2008.07.03 ☆低賃金 介護士いない 老人ホーム開設延期 訪問サービス応じず
 3日讀賣新聞→

  『介護分野の人材難が深刻化し、一部でサービスが提供できない事態が生じている。来年度の介護報酬改定では、給与アップにつながる見直しを求める声が強いが、社会保障費抑制の流れもあり、どこまで実現できるかは不透明だ。団塊世代の高齢化で介護需要の急増が見込まれるなか、人材確保に悩む現場の姿を追った。

  「内定を出しても、介護以外の業種に流れてしまう」
  神戸市内でこの春、特別養護老人ホーム(定員29人)の開設を延期した社会福祉法人「神戸福生会」の中辻直行理事長が嘆く。
市内で五つの特養などを運営する同法人は、手厚い研修で知られ、例年、全国から新卒者が集まる。だが、今年は法人全体で50人の介護職を採用するはずが、34人しか確保できなかった。
  この特養には、約60人の入居の申し込みがあり、中には、認知症で一人暮らしが難しくなってきた人や、病院から退院を迫られていると見られる高齢者もいる。「無理して開設し、職員の負担が増えて退職者が出れば、かえって利用者に迷惑をかける。苦渋の決断だった」と中辻理事長は明かす。

  神奈川県にある定員50人の特養でも今年4月、「腰痛がひどい」「忙しくて思うような介護ができない」などの理由で、正職員の半数にあたる5人が退職した。派遣会社に依頼して何とか人手は確保したものの、「派遣は、派遣会社を通すために高くつくし、夜勤はできないという人もいる。採用を控えたくても、そうも言っていられない状況だ」と施設長は打ち明ける。
横浜市社会福祉協議会が昨年、市内100か所の特養を調査したところ、約2割にあたる18施設が「一部のベッドを閉鎖した」と回答。閉鎖したベッド数は1施設あたり16床に上った。

  「パート職員の平均的な時給(900円前後)は、近隣のショッピングセンターの店員よりも低い。報酬引き下げで、『介護の仕事に未来はない』というメッセージを送り続けているのだから、人が集まらないのは当然だ」と、調査にあたった竹田一雄・高齢福祉部会長は訴える。
状況の厳しさは在宅分野でも同様だ。
  訪問介護大手「ジャパンケアサービス」(東京)の場合、介護職1人にかかる求人コストは、2000年の10万~20万円から、今では約50万円に上がった。訪問看護など13事業所が人手不足などで休止・廃止し、「重度者の訪問介護の依頼を断ることもある」という。


  こうした事態に、舛添厚生労働相は4月に都内の訪問看護事業所を視察した後、「プロであるべき介護士の処遇が良くない。なんとか改定で(報酬を)上げたい」と記者団に語った。先の通常国会では、介護職の待遇改善の検討を求めた「介護従事者処遇改善法」が議員立法で成立した。

  しかし、介護報酬の引き上げは、高齢者が支払う月4090円(全国平均)の介護保険料アップに直結するだけに、慎重論も根強い。膨らむ介護給付費を抑えようと、財務省は5月の財政制度等審議会で、軽度の要介護者を保険から外せば給付費が約2兆円削減できるとの試算を示した。先月閣議決定された「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2008」でも、社会保障費抑制維持が決定された。
政府の推計では、団塊世代の高齢化により、今後10年間で新たに40万~60万人の介護職が必要とされ、外国人介護士の活用の是非も含め、人材確保は待ったなしの状況だ。今後本格化する報酬改定論議で、人材確保と介護の質の向上につながる見直しが打ち出せるのかどうかが、焦点となる。

人材確保 工夫さまざま
  深刻な人材不足に対処するため、現場では、様々な工夫が始まっている。
  東京都世田谷区内の特別養護老人ホーム6施設は先月から、共同で介護福祉士養成校への求人活動に乗り出した。各施設の施設長が分担して関東地方の学校を回り、6施設分のPRをする。8月以降は、区内全17施設が参加する予定だ。

  人事制度の一新などで、38・5%(06年度)だった常勤・非常勤職員の退職率を、30%(07年度)にまで下げたのは、有料老人ホーム大手の「ベネッセスタイルケア」(東京)。介護職でも実力次第でホーム長や本社の管理職へ昇進できることを明確化した。退職を希望する職員に対しては、複数の上司が面談し、慰留することも行っている。

  情報技術(IT)による労務管理システムを使って、人手不足に対応しようという動きもある。訪問介護大手の「やさしい手」(東京)では、身体状況や既往症などの利用者情報と、就労希望時間帯など登録ヘルパーの情報をコンピューターで一元管理。ヘルパーが効率良く利用者宅を回れるようにした。

 埼玉県新座市で在宅介護事業を行うNPO法人「暮らしネット・えん」は、「地域に開かれた介護」を掲げ、利用者や家族、近隣住民が参加する花見やコンサートを定期的に開催している。利用者や地域をよく知ることで職員がやりがいを持ち、30人いるへルパーの離職は年間1~2人程度という。「地域密着型の介護が、人材の定着に結びついている」と小島美里・代表理事は強調する。

  介護報酬 介護保険制度で定められた介護サービスの公定単価。サービス提供事業者に支払われる。報酬額の9割が保険料と税から支払われ、残り1割は利用者が負担する。サービスの種類ごとに単位数が決められており、原則、1単位10円。3年に1度見直される。』
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2008.06.25 ☆“介護崩壊”? (介護職)確保ますます困難
  25日、産経新聞→

  『介護事業者倒産が最悪ペースとなり、人手不足や事業者報酬の引き下げが経営に大打撃を与えている実態が明確になった。重労働に見合う給与を払えないことや、他業種に人を奪われ、介護職の確保はますます難しくなっている。

  介護業界の中では給与水準が比較的高い大手に人が流れる傾向もあり、中小はサービスの提供自体ができずに、行き詰まるケースが少なくないという。

  現行制度では、需要がいくら増えても、報酬単価は国が決めるため、需要増に伴う収入増が見込めるかどうかは政府の方針に左右される。過去2回の報酬改定では全体の水準はいずれも引き下げられ、利益を上げるのは困難で、人を雇うための人件費アップもままならない状況にある。

  来年4月の次回改定で、報酬がまた下がれば状況はさらに悪化。介護職の待遇改善につながる引き上げがなければ、“介護崩壊”に突入しかねない。』
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2008.06.25 ☆「潜在看護師」開業支援の民間団体発足へ(不足)
  25日、讀賣新聞→

  『看護師の資格を持ちながら仕事に就いていない「潜在看護師」などが、訪問看護の現場で活躍できるように支援する民間団体「日本開業看護師会」が、近く発足する。

  会の結成を呼びかけたのは、神奈川県藤沢市の訪問ボランティアナースの会「キャンナス」代表の菅原由美さん。賛同した看護師や医師ら約50人が発起人となり、7月19日に東京・芝の「女性と仕事の未来館」で発会式を開く。
看護師や保健師などの資格を持ちながら業務に就いていない「潜在看護職員」は、全国に約55万人もいる。菅原さんによると、出産・育児で現場を離れた看護師や、定年退職した自治体の保健師などは、自分の技量に不安を感じたり、医師やケアマネジャーらとの連携の仕方がわからなかったりして、現場復帰に二の足を踏んでいるという。

  日本開業看護師会では、そうした悩みの相談にのり、開業などの支援をする。また、質の高い訪問看護を目指して、研修を開き、互いに情報交換を行う。

  菅原さんは、「会を通じてネットワークを築き、多くの看護職員が、訪問看護ステーションを開業して、知識や技術を生かせるようにしたい」と話す。

  高齢社会で、訪問看護ステーションの利用者は年々増えており、厚生労働省によると、2006年は約28万人。00年より約8万人増えている。
その一方、看護職員は不足しており、全国訪問看護事業協会の調べで、訪問看護ステーションの4割が、新しい依頼を断ったり、必要な回数分の訪問ができなかったりしたことがあるという。』
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2008.06.22 ☆日本産科婦人科学会:妊婦の救急体制で部会
  22日、毎日新聞→

  『各地で妊婦の救急搬送受け入れ拒否が相次いだ問題で、日本産科婦人科学会は21日、日本救急医学会とともに、妊婦の救急体制を整備するための作業部会を設置することを決めた、と発表した。厚生労働省は、今春の診療報酬改定で妊産婦緊急搬送入院加算の新設や、危険な出産に応じた加算を認めるなど対応を始めた。だが、産婦人科医が不足し、新生児集中治療室(NICU)も満床状態が続いているため、具体策が求められている。』
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2008.06.22 ☆医師養成数「大幅増を」 医学部長病院長会議が声明
  20日夜、共同通信→

  『政府が従来の医師数抑制方針を転換したことを受け、全国医学部長病院長会議(会長・小川彰岩手医科大学長)は20日、医師不足解消には「抜本的な養成数の増加が不可欠」とし医学部定員増を求める声明を出した。

  同会議は、団塊の世代が80歳前後になる2030年ごろに「患者数が増え医師不足はピークになる」と分析。15年までは定員増が必要とし、今後1カ月程度をかけ増員数を試算、国の財政支援も求めていく。

  文科省は過疎地の医師不足に対応するため、暫定的に定員を増加。本年度から10年間で、地方の医学部定員を最大計395人増やす「緊急医師確保対策」などを実施している。

  声明で国の方針転換を評価したが、小川会長は「医師増だけで問題は解決できない。医療費抑制の政策を転換しないかぎり、医療崩壊は深刻化する」と話した。』
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20080.6.18 ☆道路財源を医師不足対策に…骨太の方針、歳出削減路線は堅持
  18日、讀賣新聞→

  『政府の経済財政諮問会議(議長・福田首相)が17日開かれ、「経済財政改革の基本方針(骨太の方針)2008」の素案を議論した。
福田首相は「(07年度から5年間で11・4~14・3兆円の歳出削減を行うとした)『骨太の方針06』にのっとった削減を継続する」と述べ、歳出削減路線を堅持する意向を強調した。与党との調整を経て、月末に骨太の方針を正式決定する。

 素案では道路特定財源を一般財源化する方針も示され、福田首相は「地方の発展に欠かせない道路を造ると同時に、生活者の目線で使い方を見直す。09年度予算では、医師不足問題や救急医療などの重点課題に充てる」と語った。道路整備に充てる予算を大幅に削減し、社会保障費に充当する考えを示唆したものだ。
具体的な削減額は、今秋から本格化する09年度の予算編成作業で決定する。』
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2008.06.11 ☆救急搬送:「満床」で拒否の病院、半数は「医師不足」 厚労省調査
  11日、毎日新聞→

『◇「常時ベッド空きなし」13%
  満床を理由に救急搬送の受け入れを断った医療機関の半数は、実際には空きベッドがあるのに、医師や看護師などの不足が原因で受け入れできない状況にあることが、厚生労働省のサンプル調査で分かった。「常に満床」と答えた医療機関は1割強しかなく、医師不足が救急医療体制の維持を難しくしている実態が浮かんだ。

  サンプル調査は先月30日に実施。救急搬送に関する総務省消防庁の調査で昨年度、搬送先を探す際に4回以上の照会が必要だったケースの割合が、全国平均の3・9%を上回った東京都や大阪府など10都府県で53病院を抽出し、「満床」と搬送拒否した理由の内訳を聞いた(複数回答)。

  その結果、「病院全体が常に満床」は4カ所、「救急病棟のみ常に満床」は3カ所で、常時救急用のベッドに空きがないのは全体の13%にとどまった。一方、51%に当たる27カ所は「空きベッドはあるが、人手や医療器材が不十分」と回答。「搬送を断るために『満床』と言った」病院も3カ所あった。』
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2008.06.03 ☆医師不足…地域・診療科で偏在
  3日、讀賣新聞→

  『医師不足が深刻化する中、政府が緊急対策を打ち出して1年になる。現場からは、医師の絶対数や派遣制度の見直しなど、抜本的な対策を求める声が高まっている。(社会保障部 本田麻由美)
緊急派遣
盛岡市から東へ約100キロ・メートル。三陸海岸に面する岩手県宮古市にある県立宮古病院では、昨年7月、3人いた常勤の循環器内科医が、大学病院の医師引き揚げなどでゼロになった。地域の心疾患診療が危機に陥ったため、政府の緊急臨時的医師派遣を受けた。

