
| 2008.07.02 | ☆障害者施設の火災通報装置、設置率わずか23% 富山 2日、讀賣新聞(富山)→ 『県内の知的・精神障害者施設で、来年度施行の改正消防法施行令により義務づけられる火災通報装置の設置率が、23%にとどまっていることが県の調べでわかった。また、認知症高齢者の施設では、同様に義務化されるスプリンクラーの設置率が21%にとどまった。 調査は、神奈川県内の障害者施設で3人が死亡した6月2日の火災を受け、県が初めて実施。それによると、知的・精神障害者のグループホームなど全66か所のうち、消防機関と直接つながる「火災通報装置」のある施設は15か所で23%。一方、施設内で火災を知らせる「自動火災報知設備」は73%だった。 認知症高齢者のグループホームでは、スプリンクラーの設置義務化対象となる56か所のうち、実際に設置していたのは12か所、21%。自動火災報知設備と火災通報装置はそれぞれ88%、78%だった。 防火設備の設置が遅れている理由について、県は高額なためとみる。火災通報装置は1台数十万円、スプリンクラーは数百万円程度。既存施設で防火設備を購入する場合、国や県などの助成制度はないという。県は「調査結果は各消防署や市町村などに伝えた。それぞれの点検や指導の中で普及を呼びかけてもらう」としている。』 . |
| 2008.07.01 | ☆障害者 広範囲で発生 対策遅れ家庭で、職場で…介護放棄や暴力 1日、讀賣新聞→ 『障害者施設の利用者から相談を受ける「広島人権擁護センターほっと」のメンバー(右)。「細かな要望にも真剣に向き合う姿勢が大事」という(広島県東広島市で) 児童や高齢者、女性などに向けられる虐待の問題が深刻化している。中でも、対策が進んでいないのが、障害者に対する虐待だ。最近になって、実態調査が行われるなど、課題が明らかになり始めた。(中館聡子) 全戦全敗 「残念ながら、全戦全敗でした」 障害者の人権侵害や虐待について相談に応じる市民団体「広島人権擁護センターほっと」(広島市)の寺尾文尚代表は、そう苦笑いした。 同センターは2001年、広島県内で障害者施設を運営する寺尾代表が、「障害のある人や家族が、自由に思いを語ることができる環境を作りたい」と、知り合いの福祉関係者や司法書士らに呼びかけて創設した。1996年、滋賀県の肩パッド製造会社で、社長が従業員の障害者に対して日常的な暴力、障害年金の横領などを行っていたことがわかった「サン・グループ事件」など、各地で発生する深刻な虐待に、「身近でもありうる事件」と危機感を募らせたことがきっかけだった。 これまで、十数例の虐待が疑われる相談にかかわった。 自閉症の男性従業員の家族から、男性が工場長に「言うことを聞かない」と、たばこの火を手に押しつけられたとの相談があった。就職をあっせんしたハローワークと連絡をとり、社長に事実を認めさせた。だが、謝罪しながらも、「息子さんを預かるのは大変なんですよ」と言う社長に、家族は結局、「これからも面倒をおかけしますが、よろしくお願いします」と頭を下げたという。 このように、少なからず解決に向かった例もある。しかし、「障害者が何らかの我慢を強いられ、環境を変えられなかった」と寺尾代表は“全戦全敗”に込めた思いをそう説明する。「障害者の中には表現が苦手な人もいて、うまく被害を訴えられないことも多い。また、障害者を支える社会資源が少ない中では、次の行き場所を確保できない限り、不当な扱いを受けても、苦情を言うことさえできない」と現状を憂えた。 実態調査 障害者自立支援法では、「障害者の虐待の防止、早期発見のために関係機関と連絡調整を行うこと」が市町村の責務とされたが、高齢者や児童のような虐待防止法はなく、具体的な対策は定められていないのが実情。そんな中、「有効な予防、支援方法を考えるには、まずは、虐待の構造を把握することが不可欠」と、さいたま市などで実態調査が行われた。 昨年、埼玉大学の宗沢忠雄・准教授が、同市内にある障害者支援事業所239か所などを対象に、把握している虐待事例について調査した。その結果、発生場所は「家庭」が全体の約4分の3を占めた一方、福祉サービス関連や就労先など、多岐にわたっていることもわかった。 虐待の種類として最も多かったのは「ネグレクト(介護放棄)」の44%。障害年金搾取などの「経済的虐待」も39%と割合が高かった。2種類以上の虐待を受けていた事例が全体の4割に上り、「生命にかかわる深刻な状態」に至ったケースが1割を超えた。 虐待が発生する要因として、虐待者側の問題では、「障害に対する無理解」や「障害者本人とのこれまでの人間関係のこじれなど」、障害者側では、「周囲との意思疎通・コミュニケーション上の困難」が多かった。 認識不足 家庭内の虐待では、障害者が40歳以下の場合、虐待者はほとんどが親で、特に母親が目立った。40歳を超えると、兄弟や息子が多く、「40歳までは児童虐待、40歳からは高齢者虐待と似た様相を示す。また、児童、高齢のように限られた期間ではなく、長期にわたって虐待を受け続ける可能性もある」と、宗沢准教授は心配する。 事業所の職員の虐待に対する認識が思いのほか、低かったことにも驚いたという。「少額のお金なら管理ができる障害者にも、それをさせない」という、専門家から見れば明らかに自由権の侵害にあたる行為について、「虐待にあたると思う」と明言した職員は、6割を切った。 「障害者の虐待は対象年齢や発生場所などが幅広いだけに、支援にも広範囲な連携を要する。行政、医療・福祉、労働、法曹関係者、地域住民などのネットワークの構築が求められる」と宗沢准教授は指摘する。』 . |
| 2008.06.23 | ☆障害者支援 民主が法案作りへ 23日朝、NHK→ 『民主党は、障害者が支援サービスを利用する際に、費用の1割を負担することを定めた「障害者自立支援法」について、「負担が重すぎる」などとして、障害者が収入に応じて費用を支払う仕組みに改めることなどを柱とした、新たな法案をまとめることになりました。 おととし4月に施行された「障害者自立支援法」では、障害者が支援サービスを利用する際に、原則として、かかった費用の1割を自己負担することが定められています。これについて、民主党は「障害者にとって負担が重すぎる」として、障害者の支援策を抜本的に見直すことになりました。具体的には、1割負担の制度を廃止して、代わりに収入に応じて費用を支払う仕組みに改めるとしています。 また、国が障害の度合いを認定し、それによって受けられる支援サービスが決まる現行制度についても、「きめ細やかな対応ができていない」として抜本的に見直し、民間の調査員が、ひとりひとりの実情を調べ、支援サービスの内容を決める制度に改めるとしています。民主党は、条文化の作業を急ぎ、できるだけ早く法案として取りまとめたいとしています。』 . |
| 2008.06.18 | ☆障害者の就職が最多 07年/広島 18日、中國新聞→ 『広島県内のハローワークを通じた2007年度の障害者の就職件数は、1290件で前年度より2.6%増え、過去最多を更新したことが広島労働局のまとめで分かった。労働局は「06年4月の改正障害者雇用促進法施行で、精神障害者を法定雇用率に算定できるようになり、企業が採用に前向きになった」とみている。 件数は6年連続で増えた。新規求職は2611件で3.0%減ったものの、求職に対する就職者の割合を示す就職率は2.7ポイント上昇し、49.4%になった。内訳は、精神障害者が17.0%増の310件と大幅に増加。身体障害者は2.0%増の701件。知的障害者は10.5%減の263件だった。 就職先は、製造が21.4%増の68件、卸・小売りが1.5%増の68件、サービスが6.6%増の65件。3業種で総数の約65%を占めた。医療・福祉は41件で86.4%増え「福祉施設でヘルパーとして採用されるケースが目立つ」(労働局)という。 障害者の法定雇用率(1.8%)を達成した県内企業(従業員56人以上)の割合は、07年6月1日現在で45.2%(779社)。雇用率の平均は1.6%となっている。』 . |
