
| ■群馬県渋川市の高齢者施設火災で、10人の犠牲者(3月21日夜現在)が出た事故、メディアでも様々な問題点を指摘している。 管理者(ブルーマーチ)が考えるに 1.実態は有料老人ホームなのに、法令の定めにある届け出をしておらず、行政の指導が行き渡らなかった。これは建築基準法などにも抵触している。結果として、介護職の不足や、拘束の疑いを持たれるなど、劣悪な環境の中で要介護者が生活を余儀なくされていた。 2.都市部における特養など施設の不足が改めて浮き彫りになった。厚労省は2006年度から特養建設費の助成を停止している。これは「三位一体の改革」なる訳の分からん方針で決められており、要介護者が増加していることを承知の上の、間違いなく誤った方針である。 3.さらに、厚労省が意固地なまでに撤回しない「介護療養型病床廃止、医療療養型削減」によって、特に介護型の病床が減少著しい。この結果、在宅が困難な高齢者の行き場が相当制限された。介護・医療難民の発生が以前から言われていたのに、このような事態を引き起こしたのは、国の責任が極めて重大だ。 4.墨田区福祉事務所は、当該施設が、少なくとも「無認可と認識していた(福祉事務所長の話)」のに、被保護(者)世帯を当該施設に送り続けた。少なくとも群馬県に連絡して、是正するように指導をさせるべきだった。また、担当セクションは「契約は施設と利用者の間で交わされた」などとコメントしているが、被保護者に選択の余地などはないに等しい。責任逃れも甚だしい。 ■このように、責任の一は無論、設置運営主体のNPOにあるが、その背景には国・県・墨田区などの行政と、その政策があることに疑いはない。私たちは、メディアの報道の中に、どんな解決策を見いだせるだろうか。本件、特集にて集約することとした。 亡くなった方々へ 深くご冥福をお祈りいたします。このようなことが再び起こらないよう、私たちは努力していかなければと、強く感じております。 (2009年3月22日、ブルーマーチ) |
| 2010.03.10 | ☆都市型軽費老人ホーム 基準緩和で受け皿期待 10日、東京新聞→ 『入居者十人が死亡した群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災から一年。火災は、都市から追われる高齢者の実態を浮き彫りにした。低所得高齢者の受け皿に「都市型軽費老人ホーム」制度が新年度から動きだす。解決策となるのか。 (飯田克志) 「ここでの生活も落ち着いた。あんな怖いことは一回でいい」 「たまゆら」で被災した男性(80)は、やっと安住の地を見つけた。男性は以前住んでいた東京都墨田区に帰り、NPO法人「ふるさとの会」(台東区)が運営する支援付き住宅「ふるさと晃荘」で暮らす。同住宅は生活保護費の範囲で住め、生活は職員が支援、訪問介護などを利用する。 火災では、墨田区などから生活保護を受けていた入居者もいた。認知症高齢者もいたが、特別養護老人ホームに空きがなく、生活保護費では費用が高い有料老人ホームに入居できず、たまゆらにいた。 こうした実態を受け、国は老人福祉施設のひとつ「軽費老人ホーム」の設置が都市部でも進むよう、設置基準などを緩和した「都市型」を創設した。同ホームは低料金で低所得者でも入居できる施設。「身体機能低下などで自立生活に不安があり、家族の援助が困難な人」が対象となる。 都市型は、法律に基づく設備・運営基準で定められた定員や居室床面積などを緩和、地価が高い都市部でも小規模施設として整備しやすくした。来月から新基準が施行される。 併せて国は新設・改修に対し、定員一人あたり百五十万円を補助する。東京都も独自に補助制度を設け、新築で同一人百五十万円を上乗せする。新年度から三年間で、都は昨年調査で確認した、無届け施設や無料低額宿泊所の入居者二千四百人分を整備する。 先月二十六日、都が開いた事業者向け説明会には、社会福祉法人、民間事業者ら参加者は四百人を超え、関心の高さを示した。学生・社員寮事業を手がける会社の社員は「少子化で空く寮も増えて、転用できないかと考え参加した」と話す。 新規参入も増えれば施設整備は進むが、「ふるさとの会」の滝脇憲理事は新施策を歓迎しつつも、「そんなに新設できる土地が都市にあるだろうか」と増設には懐疑的だ。 むしろ「アパートなども活用し、生活支援のサポートセンターと組み合わせ、地域自体を支援付き住宅にする仕組みも必要」と都市部の事情に合わせた支援のネットワーク化を提言する。 軽費老人ホームは原則要介護度が軽度の人が対象で、認知症など要介護度の重い人の受け入れは敬遠される可能性がある。滝脇さんは「本当に困っている人が取り残される恐れがある」と懸念する。 一方、「在宅で暮らせる支援が十分ではないのに、施設が足りないという議論は納得できない」と話すのは、「いけだ後見支援ネット」の池田恵利子代表だ。認知症高齢者の在宅生活を成年後見人として支える経験から、福祉サービスと後見制度の連携強化で在宅で生活を支える環境づくりを求める。 「高齢者の暮らしで一番大事な自己決定、在宅で住み続けたいという意思を支える制度をきちんと考えるべき時期だ」と訴える。 都市型軽費老人ホーム(ケアハウス) 老人福祉法に基づいた老人福祉施設で、自治体や社会福祉法人、民間事業者が設置する。無料や低料金で入居でき、食事や入浴などのサービスを受けられる。都市型は大都市限定で設備・運営基準を緩和。定員は20人以下(現行20人以上)、居室床面積は四畳半程度の7.43平方メートル以上(同21.6平方メートル以上)、現行で必置の談話室は不要など小規模でも設置できる。東京都のモデルケース(23区内、定員10人、職員4人)では居住費、食費など利用料は月10万4000円。』 . |
| 2010.03.04 | ☆たまゆら理事長ら起訴 高桑被告『自分に責任』 4日、東京新聞→ 『渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で入居者十人が死亡した火災で、前橋地検は三日、業務上過失致死罪でNPO法人「彩経会」理事長の高桑五郎容疑者(85)と施設長の久保トミ子容疑者(73)を起訴し、全容解明に向けて一区切りが付いた。捜査関係者によると、高桑被告は火事が起きた際の危険性について「認知症や寝たきりの人たちを受け入れるには危険な施設だった」との趣旨の供述をし、「自分に責任がある」と繰り返しているという。 ■運営の実態 県警は、入居者の大半が高齢者で食事や介助などのサービスが行われていたことから、たまゆらが実質的に有料老人ホームと断定。地検は、建築法上の寄宿舎とした上で、歩行困難な高齢者らが入居する施設として防火対策など安全面での不備や建物のずさんな構造を指摘した。 県警の捜査関係者によると、高桑被告は二〇〇四年から、東京都墨田区などから一定の収入が見込める生活保護受給者の受け入れを始めた。高桑被告には彩経会名義と合わせ二億数千万円の負債があったことが判明しており「経営を安定させたかった」などと供述。しかし、経営は自転車操業状態だったという。 ■違法増改築 生活保護受給者の受け入れを進めた〇四年以降、建築基準法などに違反した増改築が繰り返された。捜査本部によると、工事は高桑被告自身が入居者の手を借りながら実施。避難経路の壁や食堂の屋根に耐火材を使わず、燃えやすいベニヤ板などを使用した。県警は燃焼実験の結果、こうした構造が火の回りを早めたとしている。また、地検は、入居者の部屋に煙感知器を設置しないなど、火災の早期発見を図る措置を怠ったとした。 ■施 錠 捜査本部によると、避難経路になる通路や出入り口計三カ所が施錠され、入居者の避難を妨げた。入居者の徘徊(はいかい)防止が目的で、夜間の当直職員が入居者の徘徊を久保被告に報告、久保被告は高桑被告に伝えた。建物外へつながる戸の南京錠は〇七年夏ごろに設置され、高桑被告も「(久保被告から報告を受け)施錠を承知していた」と認めている。久保被告は「徘徊防止に力を入れ、避難誘導や安全への認識が薄かった」と供述している。 火災当夜、当直職員は一人だったが、県警の避難誘導実験の結果などから、耐火材や火災報知機の設置など施設管理が適正という前提で「避難訓練をし、当直職員が複数いれば九人は助けることはできた」(捜査幹部)とされる。』 . |
| 2010.03.04 | ☆群馬・渋川の「たまゆら」火災 理事長ら起訴 住民「通過点に過ぎず」 4日、産経新聞→ 『入所者10人が亡くなった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災。前橋地検は3日、業務上過失致死罪で、施設を運営していたNPO法人「彩経会」理事長、高桑五郎(85)と理事、久保トミ子(73)の両容疑者を起訴した。火災発生から約1年、安全管理態勢の整備を無視して運営された無届け施設で起きた大惨事は一つの節目を迎えた。 前橋地検によると、両被告はともに起訴事実を認め、高桑被告は「資金面の問題があり、防火設備の整備が間に合わなかった」、久保被告は「入所者のことを考えて行動しておけばよかった」などと話している。 起訴状によると、たまゆらには出火当時16人の入所者がおり、うち12人が歩行不能または困難な高齢者だった。同地検は、個室内で喫煙する入所者を黙認するなどし、火災が発生すれば被害が拡大する可能性を両被告が十分に認識していたと判断。 「要介護者を受け入れている以上、法律や指針違反の有無にかかわらず注意義務が発生する」とした上で、建物への耐火材の使用▽容易に解錠可能な施錠への変更▽火災報知機の設置▽避難訓練の実施▽廊下の荷物整理-などの注意義務を総合的に怠ったとした。 火災発生時、夜間当直職員が1人だったことについては、「各施設で事情は違う」としながらも「今回は少なくとも2人以上配置すれば、被害を抑えることができた可能性がある」と説明した。 昨年3月19日の火災発生から間もなく1年。現場は現在、更地となっている。近くに住む建設業の男性(59)は「大惨事のけじめがついたのではないか」とほっとした様子。近所の主婦(58)は「起訴は通過点に過ぎない。裁判で何が明らかにされ、どんな結末を迎えるのか。公判を傍聴し、最後まで見届けたい」と厳しい表情を見せた。 一方、彩経会が運営していた別の施設の元関係者の男性は「入所者にとって、必要な施設ではあった。高桑さんはもっと周りの意見を聞いて運営できていれば、違う結果になったかもしれない」と振り返った。』 . |
| 2010.03.02 | ☆火災で業過致死罪、3日に理事長起訴へ 老人施設「たまゆら」 2日午前、共同通信→ 『昨年3月に入所者10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」の火災で、前橋地検が業務上過失致死罪で、運営するNPO法人理事長の高桑五郎容疑者(85)と義妹で法人理事の久保トミ子容疑者(73)を、拘置期限の3日に起訴する方針を固めたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。 これまでの群馬県警の調べに対し、2人は容疑を認め、高桑容疑者は「事件の責任はわたしにある」と供述している。 県警は、避難訓練や消防設備の改善など安全対策を怠り、火災で9人を死亡させたとして2月10日、業務上過失致死の疑いで2人を逮捕。逮捕容疑に入らない死亡者1人は、出火した部屋の入所者で、県警は施設側が早期に火災に気付いても救出は困難で、刑事責任は問えないと判断した。』 . |
| 2010.03.02 | ☆ゆがんだ理想 たまゆら事件<下> 火災の教訓 1日、東京新聞→ 『「この一年間で、県内の無届け施設が解消するめどがついた」。有料老人ホームを指導監督する県介護高齢課の担当者は、渋川市の「静養ホームたまゆら」火災後の指導状況について、こう説明する。 昨年三月の火災発生後、県はたまゆらと同様に無届けで運営されている施設の実態把握と防火体制の調査を行い、違反などがある施設に指導してきた。同課によると、昨年三月末から現在までに、有料老人ホームに該当するとして指導した二十六施設のうち、十三施設が届け出を済ませ、九施設が審査中、三施設が準備中で、残る一施設は新築した上で届け出を進める予定という。 火災直後、たまゆらに対する県の対応に「無届け施設として存在を把握しながら、対処が遅れた」と疑問の声が上がった。同課は「批判も分かるが、行政機関が法を超えて動くことはできない。有料老人ホームは許認可ではなく届け出。改善するよう伝えるが強制力はない」と説明する。 たまゆらで違法増築などが繰り返されていたことを踏まえ、建物の安全面から、無届け施設を指導してきた県建築住宅課。違反が目立った非常用照明の不備は是正されたが、防火扉や防火用の間仕切り壁の構築は難問だ。「改築になるので工事中の入居者の処遇もあるし、時間も費用もかかる。職員の配置強化など当面の安全性を確保した上で強く指導したいが、運営継続をあきらめて入居者を追い出すような結果になっても困る」と“長期戦”を覚悟する。 二〇〇六年の長崎県大村市の高齢者施設火災を受け、昨年四月に改正施行された消防法施行令では、延べ二百七十五平方メートル以上の小規模社会福祉施設に、初期消火に効果のあるスプリンクラーの設置が義務付けられた。県はたまゆらの火災を踏まえ、設置義務のない、より小規模な有料老人ホームを対象に独自の補助制度を新設、審査を進めている。 ただスプリンクラーは高価。県内の防災設備業者によると、メーカーや建物の構造によって違いはあるが、小規模施設でも三百万円以上はするという。 県内でグループホームや高齢者住宅を運営していたある事業者は、たまゆら火災後、県の指導を受けて一部施設を有料老人ホームとして届け出した。 運営する複数の施設で防火対策も進めているが「昨年、三施設に(改正施行令で義務付けられた)自動火災報知設備を付け、すべての施設に入ったが、一施設五十万円以上。スプリンクラーはそれ以上の負担になる。(改正施行令の経過措置が期限となる)あと二年で、すべての施設に付けるのは資金面で本当に大変」と漏らす。 運営施設の中には二階が有料老人ホーム、一階がデイサービスという建物もある。「面積が二百七十五平方メートル以上になるが、補助が出るのは老人ホームの部分だけで、一階はすべて持ち出し。本当に頭が痛い」。その上で「高齢者を預かる施設なら、規模の大小にかかわらず、どの法人だってスプリンクラーを付けたいと願っているはず。だが、やりくりは小規模施設ほど厳しい」と訴えた。』 . |
| ☆ゆがんだ理想 たまゆら事件<上> 火災の背景 28日、東京新聞→ 『入居者十人が犠牲になった老人施設「静養ホームたまゆら」の火災から間もなく一年。渋川市北橘町八崎の焼け跡では、黒く無残な姿をさらしていた建物が解体されて更地となり、ぽっかりと空いた敷地を寒風が通り抜ける。現地に慰霊碑を建立する計画もあったが、宙に浮いたままだ。 たまゆらを運営するNPO法人「彩経会」理事長で、業務上過失致死容疑で逮捕された高桑五郎容疑者(85)。赤城山西麓(ろく)に広がるこの地で高齢者福祉にかかわるようになったのは、一九九〇年代だった。周辺一帯に特別養護老人ホームや障害者授産施設などを整備する「福祉の里」構想を描き、土地を購入したが失敗。高齢者を対象にした機能回復支援施設も開いたが、経営に行き詰まって大部分を手放し、残った一部建物で始めたのが、たまゆらだった。 高桑容疑者は二〇〇三年、東京都墨田区を訪れて施設を売り込み、〇四年二月から〇八年九月にかけて、同区から高齢者ら生活保護受給者十五人を受け入れた。 渋川署捜査本部によると、こうした経緯について高桑容疑者は「借金返済のため、生活保護受給者の受け入れを始めた」と説明。「経営安定のため」とも供述している。相次ぐ失敗で、高桑容疑者には土地購入費や施設建設費などで多額の負債があり、高桑容疑者個人の借金が一億数千万円、彩経会名義が約一億円に上った。 都内から入居者を受け入れ始めたのとほぼ同時期に、違法増改築が繰り返されるようになる。県によると、たまゆらが改築などで最後に建築確認を受けたのは〇四年二月。その後、毎年、無届けの増改築が続いていた。 「民家を直したような施設で、通路が狭く迷路のよう。何かあったら危ない、不備があると思っていた」。火災で死亡した入居者を生前に訪問した友人は、当時の施設の状況をこう振り返った。 資金のなかった高桑容疑者は「入居スペースがないからと、手作りで施設を広げていった」(捜査関係者)。県警によると、大工仕事を経験したことのある入居者も手伝っていた。扱いやすく、安価なベニヤ板が多用され、法が定める耐火性のある素材は使われなかった。施設の職員も事情聴取に「火災が起きたら、ひとたまりもないと思っていた」と話したという。 県警は昨年末、警察庁の科学捜査研究所(千葉県)で施設の一部を再現して燃焼実験を実施。その結果、「耐火材を使用していれば、火の回りが遅くなり、より多くの入居者が助かった可能性があった」と判断した。 施設では出入り口や通路三カ所が施錠され、避難を妨げていた。捜査関係者によると、施設長の久保トミ子容疑者(73)=業務上過失致死容疑で逮捕=は「(入所者の)徘徊(はいかい)防止に力を入れていた。安全、避難誘導への認識は薄かった」などと供述。高桑容疑者も追認していた。供述のほかに施錠を裏付けるのは、焼け跡から見つかった南京錠の一部だけ。捜査幹部の一人は「南京錠が燃え残っていたのは、亡くなった十人の遺志や魂が詰まっていたからかも」と話す。 危険性を認識していたとみられる理事長らはもちろん、施設を知る多くの人たちが感じていた不安は、最悪な形で現実となった。 ◇ ◇ 昨年三月十九日、発生した「たまゆら」の火災で今月十日、業務上過失致死容疑で施設運営法人の理事長ら二人が逮捕された。三月三日には拘置期限を迎える。火災の背景と、その後の対策を取材した。』 . |
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| 2010.02.28 | ☆冬風夏雷:助かっても独り…/群馬 28日、毎日新聞(群馬)→ 『昨年3月、火災で10人が亡くなった老人施設「静養ホームたまゆら」には、東京都墨田区の紹介を受けた人が多くいた。私も墨田区出身で、入所者の取材に行くと、故郷の話に花が咲いた。 90歳になろうとする女性がいた。「悪いことは初めてじゃないの」という。街は関東大震災で崩れ、東京大空襲で焼けた。学校には行かず、町工場で働いて家計を助けた。20代で結婚し、子ども3人を育てた。 40代で夫と2人、隅田川のほとりに越した。団地の13階で、東京タワーも富士山も見える部屋。夏の花火大会には「兄弟みんなが押しかけて、そりゃあにぎやかだった」。数年後、夫に先立たれた。30年以上も1人暮らしの末、施設入所を選んだ。 たまゆらに来て3年、着の身着のまま焼け出された。見舞いに来た娘に「一緒に暮らそう」と言われたが、「嫁ぎ先を大事にして」と断った。 「転々としたら、ますます家族と会えなくなる」と県外への転居を拒んだが、昨年8月、茨城県に移った。「助かっても独りぼっち。生きてて良かったのかしら」。返す言葉がなかった。(奥山はるな)』 . |
| 2010.02.28 | ☆たまゆらで知事「特養待機者ゼロ困難」 火災の背景「行政の連携不備」 27日、讀賣新聞(群馬)→ 『大沢(群馬県)知事は26日の県議会一般質問で、10人の犠牲者を出した渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災の背景について触れ、「行政間の連携がなく、このような(無届け)施設を見つけられず、違法建築に対する改善指導ができなかった」との見解を述べた。これに関連し、大沢知事は、特別養護老人ホームの待機者解消策についても言及したが、「総合的に議論しないと、待機者ゼロは現実には難しい」と述べるなど、問題の難しさを示した。 県の2009年度調査では、在宅で介護度が重いなど、県内で緊急を要する特養ホームの待機者数は987人に上り、解消が喫緊の課題となっている。こうした中、県は09〜11年度の3年間で960床の整備を行う方針で、市町村分と合わせると、1105床が整うことになる。 大沢知事は、特養ホームの整備を進めたとしても、「瞬時に埋まる」ほど需要が高いとの現状を示し、「いくらやっても、年々、(待機者は)増えていく」と問題解決には困難がついて回るとの考えを述べた。 大沢知事は17日の定例記者会見で、たまゆらを運営していたNPO法人の理事長らが逮捕されたことを受け、「(火災を)しっかりと受け止め、高齢者のついのすみかの、安心で安全な環境整備に、最大限の努力をしていかなければいけない」との考えを表明している。』 . |
| 2010.02.28 | ☆たまゆら火災から1年 NPOが追悼法要 26日、朝日新聞(群馬)→ 『10人が犠牲になった渋川市北橘町の「静養ホームたまゆら」の火災を受けて、東京のNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が、発生から一周忌を迎える3月19日に、たまゆらの跡地で追悼法要を営むことを決めた。もやい代表理事の稲葉剛さんは「悲劇を繰り返さないためにも、それぞれができることを考えたい」と話している。 火災で亡くなった10人のうち、6人は東京都墨田区、1人は東京都三鷹市で生活保護を受給していた高齢者。 もやいは「生活に困窮する高齢者の居場所を都内につくれなかったのは、都民全体にも責任がある」として、昨年5月にはたまゆら跡地で四十九日の法要を実施した。』 . |
| 2010.02.25 | ☆たまゆら運営法人賃料滞納訴訟:高桑容疑者ら原告側の主張認める--地裁結審/群馬( 23日、毎日新聞→ 『渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で入所者10人が死亡した火災で、施設を運営するNPO法人「彩経会」と同会理事長の高桑五郎容疑者(85)=業務上過失致死容疑で逮捕=らを相手取り、前橋市の建設会社「小林工業」(小林要一社長)が貸金など約4500万円の支払いを求めた訴訟の弁論が23日、前橋地裁(水橋巌裁判官)で開かれた。同会と高桑容疑者は原告側の主張を全面的に認め、結審した。 これまでの弁論で、高桑容疑者は、提訴内容を全面的に認めた上で、同社との契約書は「保証人の名前や印鑑は自分で偽造した」などと主張していた。 この訴訟では、被告の1人で同会理事の久保トミ子容疑者(73)=同=に対し、地裁はすでに支払いを命じている。その他の連帯保証人ら6人の被告は「我々は連帯保証人ではない」などと主張、争う姿勢を見せている。 訴状によると、同社は00年8月、彩経会に3500万円を貸し付けたが、返済を01年2月末日までとする契約が守られず、09年2月までに遅延損害金約1000万円も発生したとしている。』 . |
| 2010.02.21 | ☆たまゆら火災 高桑容疑者ら拘置延長へ 20日、讀賣新聞(群馬)→ 『役割分担で詰めの捜査 渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で昨年3月、入所者10人が死亡した火災で、業務上過失致死容疑で逮捕されたNPO法人「彩経会」理事長の高桑五郎(85)(渋川市北橘町八崎)、当時施設長だった同理事久保トミ子(73)(前橋市南橘町)の両容疑者について、前橋地検は19日、22日に満期を迎える拘置期間を10日間延長するよう前橋地裁に請求し、認められた。 渋川署捜査本部によると、火災時に避難経路となる3か所を施錠していたことが、業務上過失致死容疑での立件のポイントの一つになっている。捜査幹部によると、高桑容疑者は施錠について、「認識していた」としながらも、施設食堂から直接外に出入り出来る戸の南京錠の設置については「指示していない」などとあいまいな供述をしているという。 一方、久保容疑者は「入所者のことを考えて行動していれば良かった」と供述しつつも、ただ名前を貸していただけで施設運営に積極的に関与していないとする趣旨の話もしているという。 捜査本部は、施設の管理運営について、高桑、久保両容疑者がどのように役割分担をしていたのか、詰めの捜査を進め、責任の所在を明確にしていく方針だ。 捜査幹部によると、高桑容疑者は高齢が心配されたが健康状態は良好という。捜査本部の調べに対しても、しっかりと応じており、違法性を認識しながら施設の増改築を繰り返した理由について、「借金が増え続けるなかで、自治体から紹介された生活保護受給者を受け入れることで確実な収入が見込める。また自治体とのパイプもでき施設の信用性も増す」とする趣旨の供述をしているという。 高桑容疑者には「たまゆら」一帯の土地購入資金として、個人名義で約1億5000万円を、施設工事代金などを法人名義で約1億円借り入れていたことが、捜査本部の調べで分かっている。』 . |
| 2010.02.21 | ☆生活保護受給者受け入れ 「確実な収入見込める」供述 「たまゆら」理事長 19日、讀賣新聞(群馬)→ 『渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で10人が死亡した火災を巡り、施設経営者ら2人が業務上過失致死容疑で逮捕されてから1週間。これまでの渋川署捜査本部の調べに、NPO法人「彩経会」理事長の高桑五郎容疑者(85)は素直に応じているといい、東京都墨田区などから多くの生活保護受給者を受け入れた理由について、生活保護費から確実な収入が見込め、施設の信用度も高まるという趣旨の供述をしていることが、捜査幹部への取材でわかった。 捜査幹部によると、高桑容疑者は「たまゆら」の土地購入資金や施設工事代金など計約2億5000万円の借金があったことが判明。施設の電気や水道料金を滞納して止められることも頻繁にあったという。 高桑容疑者は逮捕前、読売新聞の取材に、こうした窮状下にあった6年ほど前に、県外の自治体から生活保護受給者の受け入れの打診があったことを説明している。その後は、自ら墨田区などに対して、施設のパンフレットを持って説明に回り、月8万円台の低額料金を売りにして生活保護受給者の受け入れを始めた。以後、入居者は増え、昨年3月19日の火災時点では、22人のうち17人を生活保護受給者が占めたとしている。 高桑容疑者は建築基準法違反に当たると知りながら、ベニヤ板などを使い自ら施設を増築。職員配置や防火対策などには経費を回さず、入居者確保に走ったことが、火災時の被害拡大につながったとみられている。 こうした施設の状況について、高桑容疑者は「管理態勢に不備があり、職員にも火災が起きたときの対応を徹底していなかった。安全意識に欠けていた」と供述しているという。 捜査本部は、資金難で経営に行き詰まった高桑容疑者が、入所者確保のために生活保護費に目を付け、安全面をないがしろにしたまま、福祉から「貧困ビジネス」へと事業を変貌(へんぼう)させていったとみている。』 . |
| 2010.02.18 | ☆『多床型』特養整備、推進へ たまゆら火災で(群馬県)知事方針 低所得者入居に配慮 18日、東京新聞(群馬)→ 『大沢正明知事は十七日の定例会見で、入居者十人が死亡した渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」火災で浮き彫りになった低所得高齢者の介護問題に言及。特別養護老人ホームの整備について、国が優先してきた個室居住の「ユニット型」だけでなく、入居費が安価な相部屋方式の「多床型」の施設整備も積極的に認めていく方針を示した。 (中根政人) 特養ホームの居室形態は、数人の高齢者が相部屋で居住し、食事や介助などのサービスを受ける多床型が主流だが、個人のプライバシー保護などが問題とされてきた。 厚生労働省は二〇〇二年、特養ホームについて、高齢者を個室に居住させて日常生活を介助するユニット型へ順次転換させると表明。県も新規の設置や増床は、原則としてユニット型しか認めない方針を打ち出した。 だが、ユニット型は建設コストが高く、入居費が多床型よりも高額になるなどの難点があり、整備が思うように進んでいないのが現状だ。県介護高齢課によると、昨年九月一日現在で、県内の特養ホームのベッド数七千八百十五床のうち、ユニット型は32%の二千四百九十八床にとどまっている。 たまゆらの火災発生後、厚労省は低所得高齢者の介護問題への対応として、多床型の特養ホーム新設を容認する方向に政策を“軌道修正”している。 大沢知事も「たまゆらの惨事を通じて、安心安全な高齢者の居住施設が必要と感じた」と述べた上で、「年金受給額の少ない(低所得の)高齢者が入居しやすい環境をつくるため、多床型の特養ホーム整備にも最大限努力する」と強調した。』 . |
