だ」と強調した。

後半は、内藤圭之常務理事が来年度介護報酬改定のポイントを示した。
今回の改定では、基本サービス費と同格とも言える加算が導入されるほか、加算の積み上げで個々の事業所を評価する体系にシフトするという特徴を挙げた。

着目すべき点として、これまで25単位だったリハビリテーションマネジメント加算が20単位に減算された上で包括化されることを深刻に受け止める必要があると指摘。「老健でのリハビリテーションマネジメントの実質的な義務付けと解釈でき、リハビリマネジメントを実施していない施設は、監査で返戻されるだろう」と述べた。
地域区分では、「特別区」と「乙区」の報酬がアップするが、老健の72%が含まれるという「その他」地区は据え置かれるとしている。

また、介護従事者の専門性を評価するサービス提供体制強化加算については、施設内に占める介護福祉士などの割合で加算が付くが、疑義が生じる点も多いとし、人員基準の「分母」が「配置基準」と「常勤換算人数」のいずれを指すかなどについて、厚労省に照会しているとした。

内藤常務理事は「地域区分が『その他』であったり、50-60床の小規模老健施設、借入金を多く抱えている施設では、経営の健全化や人材確保のための給与の改善には程遠いのではないか」と指摘したほか、「今回、加算、加算で積み上げる場合、直接利用する本人や家族への負担が非常に増えるのではないか。サラリーマンの両親が要介護になったときの負担額を想像すると、背筋が凍る思いがする」と語った。

厚労省は今回の介護報酬改定で介護従事者の処遇状況の調査を予定しているが、内藤常務理事は「今年9月の時点で前年同月の給料と比較するというが、4月に始めて9月に対応できるのか。検証には1、2年必要だ」と指摘した。

このほかにも、要介護認定の仕組みが「ブラックボックス」の中で動いていると指摘。「介護報酬が引き上げられても、要介護認定で現場や一次判定ソフトによって実質的な引き締めが行われれば、経営はますます厳しくなる」として、要介護認定の検証の場を求めていくと述べた。』
.
2009.02.19  ☆民主党、介護報酬上げ法案を提出する方針(差換)
  19日、讀賣新聞→

『民主党は18日、低賃金などによる介護業界の人手不足を解消するための「介護労働者賃金引き上げ法案」を今国会に提出する方針を固めた。
介護報酬は来年度から3%引き上げられるが、さらに7%引き上げる緊急改定を実施する内容だ。緊急改定分が全額人件費に回れば、労働者1人当たり月4万円程度の賃金増が可能としている。7%の引き上げに必要な経費を2009年度で4200億円と見込んでおり、全額を税財源で賄い、介護保険料などの引き上げはしない方針。引き上げ分を賃金増につなげるため、介護事業所に従業員の待遇改善状況の報告を義務付ける。』
.
  ■これに関連して、民主党の山井和則衆議院議員は、同氏のメールマガジン(第1222号、19日午後)で、次のように記している。

  『介護労働者の賃金引上げ法案」を現在検討しています。政府は3%の介護報酬の引き上げ(4月から)を決めましたが、これでは、十分に賃金は上がりません。そこで、民主党では、さらに介護報酬を引き上げ、介護職員の賃金を引き上げる法案を検討中です。引き上げ幅は、更に3%、5%、7%上積みの3パターンを検討中。

  政府のようなやり方では、介護報酬を引き上げると1割自己負担や介護保険料が連動してアップしますので、外から一般財源を投入して、介護職員の賃金があがっても、利用者の自己負担や介護保険料がアップしない方法にせねばなりません。この法案も、なんとか今国会に提出し、是非とも超党派で成立させ、介護職員の処遇改善をつなげたい。』
.
.
 2009.02.17 ☆個別リハの算定要件緩和などを要望―作業療法士協会
  16日夜、キャリアブレイン→

『日本作業療法士協会(杉原素子会長)は2月13日、厚生労働省に対し、2009年度介護報酬改定において、個別リハビリテーション実施加算や短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件の緩和などを要望する文書を提出した。

09年度介護報酬改定では、「退院(所)日または要介護度の認定日から起算して1か月以内」に行うリハについて、短期集中リハ実施加算として280単位/日、1か月超3か月以内では140単位/日を算定できる。3か月を超える場合は、月13回を限度に、個別リハ実施加算として80単位/日を算定できる。

ただ、個別リハについては「リハビリテーションマネジメント加算を算定していない場合は算定しない」とされており、しかもリハマネ加算は月に8回以上通所リハを行っている場合に算定できる。このため、退院(所)日または要介護度の認定日から起算して3か月を超える利用者で、通所リハの回数が月8回に満たない人には個別リハ実施加算を算定できない。

これについて同協会では、「3か月を超えた者に対する継続的な個別リハビリテーションは、生活機能の維持・向上に不可欠」とした上で、「月4回以上の利用者に対する個別リハビリテーションの提供・算定をできるように」と求めている。

また同協会では、通所リハでの短期集中リハ実施加算の算定要件として、「退院(所)日または要介護度の認定日から起算して1か月以内」または「退院(所)日または要介護度の認定日から起算して1か月を超え3か月以内」の期間に行うことが必要とされていることについて、「要介護度に変更が生じた場合、変更認定日を認定日として取り扱い、短期集中リハビリテーション実施加算の算定対象とする」よう要望。

要介護度の重度化は「在宅療養中に生活機能が低下したためであり、個別リハビリテーションを集中的に提供する必要がある」、要介護度が軽度化した利用者は「個別リハを集中的に提供することにより、さらなる生活機能の改善が望める可能性が高い」として、算定要件の緩和の必要性を訴えている。』
.
 2009.02.07 ☆12、15年度のプラス改定「簡単でない」―介護報酬
  5日夕、キャリアブレイン→

『全日本病院協会(会長=西澤寛俊・西岡病院理事長)が2月4日に開いた「2009年度介護報酬改定説明会」で、厚生労働省の鈴木康裕老人保健課長が「09年度介護報酬改定について」と題して講演した。この中で鈴木課長は、12、15年度の介護報酬改定では「プラス改定は簡単ではない」との認識を示した。また、処遇の改善や研修体制の充実によって人材確保に努め、多角的な介護サービスを提供することで安定的な経営を図ることなどが、事業者には求められるとした。

鈴木課長は、「今後の雇用・経済情勢によるとは思うが、わたしは正直、次回、次々回の改定では、そう簡単にプラス改定にはならないだろうと思っている」と述べた。

さらに鈴木課長は、コムスン事件や「3K」のイメージなどが、職場としての介護現場の印象を悪くしていると指摘した上で、「ここでさらに、『(09年度に)3%上がったにもかかわらず、処遇改善がされなかった』となれば、次回の改定で、ものすごく悪影響があるかもしれない。これから就職先を探す人の視野からも、介護が外れてしまう」と強調。「非常に厳しい状況にあると思うが、できる限り、給与面、あるいは全体的な福利厚生の向上などの処遇改善、研修体制の充実などに努めてほしい。介護業界全体の地位を高め、介護従事者を確保することが大切になる」と語った。

また、介護事業者の間でも離職率が「二極分化している」との認識を示し、「定着率の良い事業者の秘訣(ひけつ)を吸収していくべき」とした。

このほか、一部のサービスに対する評価が下がるなど、国が行う制度改正によって事業者が影響を受ける「制度改正リスク」の問題を指摘。「単一のサービスのみを行っていると打撃が大きいが、評価の下がるサービスがあっても、どこかで上がるサービスが必ずある。さまざまなサービスを併せ持つことで、ある程度安定した経営が期待できる」と述べ、事業者自らがリスクを回避するために事業内容の多様性を確保することが求められるとした。』
.
2009.02.03 ☆介護報酬 増額改定…「在宅」の充実 一歩前進
  3日、讀賣新聞→

『「在宅重視」を掲げて2000年に始まった介護保険制度は、この4月に、10年目を迎える。介護人材の確保を目指して、介護サービスの公定価格である介護報酬の初の増額改定が決まったが、「できる限り住み慣れた地域で暮らし続ける」という理念は、実現できているのだろうか。報酬改定から見えてきた在宅介護の課題を検証した。(社会保障部 内田健司、小山孝、安田武晴)

夜間対応型の場合
「いかがされましたか?」
「おむつを交換してほしいのですが……」

 東京都世田谷区の訪問介護事業所ハッピーセンター東京西では、毎日午前2〜3時ごろ、オペレーションセンターの電話がひっきりなしに鳴る。地域密着型サービスの一つである「夜間対応型訪問介護」の利用者からの緊急通報だ。

 2006年度に新設されたサービスで、夜間(最長午後6時〜午前8時)、緊急通報や定期巡回により、ホームヘルパーが自宅を訪れる。同事業所では日中の通報にも対応しているが、報酬は支払われず、無料のサービスとして行っている。

 4月からの報酬改定では、24時間の通報体制を整えた事業所に報酬を加算し、日中の通報でも保険が適用されるようになった。

 同事業所の夜間対応型訪問介護の利用者は約260人。同区内に住む要介護3の女性(76)は、おむつ交換のため、ほぼ毎晩、首から下げた緊急通報ボタンを押す。「1人暮らしなので、昼間もヘルパーさんに来てほしいときがある。介護保険で夜も昼もカバーしてもらえれば、本当に安心」と笑顔を見せる。

同事業所を運営するジャパンケアサービスグループ(本社・東京都豊島区)の瀬戸口信也取締役は、「24時間在宅介護の充実に向け、一歩前進」と評価する。同サービスの事業所は、全国に約120か所、利用者は約2900人(08年9月)にとどまっており、報酬改定をきっかけに、サービスの広がりが期待される。

医療連携の場合
 在宅生活には介護だけでなく、医療も欠かせない。
 8人の看護師が約90人の高齢者を24時間体制で担当している「浅草医師会立訪問看護ステーション」(東京都台東区)によると、医療の必要度が高い高齢者が在宅療養を始めるケースが増えている。今回の報酬改定では、在宅高齢者の医療ニーズを満たすために、訪問看護師が看取りを行った場合の報酬を増やしたほか、1時間半を超える訪問や、2人で訪問した場合の報酬に加算が設けられた。

 山田京子所長は、「加算は評価するが、増収分は赤字の補充にとどまる。訪問看護師は病院勤務者と異なり、1人で判断することが多く、負担と責任が重い。なり手が少なく、利用申し込みを受けきれないことも多い」と苦渋の表情を見せる。
医療との連携強化のため、介護計画をたてるケアマネジャーの報酬も見直された。利用者の入退院時に医師らと情報交換を行うと、報酬が加算される。日本介護支援専門員協会の木村隆次会長は、「介護職出身のケアマネジャーの中には医療の知識が十分でない人もいる。改定をきっかけに地域で医師と密接な関係を築きたい」と言う。

リハビリテーションの分野でも、在宅生活を支えるメニューが強化された。長時間、集団で行うことが多かった通所リハビリに、短時間(1時間以上2時間未満)、集中的なサービスを新設。認知症の症状を和らげる短期集中リハビリも設けられた。

◆地域密着型サービス
要介護者が住み慣れた地域で暮らせるよう、06年度から創設されたサービス。夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護、グループホームなど6種類ある。市町村が事業所の指定や監督権限を持ち、利用者は原則、その市町村の住民に限られる。

人材確保、限度額…
 在宅生活を支えるため、様々なメニューが創設されたが、課題は多い。
その一つが、介護職員の確保と定着をどうするかだ。介護職員の給与水準は全産業平均の7割程度。今回の改定で3%の報酬アップが決まったが、処遇改善には、今後とも安定的な財源確保が必要となる。社会保障審議会介護給付費分科会委員で作家の沖藤典子さんは、「若い人にも魅力的で、ヘルパーが常勤で働けるような職場作りが欠かせない」と強調する。

 在宅介護を受ける際の支給限度額の見直しも課題だ。介護保険制度は要介護度ごとに、1割の自己負担で利用できる支給限度額を定めており、限度額を超えた分は全額自己負担となる。今後は独居や医療ニーズの高い高齢者の増加が予想されるだけに、今の限度額で十分かどうかという議論がある。

サービスと負担なお課題
現行の限度額のままだとしても、報酬の引き上げは、事業者にとっては収入増となるが、利用者には負担増となる。特に訪問看護の利用者の中には、限度額を超えないように利用回数を減らし、床ずれを悪化させた事例もある。利用を手控える動きが広がらないかの検証が必要だ。

 また、同居家族がいる場合、調理や掃除を行う生活援助の利用が制限されがちだという問題もある。家族の介護労働をどう評価するか、認知症の人と家族をどう支えるかなど、課題は多い。

 政府の社会保障国民会議は昨年、団塊世代が75歳以上となる25年には、在宅介護を必要とする人は429万人と07年時点の1・7倍に増え、在宅介護を充実させると現在の4倍を超す13兆円の費用が必要となるとの試算を示した。負担のあり方やサービスの水準についての具体的な検討が必要だ。

[プラスα]小規模型 普及促す
夜間対応型訪問介護と並んで、在宅生活を支える地域密着型サービスの一つに、「小規模多機能型居宅介護」がある。

 デイサービスのように日中に通うだけでなく、必要に応じて泊まったり、利用者宅をスタッフが訪れたりする柔軟なサービスで、民家を改修してサービス拠点にする事例もある。

 利用料は、要介護3で月2万3286円(加算を除く)の定額制。厚生労働省によると、事業所数(08年4月)は1373か所、利用者は約2万人と増えてきたが、デイサービスの利用者(月約113万人)に比べると少ない。報酬が低く経営が成り立ちにくい点や、訪問介護などと併用できない点が、伸び悩みの原因だと指摘されている。

 参入を促すため、今回の報酬改定では、利用者を確保しにくい事業開始時の経営支援のため、事業開始2年未満の事業所への加算などが新設された。

3つの提案
・待遇改善で「在宅」を魅力ある職場に
・ケアマネ活用で医療との連携強化
・利用者視点で支給限度額を見直し』
.
2009.02.03 ☆09年度介護報酬改定のポイントを紹介-三重県
  3日、キャリアブレイン→

『三重県はこのほど、2009年度介護報酬改定の説明資料を公表した。厚生労働省の介護給付費分科会が示した「09年度介護報酬改定の概要」を基に、サービスごとの改定のポイントをまとめている。全137ページ。

09年度の改定で、介護支援専門員(ケアマネジャー)1人当たりの担当件数が40件以上になった場合、全件数に逓減制を適用する現行制度を改め、40件を超える部分のみを対象に逓減制を適用する仕組みになるが、資料では具体的な計算例が示されている。

ケアマネジャーが要介護1、2の利用者を40件受け持つ場合(加算は除く)、現行では24万円(6000円×40件)だった。
09年度以降は、39件までは39万円(1万円×39件)、40件からは5000円(5000円×1件)の合計39万5000円で、15万5000円のプラスとなる計算だ。

また、要介護3-5の利用者が40件の場合(加算は除く)、現行では31万2000円(7800円×40件)だった。
09年度以降は、39件までは50万7000円(1万3000円×39件)、40件から6500円(6500円×1件)で合計51万3500円となり、20万1500円のプラスとなる計算だ。』
.