  産科や小児科を中心に問題化した地域の医師不足だが、最近は内科や外科等の医師確保も難しくなるなど、事態は深刻化している。臨時的な医師派遣制度は、こうした状況を受けて政府が昨年まとめた緊急医師確保対策の一つだ。
都道府県の要請を受けて、国の地域医療支援中央会議が派遣の是非を検討し、全国規模の病院グループなどから医師を一定期間派遣する。これまで北海道や大分県など5道県7病院に実施された。

  宮古病院は、盛岡赤十字病院から週1日、済生会横浜市東部病院から週5日、応援を受けた。
だが、約半年の派遣終了時にも常勤医は確保できなかった。現在も、非常勤医に週3日支えてもらう綱渡りが続いており、心疾患の救急は、峠を越え、2時間かけて盛岡へ運ぶ。
「どこも医師不足で苦しい中、地域でやりくりするには限界がある。国の緊急派遣で一番大変な時期を助けてもらったが、一時しのぎではなく、国レベルの恒久的な医師確保対策が必要だ」と、岩手県の担当者は訴える。

養成計画
  日本の医師数は、そもそも少ない。人口1000人当たりの臨床医数(2004年)は2・0人で、経済協力開発機構(OECD)加盟30か国中27位だ。
厚生労働省の検討会が06年7月にまとめた報告書では、04年時点で必要な医師数は、週48時間勤務で26・6万人と推計される。だが、実際に診療している医師は25・7万人で、9000人足りない。休憩などを含む病院滞在時間を勤務時間と考えれば、不足は約6万人に上るとの試算もある。
政府は1973年から、1県1医科大学の設置を目指し、医師数を増やしてきた。だが、86年、「将来、医師が過剰になり、医療費の高騰を招く」との推計が出され、医学部定員の削減へと政策転換。この結果、定員数は、07年度には7625人となり、ピーク時より約8%減った。

環境変化
  医療が高度化・複雑化し、患者に対して-十分に説明するよう求められるようになるなど、医療環境が急速に変化していることも、医師不足の大きな理由だ。入院期間の短縮も加わって、医師1人当たりの負担が重くなり、特に病院勤務医の過重労働が広がった。勤務医が病院を辞めるケースも増え、病院での医師不足に拍車をかけた。
「そこに、04年に新医師臨床研修制度が始まり、大学医局の崩壊も伴って、地域の医師不足を一気に顕在化させることになった」と、真野俊樹・多摩大教授(医療経済学)は指摘する。
それまで新卒医師は、主に大学病院で研修していた。ところが、新制度で研修病院を選べるようになると、都会の民間病院などに人気が集中。人手不足になった大学病院は、地域の病院から医師を引き揚げざるをえなくなり、医師派遣の役割を担えなくなった。
医師の専門志向が進み、専門分野しか診ない医師が増えたことも、地域での医師不足を助長した。診療科別の偏在も大きく、実際に診療に当たる医師の数は毎年3500人程度増えているのに、不足が指摘される産科医は減少している。

対策の効果
  政府が昨年5月に打ち出した緊急対策では、臨時的医師派遣のほか、病院勤務医の過重労働の解消や女性医師が働きやすい環境整備、医療事故の原因究明制度の構築などが盛り込まれた。医学部定員の臨時増も認められ、今年度の入学者は北海道や東北などで168人増えた。
ただし、政府は「2022年以降は医師過剰になる」(厚労省推計)としており、定員増はあくまで10年程度の暫定措置だ。しかも、一人前の医師になるまでに約10年かかり、即効薬にはならない。
小山田恵・全国自治体病院協議会長は、「医師数抑制一辺倒だった姿勢を改めたことは大きな一歩」と緊急対策を評価する一方で、「今、問題となっているのは、病院からの勤務医の流出だ。だが、当直明けの休みを義務付けるといった、実効性のある対策が示されていない」と指摘する。

  兵庫医療大の松田暉学長は、診療科別の医師の偏在にも踏み込んでいないとし、「医師が診療科を自由に選べる日本の仕組みが偏在を助長している。診療科ごとに必要な医師数を算定したうえで、専門医制度と組み合わせ、診療科に定員制を導入するべきではないか」と提案する。
舛添厚労相の肝いりで設置された検討会が、今月上旬にも「安心と希望の医療確保ビジョン」をまとめる。財源の手当ても含め、思い切った対策が期待される。
産科集約で「崩壊」防ぐ…広島・呉
3病院→2病院に

  人口当たりの臨床医数が、全国で唯一減少する広島県。人口約25万人の同県呉市では昨年、二つの病院で勤務医が開業などで退職し、産科の診療が立ち行かなくなった。広島大と県、市医師会に加えて、産科のある市内の別の病院も議論に参加し、3病院の産科を2病院に集約化した。
「あのまま放っておいたら2病院とも産科医療が崩壊していた。“難産”だったが、最終的には住民を含め関係者の理解が得られた」と豊田秀三・市医師会長は振り返る。3病院間で医療機能の役割分担が生まれるなど、副産物もあった。
同県はさらに、人手不足に悩む大学医局だけでなく、地域の臨床研修病院も加えた新たな医師派遣システムを全国で構築するよう厚労相に提案した。
現在の医師不足は、医療資源が有効に活用されていない結果という側面もある。集約化を進めるとともに、大学医局と地域全体が連携した医師配置の仕組みを作る必要がある。

  [プラスα] 日本の専門医制度
日本では、120以上の学会が独自に専門医制度を設けている。ただ、実技審査を行う学会は少ないなど、認定方法や基準がまちまちで、中には看板倒れの場合もあるようだ。
患者数と医師数のバランスを考慮せずに乱造しているとの指摘もある。例えば、日本には心臓外科医が約2000人おり、年5万3000件の心臓手術が行われる。医師当たりの手術件数は、米国の約5分の1、ドイツの10分の1以下。米国やドイツでは、心臓手術を行う病院や医師の数を制限し、医療の質を担保しているからだ。
米国には、育成する医師数を制限する厳格な専門医制度がある。各病院の手術件数により教育できる研修医数が決まり、各診療科に必要な医師数が自然に割り振られる。医師数のコントロールが、医療の質にも大きくかかわっている。

  3つの提案
? 医局に代わる派遣制度の構築を
? 医師増員で医療の高度化に対応
? 診療科、地域ごとに定員を設定


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2008.06.01 ☆県内介護・福祉施設、求人数急増し求職者は低迷/長野
  30日、信濃毎日新聞→

  『(長野)県内の介護・福祉施設の4月の有効求人数が4年前の4倍、1200人台と急増する一方、有効求職者数は200-300人台で低迷していることが29日、県福祉人材研修センター(長野市)のまとめで分かった。「景気回復で他業界の賃金が上がり、比較的賃金の低い福祉分野から人が流れている」とみている。

  同センターは県社会福祉協議会内の組織。6月5日、介護・福祉の関係者でつくる福祉人材確保定着推進会議を発足させ、介護福祉士やヘルパーの資格を持ちながら休職していたり、他業種に流れていたりする人材の確保策などを来年2月までに検討する。

  センターの福祉人材無料紹介事業によると、介護・福祉職の2004年4月の求人数は299人で、361人だった有効求職者数を下回る「買い手市場」だった。それが05年4月、求人数が2・5倍の751人に急増する一方、求職者数は258人と逆転。求人数は07年4月で928人、08年4月で1202人と増え続けたが、求職者数はそれぞれ363人、207人と低迷している。

  介護労働安定センター(東京)が06年度、全国の福祉施設を対象に行った調査によると、正規介護職の平均月給は21万3800円で、時給や日給で働く嘱託、パートになると賃金などの待遇はさらに厳しいとされる。06年度の介護職の離職率は24%で04年度より2・6ポイント増え、人材流出を裏付けている。

  県福祉人材研修センター長の小池正志さんは「人材不足による現場スタッフの過重労働はさらなる離職者の増加やサービス低下にもつながりかねない」と説明。推進会議の発足について「根本的には待遇改善が必要だが、当面できることを考えるしかない」としている。』
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2008.05.29 ☆精神科医、総合病院離れ 病床2割減、閉鎖も相次ぐ
  29日、朝日新聞→

  『地域の中核病院などの総合病院で、医師不足から精神科病棟の閉鎖が相次いでいる。02年から4年間で、精神病床がある病院数は1割、病床数は2割近く減った。総合病院の精神科は、通常の治療だけでなく、自殺未遂者やがん患者の心のケアなど役割が広がっている。事態を重く見た関係学会や厚生労働省は現状把握の調査を検討している。

  日本総合病院精神医学会の調査によると、02年に272あった精神病床を持つ総合病院は06年末に244に、病床数も2万1732床から1万7924床に減った。調査後も休止したり診療をやめたりする病院が続いている。

 廃止になっているのは主に地方の公立病院だ。自殺率が12年連続全国1位で自殺予防に取り組む秋田県でも、精神病床がある八つの総合病院のうち、3カ所が入院病棟を閉鎖中。非常勤で維持してきた外来診療も、大学医局の医師引き揚げで厳しい状況にあるという。宮崎県では、四つの県立病院に十数人いた精神科医が昨年末に3人になった。

  精神科専門の医師数は微増傾向だが、厚労省調査では、この10年で診療所と精神科病院に勤める医師数は増加したのに対し、総合病院などは1割減。夜間休日の救急対応などの忙しさから敬遠されたとみられる。また、他科より診療報酬収入が少なく、経営側に負担感が大きいという。

  厚労省は、精神障害者が入院中心から脱して地域で生活できるよう単科精神科の病床数削減の方針を打ち出した。一方、自殺未遂で入院した患者を精神科医が診察すると診療報酬が加算されたり、がん対策基本法で緩和ケアチームに精神科医の関与が求められたりと、総合病院での精神科医の役割は増している。

  水野雅文・東邦大医学部教授(精神医学)は「イタリアは精神科病院を全廃し、代わりに全総合病院に精神病床を置いた。日本は、精神科病院の病床削減は進まず、総合病院の病床が減るという正反対のことが起きている。総合病院の精神科医療の診療報酬を手厚くするなどの対策が必要だ」と話す。』

■これも調べなきゃな・・・まっててね。
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2008.05.29 ☆医師不足で「お産中止」、東京でも深刻(不足)
  29日夜、TBS→

  『医師不足は都会でも深刻です。東京のある公立病院では、医師不足から今月いっぱいで出産ができなくなります。地域の小さな診療所には、お産を控えた女性が殺到。現場は待ったなしの状況なのに国の医師不足対策は進んでいません。
お産を控えた女性であふれる待合室。ここは、東京・日野市にある個人経営の産婦人科の診療所です。

  2カ月前から突然、出産を希望する女性が殺到するようになりました。8つのベッドは、すでに満床。出産は、ひと月に30件を超える状態ですが、医師はたった1人。「もちろん大変です。オーバーワークだが、できることはしようと頑張っています」(大川産婦人科 大川 豊 院長【61】)

  今年4月、突然、日野市の市立病院が今月いっぱいで分娩を取り止めると発表しました。理由は、「医師不足」。

  「当院を信頼し、予約した妊婦さんに大変申し訳ない」(日野市立病院 熊井浩一郎 院長)日野市立病院で、6月以降に出産を予定していた女性は223人に上りますが、突然、新しい病院を探さなくてはならなくなったのです。
「頭の中がまっ白になって、まさか市の病院が急に・・・」(出産を予定していた高橋郁恵さん)その1人、高橋郁恵さんは、まさに6月に出産を予定していました。

  「5月に産めないかと聞いてしまった」(出産を予定していた高橋郁恵さん)

  日野市立病院以外で、出産ができる施設は市内には2つの診療所しかありません。出産を予定していた女性が殺到した結果、この診療所では、すでに11月まで予約ができない状態になってしまったのです。
「今がもう限界、これ以上減るとお産難民が出る」(大川産婦人科 大川 豊 院長)