| ☆渋川の老人施設全焼:たまゆら理事長逮捕 知事「安心・安全に努力」/群馬 18日、毎日新聞(群馬)→ 『大澤正明知事は17日の定例会見で、10人が死亡した渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災を巡りNPO法人「彩経会」理事長、高桑五郎容疑者(85)が業務上過失致死容疑で逮捕されたことを受け、「高齢者のついのすみかの安心で安全な環境整備に、最大限の努力をする」と述べた。 大澤知事によると火災後、(1)有料老人ホームの届け出指導強化(2)小規模施設へのスプリンクラー設置補助--などに取り組んでいる。知事は「小さな施設ほど職員数が足りない。スプリンクラーを設置し、火災をまず食い止めなければ人命は救えない」と述べた。』 . |
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| 2010.02.16 | ☆渋川の老人施設全焼:高桑容疑者供述「有料あきらめた」 施設整備が資金難で/群馬 16日、毎日新聞(群馬)→ 『渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で昨年3月、入所者10人が死亡した火災で、施設を運営するNPO法人「彩経会」理事長、高桑五郎容疑者(85)=業務上過失致死容疑で逮捕=が、渋川署捜査本部の調べに対し、「有料老人ホームにしたかったが、資金難で基準を満たせず、あきらめた」などと供述していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、高桑容疑者は「(施設を有料老人ホームとして)届け出する意思はあった」などと話しているという。しかし、高桑容疑者は火災前、県への届け出などは行っていなかった。 捜査本部の調べで、高桑容疑者は土地購入代金や、施設工事代金などで、法人名義も含め約2億5000万円(うち法人名義約1億円)の借金があったことが分かっている。県が有料老人ホーム設置の基準としている、国が定めた「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」に沿った施設整備が、資金難でできなかったとみられる。 高桑容疑者は、火災後の09年6月、前橋市苗ケ島町で運営する「静養ホーム花みづき」と、同7月に火災を免れたたまゆらの別棟1棟について、県に有料老人ホームの届け出を申請した。しかし、同9月、高桑容疑者は「生活保護を受給する入所者が退出してしまい、経営が立ち行かなくなってしまったので申請を取り下げたい」などとする書類を県に提出していた。県は入所者が3人残っているため取り下げを受理していない。【鳥井真平】 ◇安全確保の課題象徴、101施設中30で基準満たさず たまゆら火災は、無届けの老人施設の危険性を浮き彫りにした。ただ、有料老人ホームとして届け出ても、設備を改善するための資金が足りず、国の基準を満たせないまま運営を続ける施設も多い。「有料老人ホームにしたかったが、資金難であきらめた」。高桑容疑者の供述は、多くの老人施設が抱える課題を率直に示した形で、いかに施設の安全を確保していくか、重い課題を突きつけている。 老人施設に対するチェックをめぐっては、06年の老人福祉法改正で有料老人ホームの定義が「入居者10人以上」から「1人以上で、食事や介護などを提供している施設」などとなり、届け出の対象施設の範囲が大きく広がった。 県介護高齢課は、有料老人ホームの届け出申請の審査の際、国の「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」を基準にしている。指針には▽介護居室は入居者1人当たりの床面積は13平方メートル以上▽居室がある区域の廊下は入居者が車いすなどで安全かつ円滑に移動することが可能となるよう、幅1・8メートル以上とされる--など、さまざまな基準が設けられている。 しかし、指針に法的拘束力はなく、基準を満たしていない施設は多い。同課によると、県内では今年1月1日時点で101施設が有料老人ホームとして届け出ているが、そのうち30施設は「居室の面積や廊下幅などが指針に定める基準未満」で、県が指導を続けている状態だ。 6年の老人福祉法改正に伴い有料老人ホームとして届け出たものの、設備が「基準未満」とされた前橋市内の施設運営者の男性(49)は「うちの廊下は幅60センチだが、指針に沿った施設をそろえるのは資金的に無理。入所者には行き場がなく、施設を閉めることもできない」と話す。 また、同市内の女性施設長(65)は「行政が補助金を出してくれないと改修はできない」と指摘。行き場を失った高齢者をどのように受け入れるか「行政にも真剣に考えてほしい」と訴えている。』 . |
| 2010.02.14 | ☆無届けホーム 届け出足踏み 「改修費が莫大」「家賃に転嫁できない」389老人施設、今も 14日、讀賣新聞→ 『10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、施設経営者が10日、業務上過失致死容疑で逮捕された。 昨年3月の火災からまもなく1年。行政の目が行き届かない無届け有料老人ホームへの指導・対策は強化されたものの、課題は多い。 10人死亡火災1年 「安全意識に欠けていた。職員にも火災時の対応を徹底していなかった」 ずさんな防火体制で10人が犠牲になった「たまゆら」を運営するNPO法人「彩経会」理事長の高桑五郎容疑者(85)は逮捕前、読売新聞記者にこう語った。 1996年にたまゆらの前身となるリハビリ施設を開設したが、経営に行き詰まり、6年ほど前から主に生活保護受給者を入居させてきた。実質、有料老人ホームだったにもかかわらず、届け出はしていなかった。昨年3月19日の火災当時、入居者22人の大半が、東京都内の自治体の紹介で入居した生活保護受給者だった。 入居者が増えるにつれ、高桑容疑者自らがベニヤ板などで施設を増築。元職員は、「役所関係者や家族が見に来た時は、必ずきれいな部屋を見せ、その後、入居者を粗末な部屋に移すことがあった」と証言する。 群馬県警によると、施設の壁や天井に防火材を使用しなかったほか、認知症の入居者の徘徊(はいかい)を防ぐため、避難口となる引き戸などに施錠していた。施錠していなければ、少なくとも4人は自力で逃げ出せた可能性があったという。 自治体が独自策 たまゆら火災を受け、国は都道府県に対し、業者の届け出を促すよう求めてきた。届け出により、行政が劣悪な環境の改善を指導しやすくなるためだ。独自の対策を始めた自治体もある。 青森県では昨年10月、県内の訪問介護事業所などに無届けホームへの介護サービスの提供を禁止する通知を出した。無届けホームでのサービス提供を「違反」とし、判明した場合は、介護報酬の返還などを求める。無届け事業者側を直接指導するだけでなく、間接的にその運営を難しくさせることを狙った措置。今年1月末までの3か月間で昨年度1年間の届け出件数と同じ約20件の届け出があった。 東京都は昨年8月、非常勤の「有料老人ホーム運営指導員」を配置。社会福祉士やケアマネジャーの資格を持つ6人が、無届けホームの現地確認や届け出に向けた助言などを行っている。 また、たまゆらに15人の生活保護受給者を紹介していた東京都墨田区では、火災後、新たな施設を利用する際、サービス内容などの点検強化に乗り出した。 イタチごっこ だが、こうした取り組みにも限界がある。厚生労働省によると、昨年10月末時点での全国の無届けホームは389か所。火災後に指導に応じて届け出をした施設は約3割にとどまる。その理由として、事業者が挙げるのが、届け出による負担増だ。 首都圏のある不動産業者は、約30か所の施設に生活保護を受ける500人の高齢者を入居させている。このうち1施設について、県の指導で届け出の準備を進めているが、防火設備などの工事費が2000万円以上かかることがわかったという。業者は「基準に合うように部屋や廊下幅を広げれば莫大(ばくだい)な費用がかかる。現実的に無理。改修費を家賃に転嫁したら、生活保護の人はここを出ていくしかない。行政は面倒を見てくれるのか」と声を荒らげる。 「小規模施設では書類をそろえるのも大変」(神奈川県)など、届け出に必要な書類作成などの事務負担もネックになっている。 また、入居者が高齢者ばかりではない施設などには、「うちは有料老人ホームに該当しない」と主張するところもあり、苦慮している自治体が少なくない。 国は都道府県に対し、面積などが基準に合わなくてもまず届け出をさせ、その後に改善を指導するよう求めている。「それでも届け出を渋るのは、行政の指導を受けたくないから。やっと届け出てもらっても、ニーズがあるのでまた新規の無届けが出てくる。このままではイタチごっこになりかねない」とある自治体関係者は危機感を募らせる。(社会保障部 小山孝、野口博文、前橋支局 大塚美智子) 有料老人ホーム 入居する高齢者に、介護や食事の提供などを行う施設。事業者は都道府県への届け出が義務付けられており、違反した場合は、30万円以下の罰金。国は指針で、居室は個室とし、床面積を13平方メートル以上とすることなどを求めている。 都市部の低所得者向け施設、都・国が対策 たまゆら火災は、「生活に支援が必要な低所得高齢者の住まいの確保」という課題も浮き彫りにした。 これまで、低所得者が利用しやすい施設には特別養護老人ホームがあったが、約42万人が入居待ちの状況。要介護度が重くなければ入れない場合が多いうえ都市部では地価の高さが壁になって、計画通り整備が進んでいないのが現状だ。 低所得者向けには「無料低額宿泊所」もある。利用者約1万4000人中、65歳以上が3割を占めるが、生活支援や介護を十分に提供できない施設も多い。 問題解決のため、東京都は昨年6月、猪瀬直樹副知事を座長に高齢者の住宅施策を検討するプロジェクトチームを設置。低所得高齢者向けの福祉施設「都型ケアハウス」の創設を掲げた。 ケアハウスは、体が弱ってきた高齢者に生活支援や食事などのサービスを提供する福祉施設。現在の国の基準では居室面積が約21平方メートル以上(トイレなど含む)などとされているが、都は、地価の高い都内では、利用料が高額になる傾向があるとして、基準緩和を国に提案。厚生労働省は来年度、東京23区に加え、大阪市全域や名古屋市の一部などに限り、居室面積を約7平方メートル以上(トイレなどは共有)まで緩和することを決めた。 都では、来年度からの3年間で240か所(2400人分)を整備し、無届けホームの入居者らを移行させる方針だ。利用料は月10万円程度を見込んでいる。担当者は、「対策が手薄だった低所得で要介護度が軽い人たちの受け皿を用意したい」と話している。』 . |
| 2010.02.14 | ☆たまゆら火災ずさん管理「避難路灯油タンク」 14日、讀賣新聞→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で昨年3月、10人が死亡した火災で、施設職員として約4年勤務した女性(70)が読売新聞の取材に応じ、「避難経路の通路にはおむつが山積みにされ、灯油入りのポリタンクもあった」などと、ずさんな管理実態を証言した。 夜勤者が1人だけのこともあり、施設長だった久保トミ子容疑者(73)(業務上過失致死容疑で逮捕)に人数を増やすよう訴えたが、改善されなかったという。 渋川署捜査本部によると、10人中7人が死亡した北別館では、壁や避難経路となる通路の側壁、食堂の壁や天井などに、建築基準法で義務づけられた耐火材ではなくベニヤ板が使用されていた。この女性によると、通路には入居者の洗濯物や使用前のおむつが積まれ、「重度の要介護者もいたのに、車いすがやっと通れるほどのスペースしかなかった」という。通路には灯油の入ったポリタンクがいくつも置かれており、「それが火の回りを一層早くしたのでは」と話した。 捜査本部は、北別館の避難口である食堂出入り口など3か所を施錠していたことが、避難の妨げになったとみている。女性は「入居者の徘徊(はいかい)を防ぐため、夜間は施錠するよう日頃から久保容疑者に指示されていた」とし、「火事でも起きたら大変だと疑問に思いながら従っていた」と話した。鍵は束ねて食堂の冷蔵庫の横に掛けられていた。 さらに、女性が担当した夜勤(午後6時〜午前9時)は要介護者のおむつ交換や呼び出しに対する世話などで、「見回りをするように」との指示はなかったという。月10日間ほどは女性1人で担当したため、「何かあった時に怖いので夜勤を増やしてほしい」と久保容疑者に訴えたが、受け入れられなかった。』 . |
| 2010.02.14 | ☆たまゆら慰霊碑 宙に浮く 火災跡地 住民の反発などで 14日、讀賣新聞(群馬)→ 『渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、運営するNPO法人「彩経会」理事長の高桑五郎容疑者(85)らが逮捕され、犠牲者10人の慰霊碑を建てる計画が宙に浮いた状態となった。慰霊碑の提供を申し出ていた高崎市の男性は、独自に別の設置場所を探すことを検討するという。慰霊碑建立は、高桑容疑者が「犠牲者を供養したい」として、火災直後から何度も口にしてきたが、実現は極めて困難な見通しだ。 高崎市の男性は「火災を風化させたくない」との思いから、昨年4月、高桑容疑者に無償提供を提案。既にほぼ完成し、今月中旬に設置予定だったが、大惨事に複雑な思いを抱く住民の間に「建てないでほしい」との声があることを知り、今月初めに跡地への設置を断念した。 高桑容疑者からは別の設置場所も提案されたが、今回の逮捕を受け、彩経会とは離れた形で進めることを検討している。 住民が慰霊碑に反対したのは、彩経会への反発もある。近くの主婦によると、現場前の献花台には乾いた花束が放置され、周辺住民が自主的に片づけたり、献花台に水をあげたりしてきたといい、「(彩経会は)火事後の説明どころか、近所に一度もあいさつに来たことがない。慰霊碑を世話していくとは思えない」と憤る。 別の主婦は、東京都墨田区に「たまゆら」を紹介され犠牲になった女性から、生前、「こんなところでは死ねない。いつか帰りたい」という胸の内を聞かされたといい、「ここに魂を残すことを望むとは思えない」と思いやる。また、「焼け跡が撤去されるまで、夜は現場の前を通るのが怖かった。慰霊碑を見るたびに、あの惨劇を思い出す生活はつらい」とも語る。 高桑容疑者は逮捕直前、読売新聞の取材に対し、慰霊碑について「亡くなった方を供養し、火災を忘れないようにするためにも、どこかに建てる場所を探したい。近隣住民の理解を得ながら進める」と話したが、「資金を出す余裕はない」とも認めており、彩経会が独自に慰霊碑を用意するのは難しそうだ。』 . |
| 2010.02.14 | ☆生活保護受給者で「経営安定」 「たまゆら」理事長供述 12日、共同通信→ 『昨年3月に入所者10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」の火災で、業務上過失致死の疑いで逮捕されたNPO法人理事長の高桑五郎容疑者(85)が、生活保護受給者を多数入所させた理由について「経営を安定させたかったから」と供述していることが12日、捜査関係者への取材で分かった。 高桑容疑者は1990年代から、特別養護老人ホーム設立やデイサービスセンター運営に相次いで失敗し、法人名義と合わせ約2億5千万円の借金を抱えていた。渋川署捜査本部は、財政難を解消するため、固定的な毎月の収入が見込める生活保護受給者の入所を増やそうとして、燃えやすいベニヤ板を使った建築基準法に違反する増改築を高桑容疑者自身の手で繰り返したとみている。』 . |
| 2010.02.11 | ☆渋川の老人施設全焼:たまゆら理事長逮捕 関係者「理想と行動伴わず」/群馬 11日、毎日新聞→ 『◇「無縁仏の人、今も夢に」 渋川市北橘町八崎の老人施設「静養ホームたまゆら」が全焼し、10人が死亡した火災から約11カ月。渋川署捜査本部は、たまゆらを運営する特定非営利活動法人「彩経会」理事長の高桑五郎(85)と、実妹で同会理事の施設長、久保トミ子(73)の両容疑者を業務上過失致死容疑で逮捕した。 たまゆらで働いていた元ヘルパーなどの関係者からは「理事長である以上、責任を取るのは当然だ」「無縁仏になった人は今も夢に出てくる」などの声が上がった。 元ヘルパーの女性は高桑容疑者について「身寄りのない人のために、なんとかしたいと理想を持っていたが、行動が伴わなかった。火災発生時、ヘルパーは1人しか配置しなかったが、もう1人いれば、もっと救えたはずだ」と話す。 別の元ヘルパーの女性は逮捕の報に「予想はしていたが、驚いた」と口ごもった。ヘルパーの手が足りず入所者に目が行き届かない実態に疑問を感じ、火災発生前に辞めた。たまゆらの別館には、火災後も入所者が住み続けており「残された人はどんな生活をしているのか」と案じた。 彩経会の元理事の男性は「理事長には責任がある。違法建築などの複合的な過失により逮捕されたのは仕方ない」と語った。一方で「このような施設の存続を許した行政の問題も追及しなければ、根本的な問題は変わらない」とも話した。 彩経会を巡っては火災後も、ずさんな施設運営によるトラブルが続いた。昨年8月、同会が運営する「静養ホーム花みづき」(前橋市苗ケ島町)は経営難による賃料の不払いで家主の女性から民事訴訟を起こされ、閉鎖した。12人の入所者のうち半数以上は新たな受け入れ先が見つからず、家族がいったん引き取ったが、元入所者がその後どうなったかは不明だ。 花みづきの元施設長の男性は「理事長は賃料だけでなく水道料の支払いも滞り、水がでなくなったこともあった。私も施設運営に携わった一人として罪悪感を感じる。無縁仏になった人は今でも夢に出るし、夜は線香をあげて寝ることもある」と話した。【奥山はるな、喜屋武真之介】 ◇有料老人ホームに該当--県警 「この火災は、高齢者の受け入れ施設として、社会的な問題となった。多数の被害者のため早期解決に努めたい」。県警で会見した藤原重紀刑事部長は10日、こう強調した。 捜査本部は逮捕に至った背景として(1)実質的に有料老人ホームに該当していた(2)建築基準法関連に定める構造を有していなかった(3)入所者が簡単に解錠できない施錠がされていた--の3点を柱に挙げた。 捜査本部によると、たまゆらは昨年3月19日の火災発生当時、他の病院に入院するなどしていた人も含め、22人を有料で入所させていた。うち65歳以上の高齢者は17人。入浴や排せつ、食事の介護などを行っており、実質的に有料老人ホームだったと判断、業務上の注意義務が発生するとした。 また、高桑容疑者は無断で施設の増改築を繰り返し、施設内の避難経路の壁など計8カ所で耐火材を使用していなかった。県警が09年11、12月に計3回行った燃焼実験では、火元とみられる西側奥居室付近を再現、火が広がる状況を検証した。「耐火構造の建物よりも燃焼速度は、はるかに速かった」という。 さらに、入所者のはいかい防止のため、食堂などの出入り口3カ所で施錠し、入所者の避難を事実上不可能にしたとした。施設では避難訓練は1度も行われていなかったという。』 . |
| 2010.02.11 | ☆火災あれば「ひとたまりもない」 老人施設関係者が危険認識 11日昼、共同通信→ 『10人が死亡した昨年3月の群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」火災で、施設関係者が群馬県警の調べに「火が出たらひとたまりもないと思っていた」と話していることが11日、渋川署捜査本部への取材で分かった。 捜査本部は同日、業務上過失致死容疑で10日に逮捕したNPO法人「彩経会」理事長高桑五郎容疑者(85)宅など7カ所を家宅捜索。高桑容疑者と久保トミ子容疑者(73)が、火災の危険性を十分認識していたとみて調べを進める。 高桑容疑者は逮捕前、共同通信の取材に「燃えやすいベニヤなどで増改築した粗末な施設なので、火が出れば危ないと認識していた。(県警の任意の捜査で)聴かれたことはすべて話している」と話していた。』 . |
| 2010.02.11 | ☆「たまゆら」理事長ら逮捕 ずさん管理全容解明へ 11日、讀賣新聞→ 『10人が犠牲になった渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、県警は10日、施設を運営していたNPO法人「彩経会」の理事長高桑五郎容疑者(85)らの逮捕に踏み切った。行政の監視が行き届かない無届け施設で起きた惨事から間もなく1年。県警はずさんな管理の全容解明と刑事責任の追及に乗り出す。一方、かつての施設関係者や近隣住民からは「きちんと責任を」との声が上がった。 午後7時30分から県警で行われた記者会見には、藤原重紀・刑事部長、伊勢川好・捜査一課長、高橋千明・渋川署長が臨んだ。説明によると、高桑容疑者は県警の調べに対し、「今回の事件の責任は私にあります」と供述しているという。 業務上過失致死容疑での立件に至ったポイントとして、藤原部長は<1>「たまゆら」が実質的な有料老人ホームに該当する<2>建築基準法が定める構造を有していない<3>入所者が解除できない施錠をしていた――と3点を挙げた上で、「注意義務を怠っていた」と指摘した。 「たまゆら」の類似例としては、2006年1月に長崎県内のグループホームで7人が死亡した火災がある。この火災では、原因が特定できなかったことなどを理由に立件は見送られた。 「たまゆら」も火災原因は特定されていないが、長崎との違いについて藤原部長は「カギと建物の関係が大きく違う。『たまゆら』は多くの違法建築があり、火災の際の逃走経路などにカギをかけていた点は大きい」と強調。構造と管理体制の不備が、立件の決め手になったとの見方を示した。 高齢の高桑容疑者を逮捕したことには、伊勢川課長が「逃走や証拠隠滅の恐れがあることなどを念頭に判断した」と説明。藤原部長は「一般に2〜3年を費やす事件だが、捜査員が一丸となって臨み、1年で(立件)できた」と総括した。 「たまゆら」の焼け跡に隣接する別棟では、現在も数人の入居者が暮らす。 現場近くの特別養護老人ホーム「ねむの丘」に勤め、火災当日に救助に当たった女性(48)は「夜に、『たまゆら』の入所者が出歩いているのを施設に戻そうと電話しても、つながらないことがほとんど。ずさんな管理体制の責任を取るのは当たり前」と高桑容疑者らを厳しく批判。同じ施設の男性職員は「入居者がまだいるようだが、今後どうなるかとても心配」と表情を曇らせた。 彩経会が前橋市内で運営していた施設の元職員男性(66)は、「より良い福祉を目指す姿勢に尊敬する部分もあったが、10人を死なせた火災の責任はやはり重い。どんな形でもきちんと責任は取るべき」と話した。 同じ施設に勤めていた女性(48)は「多くの人を死なせた責任は重い。ずさんな管理体制で自分が入所したいという施設では決してなかった」と語った上で、「夢みたいなことばかり言って、理事長として失格だった」と批判した。 「たまゆら」の元職員の女性(70)は「10人が亡くなった責任をとるのは仕方ない」と、悲しそうに話した。 現場近くに住む建設業後藤一さん(59)は「火災の後、無届け施設への対策が進んでいるとは思えない。理事長の責任追及だけでなく、犠牲を無駄にしないよう行政も取り組んでほしい」と訴えた。 ◆高桑容疑者一問一答 「管理体制不備あった」 高桑容疑者は昨年12月から今月初めにかけて、読売新聞の取材に応じた。一問一答は次の通り。 ――近いうちに刑事責任が問われると思うが、どんな心境か 「真正面から受け止めて、きちんと責任を取っていきたい」 ――どんな責任があると思っているか 「施設の管理体制に不備があり、職員にも火災が起きたときの対応を徹底していなかった。安全意識に欠けていた」 ――建物の危険性は認識していたか 「していた。裏ががけになっているため、近いうちに新しい施設を建て直して移動するつもりだった」 ――消火装置などは、なぜつけなかったのか 「新しい施設に移動する予定だったので」 ――建築確認を取らずに増改築を繰り返した。違法性の認識は 「違法性はあった。だが、必要に応じてやったつもりだった。元々食堂だったところはすぐ裏ががけで危なかったから増築してキッチンを移動させた。クレゾールを飲んだり、汚物を壁につけたり大変な入所者に関しては新しく増築した特別室に移ってもらった。何かあったらすぐ飛んでいけるように隣に事務所をつくった」 ――防火素材を使ったか 「使っていない」 ――入居者は、行政サービスから漏れた人。行政に言いたいことは 「身よりのない人や障害者で施設に入れない人がまだまだたくさんいる。こうした大惨事を招かないためにも低料金で安心して暮らせる施設を増やしてほしい」 ――現在入所者は何人か 「たまゆらの別棟に男性1人(神奈川県)、女性2人(前橋市と渋川市)」 ――今後3人はどうなるのか 「県からはなるべく早めに別の施設に移すように言われている。低価格の所がなかなか見つからなくて悪戦苦闘している。3人は暖かくなる頃をめどに動く予定」 ――今後の施設運営はどうするつもりか 「一切福祉から手を引く」』 . |
| ☆理事長ら ぼや後も対策放置か 11日朝、NHK→ 『去年3月に群馬県渋川市のお年寄りの施設で10人が死亡した火事で、施設を運営するNPO法人の理事長らが業務上過失致死の疑いで逮捕されました。この施設では半年ほど前にも、入所者の部屋の一部が焼けるぼやが起きていて、警察は、理事長らがこのぼやをきっかけに、火事が起きた場合に危険だとわかっていながら対策を放置していた疑いがあるとみて調べています。 この火事は、去年3月、渋川市のお年寄りの施設「静養ホームたまゆら」で3棟の建物が全半焼し、10人が死亡したもので、施設を運営するNPO法人の理事長の高桑五郎容疑者(85)と、施設長の久保トミ子容疑者(73)が安全管理を怠っていたとして、10日、業務上過失致死の疑いで逮捕されました。この施設では、半年ほど前にも入所者の部屋の一部が焼けるぼやが起きていて、高桑理事長は「ぼやがあったので火事には気をつけなければならないと思っていた」と供述していることが警察への取材でわかりました。 また、避難経路になる廊下などの壁には、建築基準法などで定められている燃えにくい材質を使っていなかったほか、今回の火事当日は出口の鍵を外からかけていたため、入所者が避難できずに死亡したとみられています。 警察は、高桑理事長らがぼやをきっかけに、火事が起きた場合は危険だとわかっていながら、安全な避難経路を確保するといった対策を放置し、被害を拡大させた疑いがあるとみて調べています。』 . |
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| 2010.02.10 | ☆「たまゆら」火災、NPO理事長ら逮捕 10日19時過ぎ、NHK報道によると、昨年3月19日23時過ぎ、群馬県渋川市北橘町八崎の無届有料老人ホーム「静養ホームたまゆら」から出火、木造2階建て建物など数棟を全焼し、10人が死亡した事件に関し、警察は10日夜、設置運営主体の特定非営利活動法人(NPO法人)「彩経会」・高桑五郎理事長ら二人を業務上過失致死傷の疑いで逮捕した。 (ぶるま) . |