■計算上はね。ケアマネジメント・オン・・・・・でも同じ記事。まあ、業界筋だからいいがねえ、こんな、全国紙で書かれちゃたまらんわな。

■三重県公式サイト
.
2009.02.03 ☆12年度介護報酬改定に向け、医療との連携を-全国地域医業研究会
 3日、キャリアブレイン→

『税理士、公認会計士で組織する「全国地域医業研究会」などはこのほど、東京都新宿区で「09年度介護報酬改定対応セミナー」を開催し、診療報酬と同時に行われる12年度の改定がさらに重要になるとして、人材確保対策や医療機関との連携強化を図るようアドバイスした。 セミナーは全国地域医業研究会と地域ライフプラン研究会、ケアマックスの共催で、全国地域医業研究会の會田幸之代表が講演した。

會田代表は「地方の小規模多機能施設で職員を10人採用した話を聞いたが、大きくて給料の良い施設が参入すれば人材が移るだろう。今回の報酬改定はそういった流れを後押しするかもしれない」と説明し、人材の定着と確保への対策を促した。

また、09年度の改定は、介護従事者の専門性を評価する内容となっているが、介護従事者の資格の変化などによって、「次回の12年度の改定は、介護福祉士をはじめ、介護職員基礎研修を受けた上級レベルの資格者を中心に配置することが質の向上とみなされ、加算が付くのではないか」と指摘した。
併せて、介護労働者の定着や育成に向けた雇用管理の改善も提案。個々の職員に適合した就業形態での雇用契約をはじめ、雇用形態別の就業規則の作成や、採用時に事業所のケアや経営理念、業務内容を詳細に説明することなどが必要だとした。
また、キャリアアップの仕組みの構築のため、中長期的な研修計画の策定やホームヘルパーへの職能等級制度の導入なども提案した。

09年度改定の評価対象となった医療と介護の連携について、會田代表は「12年の同時改定で連携はさらに進み、地域包括ケアを中心とした在宅医療が強化されるだろう」と指摘した。また、「川上にある急性期医療が変われば、介護も変わってくる。在宅療養支援病院や診療所とのかかわり方が重要になる」と強調。各介護保険施設や訪問看護、リハビリ、グループホーム、特定施設は医療との関係強化を経営改善の柱の一つにするよう提案している。』
.
2009.01.27 ☆介護報酬「散歩」算定で東京の保険者の見解を公表
 26日夕、キャリアブレイン→

 『介護報酬における「散歩」の算定についての見解を東京都の保険者に求めている特定非営利活動法人(NPO法人)「東京都介護支援専門員研究協議会」は、このほど途中経過を公表した。

 同協議会は、昨年12月から東京都の保険者の「散歩」に対する見解について情報を収集。全53保険者(島しょ部を除く)のうち、12保険者は書面、11保険者は職員からの聞き込み、3保険者は介護支援専門員からの聞き込みによって情報を得た。
 見解についての情報が得られた保険者のうち、「散歩」という表現を用いた場合には、介護報酬において算定されないと同協議会が解釈しているのは、15保険者だった。

 書面によって見解を示している保険者のうち、条件によっては「散歩」同行が認められると記しているのは練馬区で、「散歩」という表現は認めていないものの、「ADLやQOLの向上に資する外出介助」などについて個別に判断すると記しているのは、西東京市と墨田、荒川、港、文京、台東、江東、杉並の各区となっている。
 中野区は単なる「散歩」同行は認められないと記しており、あきる野市は、QOL・ADLの向上を目的とする「散歩」同行であっても認められないとしている。
 渋谷区は、区の独自サービスとして「散歩」同行を認めている。

 同協議会は、適切なアセスメントに基づき、ADLおよびQOLの向上を目的として行われる「散歩」の同行が、介護保険制度で算定されるよう提言活動をしていきたいとしている。

 介護報酬上の「散歩」については、昨年11月18日に大河原雅子参院議員(民主)が訪問介護員による「散歩」の支援が認められていない現状についての見解を求める質問主意書を提出。
 
 政府は12月2日付の答弁書で、訪問介護員による「散歩」の同行について、「適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、現行制度においても、介護報酬の算定は可能である」との見解を示している。』
.
2009.01.23 ☆介護報酬改定でどう変わる…介護職員の給与 2万円上がるか
  22日、讀賣新聞(『安心事典』)→

『介護サービスの公定価格である介護報酬について、厚生労働省は2009年度から3%引き上げることを決めました。待遇改善を通じて、介護業界に見られる深刻な人手不足の解消を目指しています。

介護報酬は原則3年に一度改定されます。00年の制度発足後、過去2回の改定はマイナス改定でした。このため、介護事業所は職員に十分な給与を支払えず、低賃金や重労働などを理由に人手不足が生じました。介護分野の離職率は21・6%と全産業平均(15・4%)より高く、人手不足で一部のベッドを閉鎖する介護施設も現れました。

今回の改定では、すべての介護サービスの報酬を3%引き上げるのではなく、負担の大きい業務の報酬などを手厚くしています。例えば、特別養護老人ホームで、夜勤職員の数を基準より1人以上多くした場合、施設規模に応じて、報酬を入所者1人あたり1日130〜410円引き上げます。

また、介護福祉士や勤続3年以上の介護職員、常勤職員の割合が高い事業所の報酬を増やすほか、人件費が高い都市部の報酬も手厚くします。研修を受けた介護職員が行う認知症介護の報酬も引き上げます。全体的に、介護の質の向上や待遇改善に取り組む事業所の報酬を増やし、収入増分を介護職員の給与アップに振り分けてもらうという狙いがうかがえます。

政府・与党は、報酬引き上げによって介護職員の給与を月2万円上げることを目指すとしています。しかし、給与は労使交渉などを通じて決められるため、事業所に強制はできません。

このため、厚労省は待遇改善に取り組む事業所への助成や介護職員の給与額の調査などを通じて引き上げを促す方針ですが、実効性がどこまであるのか、疑問が残ります。事業者からは、「この程度の報酬アップでは、赤字の穴埋めで終わってしまう」という声も聞かれます。

一方、急激な景気悪化で介護業界が雇用の受け皿として注目されています。容易に人材確保ができれば、待遇改善や質の向上に手を抜く事業所が出てくる可能性もあります。行政も事業者も、長期的な視野で人材確保と待遇改善を進めてほしいものです。』
.
2009.01.21 ☆<09春闘>介護労働者賃上げ2万円以上要求へ 5労働団体
 20日夜、毎日新聞→

  『3%引き上げられる09年度介護報酬改定を受けて、自治労連など五つの労働団体は20日、東京都内で記者会見し、介護労働者の月2万円以上の賃上げを求めて春闘に臨むことなどをアピールした。併せて報酬改定に伴う介護サービス事業者の報酬試算結果を公表し、2万円増にはほど遠い実情を示した。「2万円」は、舛添要一厚生労働相が昨年10月末に言及した金額。

  試算例によると、宮城県内にある社会福祉法人(職員数77人)は、特別養護老人ホーム(定員50人)やデイサービスセンター(定員30人)などを経営。改定により報酬が年間約863万円増えるが、これによる介護労働者の賃上げは月約7000円にとどまるという。』
.
2009.01.12 ☆シリーズ介護:4月に報酬改定 認知症支援、手厚く
  10日、毎日新聞→

『今年4月から3年間の新たな介護報酬が決まった。報酬は全体で3%引き上げられ、介護従事者の待遇改善などに充てられる。報酬改定に伴い、増え続ける認知症への対策強化や医療と介護の連携強化策も打ち出されている。利用者が新たな負担を求められることもある。【有田浩子、山崎友記子】

■看取りに対応
  今回の改定では、認知症ケアや家族への支援策強化も大きな柱の一つだ。
認知症高齢者の生活の場として定着しているグループホームでは終末期の看(み)取(と)りや、ホーム退去時の相談援助に報酬が付いた。これまで看取りには報酬がついておらず、看取りをしている神奈川県内のホームの管理者は「一歩前進」と改定の中身を評価する。

ただ、「住み慣れたホームで最期を迎えたい」という入居者の希望に応えるためには、医療との連携などの体制を整える必要もある。看取りが定着するのにはまだ時間がかかりそうだ。
利用者の自己負担はどう変わるのか。全国認知症グループホーム協会の岩尾貢副代表理事は「一般的な利用者の負担増は月1000円程度で、それほど増えないのではないか」とみており、小幅増になりそうだ。

■在宅、若年性対策
  在宅の認知症の人や家族への支援策も拡充された。徘徊(はいかい)や幻覚など認知症の行動・心理症状が出て在宅生活が困難な場合は一時的にグループホームなどを緊急利用できるようになる。介護を担う家族の負担軽減につなげるのが狙いだ。
若年性認知症に関しても、特別養護老人ホームや介護老人保健施設(老健)などで宿泊したり、ショートステイできるように改めた。支援策の乏しい若年性の対策強化を求めてきた「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事は「大きく前進した」と話している。
このほか、認知症の専門研修を受けた職員を一定の割合で配置した場合、報酬を加算することになった。

◇医療機関との情報共有に加算
ケアマネジャーが要介護者の入退院時に、病院関係者と情報を共有すれば新たに加算されることになった。

 ただ、ケアマネジャーの経験がある結城康博・淑徳大准教授は「医療関係者との情報共有は大事だが、これが利用者の病院からの追い出しにつながらなければいいが……」と危惧(きぐ)する。
医療費抑制のため医療機関は軒並み入院日数の短縮化を余儀なくされており、在宅介護推進の名のもと、病院から在宅への移行に拍車がかかるとの懸念が消せないからだ。
結城准教授は、通院介助で、病院内の介助には保険が適用されないなど、在宅移行後のサービスの使い勝手がこれまでと変わらない点についても問題視している。

■リハビリ充実も
  一方、通所リハビリテーションに「1時間以上2時間未満」の短いコースが新設されるなど、身体機能や生活機能の維持に欠かせないリハビリは大きく変わる。
要介護1で、新設の通所リハを受けた場合、利用者負担は1回270円(1単位10円で計算)。リハビリは医療保険にもあり、従来は日数制限がなかったが、06年に失語症などの特定疾患を除き、90〜180日の日数制限が設けられた。その後、制限は緩和されたが、質量共に不十分だとの指摘もあり、今回の改定で「埋め合わせた」と言えそうだ。

 今後は医療機関が介護事業所の指定をとって通所リハビリを実施するなど受け皿が拡大することも予想され、関係者からは「リハビリ難民の解消につながる」との期待の声も出ている。

◇自己負担、上限額超えたら払い戻し
  介護サービス費用は原則1割が自己負担だが、一定の上限額を超えた場合、これまで同様「高額介護サービス費」として市区町村に申請すれば払い戻しが受けられる。通常は市区町村から通知が届く。該当しているか分からない場合はケアマネジャーなどに相談しよう。
上限額は(1)生活保護受給者は1カ月1万5000円(2)市区町村民税非課税世帯は同2万4600円(3)それ以外は同3万7200円。超えた分が払い戻される。住民税非課税世帯の場合、個人の年金受給額によりさらに払い戻しが受けられる場合がある。申請は1度でよく、その後は不要だ。

  とはいえ、負担軽減の対象は要介護度別の支給限度額内の利用者負担だけだ。要介護5で限度額いっぱい使っても自己負担は3万5830円だから、課税世帯はほとんど対象にならない。夫婦世帯で2人とも介護サービスを使っている場合は合算し、超えた分が払い戻される。限度額を超えて自費でサービスを受けた分は払い戻しを受けられない。』
.
2009.01.12 ☆介護報酬、5%以上の引き上げを-民医連
  9日深夜、キャリアブレイン→

  『今年4月から介護報酬を3%引き上げる改定案を厚生労働省の社会保障審議会が舛添要一厚労相に答申したことについて、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は1月9日、「すべてのサービスの基本報酬を底上げし、全体で5%以上の引き上げを行わなければ、“介護崩壊”と言われる現場の深刻な実態、利用者や家族が直面している困難を打開できない」として、介護報酬の再改定と介護保険制度の抜本的な改善を求める見解を発表した。

  改定案について、全日本民医連は「全体として、基本報酬は据え置いたまま、『地域』に着目した評価を土台に、一定の勤続年数の職員や常勤職員の配置状況などの『体制』と夜勤業務や認知症への対応といった『機能』に対する加算の新設や見直しが中心になっている」と指摘。

 改定案で40を超える加算が新設されていることについて、「加算が中心の改定では、算定が可能な事業所と不可能な事業所との“二極化”を招く。特に、大規模な事業所が有利になる設定内容が多く、それに対応できない施設が淘汰(とうた)される恐れがある」とした上で、「加算の算定に必要な職員の確保などは、事業所の自己負担に委ねられており、生き残りを懸けた事業所の介護従事者“争奪戦”が激化することも予想され、さまざまな混乱をもたらしかねない」と批判している。

  また、「重い利用料負担のために、サービスの利用を減らしたり、中止したりするケースが後を絶たない中、介護報酬の単価の引き上げに連動した利用料の値上げは、さらなる利用の自己規制をもたらしかねない」として、「改定案は、最初から利用者の視点が欠落している」と指摘。「介護報酬の単価の引き上げに連動し、区分支給限度額が上がらなければ、介護保険で給付されるサービスの範囲が狭まり、多額の自己負担につながりかねない」と問題視している。

  全日本民医連では、「今回の改定を通して、『誰のための』『何のための』介護保険であるかが問われている」と強調。現場の矛盾や利用者・家族の困難を打開するための条件として、「基本報酬を含め全体で5%以上の引き上げを実現」「区分支給限度額を大幅に引き上げ、要介護5の限度額は撤廃」のほか、「軽度者の介護の縮小や切り捨てにつながる今年4月からの新しい要介護認定システムを凍結」などを挙げている。

 加えて、国民負担に関し、「政府は『改定による保険料の上昇分について、2009年度は全額、10年度は半額を国庫負担する』としているが、09年度から11年度まで、改定による保険料上昇分のすべてを全額国庫負担すべき」と求めている。』
.
2009.01.07 ☆介護報酬プラス3%は不十分―日医
  7日夜、キャリアブレイン→

  『日本医師会は1月7日、定例記者会見を開き、社会保障審議会介護給付費分科会による来年度の介護報酬改定案の答申に対する日医の見解を示した。三上裕司常任理事はプラス改定が決まったことに一定の評価を示しながらも、「3%という数字は、過去2回のマイナス分を取り戻すには不十分」と述べた。