| 2008.06.15 | ☆南丹の障害者施設トイレ減額:ルールの運用不適切 検証委が廃止求める答申 /京都 14日、毎日新聞(京都)→ 『南丹市美山町の障害者就労支援施設「ワークセンターびび」で作業時間中トイレに行くとその時間分の工賃を減額していた問題で、施設を運営する同市社会福祉協議会が諮問していた「工賃減額問題検証特別委員会」(西山幸伸委員長)は13日、「作業場を離脱した場合、即、工賃対象時間に加えない運用は廃止すべきだ」などと答申をした。 トイレによる減額は問題が発覚した4月で中止されたが、他の理由で離れたと認められる場合にはその時間分の工賃を支払わないルールは続いている。同社協は「答申は尊重されるべきもの」、同施設も「答申内容について利用者、保護者と話し合う」としている。 同委員会は減額が決まった経緯などを検証するため専門家による第三者委員会として同社協が設置。施設利用者や保護者などから聞き取りなどして検証を進めた。答申では「ノーワーク・ノーペイの考え方を障がい者の共同作業現場にストレートに持ち込むのは原則的に適切でない」とし、「広い見地からチェック、検証する仕組みがあれば少なくとも今回のような『非常識』と思われる運用はなかったのではないか」などと指摘した。』 ■へ? 非常識というより人権無視じゃないか。 >ノーワーク・ノーペイの考え方を障がい者の共同作業現場にストレートに持ち込むのは原則的に適切でない のは当然としても、我々だって就業時間中にトイレ行って減給されるってことでしょ。たばこなんて論外だわな。ありえん・・・。 . |
| 2008.06.05 | ☆障害者共同住宅を調査へ=神奈川の火災受け-総務省消防庁 5日昼、時事通信→ 『総務省消防庁は5日までに、神奈川県綾瀬市の知的障害者施設で3人が死亡した火災を受け、障害者施設の防火安全対策について実態調査するよう都道府県などに通知した。障害者らの共同住宅として届けられながらも、障害者福祉施設として運営されている施設の実態も調べる。』 . |
| 2008.06.01 | ☆政府、「障害者白書」決定 自立支援などの進展を評価 31日、日本経済新聞→ 『政府は30日の持ち回り閣議で、2008年版の「障害者白書」を決定した。障害者の自立や社会参加の促進策を盛り込んだ「障害者基本計画」(03―12年度)について過去5年間の法整備や進ちょく状況などを検証し、障害者と健常者の共生社会の実現に向けた施策が着実に進んでいると評価した。 白書は05年に制定した障害者自立支援法について「利用者負担の見直しや国の財政責任の強化を通じて安定的な制度の構築が図られた」と指摘。06年のバリアフリー新法は公共』交通機関や道路などのバリアフリー化を促したと結論づけた。』 . ■同一白書でこの報道。WEBサイト活用で分かるメディアの姿勢、かな? . |
| ☆サービス利用者32%が不満 08年版障害者白書 30日夜、共同通信→ 『政府は30日午後の持ち回り閣議で、2008年版「障害者施策の概況」(障害者白書)を了承した。 介護など福祉サービスに関する意識調査で、過去3カ月間にサービスを利用した障害者(50・2%)のうち、計32・7%が「不満」「やや不満」と回答。理由(複数回答)は「費用負担」「サービス内容の制限」「サービスの量」がいずれも30%を超えて上位を占めた。06年の障害者自立支援法の施行で利用料が原則1割負担となり、負担感を増したことが背景にあるとみられる。 一方、「満足」「やや満足」と回答したのは計62・2%。白書は、利用者の約半数が利用量を増やすことを希望しているとして「サービスへの潜在的なニーズがある」と強調している。 サービスの「質」に関しては、同法施行以前と比較して「変わらない」が37・9%、「良くなった」と「悪くなった」はともに16%台だった。 調査は、内閣府が今年2-3月に全国の障害者5124人を対象に郵送で実施し、回答率は50%だった。』 . |
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| ☆不満の理由は「費用」=身障者サービス-08年白書 30日夜、時事通信→ 『政府は30日の持ち回り閣議で、2008年版障害者白書を決定した。障害者サービスの満足度について聞いたアンケートでは、保健・医療の不満な点に費用の高さを挙げた人が45.7%で最も多かった。06年に施行された障害者自立支援法で、障害者サービスが原則1割負担となったことなどが影響したとみられる。 アンケートは5124人を対象に、今年2、3月に実施(回答率50%)。保健・医療サービスについて「満足」「やや満足」と答えた人は計67.9%、「やや不満」「不満」は計25.0%だった。不満の理由は「費用負担」に次いで、「サービスの量」(22.0%)、「サービス内容が制限されている」(19.4%)の順に多かった。』 . |
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| ☆障害者白書:福祉サービス、4割が「3年前と変わらず」 30日夜、毎日新聞→ 『政府は30日、08年版障害者白書を閣議決定した。今年2〜3月に障害者を対象に実施した「障害者施策総合調査」の結果を盛り込んでいるが、障害福祉サービスの質は3年前と比べて「変わらない」と答えた人が最も多い37.9%だった。06年10月の障害者自立支援法施行の前後で、4割弱の障害者のサービスに対する意識に大きな変化がないことが浮かんだ。 「良くなった」は16.5%で、「悪くなった」は16.1%。サービスの量に関する回答も「変わらない」が39.7%で最多だった。』 . |
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| 2008.05.29 | ☆障害者差別禁止条例:解釈指針修正へ 「差別者」定義に異論調整委/千葉 29日、毎日新聞(千葉)→ 『県障害者差別禁止条例に関し、重要事項を審議する調整委員会(20人)が28日、県庁で開かれた。障害のある子供に特別支援教育を受けさせない保護者ら関係者を不利益取扱者(差別者)とする条例の解釈指針に対し、障害児を普通学級に通わせている保護者が見直しを求めた要望書が取り上げられた。委員からは「何らかの修正が必要」との意見が出され、8月に予定されている次回の会合で修正案が提示される見通し。 条例は障害者への差別禁止を目的に全国の都道府県で初めて成立、07年7月に施行された。解釈指針は条例に関する運用や判断の基準で、県障害福祉課が策定した。 見直しを求める声が出ているのは、条例第2条第2項第5号(教育における不利益取り扱いの定義)の「本人に必要と認められる適切な指導及び支援を受ける機会を与えないこと」という条文の解釈指針。「機会を与えない」とは「障害のある幼児児童生徒にかかわる関係者が『特別支援教育』を受ける機会を与えないこと」と定義している。 この指針について、普通学級の障害児受け入れを求める保護者らでつくる市民団体「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」などが2月に見直しを求める要望書を県に提出。要望書では「県の見解は普通学校から排除される障害児の苦しみを理解していない」として削除などを求めた。 調整委では「混乱を引き起こしているのなら何らかの修正が必要」「聴覚障害者が普通学校に進学し、手話教育を受けられなかったケースもある。指針がおかしいとは言い切れない」などの意見が出た。県障害福祉課の横山正博副参事は「特別支援教育や進学先を巡り、保護者と教育委員会の意見が違っても、片方が差別者とならないよう、修正案を提出したい」としている。』 . |
