介護保険NEWS   2006.09.01~2006.11.30
 
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2006.11.30 ☆介護給付1100万円不正受給…神戸の事業所 
  30日午後、読売新聞は以下のように報じている。
  『神戸市長田区で訪問看護などを行う「クーラディ神戸」が、実際には勤務していない看護師を虚偽登録して訪問看護事業を続け、不正に介護給付費を受け取ったなどとして、兵庫県は30日、介護保険法に基づき、訪問看護施設など同社の四つの指定をすべて取り消した。不正受給額は約1100万円で、給付費を支払った神戸市が40%の加算金を含め、返還を求める。
  同社は昨年7月から、訪問看護や訪問介護、在宅介護支援などを行っていた。
  県の今年7月の立ち入り監査で、同法で事業者指定に必要な常勤看護師2人のうち、1人が別の事業所に勤務していたことが発覚。同社は25人に訪問看護サービスを提供し、計925万円の介護給付費を不正に受け取っていたという。
  さらに、親族が行う介護は介護保険の適用外なのに、要介護者数人に対し、親族をヘルパーとして派遣したり、ケアマネジャーの資格がない人が介護サービス計画を策定したりしていたケースも。県は「悪質で、これ以上事業を継続させられない」と判断した。
  同社は読売新聞の取材に「県からの指導は受けているが、詳細を答える必要はない」としている。』
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2006.11.29 ☆杏稜会法人認可取り消し「すずしろの郷」ずさん経営で都が処分
 29日、読売朝刊は以下のように報じている。
『練馬区の介護老人保健施設「すずしろの郷(さと)」がずさんな経営を続け、業務停止命令を受けた問題で、都福祉保健局は28日、医療法に基づき、同施設を運営する医療法人「杏稜(きょうりょう)会」の設立認可を取り消した。理事長職務代行者の弁護士は「処分の取り消し請求訴訟などはしない」としており、同法の規定で杏稜会は解散し、清算手続きに入る。
同局によると、処分は杏稜会の自己資本の割合が基準を下回り、決算書も提出しないなど、多数の法令違反を改善しなかったことが理由。「すずしろの郷」は今月1日に閉鎖され、入居者は他の施設に移転、土地・建物は東京地裁が競売開始決定をしている。
入居者の親族や周辺住民の一部は、練馬区に介護老人保健施設としての再建を求めているが、引き継ぎ先は現れていないという。区も今月15日、都に対し施設再建への協力を求める要望書を提出したが、都は土地・建物の競売が終わるまで、推移を見守る意向だ。
  一方、杏稜会に対しては都が約6億4000万円、国なども計2億数千万円の補助金返還を請求している。しかし、債務超過のうえ、医療法人解散で補助金は一般債権扱いになるため、返還はほとんど望めない状況だ。』
2006.11.28 ☆民主党、「介護保険見直しの緊急提言」まとめへ
  28日、山井衆議院議員メルマガは『私が座長である「介護保険見直しチーム」で、今週、来週と民主党の「介護保険見直しの緊急提言」のまとめ作業に入った』と記している。
2006.11.28 ☆老健3カ所で集団胃腸炎(ノロ) 愛知・豊田
  28日夜、日刊スポーツ新聞は以下のように報じている。
  『愛知県豊田市は28日、市内の介護老人保健施設3カ所で11日から、入所者や職員の男女計105人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えたと発表した。いずれも感染性胃腸炎とみられるが、既に全員が回復したという。
市感染症予防課によると、各施設で飛沫(ひまつ)感染などで広がったとみられ、うち1施設で症状の残っていた5人を調べたところ、全員からノロウイルスが検出された。』
2006.11.25 ☆特養で無理心中、妻殺害の男に懲役4年8月の実刑 
  24日深夜、日刊スポーツは以下のように報じている。
  『介護老人福祉施設に入所する妻と無理心中を図り殺害したとして、殺人などの罪に問われた鳥取県岩美町新井、無職後藤達靖被告(62)に対し鳥取地裁は24日、懲役4年8月(求刑懲役8年)の判決を言い渡した。
  判決理由で松尾昭彦裁判長は「妻の介護体制は充実しており、経済的にも肉体的にも被告に負担はなかった。犯行は計画的で、強い非難に値する」と指摘。その上で「妻への情愛が犯行の基礎にあったことは否定できず、同情すべき点がある」と述べた。

  判決によると、後藤被告は妻秀さん(当時66)が長年寝たきりであることなどから将来を悲観。8月29日、岩美町の介護施設で、ベッドで寝ていた秀さんの胸を包丁で刺して殺害。後藤被告も首や腹を刺して自殺を図ったが、病院に運ばれて助かった。』
2006.11.24 ☆リハビリ日数制限 影響は (共通・医療)
  23日、東京新聞は以下のように報じている。
  『四月の診療報酬改定で、リハビリテーション医療に日数制限が設けられた。夏以降、リハビリを打ち切られるケースが相次ぎ、体の回復に支障が出る患者もいる。患者や家族の間に、不安や怒りが広がっている。