 三上氏は介護給付費分科会による答申について、夜勤や人員加配などを加算で評価する方向が盛り込まれたものの、基本サービス費の引き上げによる全体的な底上げを求める日医の主張が十分には反映されなかったと指摘。「評価方法に疑問を感じる」とした。
  また、地域区分の報酬単価の上乗せ率については、請求事業所の60-70%が所在する地域で据え置きになった点を問題視。提供できるサービスや人材の地域間の格差が、より広がりかねないと懸念を示した。

  また、「定点調査ではなく抽出率も低い」ため、日医が精度を疑問視している厚生労働省の「介護事業経営実態調査」が、サービスごとの報酬見直しの根拠に用いられた点については、「大変遺憾だ」と語った。

  同調査は、介護給付費分科会の下部組織として設置される「調査実態委員会」(仮称)で、集計や分析方法などの見直しを検討することが既に決まっており、三上氏は「介護事業経営の現場の実態をより正確に反映した調査になるよう期待したい」と述べた。』
.
2009.01.06 ☆67市町の割増率5%に上げ 東京23区は15%、介護報酬
 6日、共同通信→

『介護報酬の単価は地域ごとに5区分され、介護職員の給与水準などを反映し報酬に差をつけるために割増率が設定されている。今回の改定では、割増率が最も高い1区分の東京23区は現行の12%から15%に、札幌市や岡山市など4区分の67市町は3%から5%に引き上げられる。
他の区分の割増率は2区分が10%、3区分が6%、5区分が0%のままで据え置かれる。
これとは別に、特定農山村法などで指定されたいわゆる中山間地域の小規模事業所では報酬を10%上乗せする。離島やへき地などには現在15%の上乗せがあるが、中山間地域への支援も求められていた。

来年4月からの介護報酬引き上げで、認知症ケアなどの充実や介護職員の待遇改善によるサービスの質向上に期待がかかるが、利用者の自己負担は増える。

▽月額アップ
自己負担は基本的に介護報酬の1割。このため報酬単価が引き上げられたサービスや、報酬が上乗せされる職員配置が手厚い事業所などからサービスを受けると、負担は増えることになる。
訪問介護では、短時間のサービス単価を引き上げた。これにより、例えば30分未満の身体介護は1回につき自己負担が23円増える。週2日昼間にヘルパーから計1時間未満の身体介護と家事援助を受け、毎日夜間に1回30分未満の身体介護を受けた場合、自己負担は月額で1077円増の1万2573円となる。

特別養護老人ホームに入所している場合、夜勤職員や介護福祉士の配置が手厚い施設には報酬が上乗せされる。このような施設の四人部屋に入居する要介護4の利用者では、月額2万6940円(食費や居住費を除く)と、1050円の負担増になる。

報酬は有資格者や勤続年数が長い職員が多い事業所への上乗せもあり、そういったサービスの質が高いと考えられる事業所を選べば、利用者負担は割高になる仕組みだ。
また、人件費が高い東京23区などの大都市部や効率的な運営が難しい中山間地域の事業所を対象にした上乗せもあり、対象地域に住む利用者の負担も増える。

▽認知症緊急受け入れ
認知症高齢者向けでは、妄想や徘徊(はいかい)などで自宅での生活が一時的に困難になった患者を、短期入所施設やグループホームで緊急に受け入れると1日当たり2000円報酬(利用者負担は200円)を上乗せする。いざというときの受け入れ先を確保して、患者や家族の自宅での生活を支援する狙いがある。また、これまで軽度の患者に限られていたリハビリを中・重度者も受けられるようにする。

65歳未満の若年性認知症患者の選択肢も広がる。これまでは、これらの患者に対するサービスで報酬が上乗せされるのは通所リハビリやデイサービスに限られていたが、老人保健施設や特養ホームなどでも、患者や家族の希望を踏まえたサービスに対する報酬を新設。こうしたサービスを提供する事業所も増えるとみられる。

▽老健施設でもみとり
終末期のみとりについては、入所者や家族の同意を得て、みとりに関する計画を作成するなどした老人保健施設に報酬を上乗せし、みとりが受けられるようにする。訪問看護のみとり報酬は上乗せ額を引き上げる。

2012年3月末に全廃が決まっている介護型療養病床の受け皿として5月に新設された「介護療養型老人保健施設」(新型老健)についても、報酬を引き上げたため、入所者は月1000-3500円程度自己負担が増える。
新型老健への転換は現在10施設にとどまっており、報酬増で転換を促し利用者の受け皿確保を目指す。

来年度介護報酬改定のポイントは次の通り。
一、介護職員の人材確保と待遇改善のため、夜勤など負担の大きな業務や専門性を報酬に反映。
一、人件費の地域差に対応するため、地域区分ごとの報酬単価の割増率を見直す。東京23区などで引き上げ。中山間地域の小規模事業者には加算。
一、医療と介護で継ぎ目のないサービスが利用できるよう医療と連携し、認知症ケアや終末期のみとりを推進する。
一、介護報酬全体の改定率はプラス3・0%。

▽介護報酬
介護報酬 原則3年ごとに改定される公定価格。利用者宅や施設で介護サービスを提供した事業者に支払われる。2003年度は2・3%、06年度は2・4%の連続マイナス改定。報酬全体の改定率は通常、次年度の予算編成過程で12月に決まるが、今回は08年度2次補正予算で基金を創設したのに伴い、2カ月前倒しで決着。サービス単価を含む改定案の提示も、市町村などの要望を受け年内に早まった。 』
.
2009.01.05 ☆「介護報酬、さらなる引き上げを」-保団連
  5日午前、キャリアブレイン→

『今年4月から介護報酬を3%引き上げる改定案を厚生労働省の社会保障審議会が舛添要一厚労相に答申したことについて、全国保険医団体連合会(保団連)は、「答申は、政府・与党が昨年10月30日に決めた3%引き上げを前提にしており、これでは“介護崩壊”は食い止められない。すべてのサービスについて、さらに2%以上の報酬上乗せを行うよう要望する」との談話を発表した。

改定案について、保団連は「夜間業務負担やキャリア、地域差などには一定の評価を行っているが、通常のサービスは据え置かれている」と指摘。その上で、「サービスの高い施設の処遇を評価するだけでは、さまざまな要因で(報酬の高いサービスの提供に)対応できない施設が淘汰(とうた)され、結果的に介護サービスそのものがなくなる地域が生じる危険性が高く、“介護崩壊”を助長する恐れがある」として、通常のサービスを含め、さらに2%以上の引き上げを求めている。

また、介護保険制度の特徴として、「医療保険制度に比べ、報酬の引き上げが保険料や自治体負担に直結しやすい問題がある」ことを挙げ、「政府は『改定による保険料の上昇分について、2009年度は全額、10年度は半額を国庫負担する』としているが、09-11年度まで、改定による保険料上昇分のすべてを国庫負担すべき」と求めている。

このほか、今年4月から変更される「要介護認定基準」を取り上げ、「(変更によって)これまでと同じ状態であるにもかかわらず、要介護度が低くならないようにすべき」と指摘。06年の改定で、要介護1の区分支給限度額が下がったことを挙げ、「その結果、必要な介護が提供できなくなっている。そもそも現行の区分支給限度額の枠内では、必要な介護が十分に受けられない。それを公的に受けられるようにするため、区分支給限度額を廃止すべき」などと訴えている。』
.
  ■保団連(全国保険医団体連合会)=1969年発足。戦後間もなく発足した「大阪府保険医連盟(1947年=我が国初の開業保険医団体)」を中心に、京都府保険医協会、愛知県保険医協会などを母体に1961年に結成された「関西保険医団体連絡会」が母体。
1961年、日本医師会に武見会長が就任、当時の田中角栄・自民党幹事長らが診療報酬改定額で妥協、低額UPになったことを不満に、全国の保険医が保険医協会に加入したという。
  医師のほか歯科医師も加入し、昨年5月時点の会員数は10万3千人余。
.
2008.12.31 ☆くらしと政治3/働く妻、待遇改善遠く
  31日、毎日新聞→

  『麻生太郎首相=衆院福岡8区=と小沢一郎民主党代表=同岩手4区=の地元で暮らす中村博文さん(57)、安倍(あんばい)信雄さん(75)一家。不況で目減りする夫の収入を補い家計をやりくりする妻たちを追った。

◇時給アップ、20年でわずか80円
◇看護師、近くに働ける病院ない


  福岡県小竹町の中村さんの妻久江さん(55)はパート勤めを始めて20年になる。次男圭さん(24)が幼稚園に上がったのがきっかけだ。ちょうど消費税導入が検討されていたころだった。
モーターの組み立て、建設会社の電話番、携帯電話部品の検査……。会社の経営が悪くなると次の仕事を探し、今は加工食品の仕分けをする。時給700円。20年間で上がったのはわずか80円だ。

3人の子は社会に出た。3年後は住宅機器メーカーで働く夫が定年を迎える。夫は年金受給までの5年間を「再就職してしのぐ」という。でも若者の求人ですら少ない筑豊で、中高年の仕事がどれだけあるのか。年金もどれだけもらえるものなのか。募る不安が「少しでも貯蓄を」との思いを強め、3年前から夫の給料の2割を貯金に回している。

今のパートは週4日で、月収は8万円ほど。「もう少し働きたい」とも思うが、夫の所得税に配偶者控除が適用される年収103万円を超えない範囲にとどめている。いわゆる「103万円の壁」だ。160万円以上になれば社会保険料を払っても収入が増えるというが、今の時給では週5日フルタイムで勤めても届かない。「家事との両立もあるし、体力的にもそこまで働く自信がない」とあきらめてしまう。
だから家計を少しでも切り詰める。一番の支出は食費で、月6万〜7万円。夫の晩酌はビールから発泡酒にしてもらい、代わりに自分も1本2000円の化粧水を半額のものに変えた。

企業の人件費抑制策でパート労働者は年々増え、07年は過去最高の1346万人。雇用労働者の4人に1人の計算で、全体の7割が女性だ。
今年春に施行した改正パート労働法で差別的待遇が禁止されたが、正社員並みに働く人に限られたため、救済されたのは約5%。それ以外の人の賃金も正社員との均衡を考慮することとされたが、努力義務に過ぎず、施行後も久江さんの賃金は変わらない。
パート労働者の年金受給額を上げるため社会保険の適用を拡大する法案も、自民、民主両党が対決姿勢を強め、一度も審議されないまま年を越す。政治の停滞は続き、女性を取り巻く雇用環境の改善は遠い。


午前9時半。岩手県奥州市の高齢者福祉施設にお年寄りを乗せたバスが着いた。安倍さんの次女早苗さん(45)が笑顔で出迎える。今年も大みそかも元日も勤務だ。
20年前からここで看護師として働き、今はデイサービスの主任看護師。バスから車椅子へ、丁寧に高齢者を移す。日々の介助で腰を痛めているが、一瞬でも気を抜けば事故につながる。

両親と2人の子、3世代6人家族を夫との共働きで支えてきた。工場に勤める夫賢二さん(44)は、円高不況で冬のボーナスが出なかった。早苗さんは雪のない日の通勤をマイカーから自転車に変えた。今年夏のガソリン高騰がきっかけだったが、価格が下がっても続けている。

2人姉妹の早苗さんは高校卒業後、仙台に出て看護師資格を取った。姉が結婚し2人きりになった両親が心配で実家に戻り、婿を取った。だが地元に病院は少なく、看護師の求人は乏しい。最近は公立病院の縮小も進む。「看護師不足なんて都会の話。働く病院がないんですから」。やっと見つけたのが今の職場だった。

でも両親に介護が必要になったら、仕事は辞めるつもりだ。「親の介護は人にさせて、自分が人の介護をしていていいのか」と思うからだ。家でも職場でも、女性が主な担い手となる介護の現実が、女性の働き方を揺さぶっている。

施設の特養ホーム部門は定員50床。業界では「80床ないと採算が取れない」とされる。数年前から早苗さんも期末手当や寒冷地手当がなくなった。06年度の介護報酬引き下げが追い打ちをかけたが、施設長は「待遇改善しないと職員が辞めてしまう」と給与を下げず、他の支出を切り詰めてやりくりしてきた。

経営者も職員も期待した09年度の報酬引き上げ。今月末、厚生労働省はその具体策を発表したが、報酬の基本的な底上げは見送られ、サービスへの加算どまり。施設長がつぶやいた。「これでは給与アップにつながらない」=つづく』
.
2008.12.28 ☆【主張】介護報酬改定 待遇向上の検証が必要だ
  28日、産経新聞→

  『社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)が、平成21年度の介護報酬(介護サービスの公定価格)の改定案を答申した。介護報酬は12年の制度発足以来、抑えられてきたが、今回は介護従事者の待遇改善のため、初めて3%の引き上げとなった。

 介護の現場では、きつい仕事のわりに給与が低く、離職者が後を絶たない。人材確保のため給与を引き上げ、経営悪化した事業者も少なくない。遅まきながら、政府が待遇改善に乗り出したことは評価したい。

 高齢化社会が進み、介護の需要はさらに大きくなる。人手不足や経営難で廃業に追い込まれたり、新規参入が難しくなればサービス提供に支障も生じる。報酬アップに伴って国民の負担も増えるがやむを得まい。保険料の激変緩和措置も講じられる。介護従事者がやりがいを持って働ける労働環境づくりを優先すべきだ。

 具体的には、個別サービスの報酬単価で施設の夜勤や緊急時の訪問介護などの負担の大きい業務に重点配分した。夜勤では1人で何十人もを介護しなければならないケースも多い。ストレスが離職原因になっているだけでなく、人手不足はサービス低下を招き重大事故にもつながりかねない。必要な人員配置は待ったなしだ。

 能力に応じた給与水準を実現するため、介護福祉士の資格保有者や勤務年数の長い職員の割合が多い事業所にも配分を厚くする。一生懸命働く人のやる気を引き出す対応だ。改定では、医療との連携や認知症ケアなどにも重きが置かれた。いずれも従事者一人一人が研鑽(けんさん)を積まなければ質の高いサービスは提供できない。厚労省には、意欲に富んだ人がキャリアアップを図れるよう能力開発や研修にも力を入れてもらいたい。

 ただ、介護報酬は事業者の収入だ。待遇改善に使われるかは経営者の判断となる。厚労省は事業者に給与や福利厚生の情報提示を求めるが、あくまで自主公表だ。引き上げ分が介護の現場にきちんと回っているのか、事後検証を含め目を光らせる必要がある。

 待遇改善だけで離職率が改善すると考えるのも早計だ。報酬改定は一つの契機にすぎない。厚労省や事業者は、離職者が再び戻ってきたくなる魅力ある職場に変える努力をさらに続けなければ、やがて“介護崩壊”を招くとの危機感を持つことが肝要だ。』
.
2008.12.28 ☆改定結果の調査実施委員会が発足へ-介護給付費分科会
  26日深夜、キャリアブレイン→

  『12月26日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)では、来年度の介護報酬改定が介護従事者の処遇改善に反映されたかなどを検証する「調査実施委員会」(仮称)を設置することを厚生労働省が明らかにした。