| 2009.12.23 | ☆老人ホーム 多くが消防法違反 総務省消防庁 22日朝、NHK→ 『有料老人ホームとしての届け出がないお年寄りの施設の70%近くで、定期的に避難訓練を実施していないなど消防法に違反するケースが見つかったことが、総務省消防庁の調査でわかりました。 ことし3月群馬県渋川市で有料老人ホームとしての届け出がないお年寄りの施設が焼け、10人が死亡した火事を受けて、総務省消防庁は全国400余りの施設を対象に半年ごとに防火対策の調査を行っています。 4月に行われた初めての調査では、85%の施設で消防法の違反が見つかりましたが、10月の調査でも68%に当たる276の施設で何らかの違反が見つかりました。このうち、定期的に避難訓練を実施していない施設が前回に続き最も多く38%。スプリンクラーの設置義務があるのに取り付けていない施設も11%ありました。 総務省消防庁は、依然として多くの施設で違反が見られるとして21日、各地の消防へ通知を行い、施設に対する是正指導を強化することにしています。』 . |
| 2009.11.05 | ☆東京都が高齢者9400人分の賃貸住宅整備へ 5日、産経新聞→ 『東京都内の高齢者の住まいが不足し“貧困ビジネス”の横行など深刻な問題を引き起こしていることから、都の少子高齢時代にふさわしい新たな「すまい」実現プロジェクトチーム(座長・猪瀬直樹副知事)は4日、高齢者用の賃貸住宅を約9400人分整備するなどとした報告書をまとめた。6日に石原慎太郎知事に報告する。 報告書では、今年3月に起きた群馬県渋川市の無届け老人ホーム「たまゆら」で都内の高齢者ら10人が死亡した火災について「東京の高齢者の住まい対策が遅れ、猛省している」としたうえで、生活保護受給者ら低所得高齢者のための賃貸住宅を2400人分(240カ所)整備するための予算を約33億円準備する必要があるとした。 また低所得者でも支払える家賃にするよう、国が全国一律で課している高齢者専用賃貸住宅の面積基準の緩和などを国に要望。都が独自に認可できる「東京モデル」を推進していくとした。また、厚生年金受給者ら中間所得層についても、見守り機能のついた賃貸住宅を約7千人分整備(約6千戸)する予算約65億円が必要とした。 一方で、これらの住まいは、介護状態が要介護3までの軽・中度の人を想定している。要介護度が重くなった場合の受け皿は特別養護老人ホームだが、都内の特養の待機者は3・8万人と全国トップクラスで、厚生労働省の平成19年の調べでは、特養などの介護保険3施設の整備率(65歳以上人口に占める特養のベッド数の割合)は、都が2・2床でワースト1だった。 淑徳大学の結城康博・准教授は、「どんなに優れた高齢者用賃貸住宅でも、要介護度が重くなれば暮らせなくなる。東京都の施策で、選択肢が増えることは良いことだが、特養の整備も併行して行わなければ、単なるコスト削減のための施策にしか聞こえない」と指摘する。』 |
| 2009.10.12 | ☆低所得高齢者 施設を考える会 「たまゆら」火災を教訓に 12日夜、NHK→ 『ことし3月、群馬県の高齢者施設が焼けて、生活保護を受けている東京のお年寄りら10人が死亡した火災を教訓に、都市部で低所得の高齢者を受け入れるための施設づくりについて考えるシンポジウムが東京で開かれました。 このシンポジウムは、高齢者を支援しているNPOなどが主催したもので、東京・墨田区の会場には、学識経験者や自治体の関係者など、およそ200人が集まりました。 ことし3月、群馬県渋川市の高齢者施設「たまゆら」で起きた火災では生活保護を受けている東京のお年寄りら10人が死亡し、都市部での施設不足が浮き彫りになりました。 シンポジウムでは東京のNPO「ふるさとの会」の佐久間裕章さんが「『たまゆら』の悲劇を繰り返さないためには所得が低いお年寄りが介護が必要になった場合に暮らせる場所を確保する施策が必要だ」と指摘しました。 . 続いて、法政大学の山岡義典教授が低所得のお年寄りを受け入れているNPOの施設を紹介し、「24時間態勢で身の回りの世話にあたる職員の人件費をねん出するのが難しい」として行政の支援制度が必要だと訴えました。厚生労働省は、今後3年間で16万人分の介護施設を整備する方針ですが、こうした施策でも低所得の高齢者を都市部で完全に受け入れることは難しく、具体的な受け入れ策の検討が急がれています。』 ■主催NPOは「NPO法人 自立支援センターふるさとの会」。 . |
| 2009.09.16 | ☆消防法令違反、未届け施設の割合高く-消防庁調査 16日夜、CBニュース→ 『(総務省)消防庁は9月16日、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、障害者支援施設など、入所系の社会福祉施設などを対象に行った防火対策に係る調査の結果を公表した。未届けの有料老人ホームにおける消防法の違反率が、入所系の社会福祉施設など全体の違反率と比べて軒並み高いことが分かった。 調査は群馬県渋川市の未届け施設で起こった火災を受けて、今年3月下旬から、入所系の社会福祉施設など4万9809施設を対象に実施したもの。その結果、6.4%の施設でスプリンクラー設備に関する違反があった。自動火災報知設備では3.3%、消防訓練の実施では14.3%の施設で違反があった。 一方、消防庁が6月18日に公表した、未届けの有料老人ホーム446施設における消防法違反の状況に関する調査結果によると、スプリンクラー設備に関する違反があった施設は14.6%。自動火災報知設備に関する違反は11.2%、消防訓練の実施に関する違反は65.8%の施設であった=グラフ=。 スプリンクラー設備では、未届け施設の違反率が入所系施設全体の2倍強、自動火災報知設備では3倍強で、消防訓練の実施では4倍強だった。 消防庁では、未届け施設の実態を消防庁でもきちんと把握していなかったことや、施設側も消防の指導を受けたことがなく、「(法令に対する)認識がなかった」ことが背景にあるとの見方を示している。 消防庁では、違反があった施設への指導を進めているが、スプリンクラーの設置などには費用がかかるため、違反状況の解消には「ある程度時間がかかる」としている。また、違反があった施設の状況について、10月末までに追跡調査を行う予定だという。 【編注】違反率は、「違反施設数」を「義務施設数」で割ったもので、義務施設数は各項目によって異なる。』 . |
| 2009.09.15 | ☆「たまゆら」火災 石材店従業員が慰霊碑建立へ 群馬県渋川 15日夕、毎日新聞→ 『群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で入所者10人が亡くなった火災から19日で半年。身寄りのないお年寄りの悲惨な最期に衝撃を受けた同県高崎市の石材店従業員、矢野慎次さん(31)が「悲劇を忘れたくない」と焼け跡に慰霊碑を建立する準備を進めている。たまゆらの運営法人「彩経会」から、真っ黒に炭化した残骸(ざんがい)の一部と犠牲者の遺品の印鑑を受け取っており、碑の下に埋める予定だ。【奥山はるな】 たまゆらの犠牲者の多くは、生活保護を受けるお年寄りだった。身元判明に10日以上かかったり、引き取り手の見つからない遺骨もあった。墓石の加工や設置を主な仕事にしている矢野さんは火災翌月の4月、碑の建立を彩経会に申し入れた。 碑にする石は、勤務先で探した。今月には焼け跡の残骸の撤去も終わり、来年3月の一周忌に向けて完成させる予定。 たまゆら火災の後、矢野さんは「明るい高齢社会をつくりたい」とボランティアサークル「一滴プロジェクト」をつくり、老人施設を訪問して入所者の話し相手となる活動を始めた。矢野さんは「碑もボランティアも、どれだけ役に立つか分からない。でも悲劇を繰り返さないために、少しでも自分のできることをしたい」と話している。』 . |
| 2009.09.13 | ☆「たまゆら」火災契機に来月シンポ 11日、産経新聞→ 『「たまゆらの悲劇を繰り返さない」と題したシンポジウムが10月12日午後1時半から、すみだ生涯学習センター「ユートリヤ」(東京都墨田区)で開かれる。 今年3月に起きた無届け施設「静養ホームたまゆら」の火災を契機に、低所得高齢者向け住宅をどう確保するかを考える。都市部で急速に増えている認知症高齢者のケアを踏まえ、認知症の専門家や研究者、NPO代表らが、医療・介護サービスと居住資源を組み合わせたセーフティーネットについて議論する。 主催は、たまゆらの元入所者らが居住する「支援付き住宅ふるさと晃荘」を運営するNPO法人「自立支援センターふるさとの会」など。参加費1000円。申し込み・問い合わせは、同会事務局(電)03・3876・8150。』 . |
| 2009.09.09 | ☆個室で幸せ 生活苦の高齢者に介護受けられる住宅を 8日、産経新聞→ 『たまゆらを繰り返すな-。東京都台東区のNPO法人が、既存住宅に医療や介護の利用援助を付加し、「支援付き住宅」として活用する方法を提唱している。今年3月に起きた群馬県の無届け施設「静養ホームたまゆら」の火災では、施設不足を理由とする生活保護費の越境支給が明らかになり、「住宅政策の問題」との専門家の指摘もある。再び犠牲者を出さないためには、独居の困難な低所得高齢者の住宅確保が急務だ・・・』 ■続きは こちら . |
| 2009.08.09 | ☆有料老人ホーム運営指導員を設置-東京都 6日夜、CBニュース→ 『今年3月に群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」で起きた火災やそれに伴う緊急点検などを受け、東京都は未届け有料老人ホームなどへの届け出促進やサービス改善への働き掛けを強化する。その一環として、介護・福祉の有資格者で構成される「有料老人ホーム運営指導員」を設け、8月6日に辞令を交付した。指導員は研修を受け、早ければ月内に指導を開始する。 6日に都庁で行われた辞令式では、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の資格を持つ職員6人(非常勤)が、安藤立美福祉保健局長から辞令を手渡された。 安藤局長は指導員に対し、専門知識を生かしながら、未届け施設などの届け出促進に取り組むよう求め、「皆さんの業務は利用者の安全、安心の確保に直結する。この時期に結成した意味もそこにある。職務の重さも理解してほしい」とあいさつした。 続いて、狩野信夫高齢社会対策部長が6人の職員に業務を説明。たまゆらの火災を受け、東京消防庁や区市の建築主管部門などと未届け施設などへの立ち入り調査をしたが、もっぱら消防設備の状況や建築基準法に違反していないか、身体拘束などをしていないかなど、急を要することは確認したものの、「高齢者のケアが適切にされているかは、1、2時間見るだけでは実態を把握できない」として、専門職による把握の必要性を指摘した。 また、たまゆらの利用者には、東京都民が多く含まれていたほか、生活保護受給者を含む低所得者がいたことを挙げ、低所得者などであっても東京都内で安心して暮らしていくための受け皿をつくっていきたいとした。 指導についても、未届け施設には早く届け出をしてもらうが、そこに住む利用者の生活を壊してはいけないとし、「『駄目、駄目』と指導するだけでなく、駄目なところは押さえながら、それをどう変えれば少しでもよくなるかということを考えていきたい」と述べた。 今年4月に、都が未届けの103件を対象に緊急点検を実施したところ、46件が有料老人ホームに該当し、48件については、有料老人ホームと同様のサービスを行っているにもかかわらず、住宅の提供者と食事や介護などのサービスの提供者が契約上、異なったりすることから、有料老人ホームに該当しないとされた(残り9件は既に事業を廃止)。 都では、有料老人ホームに該当する施設からの届け出を促進するほか、該当しない施設についても、届け出を促すとしている。 「有料老人ホーム運営指導員」は、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員で1つのチームを組み、消防署や区市の建築関係職員などと共に、未届け施設などへの現地確認を行うほか、専門的知識に基づいたアドバイスもしながら届け出を促進していくという。』 . |
| 2009.06.21 | ☆群馬・渋川の老人施設全焼:悲劇もう繰り返さない ボランティアグループが始動 19日、毎日新聞(群馬)→ 『 ◇火災から3カ月 群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で、入所者10人が死亡した火災から19日で3カ月。惨事に衝撃を受けた同県高崎市に住む石材店勤務、矢野慎次さん(31)が「明るい高齢社会をつくりたい」との思いをブログにつづったことをきっかけにボランティアグループ「一滴プロジェクト」が生まれた。28日の老人施設訪問から活動をスタートする。 墓石の設置などが主な仕事の矢野さんは、普段から家族に囲まれての納骨を見ているだけに、たまゆら火災で問題となった引き取り手のない遺骨に心が痛んだ。「未来の自分の姿かもしれない」と不安も感じた。 火災から3日後の3月22日、思いをブログに書いたところ、反応が相次いだ。「正直人ごとではありません!」(介護ヘルパーの女性、37歳)、「人間の最期の望みくらい、かなえてくれる社会であってほしい」(自営業の男性、61歳)。「何かボランティアをしたい」と、あっという間に話がまとまった。 集まったのはいずれも群馬県在住の小学生の女児から還暦を過ぎた男性まで8人。5月の初顔合わせで、月に1度、老人施設を訪問して入所者と交流する「月1ボランティア」や、お年寄りと手紙などのやりとりを続ける「里孫活動」をすることを決めた。10月には高崎市の寺で施設入所者らを招いてコンサートを開く予定だ。 矢野さんは「活動は大河の一滴みたいに小さいけど、流れ続けることで、悲劇を繰り返さないことにつながってほしい」と話した。』 . |
| 2009.06.18 | ☆85%が消防法令違反 無届け有料老人ホーム 18日夜、共同通信→ 『総務省消防庁は18日、老人福祉法に基づく都道府県への届け出が4月末時点で行われていない有料老人ホーム446施設の85・7%で、スプリンクラーや火災報知機が設置されていないなど何らかの消防法令違反があったとする調査結果を発表した。 調査は、3月に10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」の火災を受けて実施。たまゆらと同様の無届け施設を対象に、各地の消防本部を通じて防火体制を調べた。 それによると、床面積や入所者の要介護度などに応じて義務付けられるスプリンクラー設備は、設置対象の198施設中29施設で未設置や散水量不足などの問題があった。自動火災報知設備は設置義務がある394施設のうち44施設で不備が見つかった。 また、年2回の消防訓練が義務付けられている357施設のうち235施設で実施が不十分だった。 消防庁は、違反が判明した施設への重点指導を求めるとともに、今後、違反の是正状況を確認するため定期的な追加調査を実施する。』 . |
| 2009.06.09 | ☆生活保護受給者の入所、7割超が「未届け施設」―東京都調査 9日午後、CBニュース→ 『東京都内の生活保護受給者で有料老人ホームなどの施設を利用している人の7割超が、社会福祉関連の法律に基づく届け出をしていない「法外施設」に入所していることが、都の調査で分かった。 調査は都が今年2月、都内の福祉事務所に対して実施。都内の生活保護受給者の有料老人ホームなどの施設の利用実態を調べた。 調査によると、生活保護受給者で有料老人ホームなどの施設に入所しているのは1080人で、このうち65歳以上の高齢者が80.0%だった。 また入所者1080人のうち、未届けの「法外施設」に入所しているのは781人で72.3%。一方、有料老人ホームの届け出を行っている「法内施設」に入所しているのは299人で27.7%だった。 さらに入所者1080人のうち、都外の施設に入所しているのは765人で70.8%。内訳は、茨城県307人、千葉県115人、埼玉県104人、群馬県96人、静岡県77人、山梨県25人、神奈川県22人、栃木県19人だった。 入所者が施設を利用することになった理由では、「居宅生活が困難となった」が55.5%、「病院退院時に帰来先がなかった」が26.6%、「老人保健施設を退所しなければならなかった」が4.9%、「その他」が13.1%だった。 調査後、都は有料老人ホームや法外施設の利用が多い自治体に対してヒアリングを実施した。それによると、生活保護受給者で有料老人ホームなどの施設を利用している人には、「親族の援助が得られない単身高齢者で、認知症や精神疾患などと思われる人」が多く、「このことにより生活管理(家事や金銭管理、服薬管理など)ができず、居宅生活が継続困難となった事例」が多かったという。 また都は、法外施設などの利用が比較的多い自治体の実態として、▽居宅生活が困難、病院からの退院先の確保が困難な場合などに利用している▽介護保険施設などが不足しており、法内の有料老人ホームは高額のため利用できない▽総じて生活保護所管課と高齢福祉所管課との連携が弱い―などを挙げている。 都では今後、各福祉事務所に対し、「未届けの有料老人ホームなどの利用を勧める場合は必ず事前確認をすること、入所中の生活実態を把握することを引き続き指導する」としている。また、未届け施設に対して届け出を行うよう指導するとともに、スプリンクラーなど防火設備の設置に対する助成を行うという。 また、「有料老人ホームと同様の介護サービスなどを高齢者に提供しているにもかかわらず、住宅の提供者と介護などのサービス供与者が契約上異なるため、有料老人ホームに該当しない施設が存在する」など、制度上の問題があると指摘。国に対し制度改正を求めていくとしている。』 . |
| 2009.06.08 | ☆東京都、生活保護受給者の有料ホーム利用実態属性を公表 東京都は5日、生活保護受給者の有料老人ホーム等の利用実態調査結果(利用者属性等)を公表しました。詳しくは ここ をごらんください。 (ぶるま) . |
| 2009.06.01 | ☆泊まれる福祉施設・簡易宿泊所に火災警報器、全額国費で 1日夜、讀賣新聞→ 『総務省消防庁は、宿泊できるすべての社会福祉施設や簡易宿泊所などに、全額国費で火災警報器を設置する。 5月29日に成立した2009年度補正予算に約50億円が計上された。 必要な警報器の数は施設によって異なるため、週内にも全国の都道府県を通じた調査に乗り出す。 群馬県渋川市の無届け有料老人ホーム「静養ホームたまゆら」で3月に10人が死亡した火災を受けて、検討していた。対象となる社会福祉施設は約1万5000か所に上り、カプセルホテルなどの簡易宿泊所もほぼ同数あるという。 8月末までに調査を終え、来年夏頃には設置を済ませる予定だ。』 . |
| 2009.05.28 | ☆無届け有料老人ホーム446か所、うち80か所は待遇に問題 28日、讀賣新聞(夕刊)→ 『老人福祉法の有料老人ホームとみられる施設のうち、4月30日時点で、34都道府県446か所が無届けのままになっていることが28日、厚生労働省の調査でわかった。 入居者の待遇に問題があったのは、届け出た施設を含めて80か所に上っている。同省では、罰則の適用も視野に、都道府県を通じて届け出の指導を強める。無届け施設の増加には、公的施設や良質な高齢者住宅の不足が指摘されている。 調査は、今年3月に群馬県渋川市で起きた無届けホーム「静養ホームたまゆら」の火災をきっかけに、各都道府県を通じて行われた。2007年の同様の調査では全国で377か所だったため、無届け施設は増加傾向にあるとみられる。 無届けが最も多い都道府県は神奈川の91か所。東京48か所、千葉41か所、群馬31か所が続き、首都圏に集中している。 入所者の待遇に問題のあったのは80施設。「1部屋に複数の人が生活していて、プライバシーが保てない」「居室面積が狭い」「廊下が狭く、車いすでの移動に支障がある」「夜間に職員が配置されない」などで、各都道府県ではすでに改善指導に乗り出している。 有料老人ホームに関する国の指針では、居室は原則個室で、面積は13平方メートル以上。夜間にも職員を配置することなどが求められている。基準に合わない施設について同省では、まず届け出を徹底させた後に、時間をかけて改善指導を続ける、としている。 老人福祉法によると、有料老人ホームとは、1人以上の老人を居住させ、食事の提供や介護、健康管理などを行う施設で、都道府県に届け出ることが義務付けられている。違反すれば30万円以下の罰金。06年の同法改正で対象が拡大されたが、行政の監視が強まることを嫌った施設が届け出を避けることが問題になっている。 無届け施設が増加する背景には、特別養護老人ホームの入所希望者が38万5000人に上るなど、公的施設の不足が背景にあるという指摘も多い。』 . |
| 2009.05.24 | ☆たまゆら火災 『出火原因不明』報告へ 調査で特定できず 24日、東京新聞→ 『今年三月、十人が死亡した老人施設「静養ホームたまゆら」(群馬県渋川市)の火災で、地元消防による出火原因の調査が難航し、総務省消防庁に「原因不明」とする調査報告書を提出する見通しであることが二十三日、渋川広域消防本部への取材で分かった。 同本部では、今月末をめどに消防統計の資料となる調査報告書を作成し、出火原因などを解明して消防庁に提出する予定だった。しかし、今回は、燃えやすいベニヤ板を使った増築や耐火材を使わない木造建築の施設での火災で、火元とみられる北別館は激しく焼け落ち、出火場所や原因の解明が極めて厳しいという。 このため、六月末までに報告書をまとめる予定だが、同本部幹部は「現時点で出火原因と断定できる物証はなく、特定は難しい。消防の統計上、原因不明で調査中という内容となる可能性が強い」と話す。 同本部によると、火災の通報を受けてから消防隊が現場到着までに要した時間は約十分。到着時には北別館全体が炎に包まれ、本館に延焼が拡大していたといい、火の回りはかなり早かった。同本部では、これまでの火災と同様に出火原因についての個別の調査報告書を公表する予定はないという。 一方、県警は出火時の当直体制や違法増築を繰り返した経緯などについて、業務上過失致死容疑での立件を視野に、施設関係者から事情を聴くなど捜査を進めている。』 . |
| 2009.05.20 | ☆未届け老人ホームの規制を国に要望―東京都 19日午後、CBニュース→ 『東京都は5月18日、未届けの有料老人ホームなどを規制するため、改善勧告や命令などを行えるようにする法整備を求める緊急提案を厚生労働省老健局長あてに行った。 緊急提案は、都が4月に行った緊急点検の結果を踏まえたもの。群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」で3月に起きた火災を受け、都が未届けの103件を対象に緊急点検を実施したところ、46件が有料老人ホームに該当した。一方で、48件については、障害者や若年者が入居する共同住宅であったり、有料老人ホームと同様のサービスを行っているにもかかわらず、住宅の提供者と食事や介護などのサービスの提供者が契約上、異なったりすることから、有料老人ホームに該当しないとされた。残りの9件は既に事業を廃止していた。 都の福祉保健局長はこの点検結果を受け、厚労省老健局長あてに緊急提案を行った。提案は、▽届け出をしていない施設にも立ち入り調査や改善勧告、命令などを行えるように法改正を行う▽住宅の提供者と介護などのサービスの提供者が契約上異なるため、有料老人ホームに該当しない施設についても、有料老人ホームと同様な指導などが行えるような措置を講じる▽法令に違反する事業者に対し、事業停止など実効性のある措置を講じる―の3点。 都ではまた、防火施設を整備する経済的な余力のない未届け有料老人ホームなどに対する支援により、届け出を促すとしている。都が15日に発表した今年度補正予算案には、未届け老人ホームなどがスプリンクラーといった防火施設を整備するための助成費用として、約3億6000万円が盛り込まれている。』 ■東京都「都内の有料老人ホーム(未届け等)に対する緊急点検結果」 は こちらを ごらんください ■「有料老人ホーム(未届け等)の規制に関する法整備を国に緊急提案」は こちらを ごらんください . |
| 2009.05.11 | ☆【ゆうゆうLife】退院後はどこへ(上)行き場のない高齢者、増加 11日、産経新聞→ 『 「静養ホームたまゆら」の火災では、都内の生活保護受給者が越境し、無届け施設で暮らす実態が明らかになった。こうした行き場のない高齢者が増える一因として、退院後の受け皿不足が指摘される。東京・山谷のホームレス支援施設では、医療や介護の必要な状態で退院してくる人の入居が長期化し、入居待機者が増加の一途だ。(寺田理恵) 日雇い労働者が暮らす東京・山谷地区にも高齢化が押し寄せ、車いす利用者や認知症患者が増えている。 「旅館」「ホテル」と看板を掲げた簡易宿泊所が並ぶ一角。生活保護を受ける小林一郎さん(65)=仮名=は三畳ほどの自室で在宅酸素療法を使いながら暮らす。体に酸素を十分に取り込めないため、鼻孔に着けた管を通して濃縮した酸素を吸入する。 東北出身の小林さんは「故郷に子供たちを残して出稼ぎに来たまま、蒸発した」といい、「東京とは芋の味が違う」と、古里の秋の風物詩、芋煮会を懐かしむ。「田舎にいる方がいいと思うけど、今さら帰っても、家族に負担をかける」と話す。 小林さんが暮らすのは、「自立援助ホームふるさとホテル三晃」。ホームレス経験者を支援するNPO法人「自立支援センターふるさとの会」(東京都台東区)が、簡易宿泊所を改装して運営する。生活保護費で払える入居費で、職員が24時間常駐。食事や医師・看護師の指導に基づいた服薬の見守りなどのサポートを行い、必要な人には往診や訪問看護も手配する。 小林さんは、2年前に救急搬送先の病院で肺気腫と慢性呼吸不全と診断され、都内の福祉事務所の紹介で入居した。訪問看護を利用し、入浴や在宅酸素の管理に援助を受ける。入退院を繰り返しており、1人での生活は困難だ。 ふるさとの会は、社会的入院をしている人などが民間アパートに移るための一時的な住まいを提供してきた。地域生活につなげる中間施設のはずが、入居が長期化している。在宅酸素や胃瘻(いろう)など、医療や介護を必要とする人が増えたためだ。 ホテル三晃では、他施設から受け入れたケースの40%を「病院から」が占める。入居者81人(今年1月)のうち、要介護認定を受けた人は57%にのぼる。入居待機者が増え続けているという。 同会の滝脇憲理事は「病院を急に出されるため、緊急入居も多い。以前は『3カ月後に退院』だったのが、3年前から『1カ月後』になり、『再来週』『来週』『明後日』と次第に短くなっている。従来の福祉施設には適さず、心身の状態と住まいにミスマッチがある」と話す。 退院後も医療や介護が必要な人には、サービスを組み合わせて手配する支援が必要だ。同会は「たまゆらの悲劇を繰り返さないために、地域のサービスを活用して在宅で支える仕組みを構築すべきだ」とし、老朽アパートの建て替えなどにより、都内に支援付き住宅を増やす取り組みを始めている。 ■医療費削減で社会的入院減り… 行き場のない高齢者が増える背景として、退院が促進され、「社会的入院」が減っていることが指摘されている。かつては、入院治療の必要がなくなっても、病院にいられるケースがあった。しかし、医療費を減らすため、10年ほど前から、入院日数が長くなると、病院収入が減る仕組みが導入された。 急性期や回復期、慢性期など、患者の状態に応じた病院の機能分化が進み、急性期病院では2〜3週間で退院が促されるように。診療報酬は一般に、医療行為が多いほど増える出来高払いだが、急性期病院では、病気によって報酬が定額で決まる「DPC(診断群分類)」を導入する所が増え、より入院が短縮化されている。また、療養病床の削減も、退院後の受け皿不足の一因といわれている。 ■治療後の生活はお金次第 退院後の行き場に困るのは、生活保護受給者にかぎらない。入院日数の短縮化で、在宅酸素や胃ろうなどを使う人が退院してくるが、家庭の事情などで在宅が難しいケースは少なくない。 退院を求められた患者の相談を受ける「サンユウ退院支援センター」(東京)の山田理史(ただし)所長は「仕事で昼間家にいなかったり、老老介護で家でみられないという家族からの相談が多い」と話す。病院を出されて困る事例が都内で多く、半年前に事業を立ち上げた。退院を延ばす交渉のほか、介護老人保健施設(老健)や都心から離れた病院など退院後の行き先探しも行う。 低所得者でも入れる公的介護施設は、医療の必要な人を敬遠しがち。老健には常勤医がいるが、薬代や常勤医以外にかかる費用が老健の持ち出しとなる。特別養護老人ホームは医師が非常勤の上、看護師の配置が少ないからだ。 医療ソーシャルワーカーらでつくる「転院問題を考える会」(東京)の安仁屋(あにや)衣子さんは「急性期病院が都心部に多い一方、転院先は郊外を探せばあるが都心部には少ない。そのため、有料老人ホームのニーズが高まっているが、費用を支払える人だけの選択肢。急性期の先のリハビリ、療養、介護がお金次第になっている」と指摘している。』 . |