  「リハビリが続けられたら、こんなに悪化することはなかったのに」。千葉市の稲川敦子さん(55)は悔しそうに話す。
稲川さんは、乳幼児期のポリオの影響で、中高年期に新たに筋力の低下や委縮が起きる「ポストポリオ症候群」に苦しんでいる。委縮に伴う背中や腰の痛みを改善しようと、昨年十月、リハビリを始めたが、四月に日数制限で打ち切られた。稲川さんは、介護保険でのリハビリも対象外のため受けられず、本格的なリハビリのない状態が四カ月続いた。
その間に、腰の痛みはひどくなり、家事もできない状態に。九月、腎盂(じんう)腎炎で痛みが増し、三週間の入院を余儀なくされた。入院中、筋力がさらに低下。これでようやく三カ月間のリハビリが認められた。稲川さんは「悪化しないようにと、リハビリをしてきたのに、症状が悪くならないと受けられないなんて…」と嘆く。
リハビリ日数の上限は原則、発症から最長で百八十日。疾患別に日数は異なる(別表)。三月以前からリハビリをしていた人の場合、厚生労働省は「暫定措置」として起算日を四月一日とした。稲川さんにも適用されるはずだが、厚生労働省の指示が徹底しておらず、適用から漏れた。
  暫定措置が適用された患者も、九月までにすべて制限日数を迎えた。厚生労働省は「引き続き医療的なリハビリが必要な脳卒中の後遺症などの患者には、日数制限の対象外とする『除外規定』を設けた。不合理な打ち切りは起こらない」としているが、実態はそうではないようだ。

  全国保険医団体連合会(保団連)の調査では、奈良県内の医療機関から「脳卒中などでの歩行障害の患者さんは、ほぼ全例中止している」との報告があった。「中止になってから動きにくくなった」という訴えが多いという。除外規定の適用には、状態の改善が見込めることが条件だが、基準は明確でない。このため「継続しても保険適用されないのではと医療機関が疑心暗鬼になり、継続可能な人も打ち切られている」と担当者は指摘する。兵庫医大の道免和久教授は「回復にかかる時間は、患者によってばらばらなのに一律に区切るのが問題。症状の悪化を防ぐ役割を評価していないのも問題だ。リハビリがなくなると状態が維持できない患者は多く、今後、影響の拡大が懸念される」と指摘する。
介護保険でリハビリを続けられる人もいるが、実際に移行して、物足りなさを感じる人も多い。

  愛知県の男性(62)は、通院でリハビリが受けられなくなった十月から介護保険の通所リハを受けるようになった。しかし、「食事や入浴で時間がとられ、なかなかマンツーマンで指導してもらえない」と嘆く。
介護保険の通所リハビリの報酬は、医療保険のリハビリに比べ低く、理学療法士など専門スタッフの人数も少ない。このため一般に、リハビリの密度が落ちるとされる。自宅で受ける訪問リハビリは事業所が不足し、需要を満たせない。その介護保険のリハビリも、年齢などの要件が満たせず、受けられない人もいる。道免教授は「こうしているうちにも、患者の状態はどんどん悪くなる。早急に必要なリハビリが再開できるよう制度を改めて」と訴える。
■リハビリを打ち切られた患者数 21日現在の保団連の調査では、41都府県で、1万4563人。全国を網羅しておらず、対象も職員配置の手厚い病院の脳血管疾患患者に限っているため「実数はもっと多い」(保団連)という。』
2006.11.24 ☆リハビリの期間制限本格化 徳島県内、「患者切り捨て」と不満噴出 (共通・医療)
  23日、徳島新聞は次のように報じた。
  『今春の診療報酬の改定で、病院外来でのリハビリテーションの期間に上限が設けられるようになって七カ月余。脳血管疾患への猶予期間も終わり、九月二十八日から本格的な制限が始まった。リハビリを打ち切られた徳島県内の患者からは「患者切り捨てだ」との不満が噴出。中には受け皿が見つからず、「難民」となるケースも出ている。

  従来、リハビリには継続する期間に上限はなかった。しかし、医療費抑制の流れの中、厚生労働省は医療保険によるリハビリを「機能回復」に限定し、今春の診療報酬の改定では、病院でのリハビリ期間を病気ごとに発症や手術から九十-百八十日に制限。「機能維持」のリハビリは、介護保険が担うことにした。
  小松島のある病院では、多いときは一日六十人がリハビリに訪れていたが、現在は二十人ほどに減っている。四月以降、約三百二十人がリハビリを打ち切られたためで、三十人は介護保険を利用して通所リハビリ施設に移ってもらったが、残る二百九十人は介護保険の適用を受けられないことなどから行き場を失った。担当の理学療法士は「半数は機能維持のためにリハビリが必要だったのに」と悔やむ。

  ただ、脳血管疾患については、改善が期待できると医師が判断した場合、制限を超えて延長できることから、脳卒中など症状の重い十二人の延長措置をとった。しかし、病院側は「改善を示すデータはどこまで示せばよいのか分からない。診療報酬が認められるかどうか不明」と懸念を示す。
「現状維持すらできなくなった」と嘆くのは大開マツヱさん(84)=徳島市新浜本町四。三年前に両ひざの関節痛などで歩行が困難になり、週四回のリハビリを続けることで悪化を食い止めてきたが、同市内の病院でのリハビリを八月末で打ち切られた。
今は介護保険を利用して通所リハビリ施設に週二回通っているが、入浴や食事サービスも受けなければならず、リハビリの優先度は落ちる。長女の洋子さん(63)は「病院のリハビリを続けていたときは、こんなに悪くならなかった。気力もなえ、自宅で体を動かさなくなった」と心配する。

  同じ病院に通っていた宮井文子さん(64)=同市南昭和町七=も、腰や首などの痛みから二十年近く続けてきたリハビリを八月末に打ち切られた。介護保険も適用されないため、行き場がなく、自費で整骨院に通っているものの「症状は悪化するばかり」という。
  上限日数の撤廃を求め、約四十四万人分の署名を六月末に国に提出した「リハビリ診療報酬改定を考える会」の道免和久・兵庫県立医大教授(リハビリ医学)は「医療と介護はそもそも役割が違う。通所リハビリ施設では十-二十分のリハビリを受けるのに六時間もいなくてはならない。個人のニーズ、医学的問題を解決するには医療のリハビリが必須だ」と訴えている。