  同委員会は介護給付費分科会の下部組織として設けられ、介護報酬改定の結果の検証や介護事業経営実態調査など、介護報酬改定の基礎資料となる調査の方法の立案、集計、分析方法などについて検討し、2012年の介護報酬改定に向けた議論に役立てる。

  委員会のメンバーとして、介護給付費分科会の委員では、池田省三・龍谷大教授、田中滋・慶大大学院教授、村川浩一・日本社会事業大教授が案として示されたほか、委員以外では、堀田聰子・東大特任准教授、藤井賢一郎・日本社会事業大准教授、千葉正展・福祉医療機構経営支援室経営企画課長の名前が挙がっている。

 委員会の議事は公開され、検証結果は介護給付費分科会に報告される。』
.
.
----------------------------------------------.-------

☆クローズアップ2008:介護報酬、初の引き上げ 小規模事業者「スズメの涙」
  27日、毎日新聞→

◇人材確保依然課題に
 介護職場で働く人たちの処遇改善のため、3度目の改定で初めて引き上げられる09年度からの介護報酬。厳しい経営を強いられてきた介護事業者には待望のプラス改定だが、小規模事業者からは「スズメの涙ほどしか職員の賃金に反映できない」との声も漏れる。雇用悪化を背景に、今回の報酬改定は人材獲得の一助になりそうだが、安定した人材の確保は依然、介護事業の大きな問題だ。【佐藤浩、有田浩子、山崎友記子】

  「アップ分は給料に充てるつもりだが、常勤でも1人につき月2000〜3000円になるかどうか」。東京都小平市で通所介護事業所を運営するNPO法人「地域福祉ネットワーク第2こだま」の木村重成理事長(62)は、ため息をついた。

   今回の報酬改定は衆院選をにらんだ与党の政治主導で10月30日に決まった。翌日の記者会見で、舛添要一厚生労働相が「ラフに言うと、現場で働く方の月給が2万円くらい上がるかなという感じ」と発言。「賃金2万円アップ」が政治メッセージとして広がった。厚労省は打ち消しに走ったが、この日の発表で「2万円アップ」は完全にカラ証文になった。

  今回は有資格者の比率や立地条件できめ細かく加算を定めている。広く薄くすることでより多くの事業者に恩恵が出るようにした。「第2こだま」のような通所介護は(1)介護福祉士が40%以上(2)勤続3年以上が30%以上--のいずれかを満たせば加算される。こだまはデイサービスが中心で最も軽い「要支援」から最も重度の「要介護5」までの高齢者三十数人が通い月200万円前後の収益がある。木村さんの試算では改定で月5万円程度の加算になる。

  スタッフは常勤4人だが、散歩など行うこともあって手厚い配置をしており30人以上になる。このため5万円を人件費に回してもたいした額にならない。
  
  加算額が大きい大手はどうか。ニチイ学館(千代田区)は改定を歓迎するが「当社にどう影響するか精査しなければ分からない。全国にサービス提供をしていることもあり、まずは内容を分析することが最優先」と話す。改定に伴う事務作業が膨大なためだが、介護福祉士の比率や勤続年数の長さを加算条件にした今回の改定は大手の会社や社会福祉法人に有利で小規模事務所は不利とみられている。

  淑徳大総合福祉学部の結城康博准教授は「(事業者相互の)介護福祉士の争奪戦になるかもしれない」と指摘する。厚労省は専門性の高い強い事業者を育成することが介護事業安定につながると考えており、今回の加算条件の底流にそうした政策意図もうかがえる。評論家の樋口恵子さんは「抜本改革にはほど遠く、人材が逃げ出すのを防ぐカンフル剤に過ぎない。長期的視点に立った待遇改善が必要だ」と話している。

◇総合的視点欠く--高橋紘士・立教大大学院21世紀社会デザイン研究科教授
  改定は目先の介護職確保策に気をとられ、介護制度への総合的な視点が欠けている。認知症や中重度の高齢者や家族が介護サービスが良くなったという実感を持てないのではないか。次回の11年改定に向け、財源論も含めた政策について議論が必要だ。

◇来年度の保険料、政令市は二極化
  来年度から介護保険料はどう変わるのか。毎日新聞が17政令指定都市を調べたところ、京都市、名古屋市など5市が引き下げ、横浜市、浜松市など7市が引き上げる方針であることが分かった。06〜08年度(第3期)は、全政令市で保険料が引き上げられたが、今回は二極化している。

  介護保険料は報酬改定に合わせ3年ごとに見直され、今回見直し対象となるのは来年度からの3年間(第4期)。引き下げを決めた京都市は、赤字償還を終えたことや06年度導入の介護予防、地域密着型サービスが見込んだほど伸びなかったことから、積み立てた剰余金(介護保険給付費準備基金)32億円を引き下げ財源に充てる。65歳以上の高齢者1人当たりで月200〜300円の引き下げになる予定だ。今年4月から75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度も始まり「これ以上保険料は上げられない」と市長が政治判断した。

  一方、横浜市は要介護認定者数も介護サービスもさらに伸びる見通しで、11月に現行より750円高い4900円程度との見込みを示した。
第3期の65歳以上の平均保険料は4090円。厚労省の中間推計では第4期は180円アップし4270円となる。アップ分のうち、70円分が介護労働者の待遇改善などに充てられる。』
.
.
-------------------------------------------------------------
☆待遇改善へ…来年度介護報酬3%上げ、利用者は負担増
  27日、讀賣新聞→

  『2009年度からの介護報酬が26日、決定した。厚生労働省の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)が、諮問どおり答申した。

  介護職員の待遇改善のため、全体で3・0%引き上げたのが特色で、プラス改定は2000年の制度発足以来、初めて。報酬増により人材確保を図るとともに、医療との連携強化や認知症介護の充実など、介護の質の向上も目指す。

  介護サービスの公定価格にあたる介護報酬は、原則3年に一度改定される。03年度はマイナス2・3%、06年度は同2・4%だったが、今回は3・0%増額した。プラス改定で事業者は収入増になるが、費用の1割を負担する利用者は負担増となる。

  改定では、夜勤や認知症介護など負担が大きい業務について、人員を多く配置した事業所の報酬を手厚くしたほか、国家資格である介護福祉士や常勤職員の割合が高い事業所の報酬を引き上げた。特別養護老人ホームの場合、介護職員全体に占める介護福祉士の割合が50%以上あれば、入居者1人当たり1日120円が加算される。

  また、都市部の介護事業所の人件費が高く、経営を圧迫していることから、東京23区内の事業所に支払われる報酬単価をおおむね現行より引き上げた。

  医療との連携強化のため、ケアマネジャーが利用者の退院時に医療機関と情報交換を行った場合、月6000円(30日超の入院)が加算される。認知症については、一定の経験を持ち、専門研修を終えた職員が施設などで介護した場合、加算するとした。

  報酬引き上げで、介護サービスの利用者が払う自己負担額は多くの場合、増額となる。厚労省の試算では、訪問介護を毎日利用し、現在の自己負担額が月1万1496円の人の場合、負担額は1万2573円になる。

  また、報酬アップによる保険料の上昇を抑えるために、税金を投入する。

■介護報酬
 介護保険制度で提供される介護サービスの公定価格。報酬額の9割を保険料と税、残り1割を利用者が負担し、サービス提供事業者に支払われる。特別養護老人ホームなどサービスの種類ごとに決められ、「単位」で表示される。1単位は原則10円。』
.
2008.12.28 ☆専門職多い事業所に加算=09年度介護報酬改定を答申-社保審
  26日夕、時事通信→

  『社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)は26日、2009年度から全体で3.0%引き上げられる介護サービス事業者への報酬の内訳について舛添要一厚労相に答申した。専門性の高い職員が多い事業所に対する加算措置を新設するほか、人件費が高い都市部では、地域ごとに設定されている報酬への上乗せ率を引き上げ、地域差の解消を図ることなどを盛り込んだ。

  介護報酬の改定は3年に1回実施。2000年度の制度導入以来、引き上げは09年度が初めてとなる。同制度ではサービスごとに単価が決められており、利用量に応じて事業者に報酬が支払われる仕組み。単価は1単位10円で計算される。

 今回の改定では、離職率が高いなどと指摘されている介護従事者の処遇を改善して人材を確保するため、新たに専門性の高さや仕事の負担の大きさを報酬に反映させた。例えば通所介護では、3年以上勤続している職員や介護福祉士の配置割合などに応じ、事業所が提供するサービス1回につき6-12単位を加算。特別養護老人ホームでは、夜勤職員が配置基準を上回る場合、施設規模に応じて1日13-41単位が加算される。

  地域ごとに異なる1単価への上乗せ率も人件費が高い都市部の実情に応じて見直す。東京23区の場合、これまでの最大0.72円が1.05円に引き上げられる。』
.
.----------------------------------
☆介護の質向上に職員報酬改善 09年度初のプラス改定

  26日夕、共同通信→

  『厚生労働省は26日、来年度から3年間の新しい介護サービスの報酬単価を決めた。職員の経験年数や取得資格、業務の過重さを考慮し報酬を手厚くするのが柱。低賃金で人手不足が指摘される介護職員について待遇を改善し、サービスの質の向上につなげる狙い。収益悪化が著しい事業者の経営安定も図る。

  介護報酬全体では3・0%引き上げる。2000年度の介護保険制度スタート以来、初のプラス改定。ただ、職員の給与増に直結するかは不透明だ。サービス費用の1割が利用者の自己負担であるため、単価が上がったサービスを利用すれば自己負担分は増える。

  医療との連携強化の観点から、認知症ケアの拠点グループホームや終末期のみとりに対する評価を盛り込んだのも特徴。同日、社会保障審議会介護給付費分科会に改定案を示し、了承された。

  待遇改善策として、訪問介護では、初回や緊急時に労力がかかるため初回2000円、緊急時に1回1000円をそれぞれ加算。特別養護老人ホームなど介護施設では、夜勤職員を基準よりも手厚く配置した場合、加算する。』
.
2008.12.23 ☆来年度、介護報酬3%増 職員の待遇改善のため
  22日、西日本新聞→

  『人手不足が深刻なホームヘルパーなどの介護職員の待遇を改善するために、政府は2009年度に介護報酬を初めて引き上げ、プラス3%とすることを決めた。先に開かれた「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議」で、「生活対策」の1つとして盛り込まれた。

Q 介護報酬とは何か。
A ヘルパーらが特別養護老人ホームや訪問した家庭などでお年寄りの食事や入浴といった介護をしたときに支払われる報酬のことだ。利用者から見れば、介護を受けたサービスの値段に当たるわけで、報酬の1割が利用料となる。残りの9割は介護保険から給付される。

Q これまではどうだったのか。
A 報酬は3年ごとに改定されるが、高齢化が進み介護を受ける人が増えて、給付費も増大してきた。給付費が増えれば介護保険料も引き上げられるため、給付費を抑制する目的で報酬は過去2回連続して2%以上引き下げられてきた経緯がある。

Q しかし、保険料は上がっている。
A 確かにそうだ。65歳以上については報酬改定と一緒に見直されて市区町村ごとに保険料が異なる。制度開始の2000年度には全国平均でひと月当たり約2900円だったのに、その後2回とも引き上げられ、今では月約4000円となっている。毎年見直される40-64歳の保険料も07年度までは上がり続けている。

Q なぜそういうことになっているのか。
A 値段(介護報酬)を下げても、それ以上に利用者が増えて給付費も増えたからだ。給付費を賄うのは、半分は税金だが、あとの半分は保険料収入と決められているからだ。

Q 報酬の引き上げで、来年度の保険料はどうなるのか。
A 給付費がさらに増えることが予想され、保険料も大幅に引き上げられかねない。そこで、政府は 1200億円規模の基金を創設し、上昇分の半分を国が肩代わりすることにした。厚生労働省によると、 これにより、65歳以上の保険料は平均で月約180円アップの約4270円(11月時点の暫定値)に抑えられる。今後、市町村ごとに給付費の見込みなどを精査し、保険料基準額を算出。算出された基準額は来年 2、3月の市町村議会で条例として決定され、4月ごろには、最終的な全国平均額が公表される見通し だ。

Q ところで、アップされる介護報酬3%はどう配分されるのか。
A 厚労省は、職員を手厚く配置したり、介護福祉士などの資格者や勤続年数の長い職員の割合が高いところの報酬を増やすなどして、待遇改善を図る方針だ。

Q 職員の月給が2万円上がると聞いたけれど、本当か。
A 3%アップで介護業界全体で約2300億円の増収が見込まれている。約80万人の常勤職員の給与に換算すると、月2万円超になる計算だ。ただ、給与は職員と事業者の間で決められるので、報酬を受け取る事業者次第という面も否めない。

Q どうすれば、待遇改善につながるのか。
A 厚労省は、事業者に研修体制の充実やキャリアアップの仕組みづくりを求めるほか、報酬アップが職員の給与に反映されるよう労働条件や賃金水準の公表も推進する方針だ。』
.
2008.12.23 ☆介護従事者の処遇改善などに1680億円―厚労省第二次補正案
  22日午後、キャリアブレイン→

  『政府が来年1月5日召集の通常国会で提出する予定の「第二次補正予算案」について、厚生労働省は12月20日、「生活防衛のための緊急対策関係予算」として8986億円を計上することを発表した。このうち「介護従事者の処遇改善と人材確保等」が1680億円で、内訳は「介護報酬改定による介護従事者の処遇改善」が1154億円、「介護人材等の緊急確保対策の実施等」が526億円となっている。

  財務省によると、「麻生太郎内閣における経済対応」(当面は景気対策)は、▽安心実現のための緊急総合対策(11.5兆円程度)▽第一次補正予算(1.8兆円)▽生活対策(26.9兆円程度)▽生活防衛のための緊急対策(43兆円)―の計75兆円程度。
このうち、「生活対策」「生活防衛のための緊急対策」を実現するための措置が「第二次補正予算案」(平成20年度補正予算・第2号)で、政府は20日午前の臨時閣議で「第二次補正予算案」(4兆7858億円)を決定した。

  これを受け、厚労省が12月20日に発表した「平成20年度厚生労働省第2次補正予算(案)」は、▽雇用状況の改善のための緊急対策の推進(4048億円)▽介護従事者の処遇改善と人材確保等(1680億円)▽出産・子育て支援の拡充(2400億円)▽障害者支援の拡充(869億円)▽医療・年金対策の推進(1324億円)▽各種施策の推進(86億円)―の6本柱。

  このうち「介護従事者の処遇改善と人材確保等」が1680億円で、内訳は「介護報酬改定による介護従事者の処遇改善」が1154億円、「介護人材等の緊急確保対策の実施等」が526億円となっている。