| 2009.04.23 | ☆生活保護の1万4千人が入所 高齢者ら無届け施設などに 23日夜、共同通信→ 『厚生労働省は23日、介護が必要な高齢者らで、無届け施設などに入所している生活保護受給者が今年1月時点で、43都道府県で1万4268人に上ったとの調査結果を発表した。同省の実態調査は初めて。 調査対象の施設は、高齢者やホームレスだった人らが入所する施設や共同住宅。有料老人ホームや簡易宿泊所とは異なり、老人福祉法や社会福祉法などの適用外で行政の目が届きにくい。 3月に火災で10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設のように、実態は有料老人ホームなのに無届けの施設がどの程度含まれるかなど詳細は不明。住環境が劣悪だったり、不当に割高な利用料金を徴収するなど「貧困ビジネス」に当たるケースもあるとみられる。厚労省は分析を進めて対策を検討する方針。 入所者が最も多いのは、大阪府の2638人。次いで北海道(1618人)、愛知(1218人)、1000葉(多分「千葉」=ぶるま 1122人)の順。 調査は、厚労省が1月下旬、各地方自治体に報告を求めた。』 . |
| 2009.04.23 | ☆東京棄民 漂う高齢者 賃貸型施設 『下宿』支え、厳しい経営 22日、中日新聞→ 『無届けの老人施設「静養ホームたまゆら」の火災は、「有料老人ホーム」に入居できない低所得高齢者の住まい不足を浮き彫りにした。そんな中、要介護度が低く自立生活ができる高齢者を、受け入れる試みも始まっている。 (飯田克志) 「アパートでずっと独り暮らしで心細かった。ここは友だちがいて楽しい」 埼玉県川口市の低所得者向け施設で暮らす八十三歳の女性に笑顔が浮かぶ。同施設は医療法人が母体のNPO法人「全国福祉会」(さいたま市)が運営する「賃貸住宅」だ。加藤剛理事長は「学生寮のような寄宿舎で、有料老人ホームではない」と説明する。 入居費は約九平方メートルの居室で室料(月四万七千七百円)、管理費、光熱費を合わせ約八万円。礼金は九万五千四百円。管理人二人が同居する。食事は自炊もできるが、大半の入居者は主に給食業者が用意したものを食べている。食費は同三万円。トイレや風呂は共同で、談話室もある。 同会は二〇〇五年から事業を開始。現在、川口、さいたま、川越の三市に計九カ所あり、高齢者を中心にDV被害女性ら約二百人が暮らす。東京都、千葉県など埼玉県外からも入居。自治体が仲介したケースもあり、八割以上が生活保護受給者という。 介護サービス利用者も多い。認知症の進行などで手厚い介護が必要になった場合は、グループホームなどに移ってもらうという。 入居対象を自立生活ができる人にすることで、経費を抑える運営がこうした施設では多い。だが、運営は苦しい。加藤理事長は「収入が少なく、職員配置やスプリンクラーの設置は難しい。入居者の満足度は低いかもしれない」と有料老人ホームとの差を認める。 ◇ 少人数で支え合いながら生活するグループホームに近い「賃貸住宅」もある。さいたま市(当時・浦和市)に一九九〇年開所した「グループハウスさくら」は、オーナー小川志津子さんが母親の介護をきっかけに、自宅を「下宿」に改築した。入居費は月十万円。 二〇〇〇年に東京都八王子市に開設された「グループハウスゆう」も「さくら」と同様の施設だ。当初、月約八万円で賃貸。自炊が基本で、茶会などイベントも開催していた。運営するNPO法人「ハウスゆう」の土屋清理事長は「ヘルパーを雇用すると費用が高くなる」と、見守り役として一緒に生活する。 賃貸形式の施設は低所得者からは一定の評価を得ているが、新たな課題が出ている。入居者の高齢化が進み、さらなるケアが必要になっていることだ。 「さくら」の入居者は当初、自炊し、旅行にも出掛けていた。最近は自炊が難しくなり、配食サービスなどを利用するようになり、入居費も月一万五千円上げた。小川さんが運営する別施設では、夜間の職員配置など介護態勢を強化、有料老人ホームにしたが、入居費を同十七万円ほどに上げざるを得なかった。 「二十年経つと元気だった人も健康に問題が出てくる。善意だけでは続けられない」と打ち明ける。 「ハウスゆう」は、入居後に認知症が現れ、生活が困難になるケースが相次ぎ、活動を縮小した。安全面から一時は入居を断ったこともある。土屋理事長は「人材が確保できれば受け入れたいが、私たちがいくら頑張ってもできない。助成とか行政にできることがあるはず」と訴える。』 . |
| 2009.04.20 | ☆無届け施設紹介には慎重姿勢 東京23区(特集) 20日夜、NHK(首都圏)→ 『群馬県渋川市にあるお年寄りの施設で、10人が亡くなった火災から1か月がたちました。 同じような無届けの施設に、生活保護の受給者が多く入所している東京23区の中には、こうした施設に、お年寄りなどを紹介することに慎重な姿勢を示す区が目立っています。 先月19日に起きた群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災では、墨田区から生活保護を受けていた入所者6人が亡くなりました。 20日は、このうち5人の合同慰霊祭が都内の斎場で行われ、墨田区の山崎昇区長ら関係者およそ30人が参列しました。 「たまゆら」とよく似た無届けの有料老人ホームなどの施設には、東京23区から生活保護を受けている人が、およそ300人入所しています。 今回の火災を受けて、文京区や豊島区など7つの区が「無届け施設は今後紹介しない」としているほか、11の区も「極力紹介しない」あるいは「やむを得ない場合以外は紹介しない」としています。 墨田区など今後も紹介する可能性はあるとした5つの区でも、防火体制を含めた施設の安全確認を徹底するとして、大半の区が行政の権限が及ばない無届け施設の紹介に慎重な姿勢を示しています。 墨田区の山崎区長は、「届け出のある施設が全体的に不足している中、無届けの施設に頼らざるを得ない状況もある。こうした施設に行政の監視の目を行き届かせる制度を作ることや、基準を満たすために必要な施設への財政的な支援を国や都に求めていきたい」と話しています。』 . |
| 2009.04.20 | ☆現制度の限界指摘 たまゆら火災無届け施設『行政、新たな枠組みを』 20日、東京新聞(群馬)→ 『十人が死亡した渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災を契機に、有料老人ホームに近い実態を持ちながら、必要な届け出をしていない施設の実態調査が進んでいる。こうした「無届け施設」に行政の監視の目が届くことで安全性の向上が期待される一方、施設側からは現行制度の限界を指摘する声が上がっている。 (渋川老人施設火災取材班) 「無届け施設は、生活保護受給者ら経済困窮者の救済を目的にしているケースが多い。有料老人ホームに認定されてしまえば、五十代以下の受け入れが難しくなると考え、あえて届けない例もある」 たまゆらの火災後に県の立ち入り調査を受けた県内のある施設の代表者は、無届け施設への冷たい視線の高まりを感じつつ、苦しい胸の内を語った。 たまゆらが掲げていた看板も「生活保護受給者入所ホーム」。介護が必要な高齢者が多いが、高齢者に当てはまらない五十代の入所者がいたのも事実。有料老人ホームなど現制度の施設の区分に当てはめることが適切なのか-。県はまだ明確な立場を示していない。 「有料老人ホームとは微妙に業態が違う。一緒にくくるのは無理だ」と限界説を唱えるのは先の施設代表者。「行政が指導を強めるなら新たな枠組みをつくるしかない」と提案する。「もっとも行政は仕事を増やしたいと思わないだろうが…」とも付け加え、要は行政のやる気次第と語る。 一方で、県への届け出を済ませた「有料老人ホーム」でも、安全性について万全の態勢とは言い切れない実態も分かってきた。 「建物は古く、廊下は狭い。火災時のリスクは高く、たまゆらのケースはひとごとではない」 こう危機感を募らせるのは、前橋市内の有料老人ホームの男性職員。無届け施設ではないが、規模が小さいためスプリンクラー設置の義務はなく、実際、設置していない。このため、火災を受け「設置の必要性を急きょ検討している」と対応を急いでいる。 ◆焼け跡今も 凄惨伝え 渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災は十九日、発生から一カ月を迎えた。被災を免れた入所者は、別の施設に移ったり東京都墨田区に引き取られたりした。焼け跡は今もそのまま残り、凄惨(せいさん)な火災の様子を伝えている。 「かわいそうで、放っておけなくて」。高崎市の男性会社員(31)はこの日、初めて火災現場を訪れた。焼け跡に献花し、目を閉じて静かに手を合わせた。男性は「引き取り手がない生活保護受給者らを『ついのすみか』として受け入れてきた。一方的に施設が悪いとは決め付けられない。国の制度がしっかりしていれば、悲惨な事態は防げたのではないか」と話した。 たまゆらを運営する特定非営利活動法人(NPO法人)「彩経会」の高桑五郎理事長(84)は火災現場近くの事務所で、前橋市内で運営する老人施設「花みづきたまゆら」を有料老人ホームとして県に申請する準備を進めていた。 「今は言葉もありません」と切り出し、早期に解散する方針を示していたNPO法人については「遺族らへの対応が終わるまでは責任がある」と話し、問題が終息するまで理事長を続ける考えを示した。』 . |
| 2009.04.19 | ☆11人あてなし、親族迎え1人だけ たまゆら火災1カ月 19日、朝日新聞→ 『入所者10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」の火災から1カ月。焼け出された12人のうち、親族が迎えに来て別の施設へ移ったのは渋川市の女性(85)1人だけ。ほかの11人は「たまゆら」の関連施設に一時身を寄せるなど、いまも落ち着く場所が定まっていない。身寄りがなく何らかの障害がある人たち。今後の生活への不安は消えない。 「パチパチ」とはじけるような音。「ゴーッ」という水道の蛇口を全開にしたような音。焦げ臭いにおいで火事だと気づき、ドアを開けたら熱風が吹き付けた。 全盲の男性(61)は慌てて窓の方に向かうと、当直の女性職員(57)の絶叫が聞こえた。「火事だよーっ。逃げてえ」。煙が充満する中、窓を割った消防士に体ごと外へ引っ張り出された――。 3月19日深夜、男性は出火直後に助け出された。だがいま、安住の地が定まらず不安を募らせる。「死んでいった10人の分まで生きなくちゃ、って思うけど……」 男性によれば、福井県の高校を卒業後に上京。印刷会社に勤めていたが体調を崩して退社、40歳ごろからカプセルホテルや簡易宿泊所を転々とした。日雇いの仕事で食いつないだが、59歳の時、病気で目が見えなくなった。以前暮らしたことがあった東京都文京区に相談し、生活保護の手続きを取った。 区の担当者は08年1月ごろ、インターネットで「たまゆら」を見つけた。東京都墨田区も生活保護受給者を何人も紹介していると知り、安心して男性に紹介したという。現在、文京区が新しい受け入れ先を探しているが、適当な施設には空きがない。 10年ほど前まで路上生活をしていた高橋渉さん(76)は、タクシーにはねられたのをきっかけに、墨田区の生活保護を受けるようになった。区の担当者に連れられて、行き先も知らないまま06年11月にたまゆらに入所した。 高橋さんによれば、子どもの頃に両親を亡くし、身寄りはない。中学を卒業してから町工場や新聞販売所などで働いたが、友人や知人もいない。 火災後、前橋市郊外のたまゆらの関連施設へ移った。墨田区の担当者からは「東京へ戻りましょう」と説得されるが、この先、いまより生活がよくなる保証はないと思っている。「役所に言われるまま何度も引っ越してきた。もう嫌だ」 高橋さんと同じく墨田区から生活保護を受けていた男性3人は、区が用意した車で14日、東京へ戻った。うち2人は都内の一時施設へ入り、これから受け入れ先を探す。2人と別れた男性(54)は、都内の宿泊施設で一人暮らしを始めた。 この男性の話では、27歳で妻と幼子3人を交通事故で失い、筋肉が動かなくなる難病なども繰り返した。入院先の病院を退院させられ、困っていたところを墨田区に助けられた。07年10月にたまゆらを紹介された。 男性は火災後、半ばやけくそ気味に記者に話した。「よくわからない施設に入って火事で焼け死ぬぐらいだったら、難しくても自分で生活した方がましだ」(渡辺洋介、菅野雄介) 』 . |
| 2009.04.19 | ☆施設に届け出要請 各区独自の防火調査も 「たまゆら」火災 あすで1か月 18日、讀賣新聞(23区)→ 『墨田区の生活保護受給者6人を含む10人が死亡した群馬県の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災から、19日で1か月になる。この間、法の網から漏れた施設の安全性や、都内の施設不足などの問題が浮上した。各区では無届け施設に都県への届け出を促し、独自の防火体制調査にも乗り出している。特別区長会は、都内の施設整備などで、国や都へ緊急要望を行うことを決めた。(伊藤史彦) 火災当時、墨田区の紹介を受けた入居者は15人いた。2人は入院中で無事。逃げて助かった7人はたまゆらを運営してきたNPO法人「彩経会」の施設にその後も身を寄せていた。 亡くなった6人は、社会福祉法人「東京福祉会」(文京区)が、今月10日までに荼毘(だび)に付した。3人は遺族から遺骨引き取りの申し出があったが、残る3人は今後も同会の納骨堂で保管される。同会は20日に慰霊法要を行うという。助かった7人に区が意向を聞いたところ、4人が別施設を希望、うち3人が今月14日、都内の福祉施設に移った。一方、3人は彩経会の施設に残留を希望したという。区では同会に対して、防火体制などの証明を求めている。 墨田区は、たまゆら以外の法的な裏付けのない紹介先8施設について、来週中にも実地調査に着手する。区の建築担当者や本所消防署の協力で作成したチェックリストに照らし、防火体制などを確認する。 火災後、文京区では、無届け施設3か所について、有料ホームなどの届け出を行うよう要請した。全施設が応じる意向といい「今後、無届け施設は紹介しない方針」(同区生活福祉課)。 品川区の場合、紹介先の無届け施設13か所のうち8施設が都県へ届け出たという。施設側には防火や避難訓練の徹底を求めている。 本紙のまとめでは、23区から約1600人の生活保護受給者が都外の福祉施設に入居していた。特別区長会は16日に開いた総会で、在宅介護が受けられない低所得者向け福祉施策の充実を、早急に国や都へ要望を行うことで一致した。早ければ今月中にも、事務局で要望をとりまとめる方針で、現在、各区の福祉担当者から具体的な課題を提出するよう求めている。 緊急要望を提案した山崎昇・墨田区長は「民間の施設設置を促す財政的な支援や、法の網がかかっていない施設に対するチェックの制度設計などを国に求めていきたい」と話している。』 . |
| 2009.04.19 | ☆渋川の老人施設全焼:発生1カ月 捜査の長期化必至 県、刑事告発も視野に/群馬 18日、毎日新聞(群馬)→ 『◇建築基準法違反容疑で 10人が死亡した渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災から19日で1カ月を迎える。10人の遺体は遺族や生活保護を支給していた自治体などが引き取り、難を逃れた人も他の施設に移り新しい生活を始めた。惨事の責任はどこにあるのか。県警は業務上過失致死傷容疑での立件も視野に捜査を進めるが、長期化は必至だ。焼け跡では、ブルーシートのすき間からのぞく黒焦げの柱が、激しかった火災の様子を残している。【杉山順平】 県は17日、たまゆらを運営する特定非営利活動法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)を県庁に呼び、施設の建築概要を聞き取り調査した。焼け跡の現地調査で、施設は建築確認のないまま増改築した建築基準法違反の疑いが強いことを確認しており、県は同法違反容疑での刑事告発も視野に、高桑氏の説明内容を慎重に分析する。 県建築住宅課によると、同法では10平方メートルを超える建物を増改築する場合、建築確認申請書を提出しなければならない。高桑氏には申請書にない建物をいつ、どのような経緯で建てたかなどを尋ねた。同課は「違反の事実関係などを確認したうえで、刑事告発するかは今後、慎重に判断したい」としている。 一方、県は老人福祉法に定める有料老人ホームに該当する可能性がある、たまゆらを含む46施設を対象に、介護高齢課や建築住宅課などが連携して、現地立ち入り調査を進めている。 もともと、今月10日をめどに状況把握を目指したが「建築基準法違反の恐れがある施設があるなど、対応を慎重に検討している」(介護高齢課)ため、調査結果の取りまとめが遅れている。県は「28日には発表したい」としている。 ◇極めて限られた目撃証言 県警による出火原因の特定や、過失の有無の認定は難航が予想される。施設の燃え方が激しいうえ、入所者の多くが死亡しており、目撃証言も極めて限られる。施設側への任意の事情聴取に加え、資料提出などを求めながら、慎重に捜査を進める構えだ。 これまでの県や県警の調べでは、建築確認のないまま増改築した建築基準法違反の疑いが出ている。このほか、施設の防火体制が消防法などに合致していたか、そもそも老人福祉法などの適用対象となる施設だったかなど、県警は「あらゆる角度から捜査を進めている」と説明する。 捜査関係者は「施設はほとんど燃えてしまっている。状況証拠や関係者の証言から固めていくしかない。地道な捜査が続くだろう」と話す。業務上過失致死傷容疑での立件には、過失責任の明確化が必要で、捜査が長期化することは確実だ。【鳥井真平】 ◇「有料老人ホーム」届け出へ 前橋の「花みづきたまゆら」 高桑氏は17日、彩経会が前橋市内で運営する「静養ホーム花みづきたまゆら」について、近く県に対し有料老人ホームとして届け出る考えを明らかにした。県介護高齢課が今月上旬、届け出るよう求めていた。前橋市建築指導課によると、花みづきは立ち入り調査の結果、建築基準法や消防法上の問題はないという。 施設関係者などによると、たまゆらには3月19日の出火当時、全半焼した3棟に16人、これとは別棟に6人の計22人が入所していた。このうち、13人が東京都墨田区の生活保護受給者だったが、火災で6人が死亡、他の7人のうち4人はたまゆらで生活、3人は花みづきに移った。 墨田区は14日、たまゆらから2人、花みづきから1人の計3人を引き取り、東京都内の施設に移した。残る4人も本人の希望に基づき、移転先を探している。花みづきには2人が残っているが、県に有料老人ホームの届けが出て施設の安全性に信頼ができれば、残留を認めることも検討している。 一方、近所の人がたまゆらを見守る思いは複雑だ。近所の女性は「どこの施設もみてくれない人をみてくれていたから、一概に悪いと言えない」と語った。別の女性は「風が強い日は燃えかすが飛んで来て布団も干せない。早く片づけてほしい」と話していた。【奥山はるな、塩田彩】 ◇「誠意持って事後処理」理事長インタビュー 高桑氏は15日、毎日新聞の取材に応じ、火災を振り返った。 --火災について改めて今どう思うか。 来月の5日が45日なので、僧侶を招いて、改めておわびの形を示したい。 --出火原因をどう考えるか。 今、司直の手が入って調べているので私からは答えたくない。 --遺族への補償は。 私が個々に話をしている。皆さん、理解して下さり、誠意を持って事後処理に当たらなければと思っている。 --今後の施設運営はどうするつもりか。 火災現場から数十メートル離れた場所に新しい施設を作り、運営は後継者に譲りたい。特定非営利活動法人の彩経会も解散して、新しい施設は「株式会社」でやりたいと思う。 --資金の用意はあるのか。 後継者が銀行とも話をしている。 --今後、どうするつもりか。 人の意見を聞かず、信念として、自分は正しいことをやっていると思ってきた。間違いだった。彩経会をいつ解散できるか分からないが、解散したら福祉からは身を引きたい。』 . |
| 2009.04.16 | ☆墨田区 入居者引取り 高齢者施設火災 15日、讀賣新聞(群馬)→ 『10人が死亡した渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、東京都墨田区は14日、区の生活保護受給者で難を逃れた入居者の引き取りを始めた。区は今後、入居者にいったん都内の福祉施設に入ってもらい、改めて本人の意向に沿った施設を探す方針。 区などによると、火災当時、区の紹介による入居者は15人で、うち6人が死亡し、2人は医療機関などに入院している。残る7人は火災後、同施設の別棟や関連施設「花みづき」(前橋市)で暮らしてきた。区は職員を派遣して1人ずつ意向確認を続けており、東京に戻りたい場合は引き取ることにしている。 施設関係者によると、この日は別棟から2人、「花みづき」から1人の計3人が引き取られた。 別棟では、入居者が施設職員に「長い間お世話になりました」とあいさつした後、区職員に付き添われて言葉少なに施設を後にした。同施設を運営するNPO法人「彩経会」の高桑五郎理事長は、取材に対し、「2人には『元気にやってください。新しい施設を造ったら戻ってきて』と声をかけた」とし、引き取りについては「本当はもっといてほしいが、火事もあったし、墨田区の考えなので従わなくては」と語った。 「花みづき」では、区職員が入居者に「東京に移動するということで(考えに)変わりはないか」と聞くと、入居者は「大丈夫です」と答え、布団や着替えなどの荷物を載せたワゴン車に乗り、施設職員に笑顔で手を振っていた。 区職員はこの日、「花みづき」内の消防設備を確認。非常口に段差があるなど改善が必要な点もあり、改善計画の策定を受けて、入居を続けてもらうか検討するという。』 . |
| 2008.04.09 | ☆東京棄民 漂う高齢者<下> 広がる無届け施設 9日、東京新聞→ 『群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」は行政への無届け施設だったことで、防火設備や不十分なケアなどが問題になった。同様に無届けで済む「住宅」だとして、最重度の寝たきりの人を対象に不透明な“賃貸住宅ビジネス”が各地に広がっている。 (佐橋大) 愛知県内に住む会社員は、親の介護相談で同県内の「寝たきり高齢者の専門賃貸住宅」を訪ねた。知り合いに介護保険の事業者がいたため、そこのサービスを使えるかどうかを尋ねたところ「当社のサービスを使っていただくのが入居条件」と説明を受けた。 「介護保険サービスは本人や家族が決められるはずなのに…」。会社員は不信感を抱いた。行政に届け出ている老人ホームでは、そんな条件を付けることは許されない。老人施設の現状に詳しい社会福祉士は「この施設だけじゃない。介護保険法に反する契約が無届け施設で広がっている」と指摘する。 この社会福祉士が調べた別の“寝たきり専用住宅”では、賃貸借契約書に「貸主が指定する会社の介護保険のサービスを受ける」ことを規定していた。 この施設では、入居者は経管栄養の人ばかりで食事の世話の必要がないため、四畳ほどの部屋にはベッドが一つ置かれているだけだった。施設が指定した事業所の訪問看護、訪問介護、訪問診療のスタッフが、部屋を順番に回っていた。 寝たきりの高齢者がばらばらに自宅に居るのと違い、一カ所にいるため「事業所はサービス提供に手間がかからない。ケアプランで必要以上のサービスを設定することも容易だし、ほかの事業所のサービスを受けたいと家族が不満を持っても、入居の契約で事業所を変えることができない」。 介護ベッドのレンタル料も相場より割高だ。この社会福祉士は、施設側が丸抱えの契約で金もうけする実態をこう説明する。 無届け施設だと、有料老人ホームのように居室の広さ、防火設備、職員配置などの規定に縛られない。人件費や建設費が抑えやすい「うまみ」がある。浮いた経費で入居料を安くし、その安さを売りに入居率を上げられる。 こうした「無届け施設」は行政が監視できないのか-。 厚生労働省は「実質的に有料老人ホームと判断できれば、都道府県が契約の是正を求めることも可能」とするが、その判断は難しいケースが多い。 愛知県高齢福祉課が、先の会社員の訪ねた施設に事情を聴いたところ、施設側は「経管栄養の人ばかりだから食事を提供していない。介護保険のサービス提供はすべて外部事業者。うちは単なる賃貸住宅」と説明。県は施設内を調べる権限もないため、有料老人ホームと判断する証拠を得られなかったという。 近隣の別の県の担当者も「『賃貸住宅』と言われると住宅部門の管轄となる。老人福祉法に基づく改善は求められない」と頭を抱える。 ◆チェック体制急務 地元の「介護施設と地域を結ぶ市民の会」の山下律子代表は「在宅の介護保険サービスが十分ではない上、国が療養病床を削減したことなどで、行き場のない人たちが増え、無届け施設に流れている。税金が使われているサービスである以上、チェック体制を早急に整えるべきだ」と指摘。 「無届け施設に親を入れざるを得ない介護の現状を改めないと根本的な解決にならない」と訴える。 <無届け施設> 実態が有料老人ホームなのに都道府県に届け出ていない施設。行政の監視がないため、高齢者虐待が起きやすいとの指摘がある。厚労省は先月末、同ホームの可能性がある無届け施設が、東京都の103施設をはじめ32都府県で、579施設に上るという調査結果を発表。行政からの指導・監督逃れで届け出ない施設がある一方、認識不足で届け出ていない施設もあるとみられる。山下律子さんは「無届けでもいい施設はあり、届け出施設でも、情報開示すら不十分なところはある。無届けイコール悪ではない」と話す。』 . |
| 2008.04.08 | ☆東京棄民 漂う高齢者 <中> あふれる入所施設 8日、中日(東京)新聞→ 『東京では、特別養護老人ホーム(特養)などの入所施設は、どこも飽和状態だ。特に低所得者は、費用が高い有料老人ホームは選べず、行き場を失っている。今住む地域で「ついのすみか」を見つけるのは、至難の業だ。 (山本哲正) ◆待機400人 「特養に入所を申し込み、もう一年半。音さたがない」 東京都台東区で食品販売店を営む男性(86)は、あきらめ顔だ。同区の特養入所待機者は約四百人いる。 二年前に妻(87)が階段から落ち骨折した。病院は二カ月ほどで退院させられた。以後車いす生活が続き、昨夏、老人保健施設へ。そこも半年で「別の施設を探して」と言われた。昨年暮れ、八王子市のグループホームに入る機会はあったが、「私も高齢。妻に会えなくなる」と断った。 要介護度は四まで進んだ。自宅は狭く、ベッドは置けず、車いすで移動できない。年金は二人で月五万円ほど。「生活保護の一歩手前で、体にむち打って店を続けている」 同区内の在宅ホスピスケア施設が妻を受け入れてくれたが、待機は続けている。 「静養ホームたまゆら」に生活保護受給者を入所させていた墨田区の特養入所待機者は六百五十二人(昨年十一月時点)。「入所優先度が低い百五十四人は待っていても入れるかどうか」と同区高齢者福祉課の高村弘晃課長は言う。 地域を離れたくない高齢者は多い。ある区で生活保護を担当する査察指導員によると、要介護なのに無料低額宿泊所に暮らす元ホームレスの受給者男性(81)は「地元の公園に友人がいて、離れたくない」と言い張るという。 ◇ 低所得者が利用料を払える施設は満杯、一方空きがある施設は高額利用料が入所を阻む。 高齢者住宅コンサルタントの田村明孝さんによると、都内の特養定員は約三万四千七百人と各種施設では最も多い。月額利用料(全国平均)は約五万六千円、都内はさらに高い傾向だ。 だが、入所希望者は都内で約三万八千人。入所施設増は、医療費削減のため在宅介護へシフトさせる国の医療制度改革で抑えられている。約十万-十八万円のグループホームも施設数は増えない。老人保健施設も約八万円だが、長期入所が難しい。約八万九千円の介護型の療養病床は、二〇一二年度に全廃の予定だ。 ◆空きあり 一方、「不況で入居率は下がり、二十三区内の稼働率は85-90%」(田村さん)と、空きがあるのが介護付き有料老人ホームだ。都内定員は特養に次いで多いが、月額利用料(都内平均)は二十一万六千円。さらに平均約五百万円の入居一時金が必要になる。 田村さんは「要介護度が重くなると施設に頼りたいのに、その施設が足りない。特に低所得者層にしわ寄せがいく」と指摘する。 〇三年から、必要性の高い順に優先入居となり、一部の人は待機がさらに長期化した。生活保護受給者も同様で、要介護度や家族の有無などに左右される。「目黒認知症高齢者と家族の会たけのこ」の竹内弘道幹事は「そこそこ歩けて家族がいると、徘徊(はいかい)に苦労しても優先的に見てもらえない」と嘆く。 目黒区の特養「清徳苑(えん)」の松井比呂美施設長は「人材不足でショート(ステイ)をたたんだ施設の話も聞く」と介護サービスが逆に縮小している現実を指摘。その上で、施設増と併せ「現場の処遇も改善しないと、受け皿は広がらない」と指摘する。』 . |