  《リハビリ制限》早期リハビリのサービス量を従来の1・5倍認めて集中的な利用を可能にする一方、病気ごとに日数を制限。脳血管疾患は発症や手術から180日、運動器疾患や心筋梗塞(こうそく)によるものは150日、呼吸器の病気は90日と上限を定めた。今年3月末までに発症した人については、起算日を4月1日にそろえた。』
2006.11.22 ☆介護保険めぐり市町村長と意見交換-厚労省 
  21日夜、四国新聞は以下のように報じている。
  『介護保険制度をめぐり、厚生労働省の担当者と四国四県の市町村長との意見交換会が21日、香川県高松市玉藻町の県民ホール会議室であった。会合では厚労省側が、介護保険料の増加を抑えるために取り組んでいる介護予防事業や介護給付適正化の考え方などを説明。市町村側からは、現場の実態に即した制度となるよう改善を求める意見が相次いだ。
 意見交換会は、介護保険の保険者である自治体の意見を聞き、今後の介護保険行政に反映させようと、全国8ブロックに分けて実施。この日は、四国四県の27市町村の首長や各県の担当者らが出席した。
 4月の介護保険法改正で始まった介護予防事業に対し、出席者は「ケアプランの作成はなんとか直営でやっているが職員は年が越せない状況」(高知市)、「施設に委託しようにも、現在のケアプラン作成の報酬では赤字になるので一般財源から充当している」(須崎市)などと指摘。
 「介護保険だけでも大変なのに、障害者自立支援法や医療制度改革などの業務もあり、小さい自治体ほど厳しい状況にある」(多度津町)などと窮状を訴える声が相次いだが、厚労省側から改善策は示されなかった。』
2006.11.21 ☆虐待疑惑で告発 岡山の特養 
 21日夜、西日本放送は以下のように報じている。
  『岡山市の特別養護老人ホームで、入所者への虐待疑惑が指摘されている問題で、きょう、入所者の家族が、施設の職員を傷害の疑いで刑事告発しました。

  刑事告発したのは、岡山県瀬戸内市の63歳の男性で、きょう午前、警察に告発状を提出し、受理されました。
  告発状によりますと、岡山市の特別養護老人ホーム「阿知の里」に入所していたこの男性の95歳の母親に、多数の皮下出血が見つかったということで、「職員から虐待を受けたことが原因」としています。
  「阿知の里」では、多数の入所者に不自然な皮下出血が見つかり、元嘱託医などから虐待の疑いが指摘されています。
  これに対し施設側は、「介護ミスなどが原因の傷で虐待の事実はない」とする報告書を県や岡山市に提出しています。
  告発について、施設側は、「一方的な告発。虐待はなかった」とコメントしています。
  警察では、きょうの告発を受けて近く本格的な捜査を始めるものとみられます。

 また、21日朝、産経新聞(岡山)は『虐待疑惑 岡山の特養ホーム 家族が告発へ 』として、以下のように報じている。
  『岡山市下阿知の特別養護老人ホーム「阿知の里」の虐待疑惑で、虐待の疑いを指摘していた家族が21日にも、容疑者不詳のまま傷害罪で西大寺署に告発する。
  告発するのは瀬戸内市内の男性。この男性は、7~9月の間、施設に入所していた母親の手や鼻など約10カ所に、不自然な皮下出血が見つかったとし「身体的虐待があった」と主張している。
阿知の里の虐待疑惑では、県と市に対して施設側が7~10月の間、軽微なものを含めて41人計162カ所のあざや傷がみつかったとの報告書を提出。傷の原因としては「介護技術の未熟さ」「入所者本人の過失」などを挙げ、虐待疑惑を否定している。』

 さらに同日、山陽新聞でも『特養虐待疑惑 元入所者長男が告発 傷害容疑で西大寺署に』との見出しで以下のように報じている。
  『多数の入所者に不自然な皮下出血が見つかった岡山市下阿知、特別養護老人ホーム「阿知の里」の虐待疑惑で、元入所者の長男で自営業の男性(63)=瀬戸内市=が21日、傷害の疑いで容疑者不詳のまま西大寺署に告発した。元嘱託医の指摘で問題が発覚した9月以降、刑事告発は初めて。
  告発状によると、男性の母親(95)は、阿知の里に入所中の7月12日から9月30日の間に計11回、手足や顔に皮下出血など最長で1週間のけがを負わされた、としている。
  母親は2005年に入所。介護保険法に基づく要介護度は「5」で認知症が進み、寝たきりだった。皮下出血などが見つかった後の今年10月末、瀬戸内市の別の施設に移った。』
2006.11.21 ☆有料老人ホームの無資格職員が医療行為 宮城県が改善命令 
  21日夕、朝日新聞は以下のように報じている。
  『全国に有料老人ホームを展開する「ベストライフ」(本社・東京)が仙台市内で運営するホームで、糖尿病患者に対するインスリン注射などの医療行為を介護職員が無資格で行っていたとして、宮城県から改善命令を受けていたことが分かった。専門家は「医療の専門知識がない人間では緊急時に対応できない」と危険性を指摘する。
無資格の医療行為が行われていたのは、仙台市内にある「ベストライフ仙台」(泉区)、「同仙台西」(青葉区)、「同仙台南」(太白区)の3施設。