  また、「医療・年金対策の推進」1324億円の内訳は、▽高齢者医療制度の円滑な実施(1215億円)▽救急医療の充実強化(22億円)▽看護師・助産師の高度技能習得(1億円)▽医療分野の情報化の推進(3.8億円)▽先端医療機器等の整備(56億円)▽パンデミックワクチン製造能力強化事業(15億円)▽年金記録問題への対応(11億円)。

詳しくは、厚労省のホームページで。
.
2008.12.21 ☆生活不安解消へ手厚く、介護報酬引き上げ 財務省原案
  20日夕、日本経済新聞→

  『景気後退で生活への不安が高まるなか、20日内示された2009年度予算財務省原案では介護報酬を引き上げたほか、事故米問題を受けた食の安全対策では有害物質の検査を強化した。頻発する局所的な集中豪雨対策として洪水予測の精度向上を図るほか、治安対策では警察官を増員。こうした施策が暮らしの安全・安心につながるか――。

  09年度予算の財務省原案や、今年度2次補正予算案では、社会福祉や雇用、住宅の確保など暮らしの安全、安心にかかわる分野に手厚く配分した。』
.
2008.12.18 ☆介護報酬がプラス3%でも老人福祉施設は“倒産ラッシュ”
  18日、ダイヤモンド・オンライン(週刊ダイヤモンド)→

  『皮肉というべきか、政府・与党は10月30日に、介護現場の処遇改善に向け2009年度の介護報酬を「プラス3.0%」に決めたが、翌月には老人福祉事業者の倒産件数が過去最高を記録した。
帝国データバンクによると、有料老人ホームなどの倒産は、7年が23件と前年の3.3倍に急増。しかし、今年は11月までに24件と、記録を突破した。

  今年7月には、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人(兵庫県)が全国初の民事再生法適用の申し立てを行なうなど、寒風が吹き荒れている。
  破綻の要因について、情報部は「06年の介護報酬の引き下げの影響が大きかった」と指摘する。なにしろ、3年ごとの改定は03年がマイナス2.3%、06年がマイナス2.4%(食費と宿泊費の自己負担分=1.9%を含む)と、減額のラッシュ。現場では、人手不足の悲鳴が渦巻いていた。

 社会保障審議会(介護給付費分科会)は、12月3日に介護人材の確保と処遇改善を柱に“たたき台”を発表。「施設における夜勤業務負担や重度・認知症対応への評価」や、各地域の賃金水準が反映されなかった給与について「報酬単価の上乗せ割合も見直す」と盛り込んだ。

  だが、介護報酬の「プラス3.0%」は、あくまで総額に対する割合。施設、訪問、通所などの各サービス、さらに職種ごとにアップ率は異なる。その枠組みの詰めは、今後の焦点だ。

  すでに、全国老人福祉施設協議会は、人件費比率を40%に設定されている介護保険施設について「平均60%を超えていることから、実態に合わせた見直しが必要」と要望。日本介護福祉士会は、処遇改善について「検証する仕組みを検討すべき」とした。

  最大の課題は、いかに介護従事者の賃金をアップさせるかだ。』
.
2008.12.17 ☆発信箱:1通の手紙=磯崎由美(生活報道センター)
  17日、毎日新聞→

『<惨状を座視しているわけにもいきません。私もいかなる協力も惜しみません>
 埼玉県飯能市の介護施設で働く落合豊さん(41)は昨夏、県老人保健施設協会に手紙を出した。コムスン問題を検証した毎日新聞の連載で、財務省主計局の「介護は本当に賃金が低いのか。医療に比べ、現場の声が上がってこない」との言葉を目にしたのがきっかけだった。

  祖母の介護でやりがいを知り、6年前に介護職に就いた。結婚し娘も生まれたが、手取りは月20万円。心身の負担は重く、去っていく後輩を慰留する言葉もない。その現状と財務官僚の意識のギャップに驚き、手紙で署名運動を提案したのだ。

  後日、協会会長から返事が届く。<必ずや虹を見る日が来ます。皆で頑張りましょう>。報酬引き上げを求める署名活動は埼玉から全国に広がり、166万人分が集まる。その署名を添えた要望書を今年3月、財務省と厚生労働省に提出した。

  こうして、過去2度も引き下げられてきた介護報酬は来年度初めて3%上がることになった。労働者の給与アップにどれだけ直接反映されるかはまだ分からないが、1人の訴えがうねりをつくり、国に政策の流れを転換させた意義は大きい。失業者が増えるというのに、人手不足の現場がある。給与が上がるなら介護職に就きたいという若者も現れるかもしれない。

  「時代が必要とする仕事です。せめて普通の暮らしができる職業にしたい」。落合さんは給料が上がったら、「お金じゃないよね」と理解してついてきてくれた妻のためにも、いつか小さな中古の家を買い、2人目の子が欲しいと思っている。』
.
2008.12.14 ☆介護報酬報告書取りまとめ、12月26日に答申-介護給付費分科会
  12日深夜、キャリアブレイン→

   『厚生労働省は12月12日、社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)を開き、「2009年度介護報酬改定に関する審議報告案」について取りまとめを行った。26日に舛添要一厚労相に答申する。

  質疑応答では、報告案に盛り込まれた「介護従事者の処遇等に関する情報の公表」について、三上裕司委員(日本医師会常任理事)がプライバシーの問題などを挙げ、「事業所として給与などの情報を流せば、小規模なら個人情報として認識されかねない」と指摘した。

  また、田中滋委員(慶大教授)は、情報公開が賃金や給与に偏り過ぎると、教育や出産・育児などの点で職員に配慮している事業者などは、人材募集でアピールしにくくなり、「経営者の意識も変えてしまうのではないか」との懸念を示した。

  川合秀治委員(全国老人保健施設協会会長)も、「各事業所の給与水準を個別に公表する必要があるのか。団体が示すだけでいいのではないか」と指摘した。

  これを受け、事務局は表現を「介護従事者の処遇改善に向けた取り組みに関する情報の公表」に変更したほか、事業者団体が公表の手引を作成するなどの取り組みを国が「支援していくことも重要である」との記述を、「支援していくことも考えられる」にするなどの修正を行った。

  前回の分科会での委員からの提案で報告案に盛り込まれた「今後の方向性」は、介護報酬改定を通じて、介護従事者の処遇改善に向けた取り組みが促進されることを強く期待するとし、▽報酬改定が処遇改善に結び付いたかを検証▽介護サービスの質を評価する指標の検討▽より効率的・効果的なサービスの在り方を検討▽介護人材経営実態調査などの調査手法の設計や調査結果の検証の実施▽補足給付や介護サービス情報の公表についての検討-などを着実に行う必要があるとしている。

  このほか、認知症高齢者などへの介護サービスの充実や、要介護者が尊厳を保持しながら、能力に応じた自立した日常生活を営む環境を整備することが挙げられた。そのためにも、介護報酬は利用者の視点に立ち、サービスごとの検討に加えて、地域包括ケアシステムの構築の観点などからも検討する必要があり、今後の報酬改定にも総合的な視点が求められるとしている。』
.
☆介護報酬:夜勤手厚く 福祉士雇用を評価--社保審分科会、来年度改定基本方針
  13日、毎日新聞→

  『厚生労働相の諮問機関、社会保障審議会の介護給付費分科会は12日、09年度の介護報酬改定に向けた基本方針をまとめた。介護従事者の人材確保と処遇改善を主なテーマとし、夜勤など負担の大きい業務の報酬を手厚くする。

  介護福祉士や一定の勤続年数の職員を多く雇用している事業所を評価し、地域別の単価設定も見直す。

  また▽若年性認知症患者受け入れの評価など認知症ケア推進▽訪問看護の評価充実▽中山間地域の小規模事業所による訪問介護などへの評価--などを盛り込んだ。

  一方、今回の介護報酬改定が処遇改善につながったかの検証にも言及した。
政府・与党は介護報酬3%アップを10月に決めており、審議会は今月26日に諮問を受け、個別のサービス報酬単価の変更を答申する。』
.
2008.12.12 ☆報酬改定、基本方針を了承…介護職の待遇改善 社保審分科会
  12日夕、讀賣新聞→

  『厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会(厚生労働相の諮問機関)は12日、来年4月からの介護報酬改定の基本方針を了承した。介護職の待遇改善や介護の質の向上のため、夜勤など負担が大きい業務への報酬を手厚くすることなどを盛り込んだ。

  政府・与党は既に介護報酬を3・0%引き上げることを決めており、同省は年内にも個別の介護サービスの報酬単価を決める方針だ。

  基本方針では、人手不足が深刻な介護職の確保のため、介護職の待遇改善を最大の課題に位置付けた。そのため、<1>負担が大きい介護施設の夜勤業務<2>介護福祉士の資格保有者や常勤職員の割合が多い事業所<3>人件費が高い都市部や小規模経営になりがちな中山間地域の事業所などの報酬を手厚くする。

  また、医療と介護の連携を強化し、住み慣れた地域で生活を続けられるように、リハビリや訪問看護を充実させる。具体的には、介護保険でリハビリができる場所を増やすため、リハビリを行う医療機関を通所リハビリ事業所として扱うほか、1人の利用者に対して2人が同時に訪問看護を行った場合の報酬を導入する。

  さらに、認知症介護の質を上げるため、専門的な研修を受けた職員が介護を行ったり、事業所が若年性認知症患者を受け入れ、本人や家族の希望をふまえた介護を行ったりした場合、報酬上の評価を行うことにした。一方、現在、年金から天引きされている介護保険料を口座振替にもできるようにする制度の導入について、同省は、4月からの実施を見送り、導入に反対する市町村と協議を続ける方針を示した。

09年度介護報酬改定で報酬を手厚くする主な項目
・施設での夜勤業務
・介護福祉士や常勤職員の割合が高い事業所
・都市部や中山間地域の事業所
・リハビリ、訪問看護
・専門的な認知症介護、若年性認知症患者の受け入れ
・認知症、独居高齢者に対するケアマネジメント』
.
☆介護報酬 初の引き上げへ 介護給付費分科会
  12日夕、NHK→

  『介護サービスを提供した事業者が受け取る介護報酬の見直しを議論してきた厚生労働省の審議会は、報酬の3%引き上げなど、介護職の待遇改善策を盛り込んだ報告書をまとめました。介護報酬の引き上げは、平成12年の制度発足以来、初めてです。

  3年に一度行われる来年4月の介護報酬の見直しに向けて、厚生労働省の審議会は、12日、最終的な報告書をまとめました。報告書では、介護報酬を全体で3%引き上げ、人手不足が深刻な介護職の待遇を改善し、お年寄りが安心してサービスを利用できるようにすべきだとしています。

  具体的には、地域全体の給与水準が高く、人件費のかかる大都市部では報酬を上乗せするとしています。また、専門性に応じた待遇を確保するため、介護福祉士の資格を持つ職員が多い事業所や、職員の定着に努めている事業所にも報酬を上乗せするとしています。

  さらに、報酬の引き上げが待遇の改善に確実に結びつくよう、介護事業者に対し、給与水準などの情報について自主的な公表を促していくことも盛り込んでいます。

  介護報酬の引き上げは、介護保険制度が平成12年に発足して以来、初めてで、審議会は、サービスごとの具体的な報酬額についても年内にまとめることにしています。』
.
☆介護職員の待遇改善「事後検証」を要請 社保審が基本方針
  12日夜、産経新聞→

  『社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護給付費分科会は12日、平成21年度の介護報酬改定について、介護職員の待遇改善を柱とする基本方針をまとめた。夜勤をはじめとする負担の大きい業務に多数職員を配置している事業者などへの報酬を手厚くするが、実際に職員の待遇改善につながったかを事後検証することも求めた。分科会は26日、来年4月からの新しい個別サービス単価を舛添要一厚労相に答申する。

  政府・与党は人手不足が深刻な介護職員の待遇を改善するため、すでに介護報酬を総枠で3%引き上げすることを決定。基本方針は、夜勤業務に加え、介護福祉士や常勤職員を多数配置する事業者への報酬を手厚くするほか、人件費が高い都市部の報酬単価の上乗せも検討する。実際に待遇改善しているかチェックするため、事業者に給与や福利厚生の情報の自主公表を求める。

  リハビリテーションを行う医療機関を通所リハビリ(デイケア)の施設とみなすなど、医療と介護の連携も強化する。認知症ケアの質向上のため短期集中リハビリの対象を軽度者から中・重度者まで拡大したり、若年性認知症患者を受け入れた事業所に報酬を手厚く支給したりする考えも示した。訪問介護のサービス担当責任者に非常勤ヘルパーの登用を認めるなどの運営効率化策も盛り込んだ。

  一方、原案段階にはなかった今後の報酬改定の方向性についても言及。24年度の介護報酬改定までに▽職員の処遇改善の検証▽介護サービスの質を評価する指標づくり▽18、21年度の改定で新たに導入されたサービスの普及状況調査▽事業者のサービス情報公表制度の検討-などを行うよう求めた。』
.
2008.12.11 ☆《介護・医療危機》ケアマネの自立認めぬ厚労省、”安すぎる報酬”の狙い
  11日、東洋経済オンライン(週刊東洋経済)→

『高齢者が介護保険サービスを利用する際、「ケアプラン」と呼ぶ利用計画を作る。通常、ケアプランは、高齢者や家族との話し合いを通じて、ケアマネジャー(介護支援専門員)が作る。サービス開始後も、ケアマネジャーはサービス内容が適切かどうか、介護報酬が適切に請求されているかをチェックする。そうした役割の重要性から、「介護保険の番人」と呼ばれることもある。

そのケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所が、経営不振を理由に突然閉鎖を宣言。利用者が慌てふためく事態が千葉県で起きた。

ケアマネジャーの鈴木梓さん(31)が、突然の解雇を言い渡されたのは今年9月20日。社長から突然、「10月末で事業所を閉鎖する」と告げられたのだ。鈴木さんが専属の職員として事業所の立ち上げにかかわってから、わずか4カ月で社長は事業に見切りをつけた。

鈴木さんによれば、「経営状態が悪いので閉鎖する。要はおカネの問題だ」と社長から説明を受けたという。だが、開設に当たっては「2〜3年かけて黒字化させることを確認していた」と鈴木さんは語る。

「半年も経たずに閉鎖というのはどういうことでしょうか。私と社長だけの問題ではない。利用者や家族、介護サービスを提供している事業所にも迷惑をかけることになりますよ。廃止に至った経緯や理由については書面で明らかにすべきです」

鈴木さんはこう抗議したが、社長は「利用者には君からあいさつしてもらえば済む話だ。方針は変わらない」の一点張りで、10月末付で事業所を閉鎖してしまった。

鈴木さんの元には利用者やサービス事業者からのクレームが相次いだ。「病院の相談員の方からは、『無責任だ。私が依頼した患者さんはどうするんだ』と苦情が来ました」(鈴木さん)。また、不安になって、ヘルパーを責め立てる利用者や、独り暮らしの高齢者が突然、深夜の3時に「不安になった」と娘に電話をかけたこともあったという。自治体の担当者からは、「利用者には迷惑がかからないようにしてほしい」と釘を刺されたという。