| 2009.04.07 | ☆「たまゆら」火災の深層 行き場を失った、時代の犠牲者 7日、毎日新聞→ 『◇一時避難した人も、また戻って変わらぬ生活を送る 東京から北上し、赤城山のすそ野に老人施設「静養ホームたまゆら」(群馬県渋川市)はある。3月の火災で10人が犠牲となった。多くは身寄りもなく、異郷で暮らした。赤城の山から関東平野に吹き付ける空っ風は、お年寄りにとってことさら強く、冷たかったのではないだろうか。【鈴木梢】 ◇自分の土地離れても空きベッドがあるならすがってしまうんです--認知症介護を経験、タレント・荒木由美子さん 北の玄関口、上野駅で長野新幹線「あさま」に乗り込んだ。高層ビルが林立するコンクリートの街を抜け、高い山の峰が幾重にも連なる風景が見えてきた。群馬県境を越えたと気付いた。妙義山、榛名山、噴煙を細くたなびかせる浅間山の遠景も見えた。高崎駅で在来線「草津号」に乗り換えると、車内は温泉客の陽気な笑い声が響いていた。東京から「たまゆら」の最寄り、渋川駅まで2時間。都会から山里へと移ろう車窓の景色をどんな気持ちで眺めていたのか。火災で犠牲になった10人のうち6人は東京都墨田区から紹介され、三鷹市と横浜市から来た人もいたという。 電車を降り、渋川市街を抜け利根川を渡ると、「赤城山」の道標がある。ネギ畑が点在する山道の途中には「福祉の里まちづくり」と書かれた看板が立っていた。畑で種まき作業をしていた近所の男性(75)に、「たまゆら」までの道を尋ねた。男性は自身で母親を介護した7年間を振り返り、嘆いた。 「あそこはうばすて山だもの、そうだんべ。年寄りの面倒を見なくなったってこと、困ったらほれほれって預けてしまうんだもの。シャバが悪くなった、シャバって社会よ、社会。物は豊かになったけど、心は貧しくなった」。施設との近所付き合いはなかったという。 今村昌平監督が深沢七郎の小説「楢山節考」を映画化したのは83年だった。山に囲まれた信州の貧しい寒村の因習で、山に捨てられる老母とその息子の心の葛藤(かっとう)を描いた。70歳を迎えた老母が息子に背負われ、捨てられることを知りながら山道を登るシーンは、日本映画史に残る名場面とされる。 ■ 火災現場では、焼け跡を覆うブルーシートが山から吹き付ける冷たい風にはためいていた。焦げた布団や車椅子が置き去りになり、焼けたにおいが鼻をつく。火災当時の入所者は16人。助かった6人のうち4人は東京から送られて来た。一時は別の施設に避難したものの、ここに戻るしかなかった。仲間が犠牲となった施設の敷地で、火災前と変わらぬ毎日を送っていた。 現場から数十メートル離れたプレハブの事務所で、「たまゆら」を運営する特定非営利活動法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)が机に向かっていた。「特養(特別養護老人ホーム)からあふれた障害者や身寄りのない方がたくさんいる」。火災前の「たまゆら」には認知症の高齢者のほか、脳梗塞(こうそく)の後遺症や精神障害のある人も暮らしていた。義足やほぼ全盲で手助けがないと生活できない人もいたという。 認知症のしゅうとめを20年間介護したタレントの荒木由美子さん(49)は、テレビのニュースで火災を知った。新聞には連日、「ずさん運営」「無届け施設」の見出しが並んだ。荒木さんは「亡くなられた入所者の方々は、時代の犠牲者ではないか」と衝撃を受けたという。思い浮かべたのは、介護施設満床で行き場を失った高齢者の姿だった。 介護の講演のため全国を訪れる荒木さんは、家族だけでは担いきれない介護の窮状に直面している。 「火災で命を失うなんて、とても悲しいことです。けれども、住んでいる土地を離れても、認可や届け出がなくても施設に入れてほしいと願う人もたくさんいるんです。みなさんベッドが空いていると聞いただけで、すがるように施設に行く。施設入所の待機者が膨れ上がり、お国のお墨付きを待っているような実情ではない。この惨事は、重要な問題提起ではないでしょうか」 映画「楢山節考」は信濃の古い因習を描いた。今、豊かになったこの国で「覚悟を決めて息子に背負われた老母」を救う場所さえない。 「日本の福祉の根底にどんな問題があるのか。命を粗末にしないよう、家族の切実な声をくんで、考えてほしい」と荒木さんは訴える。 今回亡くなった6人の連絡先は「東京都墨田区福祉事務所」。いずれも生活保護を受けていた。東京都の昨年1月の調査では、生活保護を受けている高齢者約500人が近隣の施設に移り住んでいる。 06年1月に7人が犠牲になった長崎県大村市のグループホーム火災での取材が思い起こされた。海を望む高台の施設は出火当時、当直が「たまゆら」と同じ1人体制で、消火活動が難航した。その後、スプリンクラーの設置義務など福祉施設に対する規制が強化された。 しかし、「たまゆら」は行政の網の目からもれた無届け施設だった。渋川市内の老人施設の責任者は「スプリンクラーのための資金が用意できる施設がどれほどあるのか。無届けが多い理由はそこにもある」と指摘した。 介護保険制度が始まった00年、福祉経営は民間に開放された。財政的裏づけを得て、99年に303カ所だった有料老人ホームは今年4000カ所を超えた。厚生労働省のまとめでは、老人福祉法に基づく届けがない施設は全国579カ所に上る。 ■ 現場の焼け跡に入所者の男性がひとり、サンダルばきでふらりと近づいてきた。「仲間が1人、ここで亡くなったんだ」と、献花台で手を合わせ、ブルーシートをめくり中をのぞき込んだ。声を掛けてみたが、その答えは見当外れで、話はかみ合わなかった。 献花台には和紙のカードが置かれていた。 「深井隆次様 S6年3月25日生まれ 祝78歳 これからも深井さんの踊りを見せて、みなさんを楽しませてくださいね」。これを書いた介護士を訪ねた。「知らない土地で不安だったんでしょう。時々情緒が乱れ、ここが東京だと勘違いしていることはありました」。墨田区の紹介で来た深井さんの口から幼いころの思い出は聞かれたが、家族の話はなかったという。 無残に黒く焦げた建物は、福祉を置き去りにした高齢化社会のひずみをあぶり出している。生活保護を受ける犠牲者は無言の帰宅さえ、かなわなかった。この日、現場の里山には東京から9日遅れてサクラの開花宣言が出された。』 . |
| 2009.04.07 | ☆厚労省、生活保護ビジネス実態調査…無届け・劣悪防止へ 6日夕、讀賣新聞→ 『生活保護受給者を受け入れている無届け施設などで、劣悪な処遇や割高な家賃の徴収などの問題が相次いでいるため、厚生労働省が初の全国調査を進めている。 先月19日の火災で死者10人を出した群馬県渋川市の無届け施設の例もあることから、行政の目が届きにくい「生活保護ビジネス」の実態把握を急ぎ、利用者保護に関する指導を強化する方針だ。 調査の対象は、生活保護受給者から家賃や利用料などを徴収しながら、必要な届け出をしていなかったり、法的位置付けが明確でなかったりする施設や共同住宅。無届け有料老人ホームのほか、ホームレスやアルコール依存症の人を入居させている民間の共同住宅などを想定している。 厚労省によると、生活保護受給者は全国に約162万人いるが、無届け施設などの利用者数は不明。自治体の担当者が現時点で把握している法的位置付けのない施設や住宅を訪問し、<1>部屋数や居室面積<2>介護保険適用や食事提供の有無<3>自治体ごとに規定されている生活保護費のうちの住宅扶助費の上限額と、実際に徴収している家賃額<4>1か月の利用料<5>施設による金銭管理の有無――などの聞き取り調査を実施。居住環境に比べて高額な家賃を取っている施設があることから、住宅扶助費の支給方法を見直すことなども視野に入れている。』 . |
| 2009.04.04 | ☆施設火災の遺体、都内の福祉会へ…年1000人の無縁仏 3日夕、讀賣新聞→ 『先月19日に火災が起きた群馬県の高齢者施設「静養ホームたまゆら」に、東京都墨田区の紹介で入居していた6人の遺体は、先月末から今月2日にかけ、社会福祉法人「東京福祉会」(文京区)に引き取られた。 今後、親族などの引き取り手が現れなければ同会で火葬し、練馬区内の納骨堂で5年間遺骨が保管される。 同会が自治体の依頼で行った生活保護受給者らの葬儀はこの20年ほどで倍増。納骨堂には毎年、1000柱近くの「無縁仏」が加わる。陶製の骨つぼが、都会の孤独を物語る。 身寄りのない生活保護受給者や身元不明者のための葬儀は、「助葬」と呼ばれる。東京福祉会は、1919年(大正8年)に助葬を行う財団法人として発足した。現在、都内で行われる助葬の約6割が同会に依頼されているという。 同会に遺体が引き取られた6人のうち、3人は親族らの引き取り手がなく、近く火葬することが決まっている。残る3人の遺体は、墨田区が親族らに引き取りの意向を確認中だ。 市区町村のケースワーカーは、身寄りのない高齢の生活保護受給者をみとる立場になる。墨田区の40歳代の男性職員は、今回の火災で亡くなった女性の一人を担当していた。若くして結核を患っていた彼女は、「夫は見捨てずに看病してくれた」と、いつも亡き夫への感謝を口にし、遺影を大切にしていたという。 「たまゆら」での彼女の死に、男性職員は強いショックを受けた。受給者の「死」と度々向き合うケースワーカーは強いストレスに悩む。男性職員は「仕事だからと割り切ることはできない。まして、今回のようなケースはどう受け止めればいいのか」とうつむいた。 同会による1990年度の助葬件数は1357件だったが、高齢者を中心に生活保護受給者が増加したためか、2004年度には2944件まで増えた。07年度は2700件に減ったが、同会では「助葬への参入業者が増えたためで、全体の助葬件数は増えているのでは」と推測する。 縁仏となる経緯は様々だ。受給者が生前、親族などの連絡先を自治体の福祉事務所に明かさなかったケースもある。死後、福祉事務所が親族らに連絡をとっても、「引き取りを拒まれることも多い」と墨田区の担当者は明かす。 同会が1月末時点で保管している遺骨は計5264柱。5年間の保管期間が終わると、同会が管理する埼玉県毛呂山町の合葬墓に埋葬される。 07年度中に、納骨堂に入った遺骨は993柱。一方で、174柱が親族らの元に帰った。「生き別れになり、(納骨堂で)数十年ぶりに『再会』を果たすご家族もいる」と、同会福祉部次長の明智賢一郎さん(45)。毎日約10件の助葬を執り行うが、「寂しく一人で亡くなった方の人生に思いをはせれば、『流れ作業』のように扱ってはならないと、自らを強く戒めている」と話している。(伊藤史彦)』 . |
| 2009.04.02 | ☆高齢者施設、無届け可能性579件 1日、産経新聞→ 『有料老人ホームでありながら、行政に必要な届け出をしていない可能性のある高齢者施設が、全国で少なくとも579施設あることが厚労省が31日にまとめた調査で分かった。10人が死亡した群馬県渋川市の老人施設火災を受け、都道府県を通じて緊急調査した。集計途中段階の自治体もあり、さらに数が増える可能性がある。 今後、有料老人ホームに該当するかの調査が行われ、該当する場合には防火体制や入居者の処遇状況の緊急点検がされる。 無届け施設である可能性がある施設は、平成19年2月末時点では377件だった。その後、届けを済ませた施設があるにもかかわらず、全体では202件増加。高齢化を背景に老人施設が急速に増える一方、行政の把握が追いついていない実態が浮き彫りとなった。 無届けの可能性の施設が多かったのは、東京103▽神奈川60▽群馬46▽千葉44▽愛媛37▽栃木35-など。届け出は入居者保護を目的に義務づけているもので、該当する施設には防火体制整備などが求められる。渋川市の施設では、届け出の必要な施設の可能性があるとして、県が立ち入り調査をする直前に火災が起きた。』 . |
| 2009.04.02 | ☆東京棄民 漂う高齢者 <上>追われるすみか(特集) 1日、東京新聞→ 『高齢者ら十人が犠牲になった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災は、東京から追われた高齢者の存在を浮き彫りにした。住んでいた地域には低所得者が入れる施設がなく、頼れる家族や友人も少ない。福祉や地域から二重に棄(す)てられている。 (飯田克志) 「近所なので、手を合わせようと思って」 子ども三人と訪れた女性は言葉少なだ。火災発生から二度目の週末の先月二十八日。「たまゆら」前には花束が手向けられ、時折、地元住民らが姿を見せる。だが、入居者の家族や友人が頻繁に訪れるわけではない。 「間違いなく『たまゆら』は氷山の一角。私のところに来るのも身寄りのない人ばかり」 生活困窮者を支援するNPO法人「ほっとポット」(さいたま市)の藤田孝典代表理事はこう指摘する。 同NPOは「たまゆら」のように実態が有料老人ホームながら老人福祉法に基づく届け出をしていない「無届け施設」や、民間運営の路上生活者ら向け「無料低額宿泊所」などにいる高齢者を支援している。 最近はこうした施設入居者の相談も増加。大半が住んでいた地域で頼れる家族、友人もない生活保護受給者という。認知症になりながら、同NPOとつながって初めて介護保険を利用できた人も少なくない。 同NPOが昨冬に支援した東京都豊島区出身という男性(69)もその一人だ。「認知症で失禁がひどくて、さいたま市内の宿泊所から出され、相談に行った区役所から連絡があった」 男性の両親は既にいない。家族などの状況は分からないが、訪ねて来る人もいない。約十年前、脳梗塞(こうそく)で倒れて仕事を失い、生活保護を受けながら都内の宿泊所などを転々としていた。 認知症の診断を得て要介護認定を受け、訪問介護を利用したアパート生活を試みた。だが、認知症などの影響で在宅介護は困難で、結局現在の住所地のさいたま市内の特別養護老人ホームに。社会福祉士の藤田さんは「もっと早く介護保険を利用できていれば、違う人生があったと思う」と憤る。 別の都内出身の男性(68)も昨年二月、同NPOの支援で初めて認知症と分かった。この男性も生活保護を受けながら都内の宿泊所などを転々。現在は同NPOが民家を借り上げたさいたま市内の寮で公的介護を利用して生活する。男性は「帰って寝る場所があるのは安心」とつぶやく。 二人とも家族とのつながりはない。住み慣れた地域からは離れたことで、地域とも絆(きずな)が切れてしまった。東京二十三区から生活保護費を支給されている、都外の施設入居者は千五百人を超える。 一方、無届け施設は、行き場のない高齢者の受け皿となっている。施設整備費を抑え、ケアも不十分な施設もあるが「入所者の生活保護費が目当ての『貧困ビジネス』施設だ」と関係者は言う。 行政側も無届け施設の存在を問題視。厚生労働省は二〇〇六年、老人福祉法を改正し、有料老人ホームの入所定員規定をなくし、届け出義務の網を無届け施設に及ぶようにした。千葉県は無届け施設での入居者虐待が判明したのを受け、〇七年四月から市町村と協力して指導を強化した。だが、指導に積極的な都道府県は少ない。 高齢者が住んでいた地域を追い出される背景には、入居すべき施設が満杯で飽和状態の東京の事情がある。』 . |
| 2009.03.31 | ☆東京23区生活保護受給者261人、無届け有料ホームに 31日、朝日新聞→ 『「たまゆら」に運営実態が似た都道府県に届けていない有料老人ホームに、東京23区の生活保護受給者のうち、少なくとも14区の261人が入所していることが朝日新聞社の取材で分かった。各区は入所先の状況を調べているが、法的な調査権限はなく、「実態把握は困難」との声もあがっている。 23区の生活保護担当者に対し、(1)生活保護受給者が入所している介護や食事を提供する有料老人ホームが都道府県に届け出た法定の施設か、届けていない施設かを把握しているか(2)把握している場合、そうした施設の入所者は都内、都外が何人ずつか、について尋ねた。 その結果、大田区の132人を最多に14区の計261人が無届けの施設に入所。うち111人が都外の施設に入所していることがわかった。中央、台東、中野、豊島、荒川、江戸川の6区では該当する入所者はなく、「たまゆら」に15人を紹介した墨田と、渋谷、葛飾の3区は「把握していない」と答えた。 大田区の担当者は人数が多い理由について、「区内に同じ法人が運営している複数の無届け施設があり、そこに多くの人が入所している。病院の紹介や親族、本人らの希望で入所する人が多い」と説明。そのうえで、「法的に届けられた施設が望ましいが、絶対数が足りない以上、無届け施設への入所も避けられないのが現状」と話した。 別の区の担当者は「年に数回、入所者を訪問するが、健康状態のチェックなどが中心。設備の点検などは専門家でないため、ほとんどできない」「ケースワーカー1人が数十人を担当しており、全国に散らばる施設を徹底的に調べるのは困難」としている。 厚生労働省の07年2月のまとめでは、全国で377の無届け有料老人ホームが確認されている。こうした施設に対しては、行政側が法に基づく指示を行うことができず、目が届きにくいとされる。 』 . |
| 2009.03.31 | ☆高齢者向けアパート調査 川崎市、5施設を指導 無届けの有料老人ホームに該当『今後も査察継続』 31日、東京新聞→ 『群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災を受けて、川崎市が市内の高齢者向けアパートなどで行った調査が三十日に終了した。市が立ち入り調査した二十四施設のうち五施設が、無届けの有料老人ホームにあたるとし、市は運営業者らに対し、県に届け出るよう指導した。 市の福祉担当者と消防局職員が連携した初の査察。有料老人ホームにあたるとされた五施設は、入所者に食事の提供や居室の清掃などのサービスが行われていた。いずれの施設も渋川の火災以前から、市に有料老人ホームの申請方法などを相談していたという。このほかにも六施設が、有料老人ホームに抵触する可能性があるとし、市は県と協議するという。 また、消防局による市火災予防条例に基づく指導は四件。うち三件は、ガスこんろなどの近くに、木材や布類など引火しやすいものを置いたケースで、即時撤去するよう求めた。 同局査察課は「高齢者が多く住む施設だけに避難管理に注目して調べたが、特に問題はなかった。ただ、有料老人ホームにあたる施設もあったので、今後も査察を継続して行っていく」とした。』 . |
| 2009.03.29 | ☆高齢者施設 「調査必要」22か所に 無届け9か所がNPO運営/群馬 28日、讀賣新聞(群馬)→ 『火災で入居者10人が死亡した渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」が無届けだったため、県が高齢者向けの無届け宿泊施設の洗い出しを進めたところ、「たまゆら」と「花みづきたまゆら」を含めた22施設の実態調査が必要であることがわかった。うち9施設がNPO法人の運営という。県が27日発表した。 県は、これらが老人福祉法上の有料老人ホームに該当するかどうかの調査を4月10日頃までに済ませ、該当すると判断した施設に届け出を強く促す考えだ。「たまゆら」などについても、運営するNPO法人「彩経会」から運営や施設の実態、今後の方針を聞き取る。各土木事務所や地元消防と連携し、施設の安全面も指導するという。 この22施設とは別に、介護と食事がつくなど、県が有料老人ホームと見なしている施設で、届け出をしていないのは24施設(NPO運営は4施設)。いずれも運営内容を記した文書を提出済みで、うち11施設は届け出の意思を伝えている。残る13施設は行政の関与を避ける傾向というが、県は届け出を求める方針だ。 県は、障害者や児童向けの無届け宿泊施設の洗い出しも進め、通所型についても同様に調べる予定だ。 現行制度上、届け出がない限りは県の監督権限はない。運営がNPO法人の場合は、業務に行政が極力介入しないことが法律の趣旨でもある。大沢知事は、「群馬だけの課題ではない」として、無届け施設への関与を可能にする制度改正を、全国知事会を通じて働きかける考えを示している。 ◆県警本部長「徹底解明」 大平修県警本部長は27日の定例記者会見で、「静養ホームたまゆら」の火災について、「10人の尊い命が失われた。大惨事に至った原因を徹底的に捜査し、全容を解明していく」と述べた。また、「防火、避難など管理体制がどうなっていたか、様々な観点から捜査し、刑事罰に触れる事実があれば、厳正に対処していきたい」とした。 ◆墨田区職員が8人と面会 「静養ホームたまゆら」に生活保護受給者15人を紹介した墨田区の職員2人は27日、渋川市内外の4か所を訪れ、生存する入居者9人のうち8人と面会し、都内の別の施設に移ってもらいたいとする、区の基本方針を説明した。入居者には、「たまゆら」に残るかどうか、近く最終的な意思確認をする方針。 「たまゆら」を訪れた職員は、記者団に、「入居者はおおむね元気だった」と説明。また、区が紹介した人の遺体と判明し、引き取り手がいない場合は、区が引き取る方針を明らかにした。都内で火葬、遺骨を保管するが、葬儀はしない。生活保護受給者を区外に送り出した場合の通常手続きという。 区職員から説明を受けた男性入居者は取材に、「移りたいと伝えた」と話した。また、「墨田区は、(施設を)自分たちでしっかり点検して、(生活保護受給者を)送るべきだった」と、改めて不満を漏らした。』 . |
| ☆渋川の高齢者施設火災、犠牲者の人生さまざま 28日夕、讀賣新聞→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で犠牲になった10人のうち多くは、高齢や病気などで生活に困った末、住み慣れた土地を離れていた。生前を知る人に、それぞれの事情、人柄を聞いた。 東京都墨田区で生活保護を受けていた山田登美子さん(84)は、2006年に入居した。手押し車を押して周りを散歩するのを楽しみにしていた。 たまゆらでヘルパーをしていた女性によると、山田さんは東京で食堂を夫婦で営んでいた。10年ほど前に夫を亡くし、一時親族と暮らした後、ここに来た。夫の写真を肌身離さず、話も夫の思い出ばかり。香港や台湾に旅行したことを目を細めて語っていた。「お父さんに会いたい。でも、夢に出てきて、こっちにはまだ来ちゃいけないって言われているから」と、話していたという。 尾池純さん(72)は、地元群馬県桐生市の出身。1955年に卒業した桐生高校の同級生たちは「物静かだった」と口をそろえる。実家は歯科医。同級生の一人は「裕福な家で、両親は歯科医を継がせたがっていたようだ」と話す。 東京都内の大学を中退後、結婚して前橋市に住み、農協関連の会社で働いていたが、やがて離婚。2人の息子は妻が引き取ったという。桐生市に住む尾池さんの弟は、尾池さんの長男から数年前に「介護が大変なので施設を探している」と聞いていたが、たまゆらに入ったのは知らなかった。弟は「気持ちの整理がつかない」と唇をかんだ。 2004年に入居した梶藤ふみさん(85)は東京都出身で、墨田区の生活保護を受けていた。車いす生活だった。身だしなみに気を使っていて、2、3か月に1度の美容院通いを楽しみにしていたという。元ヘルパーの女性は、梶藤さんの生いたちを「育ちがいい、お金持ちのお嬢様だと聞いた」と振り返る。 10人の中で最も若かった久保田文雄さん(55)は、「茨城県内の施設などを転々とした」と近所の男性(59)に話していた。病気で歩くのが困難になり、悲観して「死にたい」と口にしているのを、たまゆらに入居している男性が耳にしている。「生きていればいいことがある」と励ましたが、この男性自身も今、「(入居前に)想像していた場所とだいぶ違った」と、ため息をついた。』 . |
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| 2009.03.27 | ☆施設火災 施錠で出入りできず 群馬の高齢者施設火災 27日昼、NHK→ 『群馬県渋川市にあるお年寄りの施設が焼けて10人が死亡した火事で、7人が遺体で見つかった別館では、入所者がはいかいするのを防ぐため、夜間、出入り口の1つに外側から南京錠をかけるなど、簡単に出入りできないようにしていたことが施設関係者への取材でわかりました。警察は、入所者が外に出られずに逃げ遅れた可能性があるとみて、当時の鍵の状況を調べています。 群馬県渋川市にあるお年寄りの施設「静養ホームたまゆら」では今月19日の夜、木造平屋建ての3棟の建物が全半焼して、7人が遺体で見つかり、入所者3人が病院で死亡しました。警察などの調べによりますと、7人が遺体で見つかった火元の別館では、出入り口が3つ設けられていましたが、東側の出入り口は大きな荷物が置かれて使えない状態でした。残る2つの出入り口のうち、南側の出入り口の扉には、入所者がはいかいするのを防ぐため、ふだんから夜間は施設側が外側から南京錠をかけていたことが施設関係者への取材でわかりました。 また、最も西側の出入り口にも比較的開けることが容易な鍵がありましたが、この付近から出火した疑いが強いことから、警察は当時この出入り口から逃げ出すことは難しかったとみています。警察は、入所者が逃げ遅れた可能性があるとみて、当時の鍵の状況を調べています。』 . |
| ☆「たまゆら」類似8施設調査 墨田区方針 区民18人が入所 27日、讀賣新聞(23区版)→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災を受け、墨田区議会の福祉保健委員会が26日、開かれ、山崎昇区長は「たまゆら」のほかに、法的な位置づけのない高齢者対象施設8か所について、緊急調査に着手すると表明した。8施設には同区から計18人が入所しているという。建築担当職員らも加わり、施設の安全設備を点検するチェックリストを作成する。ケースワーカー増員など区の体制強化方針も示した。(伊藤史彦) 委員会の冒頭、出席者は黙とうした。山崎区長は「同種の高齢者施設の安全確保のため、調査を早急に行い、二度とこのようなことがないよう万全を期していく」と述べた。 区は27日、職員2人を渋川市に派遣し、火災で無事だった7人と面談する。同意を得た上で、都内の施設へ一時入居してもらう。その後、安定した住居を確保し、転居を進めていく方針だ。身寄りのない犠牲者は区福祉事務所で引き取り、葬儀を行うという。 委員会で区側は、2004年2月26日から今年1月21日まで、ケースワーカーが、付き添いや生活実態把握のため計27回、「たまゆら」を訪問していたと報告した。 横山信雄・区福祉事務所長は「入居した方々の生活や処遇面については確認してきたが、建築基準法や消防法で定められた設備の部分には目が行き届いていなかった」と答弁した。 ■都外施設入所率墨田区が突出 東京23区の生活保護受給者に関する読売新聞の調査で、都外の施設への入所割合が、墨田区では55・7%と突出して高かったことについて、委員会で背景説明を求める質問が出た。区側は、「今後確認していく」と答弁した。 本紙調査では、23区で少なくとも計1568人が都外施設に入所していた。施設所在地で最も多いのは茨城県(514人)。 江東5区での都外施設入所者をまとめたところ、墨田区から109人、江戸川区からは74人が同県内の施設に入所していた。 茨城県長寿福祉課では、「東京からの入居者が多い理由はわからない。有料老人ホーム類似施設について実態を調査中」としている。 委員会後、山崎昇区長は、墨田区の都外施設依存度の高さについて、隣の台東区が7・8%と低かったことを踏まえ、「山谷地区を抱え、従来から対策が進んできた台東区に比べ、墨田区は、ここにきて社会経済的状況の悪化が現れてきた結果だと思う」と述べた。』 . |