| 2008.05.20 | ☆障害児施設:契約制度で厚労省通知「利用料滞納で退所) 20日、毎日新聞→ 『障害児施設に入所した子供の保護者に施設利用料などを課す「契約制度」を巡り、厚生労働省が家族の経済的事情を考慮する必要性を否定し「保護者が支払いを滞納した場合は、子供を退所させることも可能」とする通知を出していたことが分かった。通知は公費負担で養う「措置制度」の対象児童を限定する見解も示しており、障害児への公的責任を著しく狭める国の姿勢が浮き彫りになった。 厚労省は障害者自立支援法の本格施行を控えた06年6月、障害児に措置制度を適用する要件として、保護者が(1)不在(2)精神疾患(3)虐待--のいずれかに該当することを定めた。さらに7月、全国児童相談所長会に措置を適用する場合の具体例を通知した。 通知は「不在」の判断について、保護者が入院中や施設入所中でも病院・施設名が分かれば措置対象にならないことを明示。「精神疾患」に該当するのは「家裁に成年後見人の利用申請中」の保護者に限った。 虐待に走る恐れがある故意に支払わない保護者についても「(虐待に当たる)養育拒否とは認められない」と定義。滞納世帯の児童は「(施設が)契約を解除することも可能」との見解を示した。 日本知的障害者福祉協会の調査では、24都道県で契約と判定された児童の割合が7割を超えた。厚労省の通知を厳格に運用しているとみられる。 厚生労働省障害福祉課は「一つの指標で『文言通りに従え』という意味ではない。子供の状況を勘案し、総合的な判断をするのは児童相談所の役割」と話している。 ▽岡田喜篤・川崎医療福祉大学長の話 児童は自己選択権も、不適切な境遇から自力で逃れる手だてもない存在で、公的責任の措置制度が重要だ。「公権力に基づく措置は自由がない」との指摘があるが、措置でも保護者の意向を尊重する手続きがある。措置に問題があるならその改善を検討すべきで、契約の導入が解決策にはならない。障害児だけ措置を制限するのは児童間の不公平で、国の責任逃れだ。』 . |
| 2008.05.19 | ☆障害者施設へ仕事を優先発注 議員立法へ 官公庁に努力義務 19日、讀賣新聞→ 『与党は、国や自治体などが、障害者の就労支援施設へ優先的に仕事を発注することを促す法律「ハート購入法」(仮称)を、議員立法で策定する方針を決めた。今国会に法案を提出し、来年度の施行を目指す。 障害者の就労促進と所得向上が目的。法案骨子によると、国、自治体、独立行政法人などの公的機関に、就労支援施設の製品やサービスを優先的に購入、利用するよう努力義務を課す。 対象となる施設は、授産施設、福祉工場、地域活動支援センターなど計約5000か所。民間企業などでの一般的な就労が難しいとされる障害者計約20万人が働いている。重度障害者を多数雇用している民間企業も対象とする。 優先購入が認められるのは、多くの施設が取り組んでいる名刺や封筒などの製品、施設や公園の清掃、売店やレストラン運営のサービスなど、約70種類。各省庁や自治体は毎年度、年間計画を立て、随意契約などでこれらの商品やサービスを購入する。 現行制度では、公的機関による製品の購入やサービス業務の委託は、競争入札で契約先を決めるのが原則。就労支援施設は企業ではないため競争力が弱く、一般に受注が難しい。 随意契約は例外的に認められているが、中央省庁の場合でも、契約金額が160万円以下の製品購入に限られている。ハート購入法では、契約金額が1件あたり1700万円程度までは、随意契約でも適正な契約と見なす。 就労支援施設で働く障害者の賃金は、月平均1万5000円程度。このため、政府は昨年2月、「成長力底上げ戦略」の基本構想に、施設の工賃倍増計画を盛り込んだ。 法案作成にかかわっている自民党の坂本由紀子参院議員は、「ハート購入法は、工賃倍増を実現する具体的な手段。国や自治体は、特別な予算を計上しなくても、障害者の所得アップを支援できる」と話している。』 . |
| 2008.05.17 | ☆障害者の就職が過去最多に 求職も増 16日夜、産経新聞→ 『厚生労働省は16日、全国のハローワークを通じて平成19年度に就職した障害者が、前年度比3.6%増の4万5565人で、過去最高だったと発表した。 新規求職の申し込みも4.1%増の10万7906人で過去最多となったが、新規求職者に対する就職者の割合を示す就職率は42.2%と、前年度を0.2ポイント下回った。 厚労省は「昨年後半から景気の影響で求人の動きが鈍っており、企業の理解を促したい」としている。 就職者の内訳をみると、早い段階から雇用が進んでいた身体障害者の伸びが落ち着き、前年度から1000人近く減り約2万4500人に。一方、2年前の法改正で企業の法定雇用率の対象となった精神障害者が3割弱アップし約8500人となった。知的障害者は約1万2000人。』 . |
| 2008.05.10 | ☆知的障害児施設:「契約」未収金5700万円 負担増で退所108人 毎日新聞調査 10日、毎日新聞(夕刊)→ 『障害者自立支援法に基づき、知的障害児施設の入所児に原則1割の利用料などを課す「契約制度」を巡り、保護者が施設への負担金を払えず、総額5700万円が未収になっていることが毎日新聞の調べで分かった。負担増を理由に退所した子どもも108人に上る。厚生労働省は「経済的事情は考慮しない」としており、負担能力を超えた契約制度の適用が背景にあるとみられる。新制度によって施設が不安定な運営を強いられている実態が浮かんだ。【夫彰子】 全国260カ所の知的障害児施設に4月1日現在の未収金などをアンケートし、10日までに195カ所(75%)から回答があった。 回答のあった施設の54%に当たる105カ所で未収金があった。100万円以上が16カ所、50万円以上~100万円未満が25カ所あった。滞納している入所児は427人で、全入所児の16人に1人の割合だった。1施設当たりの未収金平均は約54万円。入所児のうち契約制度を適用された18歳未満の子どもの割合が5割以上の施設では、未収金額は平均63万円と多くなった。 大半の施設は「安易に子どもを退所させるわけにはいかない」と、滞納分を事実上肩代わりし養育を続けている。しかし、契約制度に伴う負担増を理由に、保護者が退所させた入所児は、56施設で108人に上った。 児童福祉法は従来、すべての子どもを公費負担する「措置制度」にしていたが、06年10月施行の自立支援法で、障害児だけは都道府県が措置か契約かを決める制度になった。 厚労省は「親の経済的事情は措置の条件にはならない。滞納世帯の子は施設から契約を解除されても仕方がない」と説明。これに対し、施設からは「家庭での養育が困難だから入所している子どもを、親の都合で退所させるのか」との批判が上がっている。 ◇千葉の施設長「お金か子供か、究極の選択」 「施設は金の取り立て屋じゃない。私たちに子どもを守るという本来の仕事をさせてほしい」。契約制度により膨らむ一方の未収金に、障害児施設職員たちの訴えは悲痛だ。滞納する親の子どもを契約解除するか、保護し続けるか。施設は経営と児童福祉の間で苦しい選択を強いられる。 千葉県のある施設長は今春、「お金をあきらめるか、子どもを退所させるか、究極の選択を迫られた」という。入所する男児(8)の父親は、月約3万円の支払いを1年以上滞納し、未収金は約50万円に上った。 「過去の滞納分として約5000円ずつ上乗せして払う」と約束したのは4月初め。今後順調に支払われても、未収金の解消には10年近くかかる。施設長は「契約制度を作った国、適用した自治体が『民民契約だから』と責任を負わないのは納得できない」と憤る。 アンケートでは「行事参加費を低所得の親に代わり職員がカンパした」「滞納したまま子どもを退所させた親がいる。未収金は施設が負担した」などの回答があった。契約制度の場合は医療・教育費も自費で「子どもが病気になっても病院へは連れて行かないでほしい」と親に言われた施設もあった。』 . |
| 2008.05.04 | ☆障害者の権利条約が発効 128カ国署名、批准25カ国 4日夜、朝日新聞→ 『【ニューヨーク=松下佳世】障害者への差別をなくし、社会参加を促す「障害者の権利条約」が3日、発効した。締約国は、差別をなくし、教育や雇用などあらゆる分野で障害者に健常者と同じ権利を保障する義務を負う。 同条約は06年末に国連総会で採択。これまでに128カ国が署名、25カ国が批准した。障害者は世界に約6億5千万人いるとされる。 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は「すべての人の普遍的人権の実現における歴史的な瞬間だ」と発効を歓迎した。 同条約は、障害者のための新しい権利を定めるのではなく、差別をなくすことで、障害者が人権や基本的自由を完全に享受できるようにすることを目指している。建物や交通機関のバリアフリー化、公共サービスや施設の利用、情報の入手などの「アクセシビリティー(利用しやすさ)」を重視しているのが特徴だ。 日本は昨年9月に署名したが、関連法の改正などが必要で、批准にはしばらくかかる見込み。 』 . |