わずか5カ月で閉鎖 ケアマネに抗議が殺到
  鈴木さんは、利用者本人や家族宅に何度も足を運び、事情を説明するとともに、今後の対応策について話し合った。だが、「引き続き担当してほしい」と言われることが多く、最終的には10件の担当ケースすべてを、別の事業所に移籍した後も、引き続き受け持つことになった。

大学を卒業後、特別養護老人ホームの職員を経て、1年半前にケアマネジャーになった鈴木さんは、高齢者一人ひとりにしっかりと寄り添ってきた自負がある。「5カ月で新規10件の担当はまずまずの実績だと思う。病院の相談員や民生委員の方の信頼も得られるようになっていました。さあこれからという矢先での解雇通告、事業所閉鎖は、まったく理解できません」(鈴木さん)。

開設から5カ月で「店じまい」とは驚くが、居宅介護支援事業所が大幅な赤字を続けていることは、厚生労働省の調査からも一目瞭然だ。その原因はケアマネジメントに対する介護報酬が著しく低額に設定されていることにある。

介護が必要な中でも「軽度」と呼ばれる要介護1または2だと、ケアマネジャーの報酬である居宅介護支援費は、1カ月当たり1000単位(1単位10円の場合で1万円)。中重度の要介護3〜5の場合は1300単位に設定されている(ケアプランの受け持ちが40件未満の場合)。ところが40件以上になると、すべてのプランに対する報酬が一律4割減となるため、事実上40件以上を受け持つことは不可能だ。

軽度および中重度の割合が半々で、39件受け持った場合、1カ月の介護報酬は4万4850単位(1単位10円の場合で44万8500円)。ここから事務所経費を差し引かなければならない。現実的には39件持つことは困難で、厚労省の調べではケアマネジャー1人当たり26・9件。人件費も賄えないので、多くの事業所は単独では成り立たず、9割近くがデイサービス(通所介護)や訪問介護などとの併設型になっている。

こうしたいびつな収支構造は、ケアマネジャーに対する厚労省の姿勢と深い関係がある。介護保険制度スタート時、一斉に参入した事業者は、居宅介護支援事業所も併せて設置し、資格を取得したばかりのケアマネジャーの獲得に乗り出した。そして、ケアマネジャーを通じてケアプランに自社の介護サービスを組み込ませることで、高齢者の囲い込みを進めようとしたのである。

ところが、介護サービス事業所が全国に行き渡ると、厚労省は一転して介護サービスの「適正化」に乗り出した。その際に、適正化のターゲットにされたのが、ケアマネジャーだった。自社サービスへの利益誘導を図ったり、不要なサービスをケアプランに組み込んでいる事例が目立つとして、ケアマネジャーに対する締め付けを強化したのだ。

ケアマネジャーへの管理強化は2003年度の介護報酬改定から始まった。数をこなしても採算が合わない一方で、ケアマネジャーが最低でも月に1回、利用者宅を訪問していない場合には、介護報酬の3割を削減する仕組みを導入した。その反面、何度も自宅を訪れた場合に対する報酬上の評価は何もなかった。

そして06年度改定では、訪問未実施が2カ月に及んだ場合の削減幅を5割に拡大。同時に、ケアマネジャー1人の標準担当件数を35件に設定。40件以上の場合は報酬の4割を削減する事実上のペナルティを導入した。その一方で、新たに「予防給付」と呼ばれる制度を導入し、要介護状態にならないための努力が必要な「要支援1」「要支援2」に区分された人の介護予防ケアプラン作成業務は、原則として市町村の地域包括支援センターが行うこととなった。言うなれば、ケアマネジャーから、ケアプランの引き剥がしを行ったのである。また、06年4月からは、5年ごとのケアマネ資格更新制や6年ごとの居宅介護支援事業所の指定更新制も導入された。

同じ時期、自治体による給付費の「適正化」を通じて、同居家族がいる場合の生活援助(買い物や炊事、掃除など)の多くが不適切とされた。そして、不適切なケアプランに基づくサービスの実施を理由に、介護報酬の返還命令も相次いだ。こうした中で、ケアマネジャーが利用計画に生活援助を盛り込むことを自粛する風潮が全国各地に広がった。

「ケアマネジャーへの締め付けを通じて介護サービスの利用を抑制させる。ひいては行政の言いなりになるケアマネジャーを作ることが『適正化』の真の狙いだった」と服部万里子・立教大学教授は指摘する。

管理強化が進む中でケアマネを辞める人も
  管理強化が進む中で、「実地指導や監査で指摘されるのを恐れるあまり、ケアマネジャーは先回りして自粛することが多くなった」(「ケアマネジメントについて考える会」の新組織設立準備委員でケアマネジャーの本宮晶子さん)。そして、「市町村に必要性を説明しても、『あれも駄目』『これも駄目』と言われて、ケアプランに組み込むことができないことも多くなった。ケアマネジャーの仕事は様変わりし、退職していく人が増えていった」(本宮さん)。

00年度の介護保険制度スタート時から、独立系の居宅介護支援事業所を営んでいる本宮さんは、「当時からのケアマネジャーは大方が仕事を辞めており、いまや面識がない人ばかり。特に06年度の報酬改定以降はその傾向が目立つ」と語る。

介護予防のケアプラン作成業務を地域包括支援センターに移したことで、要支援1、2の高齢者は、ケアマネジャーを選ぶ権利を喪失した。これは、介護保険制度の理念に掲げられた「サービス選択の自由」を事実上否定するものにほかならない。

「ケアマネジメントについて考える会」は今年8月、厚労省に「政策提言」を提出。その中で、ケアマネジメントに対する正当な評価と政策スタンスの転換を要請した。

介護保険制度がスタートして8年が過ぎた現在、管理の発想は強まる一方だ。しかし、今、最も求められているのは、介護を担う職種への正当な評価と対話ではなかろうか。』
.
2008.12.09 ☆介護報酬改定に関する要望書に「ゼロ回答」労住医連
  9日夜、キャリアブレイン→

  『労働者住民医療機関連絡会議(労住医連)は12月9日の記者会見で、厚生労働省に先週提出していた介護報酬改定に関する要望書への回答を得たものの、「ゼロ回答だった」と同省を批判した。

  要望書は、来年度の介護報酬改定の在り方について、31項目にわたって提言している。具体的には、▽施設介護職の人員配置基準を引き上げること。特にユニットケアについては、早急に2対1にまで引き上げること▽介護保険施設ならびに居住系サービスにおける保険外負担の実態を調査すること。介護保険施設の特定入所者介護サービス費に準じた、居住系サービスの居住費負担軽減のための措置を取ること▽老人保健施設での医療行為(投薬、点滴、処置)に対する算定基準を緩和し、医療的処置に対する評価を適切に行うこと▽予防給付と介護給付の間の移行に当たって、継続的なケアマネジメントが受けられるように配慮すること―などの項目がある。

  厚労省の回答について、労住医連では「現場のことを分かっていない」などと批判。「今後も提言を続けていきたい」としている。』
.
2008.12.04 ☆介護職の給与増チェック…厚労省 情報公表指針作成へ
  4日、讀賣新聞(夕刊)→

  『介護職の待遇改善のため、厚生労働省は、介護事業者に対して、介護職の給与額などの情報公表を促すガイドラインを作ることを決めた。来年度から初めて、事業所に給付される介護報酬が引き上げられるが、この増加分が介護職の給与アップに反映されているかどうかをチェックすることなどが目的だ。

  ガイドラインには、昇給の程度や、有資格者の手当額など、公表すべき内容を盛り込むことを想定している。国や事業者団体が今年度内にも作成し、介護事業者に対して自主的な情報公表を求める方針。

  低賃金などを理由に深刻化している介護業界の人手不足を解消するため、政府は来年度から介護報酬を3%引き上げる方針を打ち出している。しかし、介護報酬は事業者に給付されるため、報酬アップを現場の介護職の待遇改善に結びつける施策が必要だとの意見が出ていた。

  同省は給与額以外にも、労働条件や福利厚生などの情報公表も促し、介護の質向上につなげることも目指している。』
.
2008.12.04 ☆夜勤や能力配慮、介護報酬手厚く 厚労省がたたき台
  3日深夜、朝日新聞→

  『厚生労働省は3日、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護給付費分科会に、来年4月に介護報酬を改定する際の基本方針のたたき台を示した。介護従事者の人材確保や待遇改善のため、夜間勤務など負担の大きい業務に報酬を手厚くし、担当する従事者の経験年数や能力に応じて報酬を上積みする方針。

  厚労省は年内にも同分科会での議論を経て、具体的な報酬単価を決める予定だ。

  来年の改定では、全体で3%報酬を引き上げる。厚労省が示したたたき台は、(1)夜勤など負担の大きい業務への人員確保に対する評価(2)専門的知識や能力を持った従事者らを評価(3)地域区分ごとの単価設定を、より地域の実情にあわせた設定となるよう改める、という3本柱。

  これに沿った形で、各サービスごとの改定方針を示している。全サービス共通で、有資格者を一定割合以上雇用している事業所には報酬を手厚くする。

  さらに認知症ケアの充実も重視し、認知症対応型グループホームへの報酬を充実させることや若年性認知症へのサービスも評価する。

  また、介護報酬アップを従事者の賃金増加につなげるため、事業所に対して、自主的に従事者の給与を公表するよう求めている。』
.
2008.12.03 ☆介護職員の待遇改善、給与情報の自主公表で確認 介護報酬改定の基本方針原案
  3日20時、産経新聞→

  『平成21年度の介護報酬改定について、厚生労働省は3日、介護職員の待遇改善策を柱とする基本方針の原案を、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護給付費分科会に提示した。有資格者や常勤者などを多数雇用している事業者への報酬を手厚くする一方、報酬アップが職員の待遇改善に反映されているか、給与情報を事業者に自主公表させる。同分科会は12日の次回会合で基本方針を取りまとめ、来年4月からの新しいサービス単価を年内にも厚労相に答申する方針だ。

 次期介護報酬改定は、政府・与党の追加経済対策の中で3%アップがすでに決定。この3%分(年2300億円)を介護職員の待遇改善につなげるため、基本方針の原案では、(1)夜勤など負担の大きい業務に対し必要な職員数を確保した事業者を介護報酬で評価(2)専門職員や経験のある職員を多数雇用する事業者を介護報酬で評価(3)賃金の地域差是正のため地域別単価の見直し-を重点的に実施する方針を確認した。

 具体的には、▽介護福祉士を一定割合雇用する事業者▽長期勤続者が一定以上いる通所・施設サービス事業者▽技術向上のため多数のヘルパーに研修を受講させている訪問サービス事業者-などに対し、介護報酬を手厚く支払うことを検討中だ。事業者が報酬の上乗せ分を実際に職員の待遇改善に回しているかをチェックするため、事業者に給与や福利厚生の情報を自主公表させる。国や事業者団体が自主公表のためのガイドラインを作成することも想定している。』
.

  このほか、基本方針の原案は重点項目として、(1)医療・介護の連携強化(2)認知症対策の推進(3)訪問介護のサービス担当責任者に非常勤ヘルパーの登用などの運営効率化-も盛り込んだ。』
.
2008.12.03 ☆居宅介護支援40件以上の超過分のみ減算に――第61回社保審分科会
  3日20時、ケアマネジメントオンライイン→

  『厚労省は12月3日、第61回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、2009年度介護報酬改定に向けた各サービスの基本的な考え方を取りまとめた「たたき台」を提示した。居宅介護支援では、逓減制の適用件数についてケアマネジャー1人あたりの担当件数が40件を超過した分のみとすること、入退院時の支援を報酬評価を導入することなどが記載された。

■居宅介護支援・介護予防支援
 居宅介護支援については、事業所の経営の改善、ケアマネジメントの質の向上や独立性・中立性の向上を推進するとともに、医療と介護の連携の推進・強化、特に支援を要する者一の対応等を評価する観点から見直しを行う。具体的には、

ケアマネジャー1人当たりの標準担当件数を維持しつつ、件数が40件以上となる場合に全ての件数に適用される現在の逓減制について、経営改善を図る観点から、超過部分にのみ適用される仕組みに見直す
●事業所の独立性・中立性を高める観点から、特定事業所加算について、実態に即して段階的に評価する仕組みに見直す。
●医療と介護の連携の強化・推進を図る観点から、入院時や退院・退所時に、病院等と利用者に関すむ清報共有等を行う際の評価を導入する。

●ケアマネジメントを行うに際し、特に手間を要する認知症高齢者や独居高齢者に対する支援等について報酬上での評価を行う。
●介護予防支援に係る評価については、地域包括支援センターのケアマネジメントに係る業務の手間の実態などを踏まえた見直しを行う。
●介護予防支援業務の業務実態について
地域包括支援センターの利用者1人1月あたりの労働投入時間は、分布にバラつきがあるが、一定のはずれ値を除くと77分または94.7分となる。居宅介護支援の場合、2001年の147.6分から2003年の139.7分と、2年間で業務時間が5.4%短縮されている。(※介護予防支援と居宅介護支援の労働投入時間はいずれも初回加算利用者を除く時間)

■訪問系介護サービス
【訪問介護】
訪問介護については、訪問介護員等の処遇改善の必要性も踏まえつつ、短時間の訪問などサービスの効果的な推進を図る観点から、
短時間の評価を充実する。
訪問介護員等及びサービス提供責任者について、介護職員基礎研修の受講、介護福祉士資格の取得など段階的なキャリアアップを推進する観点から、特定事業所加算について要件の見直しを行う。

●サービス提供責任者については、初回時や緊急時などサービス提供責任者の手間が特にかかる場合を評価する。

●常勤要件について、サービスの質を確保しつつ事業所の効率的な運営や非常勤従事者のキャリアアップを図る等の観点から、非常勤数(常勤換算)が常勤数を超えない範囲内で見直す。
●3級へルパーについては、前回答申どおり、原則として平成21年3月で報酬上の評価を廃止するが、現に業務に従事している者について、最終的な周知及び円滑な移行を図る観点から、該当する従事者に対する周知を事業者が行うことを条件に、1年間に限へ定した経過措置を設ける。
また、報酬体系の機能別再編に向けた訪問介護の行為内容の調査研究を引き続き実施し、議論を行う。』
.
2008.12.03 ☆ケアマネの報酬増額を―自民が議連設立、厚労相に要望へ
  3日夜、ケアマネジメントオンライン→

  『ケアマネジャーの待遇改善や地位向上を求めようと、自民党の国会議員から成る「日本ケアマネジメント推進議員連盟」が12月3日に発足し、国会内で設立総会を開催した。居宅介護支援事業所の恒常的な赤字経営などが問題視されているケアマネジャーの介護報酬上での評価について、2009年度報酬改定で改善を求める活動を行う。発起人の一人の加藤勝信衆院議員は「ケアマネジャーの本来あるべき姿が実現できるよう、来週中にも舛添要一厚生労働相に要請活動を行っていく」と話している。