  医師法や保健師助産師看護師法などによると、医療行為を業務として行えるのは、厚生労働省の通知などで示された行為を除いて、原則として医師または医師の指示を受けた看護師などに限定されている。糖尿病患者本人や家族は、医師や看護師からインスリンの取り扱い方や注射器の使い方などの詳細な指導を受けてインスリン注射を行っている。
県長寿社会政策課によると、05年12月に無資格の医療行為について県に連絡が入った。施設に立ち入り調査したところ、3施設で6人に対して介護職員がインスリンの注射などの医療行為を行っていたことが判明した。施設長らは「朝食前など看護師が不在の時間帯に、家族の一員との認識で、やむにやまれずやった」と説明したという。
  県は同月、介護職員による医療行為の即時中止と、看護職員の勤務体制の変更などを求める改善命令を出した。恒常性、悪質性は低いと判断し、刑事告発は見送った。
  糖尿病が専門の岡芳知・東北大大学院医学系研究科教授は「医師や看護師ら以外の医療知識がない人間だと、もし昏睡(こんすい)状態になった際など緊急時に対処できない可能性がある」と話す。
同社は「他の施設では行っていない。今は勤務体制などを整え、適切に行っている」と説明している。』
2006.11.21 ☆山形・東根の無理心中3人死亡 重み増す地域行政との連携 
  21日、読売新聞(山形)は以下のように報じている。
  『東根市の民家で今年9月、高齢の女性3人の遺体が見つかった事件で、村山署は、首をつって自殺した一家の長女(60)が、同居していた母(89)と叔母(88)の介護に悩んだ末に絞殺したとみて、長女を近く、被疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検する方針を固めた。山形市でも今年2月、介護疲れの妻が無理心中を図って68歳の夫を殺害するなど、高齢者の介護が絡んだ悲劇が続いている。福祉関係者は「『老老介護』を迫られる人は県内でも今後増える」と予測、地域社会や行政など関係者が連携して対応する必要性を強調している。 同署や東根市福祉事務所などによると、母と叔母はともに認知症などを患い、2005年に母が要介護5、叔母も同3の認定を受けた。
2人とも食事や入浴など日常生活全般で介助が必要なため、周囲から施設への入所を勧められていたが、母が拒否。長女も「私が面倒を見るから」と、訪問介護サービスを利用しながら介護を続けていたが、長女自身も今年5月に要支援2の認定を受けるなど、体調不良が目立つようになった。
長女は今年4月ごろから町内会の清掃活動や会合などを欠席するようになり、親類の1人も「そのころから親類や近所の住民とのコミュニケーションがなくなった」と証言する。同福祉事務所にも相談などはなかったといい、寒河江賢一所長は「長女はすべて1人で背負い込んでしまったようだが、要支援認定を受けた60歳代の女性が、認知症の高齢者2人を介護するのは負担が大き過ぎる」と話す。

  「県内でも核家族化が進み、高齢者のみの世帯が増えていることが背景にあるのでは」と話すのは、県長寿社会課の小野真哉課長補佐。同課によると、県内の65歳以上の高齢者夫妻だけの世帯数は、1990年には高齢者のいる世帯全体の11・3%だったのが、05年には17・4%にまで増えた。小野課長補佐は「県内で多かった三世代同居では、介護もある程度分担できるが、高齢者のみの世帯では特定の1人に負担が集中しがちだ」と指摘する。
介護問題など高齢者を巡る様々な相談を受け付ける「県高齢者総合相談センター」(山形市小白川町)には、介護など福祉に関する相談が今年4~9月に計50件寄せられた。小沢嬰子センター長は「以前に比べれば相談件数は増加している」としながらも、「センター自体の認知度がまだ低いほか、家族を施設に入れることなどを『後ろめたい』と感じて、他人に相談できずに1人で抱え込む人も多いのでは」と懸念する。
県内で要支援または要介護と認定されている人は05年末現在で約5万人。00年の2倍近くまで増え、高齢社会の重い現実は確実に県内でも広がっている。小沢センター長は、「1人ですべてやるのは限界がある。『家庭の問題だから』と抱え込まないで、小さな問題でも相談してほしい」と呼びかけている。』
2006.11.21 ☆介護悲劇なぜ続く 殺人・心中今年30件 疲れ、孤立の末 
  21日、読売新聞は以下のように報じている。
  『介護に疲れた夫が妻を殺害する事件が相次ぐなど、高齢者介護を巡る殺人や無理心中、虐待が後を絶たない。家庭で行われてきた介護を社会全体で担うことを目指して2000年に介護保険制度が導入され、今年4月に施行された改正介護保険法や高齢者虐待防止法でも様々な防止策が講じられた。にもかかわらず、「介護悲劇」がなくならないのはなぜなのか。

◇相談翌日
 先月22日朝、兵庫県伊丹市の県営団地の一室。自ら110番した74歳の夫は、駆け付けた警察官に、「私が殺しました。世話が大変でした」と告げた。傍らには50年近く連れ添った2歳年下の妻が首にロープを巻かれ、息絶えていた。夫は殺人の現行犯で逮捕され、今月10日に起訴された。
夫婦は2人暮らしだった。妻は2月ごろから認知症が悪化し、昼夜を問わず団地内を徘徊(はいかい)して大声で騒ぐようになっていた。週に2日、ヘルパーが来ていたが、夫の負担は大きかった。
妻が団地内の通路をはいずる姿を見て、同じ団地に住む民生児童委員の女性(63)が訪ねると、夫は疲れ切った様子で、布団も敷かずに横たわっていた。介護施設の利用を勧めたが、「妻が嫌がる。何年も頑張ってきたから大丈夫」と応じなかったという。
事件の前日、夫は、ヘルパーが所属する介護事業所を通じてケースワーカーに相談し、「妻が暴言を吐くので、めいっている」と打ち明けていた。だが、対応したケースワーカーは、夫の表情が和らいだため、「緊急性はない」と判断、1週間後に自宅を訪問することにした。
先月23日には、京都市南区のアパートで、73歳の夫が認知症で寝たきりの70歳の妻を手に掛けた。40代の病弱な長女との3人暮らし。妻子の面倒を見ていた夫は、「看病に疲れた」と供述したが、市は状況を把握していなかった。