| 2008.04.26 | ☆自民、障害年金の上乗せ制度を見直し 25日午後、日本経済新聞→ 『自民党の社会保障制度調査会年金委員会は25日午前、障害年金の受給者に配偶者や子どもがいる場合に年金額を上乗せする加算制度を見直す方針を決めた。現行制度では年金を受け取り始めた時点で配偶者や子どもがいれば年金額が上乗せされるが、受給開始後に結婚したり、子どもを得たりしても加算の対象とならず、不公平との指摘があった。議員立法で早ければ今国会に厚生年金保険法などの改正案の提出をめざす。』 . |
| 2008.04.24 | ☆障害者支援は地方裁量検討を 全国知事会、厚労相へ要望 24日、新潟日報→ 『舛添要一厚生労働相と全国知事会との社会保障施策に関する意見交換会が23日、厚労省で開かれ、障害者の負担が増えたとの指摘もある障害者自立支援法について、泉田裕彦知事らが改善を要望した。舛添厚労相は「理念はいいけど運用が悪いのは後期高齢者医療制度と同じ。現場の声を施策の企画・立案段階から入れていきたい」と述べ、都道府県との事務レベルでの定期協議や地方担当ポストの新設を検討する意向を示した。 意見交換会は、地方の実情を国の施策に反映させようと昨年9月に始まり、今回で3回目。泉田知事ら5県の知事が出席し、障害者の負担軽減措置の恒久化や発達障害者への支援などを求めた。 会合で泉田知事は、両親の定年で障害者の経済的負担が増えた例を挙げ、「自治体にまとまった額を交付して工夫できるようにするなど地方に裁量を与える方法を検討してほしい」と提案した。 一方、厚労省は殺人など重大な加害行為をした精神障害者を治療する指定入院医療機関の整備を進めるため、都道府県の協力を要請した。』 . |
| 2008.04.20 | ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/6 支援を限定する障害程度区分/和歌山 20日、毎日新聞(和歌山)→ 『◇「不透明」「信用できない」戸惑う保護者ら 「一人で歩けますか?」。知的障害の女性利用者(33)についての調査員の質問に、和歌山市の「くろしお作業所」の鈴木栄作施設長(40)は疑問を感じた。「できるできないを聞くだけで、どういう介助が必要なのかを聞く項目がない」 障害者自立支援法の施行で、福祉サービスの利用に、障害程度区分の認定が必要になった。106の質問項目のうち、体の不自由さなどを問う要介護認定基準が8割近く。このため、知的、精神障害者の場合、障害程度が正しく反映されないケースが生じている。 女性は中程度の区分3に認定。重度の自閉症で、感情の変化に応じた介助を必要とする。鈴木所長は「あまりに軽い。障害の程度は介護基準で測れない。根拠のない不透明な区分だ」と憤る。不服申し立てにも、複雑な手続きが必要なため、できないままだ。 認定区分は利用できるサービスを決める指標となり、低く判定された場合は支援も制限される。例えば、ケアホームは区分2以上、重度訪問介護は区分4以上が対象。また、利用者1人当たりの報酬単価を決める基準にもなり、事業所にとっては収入にかかわる。 認定は調査状況にも左右される。知的障害のある和歌山市の明渡哲人さん(28)は06年10月に区分4と判定されたが、3カ月後の再調査で5になった。2回目は、利用するケアホームの世話人が立ち会い、別の調査員が行った。母美津子さん(53)は「ころころ変わる区分は信用できない」と戸惑う。 県の10障害者団体は07年10月、個々の障害者の生活ニーズに基づく支給決定の仕組み作りなどを国に求めるよう県に要望。厚生労働省障害福祉課は「より正確に障害特性を判定できるよう、区分の見直しに向けた実態調査の準備を進めている」と説明する。 金川めぐみ・和歌山大准教授(社会保障法)は「最大の問題は認定の判断で支援が限られること。本人が自由に意思決定できる『自律』こそ障害者の自立であり、逆行している。生活における支援の必要度を反映する認定の見直しが必要だ」と話している。=おわり(この連載は清水有香が担当しました) ============== ■ことば ◇障害程度区分 障害者自立支援法で、サービス利用の際に必要となる認定。障害程度別に6段階に分け、数が多い程重い。認定調査員による106項目の聞き取り調査を基に、コンピューターで1次判定。特記事項や医師の意見書などを考慮して学識経験者らでつくる審査会が2次判定し、市町村が区分を認定する。認定調査員は市町村職員や市町村が委託する相談支援事業者などが担当する。』 . |
| 2008.04.19 | ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/5 就労強化と工賃アップ /和歌山 19日、毎日新聞(和歌山)→ 『 ◇両立困難で事業断念--元作業所長 午前10時。和歌山市の「くじら共同作業所」に、焼きたてのパンの香りが広がる。聴覚障害のある泰地哲夫さん(53)が毎朝7時に来て、生地作りから成形までこなす。「パンが売れるのはうれしいけど作業は大変。給料もなかなか上がらない」と表情を曇らせる。 07年4月、障害者自立支援法に基づく新体系のうち、「就労継続支援」などを行う事業所に移行し、パン作りを開始。菓子作りが主だった移行前に比べ、売り上げは月約5万円伸びた。だが、利用者が2倍に増えたため、1人当たりの工賃は変わらない。白藤令所長(59)は「障害の程度によって、仕事の内容や量に差があるのは当たり前。工賃を上げようとすれば、負担が偏る」と言う。 就労支援は同法の柱の一つ。一般企業への就労率の高い事業所や目標工賃を達成した事業所に対し、報酬を加算するなどして就労促進を図る。県は「障害者就労支援5か年計画」(07〜11年)を策定。求職活動の支援や施設職員の指導力向上などに取り組むが、作業所からは「無理な労働で利用者に負担をかけるのが心配」といった声が上がっている。 別の課題もある。すさみ町の「いなづみ作業所」は07年5月、移行から半年で「就労移行支援」事業を断念。能力の高い3人が就職で退所し、仕事が回らなくなった。利用者減で施設報酬も月約50万円減り、他のサービスを提供する事業所として再スタートした。 当時、所長だった石神慎太郎さん(36)は「仕事のできるエース的存在を次々と外に出せば、作業所の労働力は落ちる。就労の強化と工賃アップは両立しない。就労に力を入れるほど、自分の首を絞めることになる」と指摘する。 県障害福祉課は「事業所には、仕事のできる人材を育てる努力が必要。職員の意識改革を図り、支援体制を整えたい」とする。「障害者就業・生活支援センターつれもて」の加藤直人所長(51)は「障害の程度には個人差がある。労働量が限られる利用者にこそ支援が必要」と訴える。 ============== ■ことば ◇障害者の就労支援事業 障害者自立支援法施行に伴い、就労支援事業を、就職を目指す「就労移行支援」と、一般企業で働くことが難しい人を対象にした「就労継続支援」に再編。「就労移行支援」は利用期限2年で、作業訓練や職場実習、職場探しを行う。「就労継続支援」は雇用契約を結ぶA型と結ばないB型の2種類あり、働く場を提供しながら訓練する。利用期限はない。』 . . ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/4 日割り化で収入確保に苦慮 /和歌山 18日、毎日新聞(和歌山)→ 『◇「商売じゃないのに」作業所管理者 「利用者の顔色をうかがいながら、実績を上げないといけない。福祉は商売じゃないのに」。和歌山市の「いこいの家共同作業所」管理者の上田朋行さん(38)はため息をつく。障害者自立支援法が始まった06年4月から施設報酬(補助金)の算定が月額から日額になったため、収入確保に苦しむ。 同作業所は07年4月、新体系に移行。定員30人を40人に増やし、土日に仲間が集まりやすいイベントを開くなどして収入増を図る。支援計画の作成や目標達成の評価など事務作業も増えた。07年度の収入は前年度を維持したが、「職員の負担がこれ以上大きくなれば、支援の充実が図れない」と上田さんは言う。 報酬の日割り化は、施設の運営に深刻な影響を与えた。利用者が1日休めば、その分の施設報酬が減る。また、施設報酬の1割はサービス利用料として利用者負担となるため、来てもらう回数が増えれば、利用者の支払いも増えるという板挟みにも苦しむ。 