  医師不足は今、地方だけではなく、都会でも深刻な状態です。都内の産婦人科医の数は10年間で12.9%減少し、出産できる施設の数も1年間で1割以上減りました。
  渡辺幸子さんは自宅のある横浜でも病院の予約が取りにくくなっていたので、実家のある日野市の市立病院で里帰り出産をする予定でした。「もっと子供が産みやすい社会だったらいいな」(渡辺幸子さん)

  厚生労働省は、医師の増員に向けた数値目標を来月中にも設定するとしています。しかし、財源の問題などから、いまだに具体的な成果は見えてきません。医療の現場は、もはや待ったなしの状況です。』
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2008.05.28 ☆介護の求職者、減少の一途 広島・山口
  27日、中國新聞→

  『介護職への求職者数が、広島、山口両県で2006、07年度と2年連続で減少している。広島、山口両労働局によると、07年度の求職者数(パート含む)は計2万3335人で、05年度の8割まで落ち込んだ。介護報酬の改定による減収、進まぬ待遇改善が背景にあり、深刻な人手不足に陥っている施設もある。

  光市岩田の市介護老人保健施設「ナイスケアまほろば」は、退職に伴う欠員補充のため4月から職員を募集しているが、いまだに応募はゼロ。3人の欠員が続く中、高齢者4人の車いすの移動を1人で担当するケースもある。
  全国老人保健施設協会(全老健)=東京=が昨年6月、916の介護施設を対象に実施した調査では、37%が「なかなか応募がない」と回答した。

  広島、山口両県の07年度の介護職の平均有効求人倍率は1.9倍。ただ、計4万6564人の求人数のうちパートが47%を占め、求職者側から敬遠される一因にもなっている。』
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2008.05.21 ☆社会福祉系大学で(も)志願者離れ
  21日夜、キャリアブレイン→

  『福祉現場の人材不足が深刻化し、担い手の養成や確保が重要な課題になりながら、社会福祉系大学への志願者が2005年をピークに大幅に減少していることが、5月20日までに分かった。大手予備校・河合塾(名古屋市)の集計では、社会福祉系大学への今年春の志願者は約3万4800人で、昨年に比べ2割近く減少。低賃金で劣悪な労働条件にある福祉職を学生が敬遠しているとみられ、若者が生涯の仕事として福祉職に魅力を感じる施策を国が早急に打ち出すことが求められている。

  関係者約700人を集め、東京都内で18日に「福祉関係者共同フォーラム」を開いた実行委員会などによると、福祉労働者の賃金は正規職員でも月額十数万-20万円程度。全産業の約6割にとどまり、若年労働者の多くは年収200万円未満の“ワーキングプア”の状態に置かれている。介護職の場合、離職率は20.2%に上り、全産業平均の17.5%を上回っている。

  こうした状況を反映し、社会福祉系の大学や専門学校で社会福祉士や介護福祉士などの資格を取得しても、「将来に展望を持てない」という理由で福祉職に就かない学生が増えている。社会福祉学科では有数の歴史を持つ都内の私立大では、学生の7-8割が社会福祉士の資格を取得していたが、約2年前からは4割程度にまで落ち込んでいるという。

  社会福祉系大学への志願者減少の背景には、卒業後の進路に対する不安があるとみられる。河合塾によると、社会福祉系大学への志願者は05年をピークに次第に減少。社会福祉系の学科などを設置している全国の大学のうち、104私立大について今年の一般入試の延べ志願者数を調べたところ、3万4807人と昨年の4万2799人に比べ18.7%も減っている。

  河合塾の話では、長引く不況から大企業などが求人を絞っていたころは「将来に備えるという目的で、学生の間に『資格志向』が根強く、介護福祉士や社会福祉士を取得できる社会福祉系の大学は人気が高かった」という。しかし、企業の業績が回復し、新卒への門戸を広げ始めた2-3年前から、様相が一変。社会福祉系への志願者が減り、就職時に選択の幅が比較的広い経済学部や法学部などの人気が高まってきている。

  河合塾では「福祉職の厳しい現状を報道などで知り、そのような現場で働くことが想像以上に大変だと、受験生の意識が変わった面もあるのではないか」とみている。』

■近日中に、独自集計したいと思います・・・・(ぶるま)
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2008.05.21 ☆医師不足:離職医師復帰進まず 県研修制度も2年で1人、「女性の応募期待」/静岡
  21日、毎日新聞(静岡)→

  『医師不足が深刻になる中、県が単独で実施している、離職した医師の現場復帰を支援する研修制度の利用が進んでいない。制度導入から今年で3年目になるが、過去2年間での利用実績は1人だけ。県が離職した医師に直接働きかけたくても、個人情報の壁があり、有効な手立てがないのが現状だ。「病院や医師会を通じて、制度利用の協力を呼びかけていきたい」と話している。

  制度は、出産や育児のために離職したり、定年退職した医師を対象に、県内の病院で30日程度、患者の診療などの研修を行うという内容。県が応募者の希望を聴いて、研修先の病院をあっせん。研修後に、その病院と条件が合えば就職してもらう。
初年度に、呼吸器内科の女性医師1人が研修を経て、県内の病院に就職したが、昨年度は応募がゼロ。「募集は非常勤も含めている。特に女性医師の応募を期待しているのだが……」とお手上げ状態だ。
  今年度も来年1月まで募集する。』
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2008.05.19 ☆医師不足 深刻さ訴え 地域医療フォーラムに300人 奈良
  19日、讀賣新聞(奈良)→

  『医師不足や医療費の抑制などの問題を取り上げる政策フォーラム「地域医療を考える」(連合奈良主催、読売新聞社など後援)が18日、奈良市の市ならまちセンターで開かれ、約300人が専門家の意見に耳を傾けた。
  医師で民主党の梅村聡参院議員が「地域医療崩壊の背景」と題して基調講演。「医療費抑制のほか、医師不足が地域医療に深刻な影響を与えている」と指摘した。

  その後、沢井誠・大和高田市立病院検査技師や辻昌英・読売新聞大阪本社社会部次長ら4人がパネルディスカッション。沢井技師は「昨年に比べ医師が4人も減った。医師がいない現実を何とかしてもらいたい」と訴え、連合本部の飯倉裕之さんは「正常分娩(ぶんべん)でもハイリスクになりうる。保険適用が必要。低所得層も妊娠検査でき、より健全な医療につながる」と述べた。』
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2008.05.15 ☆医師不足対策に道路財源を活用・厚労相が要求
  15日、日本経済新聞→

  『舛添要一厚生労働相は14日、私的懇談会の「安心と希望の医療確保ビジョン会議」を開催し、医師の増員などを柱とする同ビジョンの骨子を公表した。厚労相は「道路特定財源の一般財源化はチャンス」と述べ、対策の実行に必要な財源を道路予算に求めていく方針を明言した。厚労相には医師不足対策を突破口にして、社会保障費を毎年2200億円抑制する政府目標を修正する狙いがある。
  舛添厚労相は「高度な政治判断が必要なため福田康夫首相とも話して決定する」と述べ、政府全体の政策として5月末にもビジョンを打ち出す考えを示した。医大の定員などを所管する渡海紀三朗文部科学相とも調整するという。さらに「ねじれ国会のため、野党も含めたコンセンサスを得たい」と踏み込んだ。
  骨子には医師の養成数に数値目標を設定することや、女性医師の離職防止・復職支援などの政策を打ち出す方針を明記した。医師数を単に増やすだけでなく、地域や診療科ごとの偏在を解消するほか、幅広い疾患を全体的に診る「総合医」も育成するとした。』
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2008.05.14 ☆リンクスタッフ 外国人医師を仲介、中国などから年50人
  14日、フジサンケイ・ビジネスアイ→

  『医師や看護師の転職紹介で最大手のリンクスタッフ(東京都港区)は、日本語のできる外国人医師を日本の総合病院に仲介するサービスを開始する。深刻な地方の医師不足に対応し、雇用のミスマッチを解消するのがねらい。「臨床修練制度」と呼ばれる外国人医師の日本での研修・実習制度を利用する。第1弾として今月19日から中国人医師の金龍学氏を北福島医療センター(福島県伊達市)に招聘(しょうへい)する。年末までに中国、イラン、バングラデシュなどから約14人を、今後は年間50人程度を紹介したい考え。

  中でも中国人医師の需要が高いとみて、日本語教育が充実し、医薬などを重点産業とする東北3省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)の医科大学に近く、奨学金制度を創設し、人材確保のネットワークも構築する。

  奨学金の規模は1カ所で約1000万円で、来日する医師1人当たり、年間60万円を支援し、“報酬”に相当する残りの生活費などは受け入れ先の医療機関が負担する仕組みとしたい考え。1大学年間15人を支援する方向で、現在数カ所の医科大と交渉している。外国人医師はロシアなども検討しているが、中東などをはじめ世界的に医師需要は高まっており、将来的には優秀な医師の争奪戦になる可能性もあるという。

■地域医療充実へ
  日本は、他の先進国に比べ医師の総数が少ない上に、若い医師が深夜勤務など勤務条件が厳しい産婦人科や小児科を避け、条件が緩やかな皮膚科などを選択するケースが増加。産科医療機関では分娩(ぶんべん)休止や制限に追い込まれるケースも少なくない。

  臨床修練制度を活用すると日本での医師免許や予備免許がなくても、助手として手術などの医療行為ができる。これまでに岩手医科大が中国医科大と提携し、同制度活用で、中国人医師を招き、医療現場の戦力として貢献してもらった実例がある。

  リンクスタッフは、転職希望の医師仲介サービスのパイオニアだが、総合病院の広告を掲載しても紹介医師の開拓には限界がある。「産婦人科や小児科医の魅力をアピールし直すことで潜在需要を開拓しているが、自ら外国人医師ら新規需要を発掘する必要がある」(杉多保昭社長)と、外国人医師紹介サービスで差別化を図りたい考え。


【用語解説】臨床修練制度
 日本の医師免許がなくても、一定条件下で、処方箋(せん)以外の診療を伴う研修を認める制度。期間は最大2年。新潟県は昨年、辺地で外国人医師を活用できる構造改革特区創設を政府に求めたが、政府はこれを認めず、現行制度で対応するよう指示。このため、地方の医師不足を補う手法に期待されている。ただ、ビザ(査証)名目が研修・留学で、診療対価として報酬は受け取れない、指定病院が限定されるなど、問題もある。 』
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2008.05.14 ☆厚労省が医師増員に数値目標 女性医師に離職防止策
 14日午後、讀賣新聞→

  『厚生労働省は14日、今後10年程度の医師不足対策の方針を盛り込んだ「安心と希望の医療確保ビジョン」の骨格をまとめた。
勤務医の過重労働の解消に向け、医師の増員に関する数値目標を設ける。全国的な減少が続く産婦人科医と小児科医の増員を盛り込む見通しだ。月内に正式決定する。

  産婦人科医は2006年で1万74人。10年前と比べ約1割減っている。このため、「ビジョン」では、医師国家試験合格者の約3分の1を占めながら、結婚や出産で離職する例が多い女性医師の活用が不可欠として、院内保育所の整備促進や交代勤務制の導入といった支援策を打ち出す。

  地域や診療科によって医師数の偏りが大きいため、医師配分のあり方も明記する。軽症で不急の患者の利用が目立つ夜間・救急医療の適正化にも取り組む。医師と看護師、助産師、薬剤師が行える業務範囲を見直す必要性を訴え、人的資源の効率活用を目指す方針だ。』
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2008.05.14 ☆介護の現場 人材不足深刻 制度検討委15日発足 福岡県介護福祉士会 「地方から打開の声を」
  14日、西日本新聞→

  『介護の現場で、人材不足が深刻になっている。この現状を打開する手掛かりを地方の現場から探ろうと、福岡県介護福祉士会(約3200人)は15日、「制度政策検討委員会」(委員長・信友浩一九州大学大学院教授)を発足させる。8月上旬には意見をまとめ、厚生労働省などに提出するほか、市民にも現状を広く知ってもらう行動を検討するという。 (酒匂純子)