◇加害者7割が男性
  介護に絡んだ殺人、心中事件などは、今年に入って少なくとも30件起きている。夫や息子が介護疲れから、認知症の妻や母親を殺害することが多い。
  日本福祉大の加藤悦子講師(司法福祉論)の調査では、介護が原因で60歳以上の人が被害にあう殺人、心中事件は、1998年から2005年までに少なくとも258件発生。介護保険開始を挟み、年20~40件台で横ばい状態が続いている。
加藤講師の分析によると、加害者の7割は男性、被害者の7割は女性だった。加害者は、夫(34・8%)、息子(33・7%)、妻(14・8%)、娘(7・6%)の順に多く、家事や介護に不慣れな男性が事件を起こす例が目立つ。一方、被害者は、確認されただけで約3割が認知症だった。
  加藤講師は、「認知症の人は昼夜逆転の生活を送る場合が多く、介護する人は孤立しがち」と指摘する。
国が03年に行った家庭内の高齢者虐待の全国調査では、虐待の加害者は息子(32・1%)が最多で、息子の配偶者(20・6%)、娘(16・3%)、夫(11・8%)の順。介護に協力してくれる人がいない場合が約6割を占め、孤立した介護者が虐待に至る様子が浮かび上がった。
 また、厚生労働省研究班が在宅介護者を対象に行った05年の調査では、回答した約8500人中、約4人に1人がうつ状態で、65歳以上の約3割が「死にたいと思うことがある」と回答。介護する側の追いつめられた状況も浮き彫りになった。

 ◇行政は人員不足“地域の目”が頼り 法できたけど
   改正介護保険法では、虐待の防止や早期発見を市町村に義務付けた。また、同法に基づき設置される「地域包括支援センター」では、虐待防止を介護予防と並ぶ主要業務の一つとして位置付けた。虐待防止法では、重大な虐待があった場合、発見者に通報義務を課し、市町村に家庭への立ち入り調査権を認めた。介護する人への支援を市町村が行うことも定められた。
しかし、住民2~3万人を目安に1か所が設置される地域包括支援センターは、介護保険関連の業務が多いにもかかわらず、職員の配置基準はケアマネジャー、社会福祉士など3人と少ない。このため、「介護予防の計画作りで手いっぱい」(都内のセンター)、「職員の知識や経験が乏しく、虐待の早期発見などは自信がない」(神奈川県内のセンター)のが現状だ。
高崎絹子・東京医科歯科大大学院教授は、「虐待防止の相談窓口が全国にできたことは大きな前進。だが、人材確保や研修の充実、家族支援などに必要な予算が確保されなければ、実効のある対応は期待できない」と訴える。
  在宅サービスを利用しながら介護悲劇が起きる背景には、家族が自己負担額を低く抑えようとして必要なサービスを使わず、結果的に介護負担が軽減されていないという実態もある。

  池田省三・龍谷大教授は、「必要なら在宅サービスの支給限度額いっぱいまで使えるよう、ケアマネジャーが要介護者の生活全般をよく見てプランを作るべきだ」と強調。その上で、「将来的には、重度者の限度額引き上げを検討する必要がある」と提案する。
もちろん、法や制度の見直しだけで、殺人や虐待をなくすことはできない。民生児童委員や町内会役員などと連携して悲劇防止に成果を上げている川崎市の地域包括支援センターの担当者は、「孤立した世帯を見つけるには、“地域の目”をどれだけ増やせるかがカギを握る」と話している。

 高齢者虐待防止法
正式には「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」。介護者支援を法律の名前に盛り込んだのが特徴。「身体的虐待」「介護・世話の放棄・放任」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」の5行為を虐待と定義した。

◇今年起きた高齢者介護に絡む主な事件(年齢は当時)
2月1日 京都市伏見区で、54歳の長男が介護疲れと生活苦から、認知症の母親(86)の承諾を得て、首を絞めて殺害。
4月22日 神奈川県相模原市で、70歳の夫が認知症の妻(70)の首を絞めて殺害。自殺を図ったが死にきれなかった。ほぼ1人で介護していた。
6月11日 大阪府東大阪市で、81歳の夫が妻(77)と無理心中を図り、妻が死亡。妻は寝たきり、夫にも持病があった。
6月15日 北九州市八幡西区で、55歳の長男が、介護疲れから同居していた母親(75)を絞殺し、自宅に放火した。
7月10日 前橋市で58歳の妻が、寝たきりの夫(77)の首を絞めて殺害。妻は以前、ホームヘルパーの仕事をしていた。
8月15日 神奈川県藤沢市で73歳の夫が寝たきりの妻(73)をバットで殴るなどして殺害、自らもノミを胸に刺したが死にきれなかった。
8月21日 大阪市住吉区で68歳の夫が認知症で寝たきりの妻(65)と無理心中。自宅に「介護に疲れた」と夫の遺書があった。
9月19日 山形県東根市で、60歳の長女が同居していた母親(89)、叔母(88)と無理心中しているのが見つかった。2人を介護していた長女も体が不自由で介護保険の要支援2に認定されていた。
2006.11.21 ☆高齢者虐待の深刻な実態-鶴岡市がヒアリング調査 
  21日、山形新聞は以下のように報じている。
  『家庭内の高齢者虐待の実態を調査していた鶴岡市は20日、「虐待を受けている高齢者の約8割は女性」「虐待者の約4割が息子の配偶者」などとする関係機関ヒアリング調査の結果を公表した。市介護サービス課は「このうち緊急性のある約15%のケースは、既に地域包括支援センターで介入するなどして対応した。ほかについても、関係機関と連携して見守るなどの対応をしていく」と語っている。
  調査は、今年6月から9月にかけて実施。市内の在宅介護支援センター14カ所、居宅介護支援事業所15カ所、民生児童委員356人に調査票を配布し、おおむね65歳以上の虐待を受けていると考えられる高齢者をピックアップ。その後、事例の詳細について、関係機関に聞き取り調査した。その結果、虐待を受けている高齢者は、疑いのあるケースを含めて81人。このうち、暴力的行為や身体を拘束するなどの身体的虐待は21人だった。
「通院、服薬させなくても本人の体調は良好だという介護者の価値観で、医療受診や服薬をさせない」「介護者が水分補給などのためにペットボトルを机の上に用意していくが、本人は介助なしでは水分摂取ができない」など、介護者の思い込みから発生したケースも。「虐待のとらえ方がさまざまで、判断は難しい。高齢者本人の性格が要因となるケースもある」(同課)という。
虐待を受けている高齢者の8割が女性で、年齢は75-84歳が半数以上を占めた。このうち、認知症の症状が見られるのは約43%。一方、虐待者は息子の配偶者(約40%)がトップで、息子(約23%)、配偶者(約15%)が続く。また、虐待の自覚については、受けているとの「自覚がある」高齢者が7割を占めたのに比べ、虐待者は約18%にとどまった。