岩出市の「きのかわ共同作業所」では、収入が05年度約5600万円から06年度約4700万円に激減した。同年から職員の昇給を凍結し、ボーナスもカット。小畑和江施設長(55)は「新しく人を雇う余裕もない。利用者が単価に見えてくる現実がつらい」と漏らす。 国は06年12月、事業所の経営基盤の強化のため、08年度までに限り、前年度収入の9割保障を打ち出した。さらに、今月から通所サービス事業の報酬単価を4・6%引き上げ、定員を超す受け入れも可能人数を拡大した。しかし、いずれも時限的で、今後の見通しは立っていない。 経営難でしわ寄せを受ける福祉の現場。山崎由可里・和歌山大准教授(障害者教育史)は「仕事に見合った給料が保障されず、福祉職をとりまく労働環境は悪化しており、福祉の先細りが懸念される。安定した施設経営ができるよう、根本から法を見直すべきだ」と指摘している。 ============== ■ことば ◇施設報酬の日割り化 国や自治体は施設定員に応じた定額の月払いで施設に補助したが、障害者自立支援法施行で、利用日数に応じた日割り計算に変更。利用者1人当たりの報酬単価は、利用するサービス内容や障害程度区分などで決める。事業所は定員以上の利用者を登録できるが、一定の基準を超えると報酬単価が減らされる。』 . |
| 2008.04.17 | ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/3 存続を模索する小規模作業所/和歌山 17日、毎日新聞(和歌山)→ 『◇生き残りに選択肢ない--5人通所副理事長 5人の知的障害者が通う和歌山市の小規模作業所「ひぃふぅみぃ共同作業所」。06年に長屋の一室で開所し、地域の障害者の交流の場となっていたが、今月、別の地区に引っ越した。従来の約3倍の広さで、家賃は20倍以上。安定した運営を求め、新体系移行を目指す第一歩だった。 開所当時は利用者3人。公的補助はなく、保護者の寄付などで月5000円の工賃を賄った。利用者5人となった昨年から年約350万円の市の補助を受けるが、運営は厳しい。障害者自立支援法に基づく「地域活動支援センター」になれば、年間600万円程度の補助が見込める。 定員20人以下の小規模作業所は、地域の重度障害者の受け皿として80年代に全国に広がり、現在、6000カ所近くある。法定外のため、多くは経営が不安定だ。全国の作業所でつくる「きょうされん」(東京都)によると、小規模作業所への公的補助の全国平均(05年)は年間で、都道府県約400万円、国110万円だった。 しかし同法施行に伴い、国は06年4月、補助を打ち切った。新たに補助を得るには移行が原則だが、5年以上の実績や10人以上の利用者など条件がある。ひぃふぅみぃ共同作業所の尾崎直加副理事長(52)は「新しい場所で、なんとか利用者を増やしたい」と話す。 条件を満たせず、移行の見通しが立たない施設もある。岩出市の「共同作業所ぷちこすもす」は利用者1人。すべてを自主財源で賄う。井原啓子理事長(54)は「1人でも利用者がいる限り、存在理由がある。資金の無い小さな作業所にこそ補助が必要」と訴える。 県は07年度から2年間の期限付きで、移行を考える小規模作業所に上限250万円を補助。県障害福祉課は「経営安定のため、補助を活用して早めに移行してほしい」とするが、この補助を受けるにも、実績や定員数などの条件がある。 尾崎副理事長は言う。「移行して、今までのように仲間の居場所であり続けられるか不安はある。それでも、生き残るために、私たちに選べる選択肢はない」。地域の障害者福祉を支えてきた小規模作業所は、存続の道を模索している。 ============== ■ことば ◇新体系移行 障害者自立支援法の施行で、障害種別に33あった従来の施設・事業体系を、各サービスの機能や目的に合わせて「六つの日中活動」に再編。療養介護、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、地域活動支援センターがある。06年度から5年間の経過措置が設けられ、国や自治体から補助金を受けるためには、その間に移行先を決めなければならない。複数の事業選択も可能。』 . |
| 2008.04.16 | ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/2 移動支援の自治体格差/和歌山 16日、毎日新聞(和歌山)→ 『 ◇楽しみ奪われる、悔しい--36歳の女性 「住所が違うだけで受けられるサービスが違うのは不公平」。下肢障害のある和歌山市の女性(36)は憤る。障害者自立支援法の施行で、ヘルパー利用時間が大幅に減った。障害程度は変わらないのに、同じ作業所に通う紀の川市の仲間は3倍支給されている。 女性は車椅子生活で、外出にはヘルパーの付き添いが必要だ。同法施行前、ヘルパー利用は月35時間。料理教室への送迎など自由に使えたが、06年4月の同法施行を境に、私的な理由で使える時間が月10時間に制限。それ以上は全額自己負担となる。外出は減り、家にいる時間が増えた。 同法で、障害者の社会生活に不可欠な「移動支援」は市町村事業になった。このため、支給時間や利用条件など自治体の対応に格差がある。例えば、和歌山市が18歳以上の私的理由による利用を月10時間としているのに対し、紀の川市は制限がない。「友達の家にも気軽に行けない。楽しみまで奪われるのが悔しい」と女性は言う。 和歌山市は利用者の声を受け、今月から移動支援などの支給決定基準を緩和。18歳以上の場合、単身世帯や障害者のみの世帯などは月10時間を20時間に増やした。 一方、ヘルパーを派遣する事業所では収入減も起きている。和歌山市社会福祉協議会は、障害者へのヘルパー派遣利用時間が799時間(05年5月)から637・5時間(07年5月)に激減。07年5月の収入は約129万円で、05年同期比3割減となった。 同市障害福祉課は「私的理由でのヘルパー利用は個人差がある。特別な事情を除き、過去の平均利用時間に基づいて、公平公正なように一律10時間とした。今後も利用者の声には耳を傾けたい」と説明する。 趣味を持ち生活の幅を広げようとするヘルパー利用は、そうした人たちにとって著しく制限されている。和歌山市障害児者父母の会事務局長の岩橋秀樹さん(49)は「当事者であるはずの障害者が置き去りにされている。利用者の立場にたった制度を考えて」と訴える。 ============== ■ことば ◇移動支援 社会生活上、必要不可欠な外出や、余暇活動など社会参加のための外出時の移動を支援する事業。厚生労働省は「全国一律でなく、地域の実情に応じ柔軟に提供すべきサービス」として、障害者自立支援法で市町村主体の「地域生活支援事業」に位置づけた。利用料や利用範囲は、各市町村が独自に定める。』 . |
| 2008.04.15 | ☆自立支援法:生活苦でも施設利用料1割負担 東京 15日、毎日新聞→ 『東京都内の知的障害児施設に入所する少女(14)について、父親(64)が施設と正式な利用契約をしていないのに、都が障害者自立支援法に基づき、利用料の1割などを負担させる「契約制度」を適用していたことが分かった。父親は生活苦で利用料などが払えないため、施設が経費負担を余儀なくされている。施設側は、契約制度の適用をやめて事実上入所者の負担が減る「措置制度」の対象にするよう求めているが、都は応じていない。 施設によると、少女は父子家庭。04年4月、児童相談所が父親の養育困難を理由に少女と妹を一時保護し、都内の児童養護施設に入所させたが、05年11月に障害のある少女だけが知的障害児施設に移された。 06年10月に障害者自立支援法が本格施行され、施設利用料の原則1割などを保護者に負担させる契約制度の適用が可能になった。都は父親に契約能力があると判定し契約制度を適用した。 しかし、日雇い労働者だった父親は腰痛で働けなくなり、生活保護の申請も却下された。施設は「親の養育能力が不安」として措置制度の適用を再三要請したが、都は「親の経済事情と契約能力は別問題」と退けた。父親は月約1万5000円の施設利用料などを1年余り滞納し、今は連絡も取れないという。 契約制度の適用には施設と保護者との間で利用契約書など3種類の書類を取り交わすことが必要だが、法施行に向けた国の準備が遅れ、契約書だけで仮契約していた。 施設側は「正式契約を結んでいないのに一方的に契約制度を適用するのはおかしい」と都を批判。厚生労働省障害福祉課は「都は契約そのものが適切かどうか再確認すべきだ」と指摘している。【夫彰子】 ▽措置と契約 児童福祉法に基づく措置制度は、児童の入所に要する費用(措置費)を国と都道府県が2分の1ずつ負担。保護者は自治体に「徴収金」を支払うが、応能負担のため低所得層はほとんど出費の必要がない。一方、障害者自立支援法に伴う契約制度は、低所得の保護者も施設利用料の原則1割に加え、医療費や食費を施設に直接支払う必要がある。児童施設はすべてが措置制度だったが、06年の同法施行で障害児施設に限って「措置」か「契約」かを都道府県が個別に審査して決めることになった。』 . |