  初夏の日差しを避ける白い帽子と、新緑の茶葉が眩しい
  同会の因(いん)利恵会長(61)は現場に広がる危機感を強調する。「現場からは悲鳴が上がっている。何とかしなければ、このままでは介護職はいなくなってしまう」

介護保険制度が導入されたのは2000年。介護労働者は増えたものの低賃金や過重労働により離職者が増え、それにより残った労働者にさらに負担がかかる、という悪循環に陥っている。介護労働安定センター(東京)の2006年度介護労働実態調査によると、ホームヘルパーについて不足していると答えた事業者は63.1%、施設などで働く介護職員については45.2%に上った。

因さんが懸念しているのは、燃え尽きて現場を離れる若者たちが後を絶たないことだ。ある男性の介護福祉士はタクシー運転手に転職した。結婚して子どもが生まれたが、「育てられる給料じゃない」からだ。今春から施設で働いている大卒の介護福祉士は、月給が手取りで約13万円。同僚と2人暮らしで、風呂に湯をためないなど節約生活をしている。

介護労働者の賃金は介護保険制度下の介護報酬に制約されており、昇給には限界がある。委員会は介護施設関係者や現場で働く介護福祉士、県職員など9人で構成。来年度が3年に一度の介護報酬改定に当たることから、現状を改善する改定になるよう、働き掛ける。

因会長は「私たちはお年寄りの命と生活を預かっている専門職、と自負している。せめて一般職並みの給与で、介護の仕事に生き生きとかかわりたい」と語っている。

●離職率2割超す 低賃金…潜在化する労働力
介護労働の現場では、高い離職率が問題視されている。全産業で16.2%の離職率は、介護分野では20.3%(施設などの介護職員24.0%、ホームヘルパー15.0%)に上る。

要因の1つに低賃金がある。厚労省の2006年賃金構造基本統計調査によると、男性一般労働者の月給(支給額)は全産業で37万2700円なのに対し、福祉施設介護員が22万7100円、ホームヘルパーは23万600円。勤続年数も全産業13.5年に対し、各4.9年、3.9年と短い。女性はこの差が縮まるが、傾向は同じだ。介護福祉士のうち4割にあたる約20万人が介護分野で働いていないという「潜在介護福祉士」の問題もある。

国は04年に約100万人だった介護労働者が、14年には140万-160万人必要と見込んでいる。現在、年間10万人ほど増加しており「将来の需要増に必要な介護職員の確保は可能だが、定着化のための取り組みが重要」としている。』
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2008.05.11 ☆6割強が慢性疲労=腰痛、肩こり…人不足も深刻-介護現場を全国調査・日本医労連
  11日、時事通信→

  『介護現場で働く人の6割強が慢性疲労を感じ、十分な福祉サービスが提供できていないと考える人の7割強が人員不足を理由に挙げていることが11日、病院や福祉施設などの職員らで構成する日本医療労働組合連合会(東京都台東区)の全国調査で分かった。

  調査は昨年12月中旬から3月上旬にかけ実施。調査票2万5000枚を送り、介護施設や養護施設などで働く職員らから6818枚の有効回答を得た。回答者は女性が約8割、ヘルパーなどの介護職が約6割、看護職が2割弱などだった。

  その結果、「健康の不安」を感じる人が過半数を占め、特に「疲れが翌日に残る」(43.2%)と「休日でも回復しない」(18.1%)を足した6割強が慢性疲労を訴えた。具体的な体調不良は、複数回答で腰痛(53.9%)、肩凝り(51.1%)、手荒れ(40.8%)などだった。』
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2008.05.10 ☆充足率6割切れ?介護福祉士養成校
  9日昼、キャリアブレイン→

  『日本介護福祉士養成施設協会の田中愽一副会長兼理事は5月8日、国内に2434校(定員計2万5577人)ある介護福祉士養成施設の充足率について、「2008年度には60%を切るのでは」と述べ、介護職に就くために養成施設に入学しようとする学生がさらに減るとの見方を示した。厚生労働省の「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」(座長・大橋勇雄中央大大学院教授)でのヒアリングで述べた。

   介護福祉士の資格を取得するには、高校を卒業後に2年以上(福祉系大学などを卒業の場合は1年)養成施設に通う方法と、国家試験を受験する方法とがある。養成施設ルートの場合は卒業と同時に資格が得られ、学費は2年制で約200万円。
  同協会の調べによると、養成施設の定員に対する入学者の割合(充足率)は、介護保険制度が発足した2000年度には90%にまで上がったが、以降は年々低下し、07年度には70%弱にまで下がった。今年度はまだはっきりした数値は出ていないが、田中副会長は「60%を切るのでは。大変厳しい状況だ」と述べ、養成施設への入学を考える学生が減っている現状に懸念を示した。

  田中副会長は学生の応募が奮わない理由として、低賃金やそれに見合わない重労働など、介護職の現場が労働環境として厳しいという認識が高校の指導現場に行き渡っており、進路に選択しないよう教師が勧めていると指摘。「社会的認識を変えなければ、なすすべがない」と述べた。

  田中副会長は介護職に対する社会的認識を変えるための方策として、▽介護福祉施設の定員の半数以上を介護福祉士にするなどの配置基準の新設▽資格給のアップ▽実習費用の個人負担の免除-などが考えられるとした。

  職場への定着促進策については、「夜勤は宿直ではない。おむつ交換や徘徊(はいかい)への対応があり、亡くなる人もいる。2,3人で何十人を見るのは不可能」と訴え、夜間の介護職の配置を増やせるような介護報酬上の評価を求めた。また、介護職には若い女性が7-8割を占めているものの、小規模事業所などでは産前・産後休暇や育児休暇などが取れないため、出産や育児への支援体制の整備も要請した。また、厚労省が昨年度から検討を開始した、認知症など専門分野で認定する上級資格の「専門介護福祉士」の創設について、「ぜひやってほしい」と述べ、介護福祉士のキャリアパスに組み込むよう要望した。

  これに対し、同研究会の河幹夫委員(神奈川県立保健福祉大教授)は、養成施設の充足率の低下や、卒業生と就労現場とのミスマッチなどについて、「看護の世界の15年前の状況と重なっている」と指摘し、看護の市場を参考にする必要性を示した。』
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■関連 『介護福祉士、国家資格でも10週間の実習費は自己負担とは!-厚労省会議』(ケアマネジメント・オンライン)
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2008.05.04 ☆介護福祉士、養成大8割定員割れ…低賃金などで敬遠
  4日、讀賣新聞→

  『介護福祉士を養成する全国の4年制・短期大学で、養成課程入学者の定員割れが相次いでいることが、読売新聞の全国調査でわかった。回答のあった大学の8割で今春入学者が定員割れとなり、ほぼ半数で定員充足率が50%を下回っていた。
各大学は、介護職が「低賃金・重労働」といわれることや、コムスン問題の影響を指摘。養成課程から撤退する学校もあり、介護保険を支える人材の不足が深刻化しそうだ。

  介護福祉士は、高齢者や障害者の介護を行う国家資格で、全国で約64万人いる。介護保険の導入に伴って各大学が介護福祉士の養成課程を開設し、国の指定養成施設の大学は全国で約150校にのぼる。調査は4年制・短期大学計80校を対象とし、うち51校が回答。51校の同課程入学者は2005年春の3273人をピークに3年連続で減少し、今春は05年より30%少ない2266人。42校で定員割れが生じ、25校で定員充足率が50%以下となった。

  九州のある大学では定員40人に対し入学者はわずか4人で、近畿の短大も定員50人に入学者は7人。今春の定員充足率が7割の北海道の大学は、来年度の募集中止を検討している。

  各大学は定員割れの理由について、「社会的地位が低い」「コムスン問題で業界イメージが悪化した」とし、奨学金を受けた学生が「介護職の賃金では返還できない」という理由で一般企業に就職した大学もあった。日本福祉大(愛知県)の担当者は「高校の進路指導の選択肢から介護福祉士が除かれつつある」と嘆く。

  危機感を抱く4年制大学は年内にも、「介護福祉士養成大学連絡協議会(仮称)」を発足させるが、厚生労働省は「養成施設対策は手つかずで、今後取り組むべき問題」としている。』
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2008.05.04 ☆医師不足、勤務医の低月給-疲弊する勤務医の実態(不足)
3日、産経新聞→

  『医療の最前線に立つ勤務医が疲れ果てている。現場からは医師不足による過重労働が原因との声が上がっているが、国は負担軽減を図る“特効薬”をいまだに示せていない。
医師への過度な負担が医療行為の「質」に影響を与えるのは必至で、医療崩壊につながるとの懸念は絶えない。
厚生労働省によると、日本の医師数は推計25万7000人(平成16年)。内訳は病院の勤務医が16万4000人、開業医(診療所勤務の医師を含む)が9万3000人となっている。

  世界保健機関(WHO)が平成18年に発表した報告書では、人口10万人当たりの日本の医師数は198人。
これに対しフランス337人、イタリア420人、スペイン330人、ロシア425人-など。
日本は経済協力開発機構(OECD)に加盟する30カ国中27位(2004年)と圧倒的に少ない。
日本は総数で加盟国平均の38万人に約12万人も足りない。
日本の大学医学部の入学定員は約7500人で、引退や死亡した医師を差し引くと、毎年約4000人の増加にすぎず、加盟国平均に達するには30年以上かかると試算されている。
医師不足が特に深刻なのは産科と小児科だ。産科医は6年に1万1400人だったが、16年は1万600人と減少した。
小児科医も6年に1万3300人だったのが16年に1万4700人とわずかに増えただけで、現状の勤務実態に比べ、あまりに貧弱だ。

  医師不足顕在化の背景には、国が長年にわたり医療費抑制策を推進してきたことがある。
しかも16年に始まった医師免許取得後2年間の臨床研修必修化に伴い若い研修医が都会の病院に集中、大学病院の医師確保が難しくなり、大学から各地の中核病院に派遣されていた医師の引き揚げが相次ぎ、医師の「偏在」という新たな問題も生まれた。
厚労省によると、病院常勤医の勤務時間は、労働基準法による法定労働時間(40時間)を大幅に上回る週平均70・6時間。
社団法人日本病院会が実施したアンケートでも、宿直を除く一週間の勤務時間は「44時間以上」が83・4%で、「40時間未満」は4・1%にとどまった。
  また1カ月の宿直回数も「3〜5回以上」が57・9%に達した。

  一方、厚労省が昨年10月に公表した医療経済実態調査によると、勤務医の平均月収は国公立病院などが102〜119万円で、民間病院は134万円。
  これに対し開業医は211万円と勤務医の平均月収の約1・6倍も高かった。
  こうした現状を踏まえ、国は今年度の診療報酬改定で、医師不足が深刻な病院診療科に対し、計1500億円の重点配分を決め,「医師の偏在が原因」とした従来の見解も改め、「絶対数が不足している」と軌道修正した。
  福田康夫首相は5月中にも医師不足の緊急対策をまとめる方針を打ち出している。』
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2008.05.01 ☆介護現場の人材不足の解決を目指す /富山
  30日午後、KNB北日本放送→

  『介護現場の慢性的な人材不足の解決を目指す(富山)県の会議が30日開かれ、今年夏までに実態調査を行い、10月ごろをめどに人材確保対策をまとめることにしました。

  福祉施設では、現場の業務が多様化しているうえ、労働条件が厳しいことなどから職員の平均勤続年数が5年足らずと全職種平均の半分程度にとどまっています。

  また県内の介護福祉士養成校では、今年春の定員充足率が62パーセントとこの5年間で最低となっています。
  この実情を受けて県は人材の掘り起こしから教育・職場への定着まで一連の対策を立てて人材を確保する計画です。

  30日の会議では、このあと6月下旬までに県内850の福祉施設や事業所を対象に職員についてのアンケートを実施したうえで、10月ごろまでに人材確保策をまとめることを話し合いました。』
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2008.04.28 ☆「臨床研修病院削減」は医師不足助長 指定取り消しに反発
  28日夕、キャリアブレイン→

  『医学部を卒業して国家試験に合格した新人医師に2年間の研修を義務付けている「医師臨床研修制度」が、今年4月に改正された。研修医を2年以上受け入れていない病院では、臨床研修病院の指定を取り消されることになったが、これでは「研修病院の“削減”につながり、全国的に深刻化している医師不足を助長する」と、医療関係団体が批判している。