  調査結果は、この日市役所で開かれた同市高齢者虐待防止等連絡協議会初会合の席上、公表された。同協議会は、高齢者虐待防止法の施行に基づき、法務局や保健所、警察署、医師会などのネットワークを構築するために市が設置。高齢者虐待の早期発見や対応策の検討などを進めていく。』
2006.11.19 ☆介護保険制度見直し「軽度者」に貸し出しダメ 電動ベッド回収に憤り
  18日午後、北海道新聞は以下のように報じている。
  『国の介護保険制度見直しで、介護の程度が軽いとして電動ベッドの貸出対象外となり、ベッドを回収された札幌市内のお年寄りから「一律に回収しないで」と不満の声が上がっている。市も「介護の程度が軽いと認定された人でも、電動ベッドが必要な事例はある」として、国に対し弾力的な運用を求めていく方針だ。
  介護保険では、利用者が費用の一割を自己負担し福祉器具を借りるサービスが受けられる。しかし、業者が必要のない器具を安易に貸し付ける事例が横行、厚労省は「制度の適正化を図る」として、本年度から介護程度の軽い「軽度者」(要支援一、二、要介護一)については、電動ベッド、床ずれ防止用具など六種類を貸出対象外とした。
改正に伴い十月一日以降は器具を借りるのは全額自己負担となり、電動ベッドの場合は平均千五百円だった負担が一万五千円に跳ね上がった。
  制度改正を受け札幌市内では九月末、軽度者約二千人が、借りていた電動ベッドを回収されたが、戸惑う高齢者は多い。
白石区に住む四戸千代さん(74)は「回収された日は、途方に暮れて涙が出た」と話す。狭心症の持病がある四戸さんは、腰と頚椎(けいつい)の痛みからつえと車いすが手放せない。トイレに行くときは夫の博さん(77)に抱えられ布団から起き上がっていたため、昨年十月に電動ベッドを借りた。
回収後は、通常のベッドに手すりを付けて対応しているが、「機械的に回収し、あとは自分で対処しろという対応は冷たすぎる」と憤る。
  東区の坂東八太郎さん(76)は、中古の電動ベッド購入を考えたが、値段が七万-十二万円で「まとまった支出は無理」と断念した。
  自らは足が悪く、妻の喜代子さん(68)はパーキソン病。ともに布団から起き上がるのが大変で、現在は布団の横に手すりをつくって寝起きしている。
  こうした声に、市保健福祉局も「本当に必要な事例はある」と認め、「実態に配慮した対応ができるよう、他の政令市とともに国への要望を続けたい」と話している。』
2006.11.19 ☆介護報酬不正請求:都福祉保健局、町田の業者を指定取り消しに 東京 
 18日、毎日新聞朝刊は以下のように報じている。
  『都福祉保健局は17日、総額118万円の介護報酬を不正請求したとして、町田市の介護保険サービス事業者「ローズアクセス」(井上祥徳代表)の指定を取り消したと発表した。
  同局指導第一課によると、同社は町田市内で昨年12月に居宅介護支援事業を開始し、居宅サービス計画書を作成していないにもかかわらず、居宅介護サービス計画費として今年5月までに総額118万4338円の介護報酬を同市などに不正請求した。』
2006.11.19 ☆東京都、整備費を補助 介護専用型有料老人ホーム 
  17日、建通新聞によると、『都福祉保健局は、2007年度から介護専用型有料老人ホームの整備費を補助する新制度をスタートさせる。入居者に要介護認定が必要な介護専用型は市場性が低いことなどから整備が立ち遅れている。同局では07年度予算に200床分の補助費用4億円を要求しており、補助制度の創設により事業者に進出を促す考えだ。
  有料老人ホームは、原則として要介護者のみ入居が可能な「介護専用型特定施設」と、要介護認定にないものも入居が可能な「混合型特定施設」に分類される。混合型については都内に定員およそ1万人分が整備されているものの、介護専用型はまったくの未整備。
  07年度の開始を予定している新制度は、補助対象を介護専用型を整備する社会福祉法人などとする。法改正により07年4月から有料老人ホームを開設することが可能になる医療法人も補助対象に加える見通しだ。
  要介護認定が必要な特別養護老人ホームの定員数は不足しており、要介護レベルの高い高齢者の入居が制限されているケースが目立つ。福祉保健局では08年度までに介護専用型の整備目標を4310人分に設定、特養ホームへの入居が困難な要介護レベルの低い高齢者の受け皿としたい考え。営利目的で整備・運営される有料老人ホームに自治体が補助金を交付するのは、全国的に見てもめずらしい試みだという。』
2006.11.16 ☆岡山の特養「阿知の里」 傷害容疑で告発へ 元入所者家族 
  16日昼、岡山日日新聞は以下のように報じている。
  『岡山市下阿知の特別養護老人ホーム「阿知の里」で不適正な介護が指摘されている問題で、虐待の可能性を主張していた家族らが近く傷害容疑で西大寺署に告発する準備を進めている。 同問題では、8月末まで嘱託医だった瀬戸内市内の医師(61)らが、短期間に計41人の入所者から計162カ所の不自然な皮下出血が確認され、介護上、偶発的に生じたものばかりでないとして虐待を指摘している。 このうち告発準備を進めているのは同市内の男性(63)で、入所していた母親の胸や顔などから、7月からの約3カ月間に不自然な皮下出血跡が10カ所ほど見つかったという。現在、この女性は施設内にはいない。 施設側は先月、岡山県と岡山市に「虐待はない」との調査結果を提出したが「外傷などの因果関係の分析が不十分」として再提出を求められ、今月1日に施設側が再調査の結果を提出している。』
2006.11.16 ☆訪問介護サービス、企業運営が5割超す 
  15日深夜、日経新聞は以下のように報じている。
 『厚生労働省が15日発表した2005年の介護サービス施設・事業所調査によると、介護福祉士などが要介護者の自宅を訪れて日常生活を世話する訪問介護サービスを手掛ける事業所のうち、企業が運営する割合は前年に比べて5.7ポイント上昇して53.9%となり、初めて5割を超えた。高齢化をにらんで企業の活発な参入が続いている。
 企業運営の事業所は前年比33%増の1万1105カ所となり、介護保険制度が始まった2000年から6年目で1万カ所を超えた。一方、制度発足当初に4割強を占めていた社会福祉法人は増加ペースが小幅にとどまり、05年のシェアは26.5%に低下した。
 企業による運営は要介護者が共同生活する認知症グループホームでも50.5%と初めて5割を超えた。認知症ホームの総数は7084カ所と前年比30%の大幅増。入所者も35.3%増の9万4900人となり、2000年の17倍になった。認知症患者の新しい住まいとしてニーズが高く、厚労省は「今後も活発な企業参入を背景に事業所の増加が続く」とみている。』