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| 2009.03.26 | ☆1500人以上が都外施設に、東京23区の生活保護受給者 26日、讀賣新聞→ 『東京23区の生活保護受給者約15万6000人のうち、少なくとも1568人が都外の福祉施設などに入所していることが、読売新聞の調査でわかった。 各区に、有料老人ホームや障害者施設などに入所している生活保護受給者数などを質問。25日までに板橋区を除く22区が回答した。 それによると、施設に入所している人は計6646人。うち都外の施設の入所者数は1568人で、都外の割合(依存度)は23・6%になった。火災の起きた群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」に多くの生活保護受給者を紹介していた墨田区の場合、都外入所者数は196人、都外依存度は55・7%。都外の施設の場所は茨城県が最も多く514人で、千葉県270人、埼玉県249人と続いた。』 . |
| ☆都外の福祉施設依存 無届けでも「やむなく利用」 26日、讀賣新聞(23区内版)→ 『防火体制確認に課題 東京23区の生活保護受給者のうち、自立して生活できない1500人以上が、都外の福祉施設などに入居している実態が明らかになった。火災で死者を出した群馬県渋川市の高齢者施設「たまゆら」のような無届けの施設が使われていた背景には、都内の施設不足も指摘された。一方で、都内でほとんどの入所先を確保している区もあり、各区の対応の違いが読み取れる。(金杉康政、伊藤史彦) 今月23日、台東区役所2階の福祉事務所に約20人の人たちが集まっていた。日雇い労働者の街・山谷地区やホームレスの多い上野などから、定期的に支援団体関係者や弁護士の世話で、生活保護受給を申請しにきた人たちだ。多くは高齢で、病気や障害などで自立生活が困難ならば、受け入れ先も探さなければならない。 生活保護法では、都内から他県の施設へ移り住んだ人には、施設のある自治体が生活保護費を給付するのが原則だ。だが、「地方へ負担を押しつけることになる」という考えから、都内の区は入所者の生活保護費を引き続き負担している。 台東区では、受給者のうち、693人が施設に入所している。うち54人は、都外の特別養護老人ホームなどで暮らす。いわゆる「無届け有料老人ホーム」は利用していない。「生活保護費を不当に天引きする『貧困ビジネス』の危険性もある中、性格がわかりにくい施設を紹介することはできない」とし、担当者は言葉を継いだ。「『うちを使ってくれ』との売り込みは多い。紹介先に困れば、利用したくなる気持ちはわからなくもない」 一方、受給者のうち、49人が茨城、群馬など都外の施設で生活している文京区では、1人を「たまゆら」に紹介していた。 「都内で施設を探し、ようやくインターネットで見つけたのが『たまゆら』だった。他の区でも紹介していると聞き安心していたが、このような事態となるとは」と担当者は肩を落とす。 荒川区も「行く先が見つからない人を入所させてくれる施設は、ありがたい存在。墨田区も同じ思いだったのでは」と話す。渋谷区では、無届け施設について、「特別養護老人ホームへ入所するまでの通過施設として、やむなく一時利用している」と説明した。 施設の防火体制をどう確認するかも、改めて課題として浮かび上がった。 新宿区や北区や大田区などでは、施設訪問の際、施設責任者や地元自治体に対して、防火体制を確認していく方向で検討に入った。一方で、施設の防火体制確認について「ケースワーカーの職務、能力の範囲を超える」との声がある。江戸川区では「根本的には、施設所在地の自治体が把握、指導する体制を強化してもらうしかない」と訴えた。』 . |
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| ☆群馬・老人施設火災 生活保護者処遇、苦悩する自治体 26日、毎日新聞→ 『10人が犠牲になった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災から26日で1週間。施設には東京都墨田区から生活保護費を受ける15人も入所し、このうち6人が亡くなったとみられるが、同様に都内の自治体から生活保護費を受けながら都外の施設で暮らす人がこの1年でほぼ倍増したことが、毎日新聞のアンケートで分かった。「都内は施設が足りず、かといって生活保護受給者をそのまま引き受けてくれる他の自治体はない」。アンケートへの回答に、生活保護受給者の処遇を巡り苦悩する自治体の姿が浮かんだ。【立上修、山本将克】 ◇「押し付け合い」の声も 生活保護費は、居住する自治体が支給するのが原則。そのため、都内の自治体から受給していた人が都外に移り住む場合、転居先の自治体と協議して管轄を移す「移管」という手続きが必要になる。 ところが、アンケートでは都内23区と26市のうち、少なくとも17区と13市で、そうした移管の手続きをとらないまま、都外にある施設に住む計993人に生活保護費を支給していた。 移管手続きをしない理由について、目黒区は「都内の介護老人福祉施設への入所待ちのため短期的な居住」と説明。西東京市などは「移転先の市だけではなく、県とも東京都を含めた形で移管を受け入れてくれるよう協議したが、移管先の福祉事務所が受け入れてくれない」と嘆いた。 背景には、生活保護費を巡る負担システムがある。生活保護費の4分の3は国が負担するが、残る4分の1は自治体の負担となるため、「移管」を受け入れる自治体にとっては財政的なデメリットを抱えることになる。 都内から生活保護受給者を受け入れたことのある水戸市のグループホーム経営者は「『東京の生活保護者を引き取るな』と(市から)やんわり指導を受けたことがある」と明かした。 一方、都内の自治体にとっては、生活保護受給者を移管しなくとも都外へ送り出すことによる財政的なメリットがある。 生活保護費は家賃など物価の高低に配慮して地域別に6段階の基準を定め、東京や大阪など大都市部は最も支給額が高い「1級地-1」で15万円前後。一方、事件の舞台となった渋川市は「3級地-1」で9万円前後とされる。支給する自治体と、生活保護受給者の住む自治体が違う場合には、支給額は実際に居住する自治体の基準にすることが運用上認められている。都内の自治体から都外に移り住んでもらえば、支給額は都内に住む場合に比べて1人当たり数万円少なくて済む。 茨城県内で有料老人ホームなどを展開する経営者の一人は「都内から移ることで行政は負担が軽くなり、我々業者は空室が埋まり、受給者も行き場ができる。『三方すべてよし』だ」と話す。 だが、ある生活保護関係者は「『居住地保護』の原則が崩れ、自治体間で生活保護者の押し付け合いともいえる状況が生まれているだけだ。これを解消するには生活保護費を全額国負担にするしかない」と指摘した。 ◇捜査、長期戦で 過失認定は難航も 「たまゆら」の火災について、群馬県警は業務上過失致死傷容疑での立件を視野に捜査を進める方針だ。ただ、3棟が全半焼した現場は燃え方が激しく、入所者も多くが死亡するなど、出火原因の特定や過失の有無の認定は難航しそうだ。県警は長期戦で臨む構えで、「たまゆら」を運営する特定非営利活動法人「彩経会」の高桑五郎理事長や当日の当直女性職員など関係者から詳しく事情を聴いている。 まず、捜査の焦点になるのは出火原因の特定だ。最も燃え方の激しかった北別館西側奥の居室付近が出火元とみている。この居室の入所者は喫煙者で、現場検証で燃え残ったライターの破片なども見つかったが、北別館の入所者7人は全員が死亡したか行方不明になっている。 出火原因がたばことなれば、禁煙の館内で喫煙を黙認していた施設側の管理体制も問われる。 また、防火や安全確保の体制が十分だったかもポイントになる。施設は建築基準法に定めた建築確認のないまま増改築を繰り返した結果、迷路のように入り組んだ構造になっていた。通路にはおむつなどを入れた箱が放置されていたほか、居室から出入り口につながる通路には引き戸もあり、つっかい棒がかけられていたという。歩行の不自由な入所者が逃げる時に障害になった可能性がある。 消防法上の設置義務はないが、スプリンクラーや火災報知機はなく、消火設備は消火器だけだった。 施設の運営実態も県警は重要視している。19日深夜の出火当時、当直はヘルパーの女性職員(57)だけだった。 今後、県警はこうした状況を総合的に検討したうえで、全国の類似施設の実態も参考にしながら、過失の有無を判断する構えだ。【鳥井真平】』 . |
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| ☆老い・障害…追い詰められて入所 群馬・施設火災(特集) 26日、朝日新聞→ 『火災で入所者10人が死亡した群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」。路上で行き倒れたり、介護する人がいなかったりと、安住の地をどこにも見つけられなかった人たちが集まっていた。 現在も行方不明のままで、焼死したとみられている久保田文雄さん(55)は、東京都墨田区福祉事務所の紹介で入所した。群馬県伊勢崎市出身。「気遣い屋で穏やかで。いいやつだった」と、実家近くに住む知人らは回想する。 知人らによると、両親が約20年前に死亡した後、久保田さんはしばらく実家で独り暮らしだった。生まれつき知的障害があり、親族はみな引き取りを渋ったという。 地元の建設会社で電気技師として勤めていたが解雇され、その後、自宅が火事になった。職を求めて上京し、日雇いの仕事をしていたが、路上生活をするようになった。行き倒れて墨田区に保護されたのが9年前。3年ほど前に入所した。 知人の男性は昨年6月、たまゆらを訪れた。 「あねごのところへ行きたい。もう一度やり直したい」。久保田さんは、遠方に嫁いだ姉と暮らすことを望んでいた。男性はそのことを姉に伝えたが、「経済的に苦しくて、面倒が見切れない」と断られた。 尾池純さん(72)は25日に身元が確認された。 知人で、前橋市在住の男性(77)はテレビで火災を知って現場に駆けつけた。「まさか、こんなところに入所しているとは」 20年ほど前、尾池さんが前橋に住んでいた時に趣味の盆栽を通じて友だちになった。だがその後、連絡が取れなくなっていた。 同じく身元が確認された東京都三鷹市出身の沢村晴雄さん(77)の親族は、入所の経緯を「介護する者がいないので」と説明した。都内で高齢者向けの施設を探したが「順番待ちで空きがない」。だが、たまゆらは「すぐに入れてもらえて助かった」という。 火災当時、たまゆらで暮らし、難を逃れた東京都出身の60代の男性は、一昨年に入所した。糖尿病で左足を切断した。住んでいたアパートの部屋は2階だったので退院後には上り下りに苦労した。役所に「住むところを探してほしい」と相談するとこんな答えが返ってきた。「群馬にこういうところがあるけど行くかい?」。それがたまゆらだった。 「えらいとこ来ちゃった」。焼け跡のそばで男性はいった。』 . |
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| ☆通路の引き戸部分再現 実験へ 高齢者施設火災(特集) 26日朝、NHK→ 『群馬県渋川市にあるお年寄りの施設が焼けて10人が死亡した火事で、屋外に通じる建物内部の通路の引き戸につっかい棒がされて避難の妨げになった可能性があることから、警察は今後、引き戸などを再現してどの程度の力で棒を外すことができるのか実験し、詳しく調べることにしています。 群馬県渋川市にあるお年寄りの施設「静養ホームたまゆら」では、今月19日夜、木造平屋建ての3棟の建物が全半焼し、7人が遺体で見つかったほか、入所者3人が病院で死亡しました。7人が遺体で見つかった北側の別館では、入所者がはいかいするのを防ぐため、施設側が先月から夜間、屋外に通じる通路の引き戸につっかい棒をして、簡単に開けられないようにしていました。 警察の調べによりますと、7人のうち3人は、引き戸手前の浴室付近で倒れていたということで、警察は、入所者が引き戸を開けられずに逃げ遅れた可能性があるとみて、当時の引き戸の状況を調べています。つっかい棒について、施設を運営するNPOの理事長は「たたいたり、けったりすれば簡単に外すことができた」と説明しています。警察は、どの程度の力を加えればつっかい棒を外すことができるのか、今後引き戸などを再現して実験し、詳しく調べることにしています。』 . |
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| ☆都外の施設に1700人余 23区内の生活保護者 25日朝、NHK→ 『東京23区から生活保護費を受給しながら、東京以外の施設に入所している人は少なくとも1700人余りに上ることがNHKの取材でわかり、都内の施設不足が深刻になっている現状が明らかになりました。 NHKは、群馬県渋川市の施設火災で、東京・墨田区から生活保護費を受給していたお年寄りなどが死亡したことを受けて、東京23区に生活保護受給者の実態を取材しました。これまでの回答をまとめたところ、23区から生活保護費を受給しながら、東京以外の施設に入所している人は、少なくとも1755人に上ることがわかりました。 最も多いのは、大田区で少なくとも352人、次いで、江戸川区が197人、墨田区が196人、練馬区が150人、足立区が108人などとなっています。受け入れ先の施設の所在地は、関東甲信地方を中心に、北海道から九州まで23の道県に及び、都内の施設不足が深刻になっている現状が明らかになりました。 このうち最も多いのが茨城県の527人で、次いで、千葉県が258人、埼玉県が243人などとなっています。また、こうした施設の実態をどのように把握しているか尋ねたところ、ほとんどの区が、入所者の食事や介護の状態など待遇面のチェックが中心で、防火態勢を確認していたところは事実上ありませんでした。今回の火災を受けて、多くの区が、防火態勢を新たにチェック項目に含めることを検討するとしています。』 . |
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| ☆高齢者施設火災のNPO別施設、県への資料に建物記載せず( 25日、讀賣新聞→ 『火災で入所者10人が犠牲になった群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」を運営するNPO法人「彩経会」(高桑五郎理事長)が前橋市内で運営する施設についても、県に提出した説明資料に一部の建物を記載していなかったことが24日、県の現地調査で分かった。県は今後、高桑理事長から事情を聞き、有料老人ホームに該当するかどうか判断する。 県が調査したのは、昨年5月開設とされる前橋市苗ヶ島町の「静養ホーム花みづきたまゆら」。彩経会が3日、県に提出した「運営内容確認表」では建物は1棟としていたが、実際には2棟あった。 確認表に記載されていた「新館」(鉄骨一部木造平屋)の10部屋は各約9平方メートルで、有料老人ホームに必要な「13平方メートル以上」を下回っていた。現地で確認された「本館」は3部屋で、13〜20平方メートルだった。二つの建物には、火災があった「たまゆら」から移った3人を含め14人が入居していた。 施設運営を担当するボランティア男性によると、10人は、東京都や埼玉県、千葉県などから来た65〜91歳の高齢者だが、「他の4人については資料がなく分からない」と説明している。』 . |
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| 2009.03.24 | ☆つっかい棒の施錠、理事長「自分が指示」と謝罪…施設火災 24日夕、讀賣新聞→ 『死者10人を出した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、施設を運営していたNPO法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)は24日午前、現場近くの同会事務所で記者会見に応じ、別館の通路の引き戸がつっかい棒で施錠されていたことについて「自分が指示をした」と認めた。 原因について「安全対策、注意義務の怠り、管理対策の不備が強く挙げられる」と述べた。 記者会見は午前10時半過ぎに始まった。高桑理事長は冒頭で、「激しい火炎で火だるまになるべきは私であった。亡くなられた方に懸命なおわびを続ける」と深々と頭を下げた。 食堂に通じる通路の引き戸がつっかい棒で施錠されていたことについては、会見が始まった当初は、「自分は見ていなかった」などと話した。しかし、再三の質問に対して「徘徊(はいかい)の方が、近隣の方に保護されることが数回あった。『徘徊防止に注意してくれ』と職員に伝え、中からければ外せるようなもので防止するよう指示した」と話した。 建築確認申請をせずに増改築を繰り返していたことは、「食堂が不足していたので応急的に仕方なかった。違法性は認識していた。建築の知識はなかったが、知識のある入居者に協力してもらった」と述べ、別館の食堂と倉庫などを建て増していたことを認めた。 夜間の宿直体制は、月のうち20日間は2人、10日間は1人だったと説明。「増員を図っていた矢先だった」と話した。施設内の通路などに避難時の障害物があったと指摘されていることは、「(使用済みの)オムツや段ボール箱があった」と認めた。火元とみられる部屋に入居していた男性については、「たばこをいつも吸っていて注意していた。寝たばこもあり、3日前に職員がライターを取り上げたばかりだった」とした。 「(施設は)勝手に自分なりの理想で作り上げた。県の規格に合っていなかった」と認める一方で、23日に予定されていた県の立ち入り調査について「きちんとクリアして老人ホームを目指すつもりだった」と強調。さらに、「火災が起きた場合は問題があると思い、(入居者を紹介していた)墨田区にも伝え、『申し訳ない。改善する』と言ってあった」とした。 彩経会を解散する可能性を示したが、自身には3000万円の借入金がある一方、施設は火災保険には入っていないという。遺族らへの賠償については「方策をこれから真剣に検討する」と述べるにとどめた。』 . |
| ☆無届け施設に690人 都18区 生活保護受給者 各区『緊急避難』 24日夕、東京新聞→ 『東京都二十三区のうち十八区が、火災で高齢者十人が亡くなった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」と類似の無届け施設に生活保護受給者を入所させていることが、本紙の二十三区への調査で分かった。入所者は計約六百九十人に上る。たまゆらへは墨田区だけでなく文京区からも一人が入所していたが、無事だった。 一方、有料老人ホームの類似施設でありながら、都道府県に届けを出していないなど無届けの疑いがある施設に、生活保護受給者を入所させていなかったのは中央、台東、豊島、板橋、荒川区の五区だった。 新宿区はホームレスやアルコール依存症者を対象とした共同住宅を含め、都内外の十六カ所に百二十四人を入所させていた。担当課は「こういう人たちを受け入れるべき特別養護老人ホームが満床」と切羽詰まった状況を説明する。無届け施設の入所者百七人のうち百一人を茨城や埼玉、千葉県など都外の施設に入所させる江戸川区は「退院しても、一人暮らしができない人が多い。認知症や病気がちで大家からも入居を嫌がられる」と窮状を訴える。どの区も、受け入れ先がなく「緊急避難的に」「やむを得ず」と釈明する。 各区とも入所時には施設を確認しているが防災設備までは点検していなかった。中野区は「当然(防災施設が)確保されている届け出施設とは違うのに、チェックしなかった」と反省。今回の火事を受け大田、渋谷区などは「今後は確認したい」と話した。一方、人口に占める生活保護受給者の割合が二十三区で最も高い台東区は「区外の施設へも受け入れを要請せざるを得ないが、何かあったとき、地元自治体が面倒をみられないような施設には安心して預けられない」と強調した。』 . |
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| ☆無届け施設に690人 都18区 生活保護受給者 各区『緊急避難』 24日夕、東京新聞→ 『東京都二十三区のうち十八区が、火災で高齢者十人が亡くなった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」と類似の無届け施設に生活保護受給者を入所させていることが、本紙の二十三区への調査で分かった。入所者は計約六百九十人に上る。たまゆらへは墨田区だけでなく文京区からも一人が入所していたが、無事だった。 一方、有料老人ホームの類似施設でありながら、都道府県に届けを出していないなど無届けの疑いがある施設に、生活保護受給者を入所させていなかったのは中央、台東、豊島、板橋、荒川区の五区だった。 新宿区はホームレスやアルコール依存症者を対象とした共同住宅を含め、都内外の十六カ所に百二十四人を入所させていた。担当課は「こういう人たちを受け入れるべき特別養護老人ホームが満床」と切羽詰まった状況を説明する。無届け施設の入所者百七人のうち百一人を茨城や埼玉、千葉県など都外の施設に入所させる江戸川区は「退院しても、一人暮らしができない人が多い。認知症や病気がちで大家からも入居を嫌がられる」と窮状を訴える。どの区も、受け入れ先がなく「緊急避難的に」「やむを得ず」と釈明する。 各区とも入所時には施設を確認しているが防災設備までは点検していなかった。中野区は「当然(防災施設が)確保されている届け出施設とは違うのに、チェックしなかった」と反省。今回の火事を受け大田、渋谷区などは「今後は確認したい」と話した。一方、人口に占める生活保護受給者の割合が二十三区で最も高い台東区は「区外の施設へも受け入れを要請せざるを得ないが、何かあったとき、地元自治体が面倒をみられないような施設には安心して預けられない」と強調した。』 . |
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| ☆生活保護費天引き 火災の老人施設 入所者の了解得ず 24日、東京新聞→ 『群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、東京都墨田区が紹介した生活保護受給者十五人分の保護費を施設へ一括送金し、施設が入所者に了承を得ずに家賃や食事代などを天引きしていたことが分かった。生活保護法では、受給者に認知症など金銭管理能力がない場合を除き、保護費は受給者本人に渡す原則を規定。しかし、施設は十五人のうち金銭管理能力がある数人についても、天引きをしていたとみられる。 入所者の男性(54)は十数枚の生活保護費支給内訳書を保管。いずれにも保護費の総額、老人施設の天引き額、手渡す残額などが記載してある。男性は「一年半前に施設に入った当初から天引きは了承していない。数千円ずつ数回、内訳書の残額と渡された金額が違った」と話す。元入所者の六十代男性も天引きの事実を指摘。二人とも金銭管理能力がある。 墨田区は「全員に金銭管理能力がないと判断し、全員の委任状をもらった上で内訳書とともに一括送金してきた。施設を信頼していた」と説明。一部の委任状は本人以外が署名した可能性がある。 ◆ライター破片 現場から押収 群馬県警 入所者十人が死亡した群馬県渋川市の老人施「静養ホームたまゆら」の火災で、現場からライターの破片が見つかり、県警が押収していたことが分かった。捜査関係者が明らかにした。県警は、付近に火の気がないため、たばこの不始末が出火原因だった可能性があるとみて調べている。 県警によると、破片は、全焼した北側別館内で、火元とみられる西端の居室付近で見つかった。この別館からは七人の遺体が発見され、うち男性一人はこの居室付近で見つかった。施設関係者らの話では、施設内は禁煙とされていたが、喫煙する入所者もおり、施設側も建物内での喫煙を黙認していた。破片はたばこによる失火を裏付ける物証の一つになる可能性がある。 別館では入所者の徘徊(はいかい)を防ぐため、夜間に通常、屋外につながる引き戸を施錠していたことが判明。県警は、入所者が避難できずに死亡した可能性があるとみて、当時の施錠状況を調べている。』 . |
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| ☆老人施設火災、運営の理事長が謝罪「安全対策怠った」 24日昼、讀賣新聞→ 『死者10人を出した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、施設を運営していたNPO法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)は24日午前、現場近くの同会事務所で記者会見に応じ、「10人の尊い命を失った責任を当事者としておわび申し上げます」と謝罪した。 さらに、原因について「安全対策、注意義務の怠り、管理対策の不備が強く挙げられる」と述べた。 午前10時半すぎから始まった会見の冒頭で、高桑理事長は深々と頭を下げ、おわびを繰り返した。死亡した10人に対し、「激しい火炎で火だるまになるべきは私であった。亡くなられた方に懸命なおわびを続ける」と述べた。 たまゆらについては「勝手に自分なりの理想で作り上げたものなので、県の規格にあっていなかった」とした。一方で、23日に予定されていた県の立ち入り調査について「きちんとクリアして老人ホームを目指すつもりだった」と強調。そのうえで、「障害者や身よりのない方で施設にあぶれた方が大勢いるということで、その受け入れ施設として“民間特養型”を目指した」と説明した。 別館の出口に通じる通路の引き戸が夜間につっかい棒で施錠されていたとされることについては、「私は夜間の見回りにたずさわっていないので、警察が今きちんと調べている」と述べた。一方で、施設内の通路などに避難時の障害物があったと指摘されていることは、「(使用済みの)オムツや段ボール箱があった」と認めた。 火元とみられる部屋に入居していた男性については「たばこをいつも吸っていて、注意していた。寝たばこもあり、3日前に職員がライターを取り上げたばかりだった」ことを明らかにした。 高桑理事長は出火翌日の20日から連日、県警と消防の現場検証に立ち会っており、終始憔悴(しょうすい)した様子だった。』 . |