| 2008.04.15 | ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/1 授産施設利用にお金がなぜいるの?/和歌山 15日、毎日新聞(和歌山)→ 『◇何が自立、不安だらけ--42歳の岡田さん 「一生懸命働いているのに、なぜお金を払わないといけないの?」。和歌山市の知的障害者通所授産施設「はぐるま共同作業所」を利用する岡田正雄さん(42)はこの2年間、思い続けている。 ほぼ毎日、朝5時に出勤して約6時間、パンを焼いて販売する。「仲間に会えるし、仕事も楽しい」と言うが、施設の利用料を払うことが強い疑問だ。 収入は月6万6000円の障害基礎年金と、月3万5000円の工賃(賃金)。支出はケアホームの家賃や生活費計約7万円のほかに、作業所利用料や給食費など計約1万3000円の負担が重くのしかかる。頼れる肉親はいない。「将来のための貯金もできず、1人の生活になるのが怖い」と不安を抱える。 県障害福祉課によると、県内の認可施設で障害者が受け取る平均工賃は月額1万2045円(06年度)。中には時給6円の施設もある。別の作業所に通う男性(23)は「利用料を取る前に、賃金保障をして」と訴える。 障害者自立支援法は、福祉サービス利用者に自己負担1割を求め、給食費などの実費負担を課した。低所得者には負担上限額があったものの、すぐに「生活していけない」と困窮の声が続出。国は上限額を4分の1に見直し、年収80万円以下の人の上限額は3750円になった。今年7月からは、さらにそこから2分の1に引き下げる。 だが、収入の少ない障害者にとっては1円の支出も深刻だ。岡田さんは言う。「お金だけとられて、その分の支援は何一つ受けられない。一体、何が自立なのか。不安だらけの毎日はもうたくさん。1日でも早く施行前の生活に戻してほしい」 × × 障害者自立支援法施行から2年。「障害者の社会参加」の理念とは裏腹に、「自立」が見えない現状と将来に不安が広がっている。揺れる障害者福祉の今を現場から報告する。(この連載は清水有香が担当します) ============== ■ことば ◇障害者自立支援法 「施設から地域へ、福祉から就労へ」を理念に、障害者の地域社会での自立を目指す。身体、知的、精神に分かれていた障害者施策を一元化。福祉サービスの従来の利用者負担は収入に応じて決めたが、施設利用やヘルパー派遣などあらゆるサービス利用者に、利用料の1割の自己負担を原則とした。サービス支給決定の指標として、6段階で判定する「障害程度区分」を導入した。06年4月に利用料負担など一部施行、10月から完全施行。』 . |
| 2008.04.14 | ☆精神障害者の退院支援策など策定へ 14日夜、キャリアブレイン→ 『厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」は4月11日、初会合を開き、精神保健・医療・福祉の再構築に向けた今後5年間の施策をめぐる議論に着手した。当面は、精神科病院に入院する障害者の地域生活支援策などについて話し合い、来年の障害者自立支援法の見直しに反映させる。新しい施策は、来年9月からの実施を目指す。 同省は、精神病床に入院する障害者約32万人(2005年度)のうち、7万人程度は受け入れ条件が整えば地域で生活できるとみており、今後、精神障害者の退院を促すことで精神病床の削減につなげたい考えだ。 このため検討会では、退院後の受け皿の整備や、入院せずに必要なサービスを受けられる体制の在り方などについて検討し、年内に中間報告をまとめる。 同省が2004年に公表した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」では、ビジョン策定後の10年間を5年ごとの一期と二期とに区分。来年9月から始まる二期の具体的な施策は、一期で実施した改革の成果を踏まえて決めることになっている。 これを受け、検討会では当面、精神障害者の退院支援策を議論。その後、精神保健・医療・福祉の施策全般についても順次、話し合う。 それぞれの施策には具体的な数値目標を盛り込み、達成状況を評価できるようにする。』 . |
| 2008.04.13 | ☆知的障害児施設:入所児6割で自己負担 自立支援法に伴い 11日、毎日新聞→ 『全国の知的障害児施設の入所児の6割以上が、公費負担で施設を利用できる措置制度の対象外とされていることが、「日本知的障害者福祉協会」(小板孫次会長)の調査で分かった。障害者自立支援法施行で、都道府県の審査で保護者に負担を求めることが可能になったためだが、負担を嫌う親が、子どもを独断で退所させるケースも出ている。他の児童施設は措置制度だけで運用されており、障害児施設の子どもだけが不安定な状況に置かれている実態が浮かんだ。 児童施設は従来、すべてが措置制度の対象だった。06年10月の自立支援法の本格施行で、障害児施設だけが、措置か「契約」かを都道府県が審査して決める制度になった。契約と判定されれば、施設利用料の原則1割のほか、子どもの医療費や学校教材費も保護者負担となる。入所児や親への児童相談所のケアも義務でないとされ、対応が手薄になる。 調査は1月、全国255カ所の知的障害児施設に調査用紙を送付し、180施設(入所児計6789人、一部18歳以上も含む)から回答があった。 その結果、契約と判定された入所児は、65%に当たる4421人に達した。都道府県によって契約の割合が大きく違うことも判明。山形、愛媛両県が100%の一方、愛知県が1割台、岡山、静岡両県も2割台だった。 厚生労働省は、障害児の保護者が(1)不在(2)精神疾患等(3)虐待等--のいずれかに該当すれば、措置になるとの見解を示しているが、判断はあくまで都道府県任せ。東京都は「障害児は原則契約。措置は例外」としている。 同協会児童施設分科会の田中斎(ひとし)座長は「障害の有無で分けるのは障害児への差別」と批判している。』 . |
| 2008.04.07 | ☆障害者の交通費削減に反発/札幌 7日夜、STV札幌テレビ放送→ 『「病院に行く回数も減ってしまう」ー。障害者の悲痛な訴えです。 財政難を理由に札幌市が、障害者の交通費の助成額を削減する方針を打ち出していますが、障害者は、生活の実態を理解していないとして反発しています。 (参加者の声)「今度の案はあまりにも恥ずかしい」「ぼくたちは生きています。その喜びを消さないでほしい」 障害者の交通費助成制度の見直しについて開かれた意見交換会ー。助成額の大幅削減を打ち出した札幌市に対し、厳しい意見が出されました。 (小谷さん)「障害者も高齢者も我慢して生活してくださいと言われているようで身が縮まる思いです」 車いすで生活している札幌市の小谷晴子さんです。タクシーの利用が多い小谷さんは、札幌市から年間3万9000円のタクシー券の助成を受けていますが、実際には、それを上回る交通費がかかっています。 札幌市は、今回の見直し案でタクシー券、乗車券、ガソリン券の助成額を一部を除いて、年間2万4000円に引き下げ、利用上限のなかった福祉券と定期券を廃止する方針です。 (障害者)「(助成は)本当に助かっている。これが削られると厳しいです」 (小谷さん)「障害者の生活実態をキチンと把握しないままでできた案」「ぜほ(助成額が)低くなるような見直し案は撤廃していただきたい」 一方、札幌市は・・・ (札幌市保健福祉局・森下課長)「将来に渡って制度を維持していかなければならない」「財政的な状況を見ながら何ができるのかの中で提示した案」 財政難を理由に助成額を減らしたい札幌市に対し、社会参加の機会を大幅に奪うとして反発する障害者ー。今後の話し合いも難航が予想されます。』 . |