■「事業所の増加が続く」。ふーん。総量規制が始まっていること、零細事業者破たんしているの、知らんのかね、この役所は。
2006.11.16 ☆Jリーグ、高齢者をアシスト 地域の健康づくりに協力 
16日朝、朝日新聞は以下のように報じている。
『厚生労働省は、お年寄りの健康増進に向けてサッカーのJリーグと手を組む。4月施行の改正介護保険法で新たに導入された「介護予防事業」の一環。クラブチームに競技施設や体力づくりのノウハウなどを提供してもらい、介護が必要になるのを防ぐとともに、高齢化で膨らむ介護保険費を抑える狙いだ。Jリーグ側も、なじみが薄かった年代のファン獲得につながると期待している。
厚労省によると、05年11月末現在、65歳以上は2556万人で、要介護認定者は428万人。推計では、15年度はお年寄り3300万人のうち620万人が要介護認定者になる。高齢者は首都圏や愛知、大阪などの都市部ほど増加が著しい。
こうした予測を受けて、厚労省は、全国の主な都市に本拠を構え、地域に根ざして活動しているJリーグに「助っ人」を頼むことにした。
鹿島アントラーズ(茨城県鹿嶋市)は来年度から、介護予防の健康教室を始める予定。選手が教室や啓発イベントに参加したり、お年寄りを公式戦に招待したりすることも計画している。
アントラーズの鈴木秀樹・事業部長は「お年寄りにサッカーへの興味をもってもらうことで新たなファン層を獲得でき、試合がないときの施設の有効利用にもなる。まさに一石二鳥」と歓迎する。
厚労省は16日、札幌市内で開かれるJリーグの実行委員会で、J1、J2の計31チームに参加を呼びかける予定。
介護予防事業は、軽い運動やストレッチなどで要介護や要支援になるのを水際で防ぐのが主な目的で、介護認定を受けていない65歳以上のお年寄りまで対象を広げたのが特徴だ。実施主体は市町村だが、クラブチームなどに運営を委託できる。
06年度の事業費は介護保険給付費6.5兆円の最大1.5%で賄う。給付費は15年度には10兆円程度に膨らむと推計され、少しでも抑えることが課題となっている。
厚労省は「介護予防はお年寄りと家族だけで取り組むのは難しい。地域を挙げて後押しすることが大切で、人気者のJリーグが協力してくれれば力強い」と話している。