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| ☆「入所者放ったらかし」おむつも換えず 老人施設火災(特集) 24日、朝日新聞→ 『火災で10人の死者を出した群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」=NPO法人彩経会運営=で、入所者のおむつの交換はなおざりなうえ、掃除の世話もほとんどなく、入所者は事実上、放っておかれた状態だったことが入所者や近隣の住民らの証言でわかった。県警は、こうした劣悪な管理体制が火災の被害を広げた背景にあるとみて、業務上過失致死傷容疑で捜査を進めている。 近くの関連施設に入所している男性(54)の話では、焼け落ちた3棟には、障害の重い人が振り分けられ、障害の軽い人が、重い人の部屋の掃除や世話をしていたという。男性は東京都墨田区の紹介で入所したが、「おむつのにおいがひどかった」と振り返った。 また、入所者の男性も「職員が掃除をすることはほとんどなく、入所者同士でしていた」と証言。職員はいても「放っておかれている感じだった」という。 入所者がデイサービスを利用していた近くの有料老人ホームの施設長は「体の汚れ具合から、しばらくの間、入浴していないという印象を受けた」と入所者らの証言を裏付けた。 入所者が徘徊(はいかい)し、路上や老人ホームの敷地内で倒れていることも再三あり、救急車を呼ぶこともあった。近くの有料老人ホームの施設長は何度も「たまゆら」に苦情を言ったが、なかなか対応しなかったという。 施設の近くに住む女性(38)によると2年前、入所していた男性が徘徊し、2カ月間に3度も自宅の敷地内に入り込んできた。施設に連れて行くと職員は「また出ちゃったんですか」と話すだけだったという。』 . |
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| ☆鍵、車いすから届きにくく=避難妨げ被害拡大の恐れ-群馬施設火災 24日、時事通信→ 『10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、施設内の鍵が車いすの人からは届きにくい位置にあったことが23日、施設関係者の話で分かった。7人が死亡した別館の居室と食堂の間の戸は夜間、施錠されることもあったという。 施錠などで避難が困難になった可能性もあり、県警は業務上過失致死傷容疑も視野に、安全管理に問題がなかったか慎重に調べている。 施設に出入りしていた関係者によると、改築作業は高桑五郎理事長(84)が自らすることがあり、鍵も設置していた。鍵の高さについて、関係者は「車いすの人は手を伸ばさないと届かなかったと思う」と証言した。』 . |
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| ☆引き戸、火災の夜も「つっかい棒」高齢者施設当直が証言 24日、讀賣新聞→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、出火当日の19日夜に1人で当直勤務にあたっていた女性職員が、死者10人のうち7人の遺体が見つかった別館の居室と食堂の間の通路にある引き戸について、「いつものようにつっかい棒をかけて、(入居者が)外に出ないようにしていた」と県警に説明していることが、23日わかった。 県警は、入居者が出火時、引き戸を開けられずに避難できなかった可能性があるとの見方を強めている。 引き戸はふだんから夜間施錠されており、県警は高桑五郎理事長(84)ら責任者の安全管理に問題があったとみて、業務上過失致死傷容疑で調べる。 渋川広域消防本部が火災後に作製した図面によると、別館の出入り口は食堂と西側居室付近にあった。西側居室付近は火元とみられ、居室にいた入居者が逃げるには引き戸を開けて出る必要があった。 捜査幹部によると、つっかい棒について、施設側は、夜間に入居者が食べ物を探しに食堂に入るのを防ぐ意図があったと説明しているという。』 . |
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| 2009.03.23 | ☆都内の生活保護老人 516人都外に 23日夜、NHK→ 『火災が起きた群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」では、東京・墨田区から生活保護を受けているお年寄りなどが生活していましたが、東京都がまとめたところ、都内で生活保護を受け、ほかの県の有料老人ホームなどで生活している人は、516人に上ることがわかりました。 東京都によりますと、去年1月時点で、都内で生活保護を受け、有料老人ホームなどの施設に入居している人は674人で、このうちおよそ77%に当たる516人が、ほかの県で生活しているということです。この中では、茨城県が236人で最も多く、次いで、埼玉県が83人、群馬県が64人、千葉県が63人、静岡県が41人、山梨県が12人、栃木県が10人、神奈川県が6人、佐賀県が1人となっています。 こうした実態を踏まえて、東京都は、ことし1月、都内の区や市町村に対して、生活保護を受けているお年寄りに、有料老人ホームを利用してもらう際の注意点について通知しています。この中では、有料老人ホームの届けや介護サービス事業者としての指定がない場合は、行政の指導が及ばないことから、身寄りのない高齢者に利用を勧めるのは好ましくないとしています。 そのうえで、やむをえず利用を勧める場合は、必ず事前に現地確認するほか、最低でも1年に2回は訪問し、生活実態を把握するなどの対応を求めています。都では、今後、今回の墨田区の対応が適切だったどうか、確認することにしています。』 . |
| ☆社会福祉施設を緊急調査へ=火気管理や避難経路など-消防庁・国交省 23日夜、時事通信→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で入所者ら10人が死亡した火災を受け、総務省消防庁と国土交通省は23日、社会福祉施設を緊急点検するよう全国の消防本部などに要請した。火気管理や避難経路の確保などを重点的に調べ、違反があった場合には直ちに是正させる。』 . |
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| ☆防災体制確認おざなり 群馬の老人施設火災で墨田区 対応の盲点が露呈 23日、東京新聞→ 『生活保護受給者ら十人が死亡した群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、多くの入所者を送り込んでいた墨田区が施設の防火体制を確認していなかったことが分かった。被保護者の受け入れ先の確保にきゅうきゅうとし、防火体制の不備を見過ごした末の悲劇。区外の無届け施設に頼らざるを得ない区の対応の盲点が浮き彫りになった。 墨田区から送り込まれた入所者は十五人。出火当時はそのうち十三人が同施設にいて、六人が死亡した。 墨田区の高橋政幸保護課長は二十一日の会見で、ケースワーカーらによる年一回の訪問調査について「入所者が元気でいるか。施設の雰囲気や食事、世話の状況の確認」と説明。被保護者の受け入れ先の確保が最優先で、防火面については「施設が法律上の義務を果たしている」と思いこんでいたと言い、訪問調査では調べる意識もなかったと認めた。 同課長は今回の火災を受けて「施設そのもののハードウエアにも思いを寄せていかなければならない」と発言。「たまゆら」同様、区民を紹介した他県の施設について「実態把握を検討したい」と話した。』 . |
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| ☆渋川の老人施設全焼:出火時、職員1人だけ 運営姿勢に疑問の声/群馬 23日、毎日新聞(群馬)→ 『山あいの老人施設で起きた深夜の惨劇に、地元住民や運営関係者は驚きを隠せず、「たまゆら」の実態や彩経会の運営姿勢への疑問の声も上がった。 救出された入所者5人は、近くの特別養護老人ホーム「ねむの丘」に避難した。63歳の男性は「たまゆら」のケアについて「介護は一応してくれたし食事もちゃんと出た。風呂もきちんと入れたが、職員は昼間で3〜4人、夜は1〜2人だった」と明かした。彩経会が県に提出した07年度の事業報告書には、従事者は「ボランティア9人」と記されているが、出火時は女性職員(57)が1人いただけだった。 男性は「中はちゃちで狭いし火事でなくても何か起きただろう」と続けた。屋内は禁煙だったが、実際には破っていた入居者もいたという。 また「たまゆら」の近くに住む男性(59)は、入所者が家の前を通るので顔見知りもいたという。行方不明になっている大友良隆さん(73)について「片脚のひざから下が義足だった。夜は義足も付けていなかっただろうし逃げ遅れたのだろうか」と案じていた。 火災現場を視察していた渋川市職員は「仲良くしているねむの丘に来る時に前を通り、老人がはいかいしているのを見た」と話した。またこれまで「たまゆら」を調査しなかったことについては「権限もないのでできなかった。建物の持ち主ぐらいはこれから調べたい」と話した。 県によると、同会は介護保険法に基づく通所介護施設(デイケアセンター)を01年2月に開設すると届け出たが、開設予定日になって「人が集まらない」と休止届を提出。3年後の04年4月23日に廃止届を出した。結局、デイケアの実態はなかったという。【塩崎崇】 ◇全任意施設を調査へ--知事 県と県警の関係部署が20日、対策会議を開き、被害の状況や経緯などを確認した。出席した大澤正明知事は、法律上の位置づけがないまま設置された県内の福祉関係の全宿泊施設を、早急に実態調査する方針を明らかにした。 大澤知事は「人を預かるということは大きな問題だと認識している。不幸な事故が起きないように(調査する)」と述べた。対象は、NPO法人や民間、任意団体が届け出や申請なく設置した任意施設を対象にし、宿泊施設を優先するとした。児童や障害者の施設も含める意向だ。 ただ担当課によると、任意施設には法的な調査権限がないため、すべて相手が了解したうえでの任意の調査になるという。 さらにNPO法が行政の介入を抑制していることについて、「(見直しを)提言しないと改善できない」と述べ、国に直接働きかけたり知事会を通じて法改正を求める姿勢も示した。』 . |
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| ☆【老人ホーム火災】介護保険事業者指定を廃止 彩経会、墨田区入居者受け入れ直後 23日、産経新聞→ 『群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で起きた10人死亡の火災で、同施設を運営する特定非営利活動法人(NPO法人)「彩経会」が、県から介護保険事業者の指定を受けながら休止届を提出し、東京都墨田区の生活保護受給者の受け入れを始めた直後に廃止を届け出たことが22日、県などの調べで分かった。同施設ではその後、福祉施設としての申請や届け出は行わず、行政の監督が及ばない立場となったことで、ずさんな運営が拡大した可能性が浮上した。 群馬県によると、彩経会は平成11年、NPO法人として県に認証され設立。13年2月1日には、通所介護(デイサービス)を行う目的で介護保険法に基づき事業者指定を受けたが、同日中に「利用者が集まらなかった」などとして休止届を提出した。 その後、15年に同会の高桑五郎理事長が墨田区を訪れ、入居者の斡旋(あっせん)を依頼。墨田区によると、翌16年2月から同区の生活保護受給者に同施設の紹介を始めたが、彩経会はその約2カ月後に、デイケアセンターの指定の廃止を届け出た。 以後は行政の指導を受けない「団体」として同施設を運営。近隣から「徘徊(はいかい)している人がいたので連絡したが、迎えに来ない」などと苦情が出る状態が続いていた。 一方、建築基準法では、10平方メートルを超える増改築を行う際には建築確認申請の提出が必要だが、21日に現地を視察した県前橋土木事務所の職員は「ぱっと見ただけでも配置図と違うようだ」と指摘。県は同施設が最後に申請を提出した16年2月以降、無申請で増改築をしていたとの疑いを強めている。 出火当時、建物の構造は「まるで迷路のようだった」(内部関係者)との声もあるほど複雑になっており、群馬県警も、通行に不便な構造が避難の妨げになった可能性もあるとみて調べている。』 . |
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| ☆全焼老人施設「彩経会」など10事業者県呼びかけに応じず 23日、讀賣新聞(群馬)→ 『(群馬)県内で有料老人ホームを運営しながら、届け出を済ませていない事業者を対象に、県が2007年4月に開いた説明会に、渋川市北橘町八崎の高齢者施設「静養ホームたまゆら」を運営するNPO法人「彩経会」など10事業者が欠席していたことが22日、わかった。厚生労働省は同日、高齢者保健福祉施策の担当者を県に派遣し、「たまゆら」の運営実態の調査を始めたが、資料の焼失などで詳細がわからず、当面は判断を見送ることにした。一方、火災現場には、入居者に紹介したケアマネジャーらが複雑な思いを胸に訪れた。 県によると、インターネットや市町村からの情報を基に、届け出を済ませていない54事業者を抽出し、法律で義務づけられた届け出を促す説明会を開催した。彩経会にも出席を呼びかけたが、出席は44事業者にとどまったという。 このうち、12事業者が有料老人ホームには該当しないと判断され、21事業者が届け出を済ませたが、11事業者が依然として必要な届け出を行っていないという。 一方、「たまゆら」は、老人福祉法に基づく「有料老人ホーム」に当たる可能性がある。だが、厚労省は、県が保管している資料を頼るしかないため、詳細がわからず、当面は判断を見送ることになった。 来県したのは、同省老健局振興課の君島淳二課長補佐。現地を訪問し、焼け落ちた施設前で手を合わせた後、県庁に移り、新木恵一・県介護高齢課長らから資料の説明を受けた。 君島課長補佐は県庁で記者会見し、「新しい事実は出て来なかった。現状では有料老人ホームだったとは判断できない」と述べた。 また、「たまゆら」に対し、住民らから苦情や問い合わせが来ていたにもかかわらず、県の対応が遅れたとされていることについては、「(彩経会は)県が出席を呼びかけた(有料老人ホーム事業者向けの)説明会を欠席した。県の対応に問題となるようなことは確認していない」と、県を擁護した。 この日も、花をたむけるために現場を訪れる人の姿が見られた。 前橋市の阿佐美登志子さん(41)は、施設の焼け跡を見て「変わり果ててしまった」と、声を詰まらせた。2年前までの半年間、ヘルパーの資格を生かして、週1回通い、入浴介助などの業務に携わっていた。 出火以後は行方が分からない梶藤ふみさんが印象的だったといい、「おしゃれな方で、通販での買い物を楽しみにしていた」と、言葉少なに振り返った。 火災現場から救出された男性入居者を「たまゆら」に紹介したというケアマネジャーの女性(60)も訪れた。 生活保護を受けていた男性が「もっと自由に生活したい」と希望するので、昨年11月に入居させた。女性は、入居する際に付き添い、たまゆらを訪れていた。室内には、トイレの臭いが漂い、廊下などは、歩くとギシギシと音がするなど、有料老人ホームのイメージとかけ離れ、「ここを紹介したけど、大丈夫か」と不安がよぎったが、そのまま別れたという。女性は、この日、「申し訳ないという思いから、お見舞いに来た」と不安そうな表情で話した。』 . |
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| ☆別館「出口」夜間は施錠、逃げられず死亡か…老人施設火災 23日、讀賣新聞→ 『10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、火元となった別館では食堂と居室からの通路との間の引き戸を夜間に施錠していたと、施設側が県警に説明していることが分かった。 居室からは食堂にある出入り口2か所からしか外に出られず、入居者が逃げられなかった可能性がある。県警は、施設の安全管理に問題があったとみて、運営するNPO法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)から業務上過失致死傷容疑で事情を聞く。 県警によると、引き戸を夜間に施錠するのは、「入居者が外出しないようにするためだった」と施設側は話しているという。職員らが食堂側から施錠していた。居室側には、ほかに避難路はなかった。 たまゆらの建物は平屋3棟で、火元の別館から男女7人が遺体で見つかっている。このうち、引き戸脇の浴室から3人が、近くの居室から2人が、それぞれ発見されている。 県警は、入居者が逃げ出そうとしたが、食堂に出られなかったため、避難できずに死亡したとみている。 また、県警などによる3日間の現場検証で、この別館西側にある居室が最も激しく燃えていたことが分かった。出火元とみられ、1人の遺体が見つかっている。 入居者によると、この居室に入っていた男性は、寝たばこを度々注意されることがあったという。県警は、失火とみて詳しい原因をさらに調べるとともに、遺体は男性とみて確認を進めている。一方、県警は、彩経会が2004年に県に提出した建築確認申請にない建て増し部分が、複数個所あることを確認した。 彩経会が県に提出した「運営内容確認表」の「建物の規模」で、たまゆらの床面積は215平方メートルとなっていたが、火災時に3棟で計約450平方メートルとなっていた。県警などは、増築を重ねて室内が複雑な構造になり、避難しにくくなっていたとみて調べている。』 . |
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| ☆身寄りなく身元特定難航=連絡先、福祉事務所の人も-遺体で発見の7人・施設火災 23日午前、時事通信→ 『10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災では、焼け跡から見つかった7人の遺体の身元特定が難航している。遺体は、行方不明となっている施設入所者7人とみられるが、損傷が激しい上、自治体の紹介で入所した身寄りのない人が多く、親族などによる最終的な確認ができないためだ。 東京都墨田区は、死亡した10人のうち6人が区の紹介で施設に入所した生活保護費受給者とみている。3人は大やけどを負い、病院搬送後に死亡し、身元が特定された。残る55-84歳の男女計3人は確認されていない。 6人は身寄りがなかったり、家族や親族との関係が絶たれていたりし、区は緊急時などの連絡先をいずれも区の「福祉事務所」としていた。』 . |
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| 2009.03.22 | ☆群馬県 問題指摘に対策とらず 高齢者施設火災 22日夜、NHK→ 『群馬県渋川市にあるお年寄りの施設が焼けて10人が死亡した火事で、群馬県は少なくとも3年近く前からこの施設の構造の問題点について住民らから指摘を受けていたのに、「権限がない」という理由で施設を調査するといった具体的な対策をとっていなかったことがわかりました。群馬県は「権限がなかったとはいえ、高齢者の安全を守るのは行政の役割と認識している」と対応の遅れを認めました。 10人が死亡した群馬県渋川市のお年寄りの施設「静養ホームたまゆら」をめぐっては、以前から近所に住む人などから問題点が指摘されていました。施設内の一部の建物をつくったという建築会社の社長は、「施設側から事前に、お年寄りが暮らす施設だという説明を受けていなかった。自分が建てた部分も含めて間仕切りが細かすぎ、部屋の出入り口なども狭い。手すりなどもなく、車いすなどが必要な高齢者が生活する施設としては適当ではないと思った」と話しています。また近所に住む別の男性は、3年近く前に「入所者に対する適切な処置がとれていない。是正を求める」と書いた文書を群馬県に送りましたが、群馬県は、その後も施設を調査するといった具体的な対策をとっていなかったということです。 これについて、群馬県介護高齢課の新木恵一課長は22日の記者会見で、住民らから手紙などで施設の構造などの問題点を指摘されていたことを認めたうえで、「施設が有料老人ホームとしての届け出を出していなかったので調査する権限がなかった」と話しました。 そのうえで、「権限が無かったとはいえ、高齢者の安全を守るのは行政の役割と認識している」と対応の遅れを認め、今後は同じように届け出がない施設であっても立ち入り調査をして、運営や建物の構造などの実態を調べる方針を明らかにしました。』 . |
| ☆職員、入所者のたばこ黙認=禁煙の取り決め守らず-10人死亡火災の施設・群馬 22日夕、時事通信→ 『10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、施設内は禁煙との取り決めがあったにもかかわらず、職員が入所者の依頼でたばこを買い、喫煙を黙認していたことが22日、複数の施設関係者の話で分かった。県警渋川署は、出火原因がたばこの不始末だった可能性があるとみており、調べを進めている。 施設の元ヘルパーの女性(41)によると、施設内の食堂や廊下の壁には「禁煙」との張り紙がしてあった。入所者の自室内も本来、たばこを吸えない決まりになっていたが、ヘビースモーカーの入所者らの要望で、喫煙を認めていた。 女性が勤務していた06年から07年にかけ、2、3人の入所者が喫煙していた。たばこの始末は職員ではなく、本人が責任を持つことになっていた。「1、2箱だけね。(喫煙量を)徐々に減らしてね」と言って、たばこを渡していたという。 入所者の男性によると、喫煙する入所者は職員が買い物に行く際、毎月渡される小遣いからたばこ代を預け、購入してもらっていた。職員は喫煙を注意せず、入所者の間では「自分で後始末をすれば、たばこを吸っても大丈夫」との考えが広まっていたという。』 . |
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| ☆群馬・渋川の老人施設火災 厚労省が実態調査 22日午後、NHK→ 『群馬県渋川市にあるお年寄りの施設が焼けて10人が死亡した火事で、厚生労働省は現地に担当の職員を派遣して詳しい実態調査を始めました。 厚生労働省老健局振興課の君島淳二課長補佐は22日昼すぎ、「静養ホームたまゆら」の火災現場を訪れました。君島課長補佐は現場に設けられた献花台の前で手を合わせたあと、警察官から被災状況について説明を受けました。君島課長補佐は「現場の確認に来ましたが、予想以上にひどい様子でことばをなくしました」と話していました。 「静養ホームたまゆら」は法律に基づいた有料老人ホームとしての届け出はありませんでした。東京の墨田区は入所者15人に施設を紹介していましたが、こうした紹介をしていることを群馬県や渋川市には伝えていませんでした。厚生労働省は、近く全国の都道府県に対し、無届けで運営されている「有料老人ホーム」の防火態勢を緊急に点検するよう要請することにしています。』 . |
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| ☆施設紹介 墨田区担当者現場に 群馬の施設火災で 22日朝、NHK→ 『10人が死亡した群馬県渋川市にあるお年寄りの施設の火事現場に21日、東京・墨田区の福祉事務所長らが訪れ、区からこの施設を紹介されて入所したお年寄りが亡くなったことなどについて「結果としてこういう事態となり、申し訳ない」と話しました。 東京・墨田区福祉事務所の横山信雄所長ら3人は21日正午すぎ、渋川市のお年寄りの施設「静養ホームたまゆら」の火事現場を訪ね、花を手向けて手を合わせました。墨田区は、お年寄りに入所施設として「静養ホームたまゆら」を紹介していたということで、火事で死亡した相澤英男さん(88)と山田ヒデさん(72)、深井隆次さん(77)が墨田区に紹介されて入所したということです。死亡したのはこの3人のほか、入所者とみられる7人のあわせて10人で、このうち6人は墨田区に紹介されて入所していたことがわかりました。 横山所長は「結果としてこういう事態となり、申し訳ないと思い、花を手向けに来ました」と話していました。この施設に墨田区内のお年寄りが入所していたことについて、区は群馬県や渋川市には報告していなかったということです。横山所長は「区として施設の紹介はしているが、あくまで本人と施設の契約であり、区から県や市に報告する制度にはなっていない」と説明しています。墨田区は今後、区が紹介した入所者のうち、救助された人たちへの対応を本人や施設側と話して決めたいとしています。』 . |
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| ☆群馬老人施設火災:墨田区ずさん調査 訪問年1回のみ 22日、毎日新聞→ 『群馬県渋川市北橘(ほっきつ)町八崎の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、入院中だった3人が21日夕までに相次いで死亡し、この火災による死者は計10人になった。新たに死亡したのは、相沢英男さん(88)▽山田ヒデさん(72)▽深井隆次さん(77)の3人。また、相沢さんら入所者15人を同施設へ紹介していた東京都墨田区の高橋政幸保護課長が同日、区役所で記者会見し、同施設への訪問調査は原則として年1回で、ケースワーカーが入所者の健康状態などを確認する程度にとどまっていたことを明らかにした。さらに、同施設が設置の届け出義務のない「ケア付き高齢者賃貸住宅」であるとの認識から、群馬県へ「有料老人ホーム」の届け出をしていないことを承知していたことも公表した。 高橋課長は会見で、今回の火災後、入所者から施設の処遇への不満が出ていることについては「今年1月にケースワーカーが訪れた際の記録を見ても、粗末な扱いを受けたとは聞いていない」と話し、食い違いを見せた。ケースワーカーによる施設への訪問調査は年1回実施しており、報告書はA4判1枚と説明したうえで「ケースワーカーが入所者1人ずつに(きちんと)話したかなどは確認していない」とし、質問内容も「ルールはない。元気かどうかを確認し、意思疎通している」と述べるにとどまった。また、防災設備の確認などはせず、報告もなかったという。このため、他の施設へ入所している生活保護受給者の居住環境などについて、「実態の把握に努める」としている。 ◇死者10人に 一方、群馬県警渋川署や渋川広域消防本部などによると、新たに亡くなった3人は出火当時、半焼した西別館で倒れて動けない状態で救助され、前橋市内の病院に搬送された。全身に重いやけどを負い、集中治療を受けていたが、相沢さんは20日深夜、山田さんは21日未明にそれぞれ重度のやけどで死亡。深井さんも同日午後に亡くなった。 また、県警は北別館で遺体で見つかった7人のうち、4人について21日に司法解剖。その結果、西側奧の居室にいた男性と3号室にいた女性は焼死、脱衣所付近にいた男性2人は一酸化炭素中毒だった。残る3人は22日に司法解剖する。 県警はDNA鑑定などで身元の確認を急ぐ方針。【工藤哲、鳥井真平】』 . |