  医師の臨床研修については、2004年4月に同制度が施行。医師免許取得後の2年間、臨床経験を積むことが義務化され、医師は全国の研修病院から研修先を選択できるようになった。
  しかし、設備が整って待遇も良い都市部の民間病院などに研修医が集中する一方、地方の大学病院などで医師不足が深刻化するといった問題が起こっている。

  厚生労働省は今年4月、研修プログラムの質の向上などを理由に制度を改正。臨床研修病院について、「2年以上、研修医の受け入れがないとき」には指定を取り消すという要件を盛り込んだ。また、3月26日付の医政局長通知では、「原則として、当分の間、臨床研修病院の新規指定及び研修医の募集定員の増員を行わない」ことも示している。

  これに対し、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)では「医師不足対策には、国が医師の絶対数を増やす決断をし、研修病院の充実を図るべき」と指摘。新たな指定取り消しの要件について、「地方の臨床研修病院を減らすことになり、医師不足を助長する」と批判している。
  また、新規指定や定員の増員をしないことについても、「新たに医師養成に挑戦しようという医療機関は歓迎すべきで、それを遮るような方針は不適当だ。研修制度を改正するなら、より良い医師研修を目指して、プログラムの審査や改善、財政的援助をするべき」と、研修病院の指定取り消し要件などの撤回を求めている。」
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2008.04.23 ☆女性医師つなぎ止めろ 産婦人科 出産、子育て…離職
  23日、産経新聞→

  『産婦人科の医師不足が叫ばれて久しい。急なお産に対応するため昼夜を問わない多忙さに加え、女性医師が自分の出産や子育てなどを理由に離職してしまうことが、医師不足に拍車をかけている。女性医師の不足を男性医師で補おうという声はあるものの、女性医師を求める女性特有の患者心理は根強い。女性医師をつなぎ止めるためには、子育て支援などさまざまな課題の解消ができるかにかかっている。(柳原一哉)


  「産婦人科は近年、女性医師のなり手が急激に、しかも一貫して増えているのだが…」。横浜市内で今月開かれた日本産科婦人科学会の総会・学術講演会。シンポジウムで壇上に立った北里大学医学部産婦人科学の海野信也教授は、こう切り出した。
学会所属の医師を性別でみると、20代で約70%、30代で50%は女性が占めており、産婦人科医のなり手は女性が圧倒的に多いのが最近の傾向だ。ところが、40代では逆転し、女性は約30%に激減。さらに50代以降では約10%と女性と男性の比率は1対9となる。海野教授は、この傾向は女性医師が40代を境に出産や子育てのため離職を余儀なくされていることを示していると指摘する。
  少子化の影響で平成18年の出生数は2年と比べ10%近く減少。これに対し産婦人科の医師数は30%近く減っており、出生数より医師数の方が落ち込みが激しい。産婦人科医1人当たりの出生数も2年の90人から18年は110人へと増加、負担が急増していることがうかがえる。

  海野教授によると「計算上は毎年約180人の産婦人科医が減っている」という。このため、男性医師のなり手を増やし、いびつな構造を解消する必要性があると指摘する。シンポジウムでは、ある大学教員が「男子学生から『(男性が)産婦人科に入局してもよいのか』と尋ねられ、(誤った先入観に)ショックを受けた」と明かし、学生や研修医らの意識改革が必要と訴えた。
  ただ、産婦人科の患者である女性は女性特有の症状や悩みを抱えている。横浜市の専業主婦(38)は「まだ病気と決まったわけではないときに、病院で男性医師から検査を受けるのは恥ずかしい」と話す。乳がんを減らすピンクリボン運動を続けるNPO法人「J・POSH」の松田寿美子事務局長も「気持ちを分かってもらえる女性医師に診てもらいたいのが女性の患者心理」と代弁する。

  女性特有の疾患などを女性医師が診察する「女性外来」や「レディースクリニック」が広まっていることからも、男性の産婦人科医を単に増やせばいいという問題でもないのが実情だ。
  岡山大学の関典子助教は「女性の産婦人科医が働きやすい職場作りが急務。院内保育所の充実をはじめ、定時帰宅制の導入、当直も子育て中の女性医師に配慮したものにすることが必要」と訴えている。』
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2008.04.20 ☆激務の病院去り個別出張、フリー麻酔医が増加
  20日、讀賣新聞(関西)→

  『特定の医療機関に所属せず、個別に病院に出向いて手術時の麻酔を請け負う「フリー麻酔科医」が増えている。激務や待遇への不満から退職する勤務医が相次ぐ中、空前の売り手市場になり、年収5000万円を超える医師も少なくない。病院の多くは「手術ができないと死活問題」だけに、需要は高まる一方だが、「後進の指導や術前術後の患者管理など大切な仕事が忘れ去られる」と危ぶむ声もある。(社会部 竹村文之)

  「引っ張りだこで目が回るほど」。男性医師は、大阪、兵庫の民間5病院で手術をかけもちする。麻酔の診療報酬(通常6万1000円)から一定割合を受け取る契約だ。別の病院の急な依頼と合わせ、年間約700件をこなす。
私立医大を卒業後、6年間所属した医局には、外部の病院から出張の依頼が次々寄せられた。「これなら仕事に困らない」と6年前に独立した。休日も関係なしに依頼があるが、収入は以前の2〜3倍に。「勤務医時代は自分のペースで働けなかった。自分の腕で地域医療に貢献する誇りも失っていない」と胸を張る。

  昨年初めに独立した大阪府内の30代の男性医師も、契約する民間3病院のほか、緊急の依頼も受け、1年で300件をこなした。売り上げは約6000万円で、以前の病院の給料の4倍。事務所や秘書などの経費もかかるが、「究極のバブル状態」という。
厚生労働省の2006年の調査では、全国の麻酔科医のうち、病院勤務は5763人で04年より235人減った。一方、診療所は446人で47人増え、この中には名目だけ開業したフリー医師もいる。どちらにも集計されない完全なフリーも相当数いると見られる。
三重大病院(津市)では05年9月、常勤の麻酔科医14人中9人が一気に退職。現在は7人になったが、手術は年間約8000件にのぼり、フリーを含む非常勤の8人が貴重な戦力だ。
  済生会吹田病院(大阪府吹田市)も週に数回、フリーに頼る。

  麻酔科医を専門にあっせんする業者も現れた。昨年3月設立の「アネステーション」(大阪市中央区)には約60人が登録。緊急の依頼も月に約20件ある。「京阪神なら1時間以内に待機中の医師が病院に到着できる。定期的に来てほしいという病院も多い」という。
厚労省医政局指導課「実態は正確には分からないが、フリー麻酔科医はかなり増えているようだ。医学の進歩で、他科の医師では難しい麻酔も多くなり、病院の麻酔科医不足は深刻な問題だと考えている。」
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2008.04.19 ☆【厚労省のカルテ】医師不足消えぬ現場の悲鳴
  18日、産経新聞→

  『「馬1頭あげます」。柳田国男の民俗学研究で知られる岩手県遠野市が、昨年からユニークな医師募集を始めている。市内唯一の公立病院である遠野病院に来てくれる医師に、地元で育った馬1頭(500万円相当)を与えるというのだ。
「それだけ医師不足が深刻ということ」と市の担当者。入院と外来合わせて、一日平均820人の診察をこなす遠野病院だが、常勤医師は9人しかいない。「とりわけ産婦人科、整形外科、循環器科は遠方からの応援医師だけで対応している状態。診療日が週1日しかない科目も多い」
  奇抜な募集策への応募はまだない。「むしろ、現場医師から『金やモノではつられない』といった反発も少なからずあった」と担当者は苦笑する。
  医師不足への同様の悲鳴は全国から聞こえてくる。とりわけ地方の状況は厳しい。医師用に住宅を用意したり、報酬とは別に研究費を用意するところもある。

  一方で、厚労省は「医師不足なのではなく医師偏在だ」という姿勢を長くとってきた。人口減などを見越した医師数の将来推計で、「平成30年代には医師数が過剰になる」といった見通しが根拠になっている。医師増加が医療費の増大になるという理由で、医学部定員を削減した時期もある。

  厚労省は研究機関「国立社会保障・人口問題研究所」を持つ。人口や社会保障費の推移は、ここで科学的に分析され、厚労行政の将来像をつくる際の根拠となってきた。』

■ □ ■
  医師不足に関しても、10、20年といったマクロでみた統計では、確かに厚労省の見通しに間違いはないのかもしれない。だが現場の悲鳴は、「大病院を頼りたがる国民気質」「訴訟リスクのある診療科を避ける医師気質」「過酷な勤務環境」「都市の病院を好む研修医の流れ」といったところに起因している。これらは人口や社会保障費の推移からは見えてこない。

  厚労省がそういった現場の実情を直視し始めたのは、ごく最近のこと。18年7月にまとまった報告書で、「医学部定員の暫定的調整」「大病院への患者集中軽減」といった提言を打ち出したのが転機となった。しかし、それとて実現させるにはいくつものハードルがある。
地域医療問題を研究している東北大の伊藤恒敏教授は「厚労省の政策は付け焼き刃的で、合理性や一貫性がない。厚労省は現場の声を知らなすぎるから、実態と離れた政策が出てくる」と批判する。

  ある厚労省幹部は「現場で起きている問題を細かくとらえて、早くに政策を見直す必要性があったのかもしれない」と漏らす。
厚労省と医療現場にある隔たりに敏感に反応しているのが、患者である国民や医療関係者らの声を拾っている国会議員たちだ。2月に立ち上がった「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」には超党派で100人を超える議員が名前を連ねた。鈴木寛議連幹事長は「医療の現場からは悲鳴にも似た声が届いている」と話す。

■ □ ■
  3月末に開かれた議員連盟の会合。厚労省が4月から実施される医療関連政策を説明した。だが、医師不足がどうなるのか、勤務医の労働状況がどう変わるのかといった具体像が見えてこない。「勤務医の労働条件をどうするかは、われわれは触ることはできない。今回加算された診療報酬をどう使うかは、病院経営者の判断だ」と厚労省幹部。

  議連の仙石由人会長代理がこう切って捨てた。「隔靴掻痒(かつかそうよう)の感がある。病院の現場のことは知らないというのか」
厚労省側の反論はなかった。』
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2008.04.16 ☆865議会が医師・看護師の増員求める意見書
  16日夜、キャリアブレイン→

  『医療従事者の不足により、病院の病棟閉鎖や診療科の縮小が各地で相次ぐ中、全国1,858地方議会のうち865議会が、医師や看護師などの増員を求める意見書を採択していることが、4月16日までに明らかになった。昨年の通常国会では、「医師・看護師など医療従事者を大幅に増員する」などの請願が採択されており、医療現場の人手不足を解消するための具体的な対策が求められている。

  医師や看護師の不足については、日本医療労働組合連合会(日本医労連)が昨年、アンケートを実施した。
  医師については、病院の約7割で実際に減っており、約9割が不足を感じていると回答。8割を超える勤務医が32時間の連続勤務を月3回も行っており、このうち3割以上が“過労死ライン”とされる月80時間以上の時間外労働を強いられていた。5割超の医師が「辞めたい」と考えており、女性医師の6割以上が妊娠時の異常を経験していることも明らかになった。
また、看護師では「十分な看護が提供できている」との回答は1割にも満たず、8割近くが「辞めたい」と考えていることも分かった。

  こうした医療現場の過酷な実態を踏まえ、日本医労連が全国の地方議会に対し、医師や看護師などの増員を求める請願活動を展開。これまでに32道府県議会と833市区町村議会の合わせて865地方議会が意見書を採択している。

  これを都道府県別に見ると、北海道が113議会(道議会を含む)で最も多く、以下は長野県の69議会(県議会を含む)、沖縄県の53議会(同)、秋田県の51議会(同)、高知県の50議会(同)などの順。
意見書の採択率は、岡山県が96%(28議会のうち27議会)で最も高く、以下は奈良県の95%(40議会のうち38議会)、鳥取県の80%(20議会のうち16議会)などの順だった。