  同日の設立総会では、議連会長に元厚労相の尾辻秀久参院議員を選出。ケアマネジメントの推進に関する決議として、▽ケアマネジャーの専門性や居宅介護支援事業所の経営の独立性・中立性を推進し、社会的評価を確立▽ケアマネジャーを含む介護従事者の人材確保対策などを推進▽09年度介護報酬改定で、ケアマネジャーの業務実態や居宅介護支援事業所の運営状況などを踏まえ、処遇改善、経営の安定化のための所要の措置を講ずる―を採択した。

  議連の活動には、日本介護支援専門員協会が協力する。介護報酬改定への要望の具体的な内容は、同協会が11月14日に厚労省老健局に提出している提言に沿ったものになる。

  議連設立に際して事務局を担った加藤議員はキャリアブレインの取材に対し、「前回の介護報酬改定で居宅介護支援事業所の経営が良くなることはなかった。議連は日本介護支援専門員協会が出していた要望書を具体的に実現するための応援団で、協会との両輪で進めていきたい。居宅介護支援事業所の経営が独立できて、ケアマネジャーは利用者の様子を把握し、地域の実情を認識しながら利用者により良い選択肢を提供できる姿であってほしい」と語った。

  議連は決議の内容に沿って随時、議論を進めていく予定で、現在は49人の国会議員が加入している。

  厚労省が介護報酬改定前に実施している介護事業経営実態調査によると、ケアマネジャーが働く居宅介護支援事業所は05年の前回調査に続いて08年も赤字で、収支差率は前回より悪化してマイナス17.0%だった。ケアマネジャーの報酬となる「居宅介護支援費」が要介護度によって差があることや、06年度改定で導入された「特定事業所加算」、ケアマネジメントの担当件数に対する逓減制などによって、「介護保険の要」といわれるケアマネジャーが利用者に適切なサービスを提供できなくなっているとの指摘がある。』
.
2008.12.01 ☆介護報酬の一定割合、賃金への充当義務化を-介護福祉士会
  1日夕、キャリアブレイン→

  『日本介護福祉士会は11月28日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)に、来年度介護報酬改定についての要望書を提出した。

  同会は、介護職員の質の確保と定着を促すため、適切な介護報酬額が確保されることを要望。施設や在宅サービスで介護福祉士を一定数配置する必要があるとした上で、配置の割合に応じた介護報酬上の評価を求めている。

  また、介護従事者個人の努力が、キャリアや能力、資格などを基に評価され、賃金に反映される制度が必要とし、介護報酬の一定割合を人件費として設定した上で、その分は確実に介護従事者に賃金として支払うことを義務付けることについても検討するよう求めた。
このほか、非常勤職員の待遇改善や、チームリーダー養成のための「ファーストステップ研修」修了者の配置を運営基準に明記し、介護報酬上の評価を行うことも提案している。

  訪問介護では、訪問介護事業所のサービス提供責任者に対して業務量の多さに見合った評価がなされていない実態を指摘し、サービス提供責任者の労力を介護報酬で適切に評価することを求めたほか、訪問介護の身体介護と生活援助のサービスを一体的に行う必要があるとして、訪問介護の類型を一本化することも要望している。

  また、介護福祉士に一定の研修を課した上で、事業所の判断によって一定の軽微な医療行為が行えるようにすることを検討事項に挙げたほか、管理職の質の確保のため、「サービス提供責任者は3年以上の訪問介護実務経験を持つ者に限定」「居宅サービス事業管理者や施設サービス事業管理者は、一定の資格を持つ者、一定の研修を受けた者に限る」ことも提案している。』
.
2008.12.01 ☆賃金『2万円』を現場に説明して-介護給付分科会
  1日午後、キャリアブレイン→

  『11月28日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)で、政府・与党が生活対策の中で示した介護従事者の賃金「2万円アップ」について、中田清委員(全国老人福祉施設協会副会長)は、「分科会の議論と現場の期待感が大きくずれてしまう。厚労省としてスタンスを示すべき」と指摘した。

  中田委員は、「現場に行けばどこでも、一律で2万円アップするのかという話題になる。期待にあふれていることは間違いない」と説明。また、「2万円を一律に上げることは非現実だが、厚労省としてのスタンスを明らかにしておくべきではないか。分科会の議論と現場の期待感が大きくずれてしまい、責任問題になってしまう」と訴えた。

  大森座長も「大変な混乱になりかねない。早い時期に、何らかの対応をしてもらったほうがいい」と続いた。
これに対し事務局は、「舛添大臣は国会答弁で、一律2万円上がるという話ではないということを説明しているが、なかなか一般には伝わっていない。何らかの対策を講じたい」と回答した。

■新しい施設が不利にならないように
  この日の分科会では、介護従事者の処遇改善のための加算について議論された。定着を促す観点から、勤務年数が一定以上の職員の割合に着目した評価が検討項目となったほか、常勤職員の割合に着目した評価も示された。

  武久委員からは「勤続年数だと新設の施設で経営がまだ安定していないところが不利になる。このような報酬改定はいかがなものか」と指摘した。
  これに対し、事務局も「新設の施設に不利にならないように配慮したい」と述べた。』
.
2008.12.01 ☆介護職確保対策 報酬上乗せへ
  11月30日昼、NHK→

  『介護職の深刻な人手不足を解消するため、厚生労働省は、長期間働いている人が多いなど、職員の定着に努めている事業所には、介護報酬を上乗せする仕組みを新たに導入する方針を固めました。

  厚生労働省は、深刻な人手不足が続く介護の現場の人材を確保するため、介護保険からサービスを提供する事業者に支払われる介護報酬をどのように配分するか、検討を続けてきました。その結果、長期間離職せずに働いている職員が多く、技能を磨く研修の機会も設けているなど、職員の定着に努めている事業所には、介護報酬を上乗せする仕組みを新たに導入する方針を固めました。

  また、介護職の技能や専門性に応じた待遇を確保するため、介護福祉士の資格を持つ職員が多い事業所にも介護報酬を上乗せする方針です。さらに、報酬の引き上げが介護職の昇給などに確実に結びつくよう、介護事業者に待遇改善の取り組みや給与水準の公表を促す指針をまとめることも検討するとしています。

  厚生労働省は、こうした対策について、有識者などでつくる審議会で議論したうえで、12月に正式に決めることにしています。』
.
2008.11.29 ☆職員の経験や質で介護報酬引き上げ
  29日、讀賣新聞→

  『厚生労働省は28日、介護人材確保のため来年度に予定している介護報酬引き上げの具体的な方法として、事業所で雇用する有資格者の割合、勤続年数、常勤職員の割合に応じて報酬を上げる方針を固めた。

  介護職の専門性や経験を給与に反映させやすくすることで、介護の質の向上と、介護職の定着を目指す。

  同日の社会保障審議会介護給付費分科会で基本的な方針が示された。介護福祉士などの有資格者を一定割合雇用したり、一定の勤続年数を超える職員、常勤職員の割合が高い事業所に対し、介護報酬を引き上げる。

  介護職の深刻な人材不足は、低賃金や労働条件の悪さが原因とされている。』
.
2008.11.26 ☆常勤介護福祉士に准看護師並みの給与を-全老健
  26日昼、キャリアブレイン→

  『全国老人保健施設協会は11月21日に東京都港区で会見を行い、同日開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)に提出した来年度介護報酬改定への要望書などについて説明した。

  全老健の川合秀治会長は冒頭のあいさつで「利用者とその家族を支えていくのがサービスの大前提。そのためにも、スタッフの処遇改善と経営管理面の安定化が欠かせない」と訴えた。
  要望書は、▽老健機能を発揮するための制度設計の見直し▽介護人材の確保と処遇改善▽介護報酬・施設サービス引き上げと支援策-の3点を軸に、介護報酬改定での評価を求めている。

  「老健機能を発揮するための制度設計の見直し」では、看護・介護職員をはじめ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ケアマネジャーを基準より多く配置することへの評価を求めたほか、介護保険の包括扱いを見直して医療行為は医療保険から給付することを要望。また、老健施設でのターミナルケア加算を算定可能にするように提案している。

  リハビリテーションについては、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会と共同で、「短期集中リハビリテーション」と「認知症短期集中リハビリテーション」を医療として位置付け、医療保険からの給付に転換することを求めている。また、短期入所療養介護においても、「短期集中」「認知症短期集中」に相当するリハビリテーションを実施した場合に加算をするよう要望している。

  通所・訪問系サービスでは、通所リハビリテーションでの短期集中リハビリテーションの算定要件見直しを求めたほか、「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」の新設や、リハビリのみを目的とした「短時間通所リハビリテーション」の創設を求めている。
  老健施設からの訪問リハビリについては、医師指示書の有効期間を現在の1か月から、6か月まで延長することを提案しているほか、在宅復帰や継続的な在宅生活を支援するため、入所前から対処後までの一貫した対応やケアマネジメントについての評価を求めている。

  「介護従事者の人材確保と処遇改善」では、常勤の介護福祉士について准看護師並みの給与水準を要望しているほか、キャリアアップに連動した賃金体系の整備、事業主への雇用管理改善とキャリアアップ支援策を求めている。

  「老健施設存続のための介護報酬・施設サービス引き上げと支援策」として有利子負債が償還可能な水準まで介護報酬・施設サービス費を引き上げることのほか、福祉医療機構の借入金返済などについての優遇策、小規模施設に対する加算などの支援策を求めている。』
.
2008.11.23 ☆「手厚い配置」の加算などを検討-介護給付費分科会
  21日夜、キャリアブレイン→

  『厚生労働省は11月21日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、来年度の介護報酬改定に向け、「施設系サービス」に関する個別の論点を示した。看護・介護職員を手厚く配置している場合や職員のキャリアアップを促すための加算などを挙げている。

  この日、厚労省が論点を示したのは、▽介護老人福祉施設▽介護老人保健施設▽介護療養型医療施設▽口腔機能向上加算・栄養改善加算▽栄養管理体制加算および栄養マネジメント加算-の5項目。

  「介護老人福祉施設」では、看護職員を人員配置基準以上に配置する施設も多い。夜勤においても、基準を上回る職員を配置していることが、コストアップの要因になっているほか、介護従事者からは「夜間に何か起こるのではないかという不安がある」との声が上がっている。

  報酬の論点としては、「看護職員を手厚く配置する場合の加算を検討する」「施設内での看取りの労力をさらに評価する」「介護の質向上のため、職員を手厚く配置する場合の報酬上の仕組みを検討する」「介護従事者のキャリアアップを促す報酬上の仕組みを考える」「地域密着型介護老人福祉施設の経営安定化を図るための介護報酬上の対応を検討する」が挙げられた。

  「介護老人保健施設」では、リハビリテーションマネジメント加算が約8割の算定実績がある一方で、短期集中リハビリテーション実施加算は3.1%にすぎない。また、在宅復帰支援機能加算は、在宅復帰率が5割を超えることが要件となるが、これを満たしている施設は全体の約4分の1にとどまり、ハードルが高いと指摘されている。

  介護老人保健施設には、看取り・ターミナルケアについての加算が設定されていないが、一部の施設では死亡退所者の割合が10%を超え、これが負担となっているほか、夜勤においても、85%の施設が基準より多い職員を配置している。

  報酬の論点としては、短期集中リハビリテーション実施加算の評価を見直すほか、在宅復帰の実態を踏まえた上で、在宅復帰支援機能加算の算定要件を見直すことなどが提案された。

  このほか、「看取りの労力を適切に評価する」「介護従事者のキャリアアップの仕組みとインセンティブとなる報酬の在り方を検討する」「夜勤の職員配置では、基準を上回る施設について実態を踏まえて評価する」「言語聴覚士を置く施設が増加しているため、理学療法士や作業療法士と同等に位置付けた上で、加算を検討する」が示された。

  さらに、「介護療養型医療施設」の論点として、「リハビリテーションマネジメント加算を本体報酬に包括する」「短期集中リハビリテーション実施加算の評価を見直す」「理学療法と作業療法の人員配置基準が医療保険と介護保険とで異なるため、整合性を持たせる評価を行う」「言語聴覚士が失語症などの言語障害のある利用者に行う『コミュニケーション療法』を新たに評価対象とする」が挙げられた。
また、「外泊時費用では、利用者が入院・外泊期間中に居室が利用者のために確保されている場合や、入院中にほかの医療機関での診療が行われた場合の評価を見直す」「介護従事者のキャリアアップを促すインセンティブを与える介護報酬の在り方などを検討する」ことも示された。

  提供事業所の数が少ないことから、ケアプランに含まれることが少ない「口腔機能向上加算・栄養改善加算」については、「サービス対象者の基準を明確にする」「アクティビティー実施加算も含め、サービス提供の労力を考慮した評価を行う」「医療と介護の連携などを図る観点から、虫歯の治療など嚥下機能訓練以外の目的で歯科医療を受診している場合には、口腔機能向上加算を算定できるようにする」「施設入居者などに対する口腔機能向上への取り組みの評価について検討する」が挙げられた。

  「栄養管理体制加算および栄養マネジメント加算」では、「栄養管理体制加算の算定化率が高いことから、基本サービス費に包括して評価する」「栄養マネジメント加算の算定要件である管理栄養士が配置されているにもかかわらず、同加算を算定していない施設が一部見られるため、評価の見直しを行うことを検討する」ことが示された。

  次回の分科会は11月28日に開かれ、「介護療養型老人保健施設」「介護従事者のキャリアアップ」「認知症」などについて個別の論点が示される予定。』
☆夜勤職員の多い老健施設、介護報酬で評価 厚労省が提案
  22日、日本経済新聞→

  『厚生労働省は21日の社会保障審議会介護給付費分科会で、夜勤職員を基準より多く配置している介護老人保健施設(老健施設)について、介護報酬を加算して評価する提案を出した。

  老健施設は施設の規模にかかわらず、2人以上の看護職員または介護職員を夜勤に配置することになっている。しかし実際は規模の大きい施設ほど多くの職員を置いており、全体の6割を超える施設が4人以上の職員を夜勤に充てている。こうした実態を踏まえ、同省はより多くの職員を配置している施設を介護報酬の加算などによって評価する仕組みを検討する。』
.
2008.11.18 ☆介護現場 報酬上げても給与増えず 「3%では“末端”まで回らぬ」
  18日、産経新聞→

  『介護の現場では、きつい仕事のわりには報酬が低いことなどを理由に介護職を離れる人が多く、人手不足による「介護保険制度崩壊」の危険性さえ指摘されている。10月末に政府・与党がまとめた追加経済対策には、こうした介護職員の賃金増加などを目的として、介護保険制度発足の平成12年以来、一貫して低く抑制されてきた介護報酬(介護サービスの公定価格)を来年4月から総枠で3%アップすることが盛り込まれた。ところが、このアップ分が介護職員の待遇改善につながらないという懸念が高まっている。(桑原雄尚)