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| ☆群馬・渋川の老人施設全焼:1室は施錠可能 徘徊者対策--元入所者証言 22日、毎日新聞→ 『群馬県渋川市北橘(ほっきつ)町八崎の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で、男女7人の遺体が見つかった北別館の一居室は外から施錠できるようになっていたことが21日、元入所者らの証言で分かった。実際に施錠されることもあったという。県警渋川署は入所者が逃げ遅れる原因になった可能性もあるとみて、施設関係者から詳しく事情を聴いている。【浅野翔太郎、堀智行】 北別館の元入所者で食事のため通っている男性(79)によると、施錠できる部屋は北別館のほぼ中央にある2号室。夜間に大声で騒いだり、徘徊(はいかい)する入所者がいると、入れて職員が施錠した。他の部屋にはなかった。元職員の女性(59)も「退職した1年半前までは、どの部屋にもカギはなかった。最近、カギをつけた部屋があると聞いた」と話した。 また、食事などで通っている別の男性(54)は、施設を運営する「彩経会」の高桑五郎理事長(84)が1年半前ごろから、同室の周辺をベニヤ板で間仕切りする姿を目撃した。 理事長は「夜間に出歩く人が多く、捜し回るのが大変だから」と話していたという。2号室からは1人、その隣にある脱衣所からは3人の遺体が見つかった。同署は出火当時の施錠の状況について、詳しく調べる。 ◇厚労省が職員派遣 厚生労働省は22日、火災の実態把握や群馬県など関係行政機関との連携強化のため、老健局振興課の職員1人を現地へ派遣する。同県からこれまでの対応などを聞く。 一方、厚労省は23日にも、各都道府県に対し、把握している無届けの老人施設などを立ち入り調査する。また、無届け施設が有料老人ホームに該当すると判断した場合は、早急に届け出をさせるよう指導する方針。【佐藤浩】 ◇墨田区職員3人が献花 「たまゆら」に多くの生活保護受給者を紹介していた東京都墨田区の横山信雄・区福祉事務所長ら職員3人が21日午後0時半すぎ、火災現場で献花した。横山所長は「大勢の方が亡くなり、お気の毒なことと思う。送り出した側としても批判は受け、対応をしなければならない」と哀悼の意を述べた。 一方で、横山所長はたまゆらが有料老人ホームの届け出をしていなかったことについて「認識していたが、書類上は住宅になっていたので、届け出は必要ないと思っていた」と説明。防火設備などがなかった点も「1年に1度、施設を訪問し、調査していたが、職員から問題があるという報告は上がってこなかった。処遇面を中心に確認し、防火設備や建物の構造、他の設備については、専門家ではないので確認はしていなかった」と話した。』 . |
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| ☆10人死亡火災 無届け施設『貧困ビジネス』 漂流高齢者の受け皿 22日、東京新聞→ 『群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で起きた火災の犠牲者は、十人になった。施設入所者の大半は、東京都墨田区から紹介された生活保護受給者。背景には、高齢者を受け入れる施設が飽和状態な上、生活保護費をあてにした「貧困ビジネス」ともいえる高齢者施設の実態がある。 「目の前にいる被保護者の保護、受け入れ先の確保に汲々(きゅうきゅう)としていた」。墨田区の高橋政幸保護課長は二十一日の会見で入所者を紹介した事情を説明した。同区は「たまゆら」の現在の入所者のうち十五人を紹介。火災で死亡した十人のうち、同区からの紹介者は六人に上るとみられるという。 高橋課長は、区内の今年一月の新規生活保護申請が前年同月比43%増となるなど、経済・雇用情勢の悪化に伴い、生活保護のニーズが急増している現状を強調した。区の生活保護費受給者で、区外の施設に入所中の高齢者は三百五十二人。「たまゆら」以外にも、無届けの施設に七十六人を紹介したという。 「たまゆら」については有料老人ホームではなく、届け出義務のない「ケア付き高齢者賃貸住宅」と認識していたと強調した。 東京都福祉保健局によると、昨年一月時点で生活保護費を受けている高齢者のうち約五百人が、都外の有料老人ホームやグループホームに移っていたが、その後、激増しているとみられる。 総務省が昨年九月にまとめた調査では、調査対象の二十二都道府県のうち十五都府県で、三百五十以上の高齢者施設が都道府県への設置届け出をしていなかった。 特別養護老人ホーム(特養)や費用の高額な有料老人ホームに入れない要介護の高齢者は、これまで慢性患者向けの「療養病床」に長期入院したり、グループホームに入ったりしていた。それが厚生労働省の二〇〇六年の医療制度改革で、療養病床の削減を打ち出しグループホームも居住する自治体以外の施設には入れなくなった。 行き場を失った高齢者の受け皿として「たまゆら」のような施設が増えたとみられる。 もともと都市部の施設は不足している。特別養護老人ホームの都内の定員は約三万四千人に対し、待機者は約三万八千人に上るとされる。東京都世田谷区の特養「博水の郷」の田中雅英施設長は、現行の介護報酬では、高い人件費や物価など、都市部の運営費に見合わないと指摘する。「都市部の介護難民を当て込んで、地方に施設をつくる業者が出るのは当然」と話す。 淑徳大の結城康博准教授(社会保障論)は「こうした『闇市場』が広がった最大の原因は介護、医療費の抑制政策にある。介護サービスの充実に向け、医療、介護制度を根本的に見直すべきだ」と指摘している。』 |
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| ☆群馬、施設火災の死者10人に 男性、墨田区に紹介中止要請 21日深夜、共同通信→ 『群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」の火災で、群馬県警は21日、病院に搬送されていた深井隆次さん(77)が死亡したと発表した。死者は計10人になった。 焼け跡から遺体で見つかった7人のうち4人の死因は、男女各1人が焼死、男性2人が一酸化炭素(CO)中毒だったことが県警の調べで分かった。深井さんら病院に収容後死亡した3人の死因はいずれも全身やけど。 また東京都墨田区に対し、たまゆらの近隣住民の男性が2006年、「介護状況は問題が多い」として、入所者の紹介をやめるよう区役所のホームページにメールで求めていたことが分かった。 墨田区によると、死亡した10人のうち、身元が確認された3人は区が入所を紹介。所在不明となっている7人のうち3人も紹介した。 男性は、介護面で問題が多い施設なのに、区が「良好」と判断して入所者を「派遣」していると指摘。施設の閉鎖を求めていた。散歩中の入所者が倒れても駆け付けられる職員がおらず、施設に知らせたところ、食事当番の職員しかいないというトラブルが続き、気付いたという。』 . |
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| ☆無届け施設の実態把握へ 07年時点、全国に377 21日深夜、共同通信→ 『群馬県渋川市の老人施設火災を受け、厚生労働省は21日、担当官1人を22日に現地に派遣し、無届けだった施設の運営実態や火災に至った状況などを県とともに調べる方針を決めた。各地にある無届け施設の防火体制についても、23日に都道府県に緊急点検を要請する。 厚労省によると、渋川市の施設と同様、都道府県に無届けのまま有料老人ホームのように運営されている高齢者施設は、2007年2月時点で31都府県に377あった。その後増えている可能性があり、厚労省は実態把握と各施設への届け出要請を早急に進めたいとしている。 06年の老人福祉法改正で、食事、介護、家事、健康管理のいずれか1つでもサービスを提供している高齢者入居施設は、都道府県への届け出が義務付けられた。届け出違反は30万円以下の罰金。』 . |
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| ☆なぜ都外施設か、墨田区会見「受け入れ先なく苦悶」 22日、讀賣新聞→ 『「静養ホームたまゆら」に入居者を紹介した東京都墨田区は21日、幹部が記者会見し、都内に高齢者向けの施設が少なく、受け入れ先を探すのに苦慮している実情を強調した。 同区の生活保護受給者で施設に入らなければ生活できない人のうち、都外の施設で暮らす人は過半数の196人に上る。区のケースワーカー不足も深刻で、幹部は、訪問した施設の防火設備のチェックまでは「手が回らない」と話した。 「受け入れる施設が少なく、苦悶(くもん)していた」。会見で同区保護課の高橋政幸課長は、認知症や寝たきりの高齢者らが、施設になかなか受け入れてもらえない現状を訴えた。住まいに困った人から複数の申請があり、その日のうちに受け入れ先を探さねばならないケースもあるという。 「たまゆら」を運営するNPO法人「彩経会」の高桑五郎理事長(84)が同区を訪れたのは2003年。当時から、受け入れ先探しは大きな課題で、「高齢者のついの住み家にしたい」という高桑理事長の説明に、当時の担当者らは「理事長の理念や人柄は信用できた」などと話していたという。 同区で施設で生活する必要がある生活保護受給者は352人。このうち196人が、「たまゆら」を含め、都外10県の施設に入っている。同区の生活保護世帯は今年2月時点で4842世帯。これに対しケースワーカーは40人台で、1人あたりの受け持ちは平均100世帯を超え、国が標準とする80世帯を大幅に上回る。 このため、「たまゆら」の入居者への訪問も年に1度のペースで、15人の入居者に対し、2人程度のケースワーカーがまとめて面談することもあったという。訪問では、入居者の健康状態などの確認が主で防火設備の有無などをチェックするリストもなかった。』 . |
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| 2009.03.22 | ☆高齢者施設火災、死者10人に…別館西側居室近くで出火か 22日、讀賣新聞→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で19日夜に起きた火災で、新たに男性1人が死亡したと、県警が21日夕、発表した。 男性は延焼した別館にいて重傷のやけどを負い、病院に搬送されていた。火災の死者は計10人となった。男性6人、女性4人とみられる。 多くは介護が必要だった人とみられ、県警は避難誘導体制などに問題がなかったか、施設を運営するNPO法人彩経会の高桑五郎理事長(84)らから事情を聞いている。出火場所について、死者7人が出た別館西側の居室近くとの見方を強めている。付近で1人の遺体が見つかっている。 渋川署の発表によると、死亡したのは、深井隆次(たかじ)さん(77)。深井さんは東京都墨田区の紹介で入居していた。同区によると、死者とみられるうち、6人は同区の紹介で入居。6人とも生活保護を受け、少なくとも5人は認知症などを患い、要介護者だった。 ◆無届け施設緊急点検へ◆ 「静養ホームたまゆら」の火災を受け、厚生労働省は23日にも、無届け有料老人ホームとその疑いのある施設について、防火体制の緊急点検を消防署と連携して実施するよう、各都道府県に要請することを決めた。 無届け有料老人ホームは同省が把握しているだけで全国に377施設(2007年2月時点)ある。緊急点検では、消防法で義務づけられた防火設備の設置の有無や、避難誘導の体制を調べる。 また、厚労省は、職員1人を22日に群馬県に派遣することも決めた。火災の実態を把握し、「たまゆら」への指導に問題がなかったか担当者から事情を聞く。』 . |
| ☆火災の高齢者施設、建築確認申請せずに増改築の疑い(特集) 22日、讀賣新聞→ 『死者10人を出す火災が起きた群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で、運営するNPO法人「彩経会」から県に提出された見取り図にある食堂(約35平方メートル)が、最新の建築確認申請の図面にないことがわかった。 県前橋土木事務所は建築確認申請を行わずに増改築していた疑いがあるとみて、22日にも施設職員の立ち会いのもと現地調査する方針。 同事務所によると、建築基準法では、10平方メートルを超える増改築を行う場合、確認申請が必要となる。彩経会は今月3日に県からの要請で「運営内容確認表」を提出し、建物平面図も添付されていた。しかし、平面図にあり、今回の火災で焼失したとみられる別館の食堂が、同事務所が保管する2004年1月提出の最新の建築確認申請の図面にはなかった。 同事務所の職員は、火災を伝えるテレビで見た建物の焼け跡と、04年の申請書類を見比べて建て増しの疑いを持った。県警も現場検証で、建築確認申請の図面にない建物跡を複数確認しているという。 同施設に物品を納入していた男性(44)は読売新聞の取材に、「2年ほど前、職員が工具を使って、食堂を増築しているのを見た」と話している。 渋川広域消防本部などによると、建物の床面積は、開設当初は66平方メートルだったが、火災時には約450平方メートルに拡大していた。』 . |
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| ☆群馬・老人施設火災 受け皿不足、無届け急増 22日、毎日新聞→ 『火災で多数の人が犠牲になった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」は、実態は有料老人ホームだったにもかかわらず、老人福祉法に基づく届け出をしていなかった。こうした「無届け施設」は、高齢者の受け皿不足を背景に急増しているとみられる。「制度のはざま」にある施設が悲劇の舞台となったが、その裏に国の政策の貧困さがあると指摘する声もある。【清水健二、有田浩子、曽田拓】 ◇行政の対応、後手に 高齢者向けの施設には、社会福祉法人などが運営し介護保険が適用される特別養護老人ホーム(全国5892施設、定員41万2807人)や老人保健施設(同3435施設、同31万3894人)などがあるが、これらの利用率は9割を超え、特に都市部では入所待ちが続いている。また、入所費が比較的高く、民間企業でも経営できる有料老人ホームは昨年7月時点で3569施設(定員18万3295人)と、10年間で約12倍に増えた。 これらに対し、無届け施設は厚生労働省の07年2月調査で377施設にのぼり、全国の有料老人ホームの約1割に達している。07年には千葉県浦安市の無届け施設で入所者をオリに入れていたことが発覚。厚労省は都道府県に対し、施設の実態把握と届け出の徹底を数回通知したが、都道府県や市町村の側も担当者が少なく、十分に実態を把握できていないのが現状だ。 老人福祉法は、無届け施設でも都道府県が「有料老人ホームに該当する」と判断すれば立ち入り検査でき、無届けには30万円以下の罰金を科すと定めている。しかし「入所者がいる以上、強引に摘発して施設をなくしてしまうわけにもいかない」(厚労省老健局)ため、虐待などがない限り強制的な措置は取れないという。 一方、施設側からすれば、届け出ると▽建物や設備の基準▽入所者への必要な情報開示▽身体拘束した場合の記録保存--などの規制がかかり、その分コストもかさむ。本来は介護や食事などいずれかのサービスを提供すれば、有料老人ホームなどとしての届け出が必要だが、「高齢者アパート」などと自称して届け出ない事業者は少なくない。 首都圏で高齢者アパートを展開する事業者は「介護が受けられ食事も食べられても、あくまで『賃貸住宅だ』と主張し、有料老人ホームではないという言い方もできる。そもそもの基準があいまい」と指摘する。 介護と福祉の所管庁は厚労省、賃貸住宅なら国土交通省と異なることも、行政の対応を後手に回らせている。 こうした無届け施設は、今回の群馬など比較的地価の安い地域に多いとみられる。昨年1月の東京都の調査では、都内の生活保護受給者で有料老人ホームや高齢者向け住宅に入所していたのは674人で、そのうち都内在住は158人に過ぎなかった。他県の施設には516人が入所し、内訳は▽茨城236人▽埼玉83人▽群馬64人▽千葉63人▽静岡41人▽山梨12人▽栃木10人--などだった。 ◇サービス抑制、政策の誤り--服部万里子・立教大教授(高齢者福祉学) 今回のようなことがあれば「無届けはけしからん」「もっと取り締まれ」ということになるだろうが、それでは意味がない。なぜこのような施設が横行するのか考えるべきだ。 無届けの施設が多くあるのは、施設不足と費用の問題があるからだ。防火対策など施設としての基準を満たそうとすればコストがかかる。その費用は入所者と家族にはね返る。高齢者の1人暮らしや老夫婦だけという世帯が増える現状で、たとえ劣悪でも安い費用で引き受けてくれる施設があるのは家族としては助かる。 無届けの施設は、自治体も、ある程度把握している。では、なぜ手をつけないのかと言えば「入所者をどうするのか」という話になるからだ。自治体が見て見ぬふりをしているケースもあるだろう。 背景にあるのは政策の誤りだ。介護保険スタートと同時に国による保護(措置)入所をやめ、待機者が増えているのに施設を減らし、サービスを抑制する流れになっている。これでは取り締まりをしても介護者や家族を苦しめるだけだ。 今回のような火災はどこで起きても不思議はない。「人生の最後に受けるサービスを最低限人間らしく送れるように」。国はその点を考えるべきだ。』 . |
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| ☆渋川の老人施設全焼:「美容院にも行けない」 入所者、不満抑えつつましく/群馬 22日、毎日新聞(群馬)→ 『渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で10人が死亡した火災で、死亡が確認されたり行方不明になっている入所者たちの中には、足が不自由などハンディを背負った人も複数いた。10人のうち半数以上は東京都墨田区福祉事務所や前橋市福祉事務所が連絡先となっており、食事や待遇など施設への不満を漏らしながらも、山あいの施設でつつましく生活を送る姿を見ていた近くの住民らは「かわいそうでなんともいえない」と同情を募らせている。 近所の住民などによると、行方不明になっている久保田文雄さん(55)は足が不自由でつえを使い外出していた。元々は茨城県の老人施設にいたが、数年前にたまゆらに移った。「ちゃんとしたところと聞いてきたが、食事は野菜ばかりだ」と不満を漏らしていた。 梶藤ふみさん(71)は足が不自由で車椅子を使っていた。若いころには米軍基地で働いていたこともあり、英語が堪能だったという。おしゃれにも気を使い、近くの美容院に白髪を染めに行くのを楽しみにしていた。受給していた生活保護費のうち、施設側から小遣いとしてもらっていたのは1万5000円程度だったといい「美容院にも行けなくなった」とこぼすこともあったという。 片脚が義足だった大友良隆さん(73)は遠出が難しいため、近所で飼育されていたヤギを見ながら散歩するのを日課にしていた。昨年暮れには「雪が1センチ以上積もると、義足では外出できなくなる。雪が降る前にたくさん運動しておかないと」と近くの住民に話していた。 一方、元職員の女性(59)は、20日深夜に死亡した相沢英男さん(88)について「散歩が好きな人だった」と振り返る。また、山田ヒデさん(72)は職員らとの会話を熱心にノートにメモを取るなどしていた。 沢村晴男さん(75)の家族は「とっても楽しいおじいちゃんだった。昨年8月から入所していた。こちらとしては防災体制がしっかり整っていると思っていたので、本当にショックです」と話した。 入所者と交流のあった主婦は「かわいそうでなんともいえない」と語っている。 ◇避難の5人、別施設へ 火災現場に近い特別養護老人ホーム「ねむの丘」(町田篤施設長)に一時避難して無事だった5人は21日までに、それぞれ別の施設に移った。 町田施設長によると、ねむの丘に避難していたのは、本館に居住していた男性3人と女性2人。寝たきりの女性(85)は家族が手配した渋川市内の別の特養ホームに移り、もう1人の女性(89)も前橋市内の施設が引き取った。男性3人はたまゆらの敷地外の別棟に移り、当面はそこで生活するという。 ねむの丘は現場に近く、ヘルパーらが救出活動に参加。本館に居住する5人を担いで避難させ、21日まで宿泊させていた。』 . |
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| 2009.03.21 | ☆「高齢者のついの住み家に」=03年、たまゆら理事長が説明-人柄を信用・墨田区 21日夜、時事通信→ 『東京都墨田区は21日、群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」に生活保護受給者の入所を紹介した経緯について、「2003年に高桑五郎理事長が施設のパンフレットを持ってきた。『高齢者を受け入れるついの住み家にしたい』との説明を受け、人柄や理念を信用した」と説明した。 区によると、たまゆらへの紹介を始めたのは翌04年2月。火災当日には15人が入所していたが、2人は入院中で不在だった。施設にいた13人のうち5人が死亡、1人が負傷したという。 当初から届け出が不要なケア付き高齢者住宅と認識しており、区はたまゆらに2人程度のケースワーカーを年1回派遣。入所者が元気かどうかを確認したが、問題はなかったという。防災設備などは調査対象外だった。』 . |
| ☆無届け有料老人ホーム、厚労省が群馬県を調査へ 21日午後、讀賣新聞→ 『厚生労働省は21日、老人福祉法に基づく有料老人ホームの届け出について、群馬県が適切な対応を取っていたかどうか調べるため、週明けにも同省の職員を同県に派遣し、調査する方針を決めた。 「静養ホームたまゆら」のような無届け有料老人ホームは、同省が把握しているだけで全国に377施設(2007年2月時点)あり、同省が各都道府県に対し、有料老人ホームとしての届け出を促すよう指導しているが、実際には届け出が徹底されておらず、昨年の総務省の行政評価でも問題点として指摘されていた。 厚労省は他の都道府県についても、届け出に対する指導が徹底されているか調査し、必要な対応策を検討する。』 . |
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| ☆居室も定員もずさん、火災「たまゆら」が群馬県提出の書類 死者は10人に 21日午後、讀賣新聞→ 『群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で19日夜に起きた火災で、重傷だった男女2人が死亡したと21日、渋川署が発表した。 2人は東京都墨田区の紹介で入居し、延焼した別館にいた。火災の死者は男性5人、女性4人の計9人となった。(注・21日夕、もう一人の死亡が確認され、死者は10人となった。ぶるま=21日19:30) 一方、たまゆらを運営するNPO法人彩経会(高桑五郎理事長)が県に提出した「運営内容確認表」は、居室25、定員25人としながら、図面では居室が15となるなどずさんな内容だったことが分かった。 彩経会が3日に県からの要請で提出した確認表によると、施設の概要では「居室数25、定員25人」となっている。ところが、建物の規模・構造では「居室は1人室×15室」となり、建物の平面図も15室だった。また、施設は別館を含めて3棟あったが、「建物の規模」には、平屋建て215平方メートルとあるだけだった。 入居者については1月1日現在で24人となっていた。火災の発生時に施設にいた入居者は16人だった。 たまゆらは1996年4月の開設。渋川広域消防本部によると、施設は当初60平方メートルだったが、約450平方メートルに増えている。増築を繰り返していたとみられる。 近所に住む女性(38)は、「約10年前にホームを建設して以来、頻繁に施設を広げていった。最後にできた建物(別館)は掘っ立て小屋のようで、雑な造りだった」と話す。 渋川署の発表では、新たに死亡した2人は、相沢英男さん(88)と山田ヒデさん(72)。残る7人の身元確認を進め、21日も現場検証し、出火原因を調べている。 墨田区によると、相沢さんは区内のアパートで独り暮らしだったが、認知症になり、2007年2月に生活保護を申請、たまゆらに入居した。山田さんは08年7月に生活保護を申請。認知症などで要介護とされ、08年9月に入居した。群馬出身で、区の担当者に「ふるさとに戻れてよかった」と話していたという。』 . |
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| ☆老人施設火災の死者9人に 「無届け施設」把握は困難 21日午後、中日新聞→ 『群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で19日深夜あった火災で、重傷を負って前橋市内の病院で手当てを受けていた入所者の相沢英男さん(88)と山田ヒデさん(72)が20日深夜から21日未明にかけて相次いで死亡した。死者は9人となった。2人が重軽傷。 県警は、21日朝から現場検証を再開する一方、安全管理に問題がなかったかなど、施設を運営する特定非営利活動法人(NPO法人)「彩経会」の高桑五郎理事長(84)から引き続き事情を聴いている。東京都墨田区によると、新たに死亡した2人はともに区の紹介で相沢さんは2007年、山田さんは08年に入所した。 群馬県によると、彩経会はたまゆらに従事する人数を県に「ボランティア9人」と報告していた。県NPO・ボランティア推進課が、2008年6月に彩経会から提出された07年度の事業報告書の記載事項として明らかにした。 たまゆらは「生活保護受給者入所ホーム」としてベッド数を「30」としていた。火災発生時には55-89歳の男女16人が入所。認知症や足が不自由な人もいた。 県内の福祉事業関係者は、認知症や身体が不自由な人を含めて16人の入所者がいると「9人の職員でやりくりするのは厳しい」と指摘しており、県警は職員の勤務実態などを調べている。県は法律上の位置付けがないまま設置された無届けの有料老人ホームの現状を把握するため、県内の実態調査を始めた。NPO法人や民間団体が運営する同種施設や高齢者向けの宿泊型施設などを割り出し、職員の勤務実態、防火設備などを調べる。 ◆愛知県、立ち入りへ 三重県も実態調査 群馬県の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災は、無届けの老人福祉施設の問題を浮き彫りにした。中部地方でも行政による把握の網の目から多くがこぼれ落ちているのが実態で「闇の中で運営されている」と指摘する関係者も。愛知県は把握している無届けの疑いある老人施設への任意の立ち入り調査を決め、三重県も実態調査に乗り出す方針を固めた。 有料老人施設が無届けで運営している理由としては、2006年の老人福祉法改正で届け出義務の範囲が拡大されたことが挙げられる。従来は10人以上の利用者に対して介護や食事などを提供する施設が有料老人施設と定義されていたが、1人でもサービスを提供した場合は届け出が必要となった。 介護事業者は有料老人施設の届けをすると、スプリンクラーの設置など運営基準に沿った改善を求められる。また、介護現場では人員不足が深刻な中、職員数の基準も規定される。無届けのままだと30万円以下の罰金が課せられるが、その前提となる運営実態の把握が困難なのが現状だ。 愛知県高齢福祉課によると、県内で介護や家事などのサービスを提供しながら無届けのままで、県が届け出を出すように指導している有料老人施設は10カ所ほど。このうち6カ所は応じる意向で、残る施設について週明けにも任意で運営実態や防火対策などの調査に乗り出す。 ただ、把握する方法は市町村や市民からの連絡しかなく、このほかにも存在を把握できていない施設があるとみている。同課は「指導中に『規制を受けるくらいなら、介護や家事などのサービス提供をやめる』といって、普通のアパートの賃貸契約に切り替える業者もいる」と話す。 届け出がなければ、強制的な立ち入り調査はできず、運営実態や防災対策なども「よく分からない」。このため同課は17日に市町村の担当者会議で、実態把握と届け出の促進を要請したばかりだった。今回の火災を受けて、防火設備の再点検など注意喚起を促す文書を有料老人ホームと、指導中の無届け施設に通知することも決めた。 一方、三重県は各市町に対して無届けとみられる有料老人施設の情報提供を依頼し、実態把握に乗り出す方針を固めた。 法改正の移行期には50件弱が届け出対象に該当したが、うち届け出たのは3分の1程度。県長寿社会室は「実数を特定するのは難しいが、県が主導的に調査を進め改善を求めていく」としている。 岐阜県高齢福祉課によると、有料老人ホームの実態があるとみられる無届け施設は県内で約30施設。このうち約10施設は届け出手続き中で、残りの施設にも指導している。 しかし中には「高齢者を住まわせているが、施設の職員が世話をしているわけではない」などと拒否する施設も。県は市町村などから情報が寄せられると現場を確認し、指導している。』 . |