  日本医労連では「医師・看護師不足を放置したままでは、地域医療が崩壊してしまう。意見書が各地で採択されているのは、危機感を抱いている地方の声の表れだ。国会で採択された請願に基づいて、医師や看護師を大幅に増員するための施策を早急に進めるべき」と訴えている。』
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2008.04.16 ☆年金保険料過払い、厚労省「全額返還」 民主が法案提出後
  16日夜、朝日新聞→

  『厚生労働省は16日、国民年金の加入者で、40年を超えて保険料を払った人に、過払分を全額返還すると発表した。これまでは制度がないとして返還を拒否していた。舛添厚労相は「5月1日ぐらいまでにはすべての社会保険事務所で体制が整うと思う」と話した。
加入者からの申し出にもとづき返還に応じる。過払い返還をめぐっては、民主党も同日、過払い分を返還させる「国民年金過払い還付法案」を国会に提出。舛添氏が方針転換を表明したのはその直後だった。厚労省は現行法の運用で対応するとしたが、民主党は「法案を出さないと運用でできることさえやらないのか」(山井和則衆院議員)と批判している。

 国民年金では、受給額を増やしたい人は、60歳以降も「任意加入」して保険料を納められる。ただ、納付が40年分に達すると受給額は満額になり、それ以上納めると過払いになる。任意加入者は06年度末で27万人。』
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2008.04.14 ☆来月にも医師不足対策=都内の医療施設視察-福田首相
  14日午後、時事通信→

  『「福田康夫首相は14日午前、東京都世田谷区の国立成育医療センターを視察した。この後、記者に対し、各地で指摘される医師不足問題について「早急に手を付けないといけない。来月ぐらいには産科、小児科、救急医療のビジョンを取りまとめ、その実現に向けて努力したい」と述べ、対策を早急に打ち出す考えを表明した。」


☆医師不足対策:政府が長期ビジョン策定へ 5月中に
  14日夕、毎日新聞→

  『政府は14日、産科・小児科の医師不足や救急患者搬送の際のたらい回しなどの問題を解消するための長期的なビジョンを5月中にまとめる方針を決めた。福田康夫首相が同日、視察先の国立成育医療センター(東京都世田谷区)で記者団に明らかにした。
厚生労働省は今年1月に「安心と希望の医療確保ビジョン」の検討を開始。地域医療に従事する医師らからのヒアリングなどを進めてきたが、4月を予定していた報告書の取りまとめ作業は遅れている。首相の発言は、施政方針演説に盛り込んだ医療体制の見直しが年金問題などで埋没しないようアピールする狙いとみられる。

  首相は「医療問題について来月ぐらいにビジョンを取りまとめ、実現に向けて努力したい。財源問題もあるが、早急に手を打たなければならない」と強調。ビジョン実行に必要な予算措置の検討も急ぐ考えを示した。首相はすでに、道路特定財源の一般財源化に伴い、救急医療体制の整備や少子化対策への使途拡大に言及している。

  首相は同センターで「出産に関する訴訟の増加などで、産科医の希望者が減少している」と医療現場の現状について説明を受けた後、新生児集中治療室(NICU)や小児救急外来などを見て回った。』

  (他、この報道多数)
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2008.04.13 ☆看護師半数「辞めたい」…県医療労連調査、人手不足が深刻/熊本
  13日、讀賣新聞(熊本)→

『県に対策を要請
  看護師や医師の不足が社会問題となる中、県医療労働組合連合会が組合員の看護師らを対象に行ったアンケートで、「職場を辞めたいと思うか」との問いに対し、「いつも思う」「時々思う」と答えた人が全体の半数近くに上った。診療報酬改定に伴う看護師の配置基準見直しで絶対数が不足し、過密労働を強いられている実態が背景にあるとみられ、同連合会は、看護師、医師不足対策に関する要請書を潮谷知事あてに提出した。

  厚生労働省は06年4月の診療報酬改定で、「入院患者7人に対し看護師1人」という手厚い配置をした病院には入院基本料を上乗せする新基準を導入した。その結果、全国で看護師の奪い合いが起き、地方の病院を中心に看護師不足が深刻化している。県内でも08年は3万1168人の需要に対し、2584人の不足が生じている。

 アンケートは昨年秋、組合員の医療従事者約2300人を対象に行い、742人(うち看護師が497人、医師はゼロ)から回答があった。「職場を辞めたいと思うか」との問いには、「いつも」が18・6%、「時々」が31・2%あり、合わせると49・8%を占め、「ほとんどない」と「全くない」の合計17・9%を大きく上回った。

 看護師の退職率が高い原因については、「仕事が忙しすぎる」「主に勤務時間外に看護研究・勉強会を半強制される」「賃金、手当が安い」「年休や育児・介護休暇などが取りにくい」などの順で多かった。

 要請書では、▽医療費抑制政策をやめ、医師や看護師など医療従事者を大幅増員する▽看護師不足の実態調査▽女性医師や看護師が働き続けられるよう院内保育所を完備する――などを求めている。

 県医療政策総室は「看護師が働きやすい環境づくりに向けて院内保育の充実などに力を入れていきたい。医師や看護師の確保対策をあらゆる機会をとらえて国に要望していく」としている。』
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2008.04.10 ☆社会保障国民会議、地方の医師不足巡り議論
  10日、日本経済新聞→

  『政府の社会保障国民会議は9日、医療・介護・福祉について集中的に議論する「サービス保障分科会」(座長・大森弥東大名誉教授)の第2回会合を開き、医師不足問題など地域医療対策を中心に議論した。委員からは医師の偏在の解消には新しい制度やルールが必要になるとの意見が続いた。』
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2008.04.09 ☆日野市立病院 医師不足で出産不能 6月から妊婦223人を他院へ/東京
  9日、東京新聞(夕刊)→

  『東京都日野市の同市立病院で小児科常勤医師が六月に退職し、同月から出産ができなくなるおそれがあることが九日、分かった。同病院は、出産を予定している約二百二十人を対象に十一日、説明会を開き近隣の病院紹介などの対応を説明する。

  同病院の産婦人科には常勤医が三人いるが、出産は産婦人科、小児科、助産師、看護師のチームで行っており、同病院は「小児科医不在の出産は困難」としている。このため、同病院で六月から十一月までに出産を予定している妊婦二百二十三人を東海大医学部付属八王子病院(八王子市)や稲城市立病院など近隣の病院や産婦人科開業医に紹介するという。同病院によると、小児科医が今年二月に退職の意向を病院側に伝えたため、後任を探したが見つからなかったという。近隣病院での受け入れについて、同病院事務部は「正式な取り決めはこれからだが、話は進めている。妊婦の希望にも沿えるように紹介していきたい」としている。

  八王子病院の産婦人科は飛び込みの診療は受けずに予約制を取っており、「具体的な話は聞いていないが、妊婦さんも心配だろうし、早急に対応する必要がある」と話す。年間約九百人の妊婦を診療する稲城市立病院は「出産だけでなく妊娠期間中の診療を考えると、受け入れる側の負担は小さくはない」としている。』
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2008.04.07 ☆看護職が「辞めない」病院を公開 日本看護協会
  7日、キャリアブレイン→

   『勤務時間帯を選べるなど柔軟な働き方を採り入れることが、看護職の確保や定着に欠かせないとして、日本看護協会(日看協)は多様な勤務形態を先進的に導入している全国22病院の事例をホームページで公開している。看護管理者が参考にできる勤務表(シフト表)などを掲載しており、日看協は「看護職が働きやすい職場づくりのために活用してほしい」と話している。

  看護職の離職率に関する日看協の調査では、常勤12.4%、新卒9.2%となっており、多くの保健・医療・福祉施設が看護職の確保と定着について「難しい」と訴えている。一方、効果がある対策としては「夜勤専従やパートタイマー、短時間勤務の導入などによる多様な勤務形態」が多く挙げられていることから、看護職のワーク・ライフ・バランスに配慮した勤務形態を既に採り入れている22病院に聞き取り調査し、その実態をホームページ(HP)で公開することにした。

  具体的には、近畿などの病院が週30時間勤務すれば正社員とする「30時間正社員制度」を導入。関東などの病院は、日勤(午前8時半-午後5時10分)や早出1(午前7時-午後3時40分)、早出2(午前8時-午後4時40分)など15種類の勤務時間帯を設定し、看護職が希望に応じて選べるようにしている。
  また、北海道と東北の病院は、バックアップナース(育児支援担当)を配置し、子どもの急病時に気兼ねなく早退できる仕組みをつくっている。さらに、常勤から非常勤、休職から復職など、勤務形態を随時変更できる制度を導入した九州・沖縄などの病院は、子どもの夏休み期間に合わせて看護職が40日間の有給休暇を取得できるなどの配慮もしている。

  HPでは、こうした多様な勤務形態を詳細に紹介。22病院が実際に使用している看護職の勤務表のほか、福利厚生と休暇、育児・介護支援などの制度についても公開している。

  22病院の先進事例について、日看協では「病院が看護職の確保や定着を経営目標として明確に掲げ、組織的に取り組んでいる。また、看護スタッフ全員が看護職の確保対策に加わることで、現場が一体になって組織を良くしていこうとする特徴がある」などと指摘している。』

■日本看護協会 ここ
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2008.04.06 ☆公立93病院で入院休止、医師不足など理由に…読売調査
  6日、讀賣新聞→

  『地方自治体が設置している公立病院のうち、2004年度以降に少なくとも93病院の141診療科が、医師不足などを理由に入院の受け入れ休止に追い込まれていたことが、読売新聞の全国調査でわかった。

  さらに少なくとも49の公立病院が経営悪化などで廃院したり診療所への転換や民間への移譲など運営形態を変えたりしたことも判明。公立病院を拠点とする地域医療が、各地で崩壊しつつある実情が浮き彫りになった。

 地方自治体が設置する病院は全国に約1000あり、調査は都道府県を対象に、医師不足の契機になったとされる新医師臨床研修制度が導入された04年度以降について実施した。

 今年2月までにいずれかの診療科で入院を休止したことのある病院は、公立病院の状況を把握していない10道県を除く37都府県で93病院。うち6病院は入院を再開した。休止理由について回答のあった42病院の9割は「医師不足」をあげた。

 診療科別では、産婦人科・産科の休止が44病院あり、次いで小児科の19病院。両科は、訴訟のリスクや不規則な勤務などで全国的に医師が不足しているといわれており、公立病院でもその傾向が表れた。

 北秋田市立阿仁病院(秋田県)では昨年5月から、小児科など五つの全診療科で入院を休止。湖北総合病院(滋賀県)は医師の退職で05年4月以降、3診療科で入院を休止した。

 一方、自治体財政の悪化などから、福岡県では四つの県立病院が民営化された。岩手県では06、07両年度、県立など計6病院を診療所に切り替えた。

 地域医療問題に詳しい本田宏・埼玉県済生会栗橋病院副院長は「地域医療の疲弊ぶりが如実に表れた。医療空白地帯が加速度的に拡大し、地方を中心に病院で受診できない人が続出するのではないか。医師確保を急がねばならない」と話している。』
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2008.04.06 ☆医師不足、消える病院…都市圏でも
  6日、朝日新聞→

『長野県千曲市で3月末、医師不足のため病院が閉じた。
  地域住民約4万人の医療を支えてきた長野赤十字上山田病院。19人いた常勤医師が最後は2人。医師不足が患者減を招き、収入減、赤字増という悪循環に陥った。

  4月からは診療所として当面、常勤医2人で外来診療を続ける。10あった診療科は内科と整形外科だけに。1日300人近かった外来患者はいま、まばらだ。250床の入院ベッドもなくなった。
もともと経営は順調だった。減価償却費を除いた収支は黒字。病床利用率96%と、常にベッドは埋まっていた。
崩壊の始まりは06年4月。19人いた常勤医のうち内科、外科、整形外科で1人ずつ減った。07年4月には8人に。外科と眼科がいなくなった。