保険料値上げは抑制
  介護報酬の改定は3年に1度行われる。これまでは、介護の総費用を抑えるという目標を掲げ、平成15年度は2・3%、18年度は2・4%と、いずれも引き下げられた。この結果、介護職員の給与も抑えられ、介護現場では離職が進行。介護職の人手不足は介護崩壊を引き起こしかねず、待遇改善が緊急課題となっていた。

  政府・与党は今回の改定で、従来の引き下げ路線を転換し、3%アップ方針を決定。これにより、介護職員の賃金は平均月2万円増え、現在約120万人の介護職員が10万人程度増えると見込む。

  だが、介護報酬を3%上げると、介護給付費も年約2300億円(サービス利用料の自己負担分を含む)増加する。これに伴い、保険料もアップすることになる。1人当たりに換算すると月120〜130円のアップだが、もともと来年度から、高齢者の増加による自然増だけで200円弱の値上げが見込まれており、両方合わせた上げ幅は月300円程度になる。

  現行の65歳以上の平均保険料は月4090円で、制度発足当初の月2911円の4割増。政府・与党は「保険料がさらに急増すれば世論の反発は避けられない」と判断。追加経済対策では、激変緩和策として、20年度の第2次補正予算で1200億円の基金を創設し、原則として、21年度は介護報酬のプラス改定に伴う保険料値上げ分の全額を、22年度は半額を補填(ほてん)することも決めた。
だが、こんなに苦労して引き上げた介護報酬が介護の現場に行き渡らないとしたら…。

待遇改善は可能?
  介護報酬の引き上げ分を介護職員の賃金に反映させるための具体策については、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護給付費分科会で検討が進められている。厚労省は「介護報酬のプラス改定によって、介護事業者が一律に収入増となるわけではない」として、報酬引き上げ分は事業者の規模や地域性などを考慮しメリハリを付けて配分する考えだ。

  舛添要一厚労相は14日の衆院厚労委で「手厚い人員配置を行う事業者や雇用管理を改善する事業者に(介護報酬を)手厚くする。さまざまな経営モデルも提示する」と説明。厚労省は月内に具体案を示す方針だ。

  介護福祉士などの有資格者を多く採用したり、夜勤体制を充実させたりした事業者に加算するほか、事業者が増収分を介護職員の賃金増に回しているかをチェックするため、事業者に給与水準の公開を求めることなどが検討されている。

  ただ、介護団体の関係者からは「介護報酬を3%引き上げただけでは、中小事業者や非正規職員まで行き渡らない」との批判が続出。14日の分科会では、3%の引き上げ幅の算出根拠を問う声も上がった。

  また、介護報酬改定をめぐっては、職員待遇改善だけでなく、認知症対策なども大きな課題だ。分科会は年内に、改定の基本方針を取りまとめる方針だが、課題は山積している。』
.
2008.11.17 ☆ケアマネジメントの評価など検討-介護給付費分科会
  16日深夜、キャリアブレイン→

  『厚生労働省は11月14日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、2009年度の介護報酬改定に向け、「居宅系サービス」「地域密着型サービス」に関する個別の論点を示し、委員から意見を求めた。ケアマネジメントについての評価や、普及の進んでいない「夜間対応型訪問介護」「小規模多機能型居宅介護」の促進策などが話し合われた。

  この日、厚労省が示したのは、▽特定施設入居者生活介護▽福祉用具▽ケアマネジメント(居宅介護支援、介護予防支援)▽短期入所生活介護▽短期入所療養介護▽居宅療養管理指導▽夜間対応型訪問介護▽小規模多機能型居宅介護-の8項目

  「特定施設入居者生活介護」では、特定施設への入居者の約4割は病院や老人保健施設からの入居であるため、一定の医療ニーズが存在すると説明した。

  また、介護職員の賃金水準が施設サービスと比べて「概して低い」ほか、特定施設の職員で介護福祉士の資格があるのは約2割で、他のサービスと比べても資格保有率は決して高い水準ではないという。
今後、利用者の選択による手厚い人員配置が利用者負担にできることも踏まえながら、介護と医療の連携などを促す報酬の在り方を検討していくとしている。

   「福祉用具」では、製品の貸与費用の適正化を図るため、都道府県や市町村が、国保連合会介護給付適正化システムなどを活用しながら、適正な貸与価格を分析した上で公表できるようにする提案があったほか、福祉用具サービスの保険給付の在り方について調査研究を行い、「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」で引き続き議論を行うとしている。

■「40件超」での報酬逓減も見直し検討
  「ケアマネジメント(居宅介護支援、介護予防支援)」では、居宅介護支援を行う1事業所当たりのケアマネジメントにおける介護報酬受給者数は、2003-06年3月まで80-85人の水準で推移していたが、06年4月以降は急減。今年2月には約58件となっている。また、居宅介護支援の収支差率が悪化しており、介護支援専門員1人当たりの利用者数も05年の37.6人から08年は26.9人にまで落ち込んでいる。
報酬の論点としては、「介護支援専門員1人当たりの標準担当件数が40件を超えると、報酬が逓減する仕組みの見直しを検討する」「専門性の高い人材を確保し、特定事業所加算では、計画的な研修を実施する事業所を段階的に評価する仕組みを検討する」「入退院時の調整等の業務について評価を充実させる」「意思疎通が難しい認知症の利用者や状況把握のために頻繁に訪問が必要な独居高齢者など、ケアマネジメントで手間を要する場合への加算を検討する」が挙げられた。

  意見交換では、木村隆次委員(日本介護支援専門員協会会長)が自ら提出した要望書について説明。介護支援専門員が常勤専従でケアマネジメント業務を行って、家族で暮らせる収入を確保できる報酬を要望した。この中で、入退院時の情報提供や調整をした場合の加算や、認知症や独り暮らし支援についての加算などを提案したほか、介護保険施設の入所者100人ごとに1人の常勤のケアマネジャーを置く体制は困難であるとし、50人に1人を配置する施設に対する報酬上の評価を求めた。

  「短期入所生活介護」では、08年の短期入所生活介護事業所の収支差率は7.0%で、05年調査の8.4%から1.4ポイント低下している。経営実態調査の結果などを踏まえ、現行の体系を基本にすることが示されたが、介護従事者のキャリアアップの仕組みや各種加算の在り方などについては検討を加えることとした。

  医療提供施設(病院、診療所、介護老人保健施設)が行っている「短期入所療養介護」は、リハビリテーションやレスパイト(介護者の休養)などの点で効果が見られるため、▽事業所数の拡大▽緊急時体制の見直し▽「泊まり」以外の機能の強化-の必要性が指摘された。
また、現在の短期入所療養介護と同じ施設要件を満たしていれば、介護老人保健施設、療養病床以外の有床診療所にも事業を認めることや、「緊急時短期入所ネットワーク加算」要件の見直し、短期入所中の集中的なリハビリの提供や日中の「お預かり」などのサービス充実が提案された。

  「居宅療養管理指導」では、看護職員がケアマネジャーや医師と協力して居宅での療養支援をする仕組みづくりや、薬剤師による居宅療養管理指導でケアマネジャーなど他職種との連携を促進する観点などから報酬を見直すことが提案されたほか、居住系施設に入所する要介護者への居宅療養管理指導では、移動などの労力を踏まえた評価についても課題とした。

■夜間対応型訪問介護の24時間活用へ
  「夜間対応型訪問介護」の1事業所当たりの利用者数は23.9人で、導入当初の想定利用者数の300-400人を大きく下回っていることから、事業所の経営安定化に向けた報酬見直しが検討された。

  利用者からの通報を受け付けるオペレーションサービスの機能を、夜間だけでなく日中を含む1日24時間利用できるようにして、利用者の拡大につなげるほか、オペレーターの資格要件の緩和や介護従事者のキャリアアップについても、報酬と共に検討していく。

「小規模多機能型居宅介護」の利用者の平均要介護度は2.57(予防を除く。今年4月審査分)で、当初予定していた3.5よりも軽くなっており、事業者からは中重度の利用者の確保が難しいとの声が上がっている。また、今年の介護事業経営実態調査では、小規模多機能型居宅介護の収支差率はマイナス8.0%と厳しく、看護・介護職員の給与も他のサービスに比べて低水準であることが指摘された。
事業所の経営安定のため、在宅サービスから円滑に小規模多機能に移行できるような方策や、人員の効率的配置、既存建物の活用を促すため、これまでの基準を見直すことも検討する。

当初は中重度者を想定したサービスだったが、現在は比較的軽度の利用者も多いことから、要介護度ごとの報酬設定のバランスを見直すことも示された。このほか、介護従事者のキャリアアップや市町村独自の報酬の在り方などが、今後の検討事項とされた。

また、この日の分科会では、井部俊子委員(日本看護協会副会長)が訪問看護についての要望書を提出した。要望書は、08年の訪問看護1事業所当たりの1か月の介護保険関連収入が、05年と比べて看護職員1人分の給与に相当する27万7000円の減収となり、その一方でサービス提供量は1.2倍に増えたとして、訪問看護事業の運営は大変厳しい状況に置かれていると指摘。その上で、訪問看護費の引き上げ、ターミナルケア加算の評価アップ、24時間前訪問要件の撤廃、病院などから在宅へのスムーズな移行支援のための評価を求めている。』
.
2008.11.17 ☆座長が「どういう立場で議論する場か?」-介護給付費分科会
  16日午後、キャリアブレイン→

  『11月14日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)では、10月30日の「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議」で示された3%の介護報酬引き上げ方針について意見が相次いだ。

  大森座長は分科会の冒頭、事務局に「この分科会は介護報酬改定についてどういった立場で議論する場なのか」と説明を求めた。
これに対し事務局は、介護報酬の改定率は、政府が予算編成の過程で財政事情を考慮しながら決定してきたとし、「分科会は政府で決定した改定率の範囲の中で、サービスごとの介護報酬の単位数などについて政府からの諮問を受けて答申を行うもの」と答えた。

  さらに、大森座長は「プラス3%という数字はどうして出てきたのか。3%の所要額が1200億円なのか」とただした。
事務局は「2006年の報酬改定からの賃金上昇率0.5%と物価上昇率などを勘案しても、1%に満たない。人材確保が困難になる中、処遇を改善するために1%を大きく上回る3%と政府・与党として決めた」と説明。1200億円の根拠については、「今回の保険料の改定に伴う上昇分を埋めるための経費」とした。

  また席上、日本医師会が全国老人保健施設協会と日本慢性期医療協会との連名で、「次期介護報酬改定率ならびに本分科会のあり方等に関する緊急要望」を提出。三上裕司委員(日医常任理事)が読み上げた。

  緊急要望は、3%の引き上げに対して一定の評価をしながらも、「過去2回のマイナス改定と社会保障費の自然増分2200億円の削減について議論することなく示された3%の引き上げは、決定の根拠が乏しく『焼け石に水』の感が否めない」としている。

  また、「介護報酬改定はこの分科会で議論が取りまとめられると理解していたが、分科会での議論の最中に、全く別次元から介護報酬改定率が公然と発表され、あたかも既定事実のように報道されていることに対し、強い失望を感じる」と訴えている。』
.
2008.1.17 ☆働くナビ:介護職員の月給が2万円上がるって本当?
  17日、毎日新聞→

◇大手に有利な条件 報酬3%アップ、賃金に充てる義務なし
◇保険料上昇分、来年度は国費で

  低賃金で人材確保が難しい介護職員の処遇改善に向け、政府・与党は介護事業者の収入となる介護報酬を09年度から3%引き上げる方針を決めた。平均の月額賃金で2万円引き上げを目指すが、対象となる事業者は人員配置が手厚いなど一定の条件が付けられる見通し。「誰でも2万円アップ」とはいかないようだ。
*
  「『2万円』が独り歩きすると困る」。厚生労働省の担当者からは、こんな声が漏れる。3%アップは金額にして約2100億円に相当する。これを、約80万人の正規介護職員に単純分配すれば1カ月2万円強というのが「2万円アップ」の根拠だからだ。介護職員にはパートなど40万人の非常勤職員もおり、全員で分ければ平均額は1万5000円弱に下がる。

  厚労省は今回の引き上げ分について、介護福祉士など資格を持つ職員を多く雇用したり、夜勤体制などで、人員配置が手厚い事業所に報酬加算する方向で検討している。これだと、大手が有利となり、中小事業所の中には加算が得られない施設が多く出てきそうだ。「人員配置を厚くしようとしても、人材不足で難しい。報酬の増額分は手当の形などで給与に還元したいが、必要なだけの加算が本当に付くのだろうか」。東京都内にある特別養護老人ホームの施設長は懸念する。

  また、事業主には増収分を職員の賃金に回す義務がない。どう使うかは経営判断による。厚労省も、この辺は分かっていて、12日に有識者会議に示した「安心と希望の介護ビジョン」原案には「介護従事者の給与水準の積極的な公表」を盛り込んだ。透明性の確保で処遇改善を促す狙いがある。
*
  00年に始まった介護保険は、原則3年に1度報酬が改定される。しかし制度改正もあり、03、06年度はそれぞれ2・3%、2・4%引き下げられ、引き上げは今回が初めてだ。関係者にとっては、積年の課題である低賃金=グラフ参照=解消の重要な一歩だ。
財団法人「介護労働安定センター」の調べでは、06年10月〜07年9月に、ホームヘルパーと施設などの介護職員の5人に1人が離職している。人手不足は重労働を招き、さらに人が集まらない悪循環に陥りがちだ。

  報酬引き上げは、悪循環打破の一つの方策だが、制度上、介護報酬を上げれば保険料も上がる。利用者の増加で、65歳以上の介護保険料の平均月額は、00〜02年度の2911円から現在は4090円にアップ。負担はすでに重い。国は今回、約1200億円を投じ、09年度は保険料アップ分(65歳以上の平均月額で120円)の全額を、10年度も半額を国費で補てんすることで、保険料上昇に一定の歯止めをかけた。

  東京介護福祉労働組合の清沢聖子書記長は、今回の報酬引き上げを評価しながらも「東京周辺では給料に4万円の上乗せは必要という声もあり、まだ半分」と語る。介護職員の処遇改善は始まったばかりに過ぎない。【堀井恵里子】』
.
2008.11.16 ☆介護報酬の減算(ケアマネ)見直しへ 厚労省
  14日夜、産経新聞→

  『厚生労働省は14日、来年度の介護報酬改定で、ケアマネジャーが介護計画を作成する利用者が40人を超えると、介護保険から支払われる報酬が大幅に減算される仕組みの見直し案を社会保障審議会介護給付費分科会に提示した。

  厚労省は、40人を超えた場合に全員分の報酬から減算している現行を改め、対象を40人目以降に限定するなど、急激な減収を緩和し経営改善を図りたい考え。』
.