| 2008.03.30 | ☆駐車禁止除外指定車標章:聴覚障害者は歩行困難者? 県公安委、表記改め交換 /滋賀 29日、毎日新聞(滋賀)→ 『◇県公安委、駐禁除外車標章に記載--県ろうあ協会「歩けるのに誤解招く」 昨年9月から聴覚障害者に交付された「駐車禁止除外指定車標章」に「歩行困難者使用中」と表記された問題で、県公安委は希望者に「身体障害者」か具体的な障害の部位・内容を記す標章を交付できるよう規則を改正する。今月14日付の県公報で発表した。この問題を巡っては、県ろうあ協会(辻久孝会長)が「歩けるのに誤解を招く」などと変更を求めていた。新標章は4月1日から受け付ける。【蒔田備憲】 身体障害者に対する駐禁除外標章はこれまで、本人か、本人や家族が使う車を対象に、各都道府県公安委が発行。標章には「身体障害者等使用車両」などと記され、聴覚障害者は対象外だった。 しかし、06年6月の道交法改正で駐車禁止の取り締まりが強化される中、聴覚障害者は筆談などでコミュニケーションに時間がかかり、緊急連絡も難しいことから、警察庁は「短時間の取り締まりは厳し過ぎる」などと判断。聴覚障害者を標章の対象者に加えるよう検討し、昨年2月、都道府県公安委に制度の見直しを通達した。 県内でも昨年9月から交付が始まっていたが、「歩行困難者使用中」の表記に聴覚障害者が反発。12月には「聞こえなくても歩ける。誤解を招く表現だ」として、表記を「身体障害者使用中」にするよう要望書を県警交通規制課に提出していた。 今回の規則改正について同課は「当事者の要望もあり、弾力的に運用できる部分と考えた」と説明。既に現標章を交付済みの人にも、希望があれば新しい標章に交換する。 辻会長は「変更を認めてくれて良かった。今後、聴覚障害者だけでなく、利用する際にはマナーを守ってほしい」とコメントした。』 . |
| 2008.03.30 | ☆地域ホーム:揺れる知的障害者 法人運営へ転換迫る県 /群馬 29日、毎日新聞(群馬)→ 『知的障害者が家庭に近い環境で暮らす「地域ホーム」が揺れている。個人運営もできた地域ホームを「運営が安定する」との理由から、県が期限付きで法人運営への転換を迫ったためだ。県は条件の緩和など柔軟姿勢も見せるが、方針に変更はなく、決着までしばらく曲折がありそうだ。【塩崎崇】 ◇個人運営有志が存続求め陳情 地域ホームは79年度に始まった県単独制度(当初は「通勤ホーム」)。多くの都道府県にもあるが、県の制度は市町村を運営主体に個人やNPO法人、社会福祉法人が受託、県と利用者の出身自治体で費用分担している。焦点の個人運営は県内47施設中16に上る。 「転換方針」のきっかけは06年10月に完全施行された障害者自立支援法だった。グループホームの運営をNPOにも認め、定員要件を緩和するなど「敷居」を低くした。これを受け、県は昨年1月、説明会を開催。「運営者が高齢化などで面倒を見られなくなれば、入所者は路頭に迷う」として、個人運営者も10年3月までにNPO法人格を取得し、グループホームに転換するよう促した。 だが、昨年暮れ、個人運営者の有志(加藤〓(さとる)代表)が「きめ細かな世話をするには、さまざまな運営形態が認められるべきだ」と陳情、転換を拒否する姿勢を示した。こうした動きに県は年明け「要望や課題を聞く」と個別訪問。毎日新聞の取材にも「10年3月までの期限は強制しない」と軟化に転じた。 県障害政策課は個人運営者が転換に応じられない理由を、NPO法人格取得の手間▽運営上求められる文書作業の煩雑さ▽定員増に伴う改修などの経済的負担--などと見る。高崎市内で地域ホームを運営する加藤さんは「かつてはグループホームにしたくても数の制限が厳しく認められなかった。法律が変わったから転換しろと言われても」と首をかしげる。その上で「我々にも理解不足の部分があった。期限まで3年もあったので切羽詰まっていなかったが、NPO化が難しいことも分かり動揺が出た」と陳情に及んだ理由を説明する。 小出省司・県健康福祉部長は「昨年1月の説明会で了解してくれていると思っていた」と意思疎通の不足を認め、同課もこの点を反省し「お互いに理解し合い、利用者本位の方向で考えていきたい」という。 」 ◇女性4人暮らす、家庭に近く楽しい生活--高崎「赤いやね」 地域ホームを訪ねてみた。04年10月に開所した個人運営の「赤いやね」(高崎市西国分町)は、敷地内に住む東野裕貴子さん(53)が運営する。 入居者は37〜49歳の女性4人。いずれも県内の障害者施設から移ってきた。小林孝子さん(37)は渋川市の電機部品会社に、ほかの3人は榛東村のクリーニング工場に勤めている。それぞれ個室を持ち、食事の準備や洗濯をこなす。小林さんは「みんな一緒で楽しい」と笑顔で話す。 東野さんは若いころ障害者施設で働き、夫の幸一さん(56)と結婚時は、夫婦でホームをするのが夢だった。子育ての負担も減ったころ幸一さんから地域ホーム制度を聞いて決心した。 「私は4人にとってわずわらしい存在かもしれないが、家庭に近い生活をしてもらいたい」と話し、「県の事情が許すなら、地域ホームでもグループホームでも、こういう場所を増やしてほしい」と訴えた。』 . |
| 2007.03.27 | ☆障害者医療費助成 命切り詰めるしかない 撤回の訴え届かず
28日県議会
見直し案可決の公算/福岡 27日、西日本新聞→ 『重度障害者の医療費に一定の自己負担を求める県の「医療費助成制度見直し案」は、28日の福岡県議会本会議で採決される。苦しい生活を送る重度障害者は複数の医療機関を受診することが多く、医療費の負担増は「死活問題」。支援者とともに見直し案の撤回を求めてきたが、議会では無修正のまま可決される公算が大きい。 障害者らが県庁前で最初の座り込みをしたのは今月5日。約50人で「このままでは命そのものを切り詰めなければならなくなる」と訴えた。12日は約150人が県庁一周のデモ行進。18日には約20人が知事秘書室前に詰め掛け、麻生渡知事に直接抗議文を手渡したいと求めた。 「当事者から一度も意見を聞いていない。障害者をないがしろにするのか」。県社会保障推進協議会の北園敏光事務局長(55)は語気を荒らげた。約2時間にわたって押し問答したが県側は応じず、抗議文は職員に預けるしかなかった。 抗議に参加した福岡市早良区の石松周さん(58)は生まれつき脳性まひで就労は困難。車いすで自宅療養を続けながら、リハビリなど4医療機関に通う。見直し案が可決されれば月2000円程度の負担増。「仕事ができない私たちにとって、医療費負担は『死ね』というのと同じです」 負担増は障害者の家族も苦しめる。「金銭管理費」「散髪付添費」。同市博多区の八木トミエさん(81)は数々の請求書を見せながら撤回を訴える。長男信彦さん(50)は2歳のころ統合失調症と診断され、現在は柳川市の療養施設に入所する。 夫(79)と年金暮らし。交通費もかさむため月1回程度しか施設に通えない。「医療のためにお金がかかるのを役人は分かっていない…」。トミエさんは声を震わせた。 問題は議会でも度々取り上げられたが、麻生知事は「障害者間の格差是正と、限られた予算で持続可能な制度維持のためにも一定の負担をお願いする」と繰り返した。 制度見直しで県は年間4億8000万円の支出削減を見込む。その効果と重度障害者たちの訴えの重さを、私たちはどう考えればいいのだろうか。』 . |
| 2008.03.24 | ☆在宅身体障害者、全国で348万人=高齢化で23万人増-厚労省調査 24日、時事通信→ 『18歳以上の在宅身体障害者が2006年7月1日現在、全国に推計で348万3000人いることが24日、厚生労働省の調査で分かった。01年6月の前回調査と比べて23万8000人増。同省は「増加したのは60歳以上が中心で、高齢化が要因」とみている。 同調査は、障害者施策の基礎資料を得るため、5年に1度実施。無作為抽出した地区の状況を基に、全国の在宅身体障害児・者数などを推計した。』 . |
| 2008.03.24 | ☆障害者の実態理解を 支援法見直し訴え行進