 大学病院が地域病院から医師を呼び戻したのがきっかけ。それに定年退職や独立開業、突然の死亡も重なった。
「地域に必要な病院なのに」。当時の院長らが翻意を求めて大学を回ったが「大学も医師は足りない」と逆に説得された。他の大学にも足を運んだが、状況は同じ。母体の長野赤十字病院も医師を派遣する余裕はなかった。

  住民の不安は大きい。
長野市の公務員男性(52)の父は肺気腫で上山田病院に入院していたが、長野市内へ転院させられた。上山田病院と実家は車で5分だったが、今は30分以上。男性は休日に1日がかりで、長野市と独居の母が暮らす実家を回る。
一つの病院の崩壊はドミノ倒しで他の病院の負担を増やす。上山田病院の救急外来は昨春休止され、年約3500人の急患は周辺の病院に向かうようになった。JA長野厚生連篠ノ井総合病院(長野市)はこの地区からの救急搬送が月に約100人へと急増。「満床」で受け入れを停止する頻度が増えた。「限界に近い。うちが倒れたら地域医療が崩壊する」と救急担当医は話す。(龍沢正之)

■現状は
  医療過疎は、大阪、神戸の都市圏周辺でも広がる。
両圏から車で1時間の兵庫県丹波市に住む宮本正臣さん(35)は昨秋、自宅でくも膜下出血で倒れた。すぐそばの県立病院に運ばれたが、市境を二つまたいだ三田市民病院に転送された。脳神経外科医が当時、不在だったからだ。
救急車で1時間。到着直後に再出血し緊急手術をした。「すぐ処置しなければ命の危険性が高かった」と主治医。再発の恐れも高く、宮本さんの不安は募る。「目の前に病院がありながら診てもらえないなんて」

  市内に二つある病院の勤務医は、県立病院が40人から半減、もう一つは15人が4人になった。常勤脳外科医は今、市内にゼロ。くも膜下出血を含む脳卒中は、がん、心臓病と並ぶ三大死因の一つだが、治療は事実上もうできない。
都市部も危うい。兵庫県の西宮市や尼崎市などでも、ここ1年で4病院が脳卒中の救急をやめたり、制限したりする方針を出している。

  脳卒中の治療技術は進んでいる。血管が詰まる脳梗塞(こうそく)では、詰まりを溶かして手足のまひなど後遺症を大幅に減らす薬が保険適用になった。しかし、この薬は発症後3時間以内に使うという時間制限があり、治療チームの態勢も要る。実際に治療を受けられるのは都市部のごく一部だ。
「予約は秋までいっぱいです。お産は受けられません」
神奈川県相模原市にある北里大学病院の産科外来。3月末、海野信也・産科部長は、母親を伴って訪れた20代の女性に告げざるを得なかった。

 妊娠9週。予定日は10月末だ。体調不良が多いからと母親は「大学病院でみてほしい」と懇願した。だがここでは高齢出産などを優先。女性のような通常分娩(ぶんべん)の枠はすでに埋まっていた。
県産科婦人科医会が調べた県内の分娩施設数は、02年に71病院103診療所だったが、07年は68病院70診療所。通常の出産を多くみる診療所が3割も減り、妊婦は産む場所探しに苦しむ。横浜市や川崎市でさえ、区によっては1カ所もない空白地帯がある。

■原因は
  地域を医師不足の大波が襲ったのは04年。免許をとった直後の医師の臨床研修制度が、新たに始まった年だ。
それまで新卒医師は主に大学病院で研修した。新制度では、自分が選んだ病院で2年間、基礎的な診療能力を身につける。研修医は地方の大学病院を敬遠、大都市の民間病院などに人気が集まった。
医師派遣の役割も果たしていた大学病院が人手不足に陥った。派遣先の地域の病院から医師を引き揚げた。
2年の研修後も、研修医は期待ほど大学病院に戻らなかった。大学院で博士号を取るより、民間病院で腕を磨きたいという若手も増えた。06年以降も引き揚げは続いた。

 だが研修制度だけが原因ではない。以前から、産科や小児科などで不足感は強かった。
そもそも医師数が少ないのだ。人口千人当たりの診療医師数(04年)は2.0人。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中27位。90年代は日本とほぼ並んでいた英国にも引き離されつつある。
政府は80年代半ばから一貫して、医師養成数を削減してきた。「将来は医師が過剰になる」と分析したためだ。医学部の入学定員は07年度に7625人と、ピークの84年度より8%少ない。

 厚生労働省も、全体的な医師不足は認める。06年7月にまとめた報告書ではじいた必要医師数は、04年時点で26.6万人。だが実際に診療する医師は25.7万人と、9千人足りない。10年には1万4千人不足に広がる計算だ。
ただこれは、病院にいる時間から研究、休憩などを除いて週48時間労働で換算した数字。小山田恵・全国自治体病院協議会長は「病院にいる時間を勤務時間と考えれば、不足は約6万人分に広がる」と反論。「いまの危機は、医療費を抑制し、医師数を削ってきた政策のつけだ」と憤る。

■解消策は
  厚労省の推計では、医師不足が解消するのは22年。それ以降は過剰になるという。
推計通りでも、40年時点の勤務医数は今より7%増だが入院治療は1.4倍。医師も高齢化し、病院を離れて開業する率が高くなるとみる。開業医の働き方も検討がいる。

  診療科の偏りもある。産婦人科や小児科以外にも、外科などで若手が減り、関係者は危機感を募らせる。
政府は、北海道・東北などで医学部定員を増やした。今春168人。だが暫定的な措置。一人前になるまで約10年かかり、即効薬ではない。

 長谷川敏彦・日本医科大教授(医療管理学)は「医師が受け持つ業務を見直し、効率よく働けるようにする必要がある」という。医師数以外にも、看護師らとの連携など考えるべき点は多い。』
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2008.04.01 ☆医師不足:自治体病院への医師派遣、昨年度は希望の51%/北海道
  1日、毎日新聞(北海道)→

  『 ◇新年度以降も決定は25%

 道内の医師確保対策などを検討する道医療対策協議会が31日開かれ、市町村立病院の要請に基づく医師派遣システムで07年度の実績は希望の51%の21人にとどまっていることが報告された。08年度以降の派遣要請に対して派遣が決まっているのもわずか25%の8人。地方の病院勤務が敬遠されているだけでなく医師不足が背景にあり、積極的に医師を育てる必要性を指摘する声が相次いだ。

 自治体病院に対しては要請を受けた同協議会が主に道職員の医師や札幌医大の医師を紹介するシステムになっている。07年度は14病院から41人の要請があったが、決定したのは松前町立松前病院(渡島管内)や士幌町国保病院(十勝管内)など9病院21人だった。特に医師不足が深刻な江別市立病院は13人を要請したが決まったのは6人。08年度は同病院が改めて13人を求めるなど13病院32人の要請に対し、決まったのは滝川市立病院や深川市立病院など6病院8人にとどまっている。

 道は民間病院も含めて広く医師を派遣する体制整備を08年度から展開することを報告した。道内の大学院生や臨床研修医の計10人に月額20万円の奨学金を貸し付ける制度もスタートさせる。』
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2008.03.27 ☆医師不足改善へ、麻酔科医と産科医に歩合手当…兵庫県
  27日、讀賣新聞(関西)→

  『医師不足を改善するため、兵庫県は、県立病院の麻酔科医と産科医に歩合制の診療手当を支給することを決めた。麻酔件数や危険度の高い妊婦の担当人数に応じて支給することで、医師の年収を100万〜300万円程度引き上げるという。

  麻酔科医が全身麻酔を行った場合、その時間に応じて1900〜6800円を支給。産科医は、切迫流産の危険性があるなどリスクの高い入院妊産婦を担当した場合、1人につき1日1300円を支給する。休日などに出産を介助した場合にも、従来の超過勤務手当と別に1件1万円を支払う。4月から実施する。

  県病院局によると、姫路循環器病センター(姫路市)が麻酔科医不足のため脳外科の深夜の救急対応ができなくなるなど、12の県立病院は医師不足が深刻で、「待遇充実で、医師の公立病院離れを食い止めたい」としている。』
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2008.03.26 ☆産婦人科医不足 医師緊急派遣
  26日、NHK→

  『産婦人科の医師不足の影響で、来月以降、お産の中止や制限をする医療機関が全国に7つあることがわかり、政府は、大学病院な どと協力して、緊急に医師を派遣することを決めました。

  これは、25日、東京・霞が関の厚生労働省で開かれた「地域医療に関する関係省庁連絡会議」で報告されました。それによりますと、 産婦人科の医師不足の影響で、福島・群馬・長野・静岡・沖縄の5つの県の7つの医療機関が来月以降、お産を中止したり、制限したりす るということです。このうち福島県立南会津病院、群馬県の富士重工業健康保険組合総合太田病院、長野県の伊那中央行政組合伊那 中央病院、飯田市立病院、そして沖縄県の公立久米島病院のあわせて5つの医療機関については、大学病院などと協力して緊急に医 師を派遣し、お産や妊婦健診を続けられる見通しになりましたが、長野県の国立病院機構長野病院と静岡県の藤枝市立総合病院に ついては、医師を確保できるメドが立っていないということです。このため長野・静岡の両県と、厚生労働、総務、防衛、文部科学の各 省で対応策を検討することになりました。産婦人科の医師不足をめぐっては、日本産科婦人科学会の調査でも、医師の派遣を必要と する医療機関が33の道府県の110の病院に上り、深刻な実態が浮かび上がっています。厚生労働省は「関係機関と協力し、安心してお 産ができる環境を作っていきたい」と話しています。』
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2008.03.25 ☆医師不足どこで産めば…7カ所に医師派遣へ 厚労省が緊急調査 お産休止・制限 全国で77カ所
 25日、東京新聞(夕刊)

  『全国の産科医療機関のうち二十四都府県の七十七カ所で今年一月以降、お産を休止したり、お産取扱件数を制限したりすることを決めたことが二十五日、厚生労働省の緊急調査で分かった。
  開業医の高齢化や、勤務医の異動、退職に伴う人手不足が主な原因。同省はこのうち福島、群馬、長野、静岡、沖縄の五県七カ所について「それぞれの地域でのお産継続は困難」と判断、近隣の大学病院からの医師派遣などの対策を決めた。
身近な「お産の場」が深刻な危機に直面している実態が浮き彫りになった。日本産科婦人科学会も独自調査で医療機関百十カ所で緊急医師派遣が必要としており、舛添要一厚労相は同日の閣議後会見で「抜本的、構造的改革に向け着実に歩を進めたい」と述べた。

  調査は一月二十四日、厚労省が各都道府県に対し、一月以降にお産休止や制限を実施、計画している医療機関の報告を指示。三月二十四日までの報告を集計、二十五日に開かれた厚労、文部科学、総務の三省による「地域医療に関する関係省庁連絡会議」に報告した。

   それによると、お産を「休止」または「休止予定」としたのは病院と診療所を合わせ二十二都府県計四十五カ所に上った。都道府県別では静岡(六カ所)が最も多く、岐阜(五カ所)、栃木と愛知(四カ所)が続いた。
里帰り出産を断るなど、「制限」または「制限予定」としたのは十県三十二カ所。最多は神奈川の十二カ所で秋田七カ所、愛知四カ所が続いた。
  
  休止と制限の両方について報告があったのは、秋田、埼玉、長野、静岡、愛知、島根、広島、佐賀の八県。
厚労省は七十七カ所のうち七十カ所について「大規模病院などへ集約化した結果でお産の場は確保される」(八カ所)、「近隣の医療機関で対応することで、地域でお産を継続できる」(六十二カ所)など対応が取られているとして、深刻な影響はないとみている。
残りの七カ所は、医師派遣などの対策を取ることを決定した。

<産科医不足> 長時間労働やお産事故に伴う訴訟リスク、結婚や子育てによる女性医師の休職などを背景に、各地で産科医不足が深刻化している。必要な医師を確保できずに産科を休止したり、お産を取りやめたりする医療機関が相次いでいる。
厚生労働省の調査では1994年に全国で1万1039人いた産婦人科の医師は、2006年は9592人に減少した。』
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☆45医療機関「お産やめます」 厚労省調査
  25日午後、朝日新聞→

  『医師不足などで今年1月以降に分娩(ぶんべん)を休止したか休止予定の医療機関が全国で45カ所あることが25日、厚生労働省の調査でわかった。多くは近隣の医療機関での分娩が可能としているが、5病院については医師の派遣や代替医療機関のめどが立っておらず、地域内でお産ができなくなるおそれがある。

  分娩を扱っている病院・診療所は全国で約3000カ所。厚労省が都道府県を通じて聞き取り調査したところ、45カ所が分娩の休止、32カ所が分娩の受け入れ制限を予定していることが判明した。
休止・制限の計77カ所のうち、8カ所は地域の中核病院に産科医を集めるなど計画的に集約した結果で、62カ所は休止・制限後も近隣の医療機関で妊婦の受け入れが可能としている。

 残る7カ所は地域内に代替できる医療機関がなかったが、長野県内の2病院については大学からの医師派遣が決まり分娩制限を回避したという。

 一方、福島県立南会津病院、沖縄県の公立久米島病院は妊婦検診は続けるものの、分娩は休止。4月に休止予定の富士重工業健康保険組合総合太田病院(群馬県)、6月に休止予定の藤枝市立総合病院(静岡県)、8月に休止予定の国立病院機構長野病院(長野県)については、まだ回避のめどが立っていないという。』
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☆77病院が分娩休止・制限、うち「近隣で対応困難」7か所
  25日、讀賣新聞(夕刊)→

  『全国で産科医不足が深刻化している問題で、舛添厚生労働相は25日の閣議後記者会見で、分娩(ぶんべん)の休止や制限を予定している医療機関が今年1月以降、全国で77か所に上り、この中の7か所は地域内での医師の確保が困難な見通しであることを公表した。

  うち長野県の伊那中央病院と飯田市立病院については、厚労省が調整した結果、信州大学から4月以降、医師の派遣を受け、分娩を継続できる見込みとなった。その他の医療機関も医師の派遣で妊婦健診は続ける見通し。
厚労省の調査によると、分娩の休止を予定しているのは45か所、分娩制限は32か所。70か所は医療機関の集約化による廃止など、
  近隣自治体に代替できる医療機関があるケースだったが、残り7か所は、近隣自治体での対応が困難であることがわかった。
このうち4月から分娩を休止するのは、福島県の県立南会津病院、群馬県の富士重工業健康保険組合総合太田病院、沖縄県の公立久米島病院。静岡県の藤枝市立総合病院は6月から、長野県の国立病院機構長野病院は8月から休止する。』
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2008.03.24 ☆お医者さん来てね、給料もいいし、豪邸もあるよ
  24日夜、産経新聞→

  『慢性的な医師不足が言われる中、各地の医療機関が激しい医師獲得合戦を繰り広げている。大都市から離れた地方では高額年俸を提示するところや、豪華な戸建て住宅を用意するところまで登場し、その必死さが医師不足問題の深刻さをクローズアップさせている。(神庭芳久)
  「上限3500万円」の大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院は、年俸を前面に打ち出し、医師獲得に乗り出している。3月末で麻酔科の常勤医師が体力的な理由で退職するためだ。病院では欠員に備えて約半年前から医師を募集していたが、応募がなく、高額年俸を提示することになった。
  公立病院にとって「3500万円」という年俸は、経営トップの病院事業管理者の2倍以上の額。病院では「何人かの問い合わせがあり交渉中」と話す。
  和歌山県新宮市では来年度予算に、医師用住宅5戸の建設費など約3億5000万円を計上した。産科医不足から、市立医療センターで分娩予約の一時中止を検討する事態に追い込まれた経験を持つからだ。
新しい医師用住宅は、耐震機能を備えた5LDK。同センター庶務課は「家族がいる40代の中堅医師を想定している。定住してもらうためにもそれなりの住宅が必要」と説明する。
  長野県は、県内に一定期間住むと契約した医師に研究費名目で上限300万円を支給する制度を始めている。即戦力確保のため、県庁に「医師確保対策室」も設けられた。対策室では「金銭で簡単に医者が来るとは限らないが、行政の支援範囲は限られる」と医師不足の実体を嘆く。
他にも、待遇を改善したりして医師を呼ぼうとする医療機関は各地にある。とりわけ大都市から離れた地域の病院で、医師不足は深刻だ。
  地域医療に詳しい東北大医学系研究科の伊藤恒敏教授は「医師の絶対数が不足する中、獲得合戦は結果的に、医師の玉突き移動を招いているだけ」と指摘。「地方は病院の集約化で人材を厚くし医師への指導ができるといった環境を整備するなどの、医師を引きつける魅力ある病院作りが必要」と話している。』
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2008.03.20 ☆9割の事業所「介護職不足」
  19日、キャリアブレイン→

  『平均賃金が全産業の一般労働者の6〜7割にとどまるなどワーキング・プア¥態にあり、離職率が2割を超えている介護職員について、90%を超える訪問介護事業所が「不足」としていることが3月19日までに分かった。介護職員が足りないうえ、応募状況が少ない事業所の割合も94%に達している。今後10年間に約40〜60万人の介護職の確保が必要と見込まれる中、地域の介護体制はますます深刻な事態に直面していることが裏付けられた。

  3月15日に東京都内で「介護フォーラム2008」を開いた実行委員会が、東京23区や三多摩地域などを対象に実施した小規模事業所へのアンケートで明らかになった。101の事業所が回答した。

  現在の職員数は99事業所が回答。常勤職員では1人が13施設、2人が25施設、3人が14施設と、常勤3人以下の事業所が52.5%を占めた。職員の充足状況(101施設が回答)では、「不足している」が92施設で全体の91.1%に。職員の応募状況については、「少ない」が95施設と94.1%に至り、「まったくなし」も3施設あった。

  介護保険法は2006年4月に改正。これに伴い、78事業所の5,698人のうち1,442人が「新予防給付」に移行となり、訪問介護や福祉用具の利用に制限が加わった。また、利用者の40%以上が「新予防給付」になった事業所が12か所のほか、利用者の3分の2が「新予防給付」になった事業所もあった。

  改正の影響に関しては、「経営が厳しくなった」が85施設と84.2%に上り、「改善した」は1施設のみだった。
  経営が厳しくなったと答えた事業所に対し、「経営を見直した点」について尋ねたところ、「ヘルパーの賃金などを見直し」や「経費の節減」が上位を占めたほか、「ケア内容を短時間で行えるよう工夫」、「自費サービスの範囲の拡大」などが寄せられた。なかには「これ以上の経営努力は無理」という回答も見られた。

  改正にかかわる利用者や家族からの訴え・苦情をめぐっては、「新予防給付になり、今までのサービスが受けられない」が20件、「日中は独居で生活援助が受けられない」が14件あったほか、「改定について行政の説明が足りない」という意見も寄せられた。

  改定による不利益の具体例では、「本人は膝や股(こ)関節に異常があり、家事は難しいものの、家族が同居しているため、要支援(という認定)ではヘルパーによる生活支援を受けられない」、「糖尿病で認知症だが、散歩を自費で頼む金銭的余裕がない」などといった利用者(家族)のケースが報告された。また、介護職員に対する不利益では、「収入が大幅減となった」や「通常の人の倍は働かないと生活が厳しい」のほか、「減収で生活ができず、介護職を辞めた」という深刻な事態も寄せられた。

  介護保険に関する要望では、「介護報酬を引き上げ、職員が生活できるように」が最も多く、「利用者の生活実態を見た制度にしてほしい」、「制度自体の見直し」を求めるものが続いた。

  介護労働安定センターの2006年の調べによると、介護職員の離職率は20.3%に達し、全産業平均の17.5%を上回っている。平均賃金は全産業の一般労働者の6〜7割の水準にとどまり、離職者の平均勤続年数も1年未満が42.5%に至っている。こうした中、多くの介護福祉士養成施設で定員割れが生じているほか、卒後の進路として介護分野を選択しない学生が増えている。

*介護保険法改正
  2006年度の改正では、介護度の度合いとして、従来は「要支援」と「要介護1」から「要介護5」までの計6段階に分類していたものを、要介護1のうちの改善の可能性が高い人を「要支援2」と「要介護1」に分け、「要支援1、2」が「新予防給付」の対象者になった。「要介護1〜5」が「介護給付」の対象となり、「要支援1」・「要支援2」のほか、「要介護1」も含めて、訪問介護や福祉用具の利用に制限が加わった。』
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2008.03.20 ☆医師不足、県内でも・・・小児科医休止、産婦人科医確保できず/富山
  20日、讀賣新聞(富山)→

  『(富山)県内の自治体病院で医師不足が深刻化し、主要17病院・診療所のうち、少なくとも4か所で医師が減り、診療体制の縮小などを余儀なくされている。退職する医師などの補充ができず、新年度から小児科などを休止するほか、治療中の患者の転院が余儀なくされそうなケースもある。他の都道府県に比べ、あまり目立たなかった医師不足が、県内でも徐々に深刻化しているようだ。

 富山市の富山市民病院は小児科医2人が退職を申し出たため、4月から新生児集中治療室(NICU)を維持できない可能性が出ている。NICUは小児科医や産科医など医師13人で24時間体制をとるが、2人減った場合、当直体制が組めなくなる。病院は「医師を確保できない場合、現在6人いる患者の転院も検討せざるを得ない」と話す。
また、南砺市の南砺家庭・地域医療センター(旧・南砺市立福野病院)は、非常勤の女性医師2人で小児科の外来診療をしてきたが、1人が退職を申し出て、4月から休止する。もう1人は同市梅野の南砺中央病院も受け持ち、同病院に専従となり、小児科診療の体制を充実させる。南砺市医療局の倉知圓管理者は「良い医師が確保できれば小児科を再開したい」と話す。

 かみいち総合病院(上市町法音寺)は新年度から、外科と内科で常勤医が1人ずつ減り、全体で21人から19人となる見通し。病院事務局は「医師の派遣要請に大学が応じてくれず、医師確保が難しかった。外来の医師が減り、待ち時間が増えるかも」。

 常勤医減員により、入院患者の治療が困難になる例もある。
朝日町泊のあさひ総合病院は4月から、内科の常勤医が6人から3人に半減。理由は派遣元の富山大に戻るためだが、4月からは199床の入院治療が困難になる可能性が高く、同病院は病床の一部を休止することも検討する。

 4月から公設民営化される氷見市の氷見市民病院は20診療科の維持を目指すが、産婦人科の常勤医が確保できないままだ。
一方、富山市の県立中央病院では、研修医や嘱託医を含め医師8人が増える。県医務課は「中核病院として手術件数や医師が充実していることで、研修医が集まりやすい環境になっていることが一因。大学病院も医師の派遣先を選別するようになる」とみている。』
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2008.03.18 ☆医師不足:北九州市長、給与引き上げ検討/福岡
  18日、毎日新聞(福岡)→

  『北九州市議会の予算特別委員会が17日開かれ、北橋健治市長への質疑を行った。北橋市長は市立病院の医師不足に対応するチームを作り、最高年収1500万円で募集している医師の給与引き上げを検討する考えを表明した。一方、12億円の繰越欠損金を抱える市営バスについては「市民の足となっている」と理解を求めた。【平元英治】

  市立4病院をめぐっては、同じく医師不足の大学病院が市立病院への派遣医師を相次いで引き揚げることを決めた。このため、若松病院(若松区浜町1)では内科の入院受け付けを休止、医療センター(小倉北区馬借2)も精神科と眼科が外来を休診する事態になった。市は最高1500万円の年収で医師を募っているが採用は決まっていないという。
  市長は「医師のインセンティブ(やる気)を高めるための新しい給与の仕組みや、緊急課題を議論する全市的なプロジェクトチーム(PT)をスタートさせたい」と明言。PTのトップに厚生労働省出身の麻田千穂子副市長をあてる考えを説明した。
  
◇市営バスは「市民の足」
  若松区を中心に運行する市営バスは06年度に5999万円の赤字を計上した。民主系市議が民営化も含めた改革を求めたが、市長は「公共交通は市民生活に必要不可欠なインフラだ。採算上難しい路線も市民の足となっている」と反論した。』
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