仙台 24日、河北新報→ 『2006年4月施行の障害者自立支援法の見直しを求める集会が23日、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで開かれ、約300人が参加した。 「 3.23 みやぎアピール大行動2008」と題し、県内の障害者支援団体などでつくる実行委が主催した。 実行委代表の鷲見俊雄さん(48)=若林区=が「障害者が安心して暮らせる社会にするために、みんなで団結することが大切だ」とあいさつ。 参加者の代表5人が、普段の生活や現在の支援法に対する不満を語り、「ヘルパーなどのサービスを受けるたびに負担が増す」「障害者の生活、気持ちは行政に理解されていない」などと訴えた。 集会の後、参加者は「福祉サービスを下げるな」「所得を保障せよ」などと声を合わせながら、勾当台公園市民広場から東北大片平キャンパスまで約1.8キロを行進した。 脳性まひがある井上朝子さん(22)=太白区=は「毎日の暮らしが大変で、ヘルパーやボランティアの手助けがなければ生活できない。国や県は障害者の生活実態をもっと理解すべきだ」と話した。 実行委は昨年、村井嘉浩知事と梅原克彦仙台市長に、支援法の見直しを求めるアピール文を提出している。』 . |
| 2008.03.23 | ☆支援法施行2年 障害者悲鳴 負担
もっと軽減を 23日、讀賣新聞(埼玉)→ 『福祉施設の利用に原則1割の自己負担を強いる障害者自立支援法★の施行から2年。度重なる見直しにもかかわらず、障害者と家族の間には「負担が重すぎる」との不満がくすぶる。受け入れ側の施設は収入が減り、職員の労働意欲の低下を懸念する声もある。障害者の自立を促すはずの法施行だが、2年を経て現場には疲弊感が漂っている。(森洋一郎) ■募る不信感 知的障害のある30歳代の女性は土日を除く週5日、県南部の障害者施設に通う。気の合う仲間や親身な職員に恵まれ、施設通いは最大の楽しみ。でも、母親は「月3万円の負担は正直言ってきつい。やめさせようかと何度も考えた」と打ち明ける。 支援法の施行前は自己負担ゼロだった。施行後は施設利用料として月約1万8300円のほか、昼食代が月1万4300円(1食650円)かかり、月額約3万2600円。対する女性の1か月の収入は、約8万3000円の障害基礎年金と施設での作業工賃3000円ほど。3000円を稼ぐのに、その10倍を支払う計算だ。 障害者団体などの批判を受け、2007年4月から施設利用料の上限額は4分の1となり、女性の利用料負担額も9300円に軽減されたが、食費は変わらない。 母親は請求書を見るたびに、腹立たしさがこみ上げる。今年7月に再び支援法が見直され、負担の算定の基礎が「世帯の収入」から「障害者の個人収入」となる。 女性の利用料負担額は当初の10分の1以下の1500円になる見通しだが、母親は「私たちはいつも法に振り回されてばかり」と不満そう。国への不信感は逆に募った。 ■施設を退所 全身マヒの障害があるさいたま市の男性(60)は「本音を言えば、やめたくなかった」と、授産施設に通っていたころを懐かしむ。 男性は施行直前の06年3月、11年間通った施設を退所した。それまでゼロだった自己負担額が4万円近くに跳ね上がったためだ。当時の1か月の収入は障害基礎年金約8万3000円と施設での印刷作業で得られる約1万5000円の工賃だけ。80歳を過ぎた母親との2人暮らしで、毎月4万円を工面できるはずはなかった。 2年たった今、男性は知人の紹介で福祉施設の事務を手伝っている。「あの時は生きることを否定された気がした」と悔しそうに振り返る男性は、7月の法改正について「国はこちらの顔色を見ながら、小出しに負担上限を下げているだけ。抜本的な解決にはなっていない」と憤る。 ■生活保護回避へ 月2万8000円まで補助 県内の障害者関連5団体が法施行直後の06年6月、421施設を対象に実施した調査がある。対象者の総数は不明だが、250施設から回答があり、「退所した」「通所しなくなった」人が計43人、「退所希望」「迷っている」人が計40人、「通所日数を減らした」人が109人に上った。その後の調査はないが、法施行の影響の大きさを裏付ける数字と言える。 県南部にある施設の担当者は「施設利用料の自己負担は減額されても、昼食は実費負担のまま。今も障害者の不満が大きいことに変わりはない」と訴える。 07年の上限額の減額は、こうした実情を踏まえた措置。実費徴収の食費や光熱水費に対しては、収入の少ない人には月2万8000円まで補助を出す。自己負担することで生活保護の対象にならないよう、最低2万5000円を障害者の手元に残す仕組みだ。 食事やトイレ、風呂の介助など1割負担に含まれる基本サービス以外のサービスは、施設が独自に内容や単価を決められる。職員に買い物を頼んだり、病院に付き添ってもらったりすることが、これに当たる。 県南東部の身体障害者施設では、利用者が「100円のパンを買ってきて」と職員に頼んだら、200円加算されて300円になったという。障害者の間にも、持つ者と持たない者との格差が広がっている。 ★障害者自立支援法 身体、知的、精神の障害ごとに別々だった法律を一本化し、障害者福祉制度の内容を総合的に定めた。2006年4月施行。障害別に異なっていたサービス利用の仕組みや制度も統一した。福祉施設などを利用する場合、収入(能力)に応じて自己負担額が決められていた従来の「応能負担」から、サービス(利益)にかかった費用の原則1割を負担する「応益負担」に変わった。 ■施設は減収、人材難 支援法は、施設側にも波紋を広げた。 蓮田市の障害者支援施設「大地」は今年度、約1割の減収になりそうだ。市などから施設への報酬の支払いが「月決め」から「日割り」になったためだ。つまり障害者が施設を利用した日数分しか報酬が出ない。 入所者30人に通所者8人、職員は45人。穴埋めするには、運営費の約9割を占める職員人件費を削るか、稼働日数を増やすかだ。施設長の高橋孝雄さん(53)は「どこの施設も財政的にぎりぎり。職員の労働意欲に影響し、募集しても人が来ない」と憂える。 厚生労働省の07年調査によると、福祉施設介護員(平均36歳)の年収は286万円。全職種(同41歳)の年収452万円の6割にとどまる。 さいたま市内の心身障害者デイケア施設では昨年秋、30歳代半ばの男性施設長が「結婚」を理由に退職した。男性の年収は約300万円。施設を運営する法人の幹部は「家族を養うため、結婚を機に退職し、別の仕事に就く人は少なくない。この業界で“結婚”はおめでたい話ではない」と自嘲(じちょう)気味に話した。 従来の収入を確保するには、土日曜日も開所し、障害者に休まず通ってもらうしかない。 だが、春日部市の精神障害者授産施設「おおば」の職員山寺信行さん(32)は「精神障害のある人は日によって気分や調子に波があり、毎日来るのは難しい」と話し、「休まず来る人しか受け入れない施設が今後、出てくるかもしれない」と心配する。同施設では新たな収入確保策として、コーヒー豆の販売事業を始めた。「収入減を少しでも穴埋めできれば」と期待している。 そんな中、報酬が増えた施設も。県南部のある施設は障害の重い通所者が多く、最高額の報酬単価を得られることから数千万円の増収となった。 しかし、最高水準の施設認定を受けるには、利用者1・7人に職員1人の配置が必要。職員を20人近く増やさなければならず、あきらめた。ランクを維持するために、重度の障害者しか受け入れられなくなることも避けたかった。 施設長は自分自身に、こう言い聞かせる。「この人は良し、この人は駄目という選別は、私たちが決してしてはいけないことだ」と。 ●質高いサービスに 人材の担保が必要 朝日雅也・県立大学教授(障害者福祉論) 「障害者が地域で主体的に暮らせるようにするのが本来の自立支援。仕事をすることや福祉サービスの対価を払うことだけが、必ずしも自立ではない。福祉サービスを利用する人がお金を払えばいい、という受益者負担の考え方で本当にいいのか、もっと社会的な議論が必要だ。 障害があることを障害者自身の問題と決めつけるのは誤りだ。同じ時代、社会、地域で生きているのだから、障害者が障害のない人と同じように暮らせるよう手助けするのは社会の役割ではないか。 福祉事業者の安定した経営や質の高いサービスは大切。だが、そこに他の業種と同じ効率や生産性を求めるのは誤りだ。福祉は人材が資源。優れた人材をきちんと担保しないと、良いサービスは成り立たない。福祉従事者の収入は、少なくとも全業種の平均くらいはあってしかるべきだ。」』 . |