 また、同日朝、「サッカーJリーグが介護予防事業に参入 」として、日経新聞は以下のように報じている。
『サッカーJリーグ(鬼武健二チェアマン)がJ1、J2の全31チームで介護予防事業に参入する。高齢者が介護を必要とせずにすむように地域のスタジアムでコーチや選手らがストレッチなどの健康法を指導する。来年度から順次参入、施設を有効利用して地域社会に貢献する狙いだ。
介護予防事業は今年4月の介護保険制度改正でスタート。介護が必要になる人を減らし、膨らむ介護費を抑制する狙いだが、体制整備の遅れなどで多くの地域で利用者が想定対象者数の1割に届いていないのが現状だ。』
2006.11.15 ☆団塊の高齢化で介護給付費2.6倍に 平成37年度試算  
  15日朝、産経新聞は以下のように報じている。
  『厚生労働省は14日、平成37年度の介護保険の要介護認定者数は「要支援1」から「要介護5」の総計で約780万人にのぼり、18年度の約460万人の1.7倍にふくれあがるとの試算をまとめた。サービス利用者も18年度の350万人が600万人になる見通し。団塊世代が75歳以上になるなど高齢化が進むことが主な要因で、介護給付費は17兆円に達するとみている。
介護を必要とする要介護認定者は、介護保険制度がスタートした12年4月末の218万人から毎年増え続け、18年4月末には434万人を記録。今回の厚労省試算によると、高齢化の進展に伴って、23年度は540万人、27年度には620万人と今後も増加傾向が続くとみている。
  サービス利用者数も18年度の350万人から、23年度は420万人、27年度には490万人と増え続ける。特に、在宅サービスの利用者の伸びが大きく、37年度には18年度の270万人の2倍近い500万人に達すると予測している。一方、施設利用者は18年度の80万人に対し、37年度は100万人の見込みだ。
サービス利用者1人の1カ月にかかる給付費は、18年度は施設サービス27万円、在宅サービスは12万円だが、37年度はそれぞれ41万円、20万円となる見込み。一方、65歳以上の介護保険加入者は18年度が約2500万人で、37年度は3500万人になると予測している。
  政府は、17年の介護保険制度改革で、介護の必要度が低い軽度者に筋力トレーニングなど身体能力の衰えを防ぐ介護予防サービスを受けてもらう「新予防給付」の仕組みを導入。自立を促すとともに重度化を防ぐことで、要介護認定者の増加に歯止めをかけ、将来の給付費の抑制につなげたい考え。ただ、こうした改革が進んでも、37年度の介護給付費は17兆円(18年度比2.6倍)に達する見通しだ。』

また、共同通信は以下のように報じている。
  『厚生労働省は14日までに、団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者となる2025年度に、要介護認定を受ける高齢者が本年度の1・7倍の780万人に上るとの推計を明らかにした。
65歳以上に占める要介護者の割合も18・4%から22・3%に上昇、介護保険給付費は2・6倍の17兆円に膨らむ見通し。
2000年度の介護保険制度導入以来、毎年二けた前後で増えている要介護者や給付費を抑制するため、今年4月から筋力トレーニングなどの介護予防が導入された。しかし、今のところ予防教室などに積極的に通っている高齢者は多くはないことなどから、推計は要介護認定の高齢者を抑制する効果は限定的とみているとみられる。
現行のままだと、給付費の半分を支出する国と自治体の負担増や、40歳以上が負担する介護保険料の引き上げは必至。このため介護サービス利用料の自己負担割合(現行1割)の引き上げを含めた一層の給付抑制策や、保険料負担年齢の引き下げといった財源問題が今後、議論されそうだ。
推計によると、介護予防を除く25年度のサービス利用者は、特別養護老人ホームなど施設系が100万人、訪問介護など在宅系が500万人。事業者に支払われる給付費は1人当たり施設系が月額41万円、在宅系が同20万円。
高齢者に占める要介護者の割合が高くなるのは、団塊世代は他の世代に比べて人数が多く要介護状態になりやすい後期高齢者も増えるため。

  また、後期高齢者は65歳以上74歳以下の前期高齢者に比べ要介護度が重くなることや、介護労働者の賃金上昇などで、給付費の伸び率が要介護者の伸び率より高くなるとしている。
さらに団塊世代は働くために地方から首都圏などの都市部へ出てきた人たちが多く、今後は都市部での高齢者人口の伸び率が比較的高まると予測されるという。
15年度については、本年度の1・3倍の約620万人と推計。04年の推計では、14年度に認定者は640万人としたが、今年の介護予防導入などの影響も勘案したことで今回の推計による認定者は20万人少なくなった。』
2006.11.15 ☆5年で10倍の7000カ所  認知症グループホーム 
  15日夜、共同通信は以下を配信した。
  『厚生労働省が15日発表した2005年介護サービス施設・事業所調査結果によると、認知症グループホームは前年比30%増の7084カ所で、介護保険制度が始まった2000年に比べて10倍に増加。入所者も前年比35・3%増の9万4907人となり、2000年の17倍となった。
  厚労省認知症対策室は「グループホームは認知症患者の新しい住まいとしてニーズが高く入所待ちの状況があり、必要性も高い」と分析。本年度の認知症患者は約170万人と推定されており、今後も患者は増加するとみている。
また認知症専門棟を備えている老人保健施設は2000年の1・7倍の1089カ所に増え、全老健施設に占める割合は33・2%となった。
調査は各年の10月1日時点のデータ。』
2006.11.15 ☆老老介護殺人<上> 74歳夫が認知症の72歳の妻を絞殺 
  15日朝、東京新聞は次の記事を掲載した。
  『年老いた夫婦同士での介護に行き詰まり、配偶者に手をかけてしまう悲惨な事件が後を絶たない。先月、兵庫県伊丹市であった「老老介護殺人」を追った。
JR伊丹駅から歩いて十二分。旅客機が離着陸する大阪国際空港の西側に、築二十五年の県営住宅(十一階建て、百九十六戸)が建つ。先月二十二日の日曜日、その二階の一室で事件は起きた。
同県警伊丹署の調べなどによると、夫(74)は朝六時に起床し、介護している妻(72)のために、食事を作り始めた。やがて、目を覚ました妻の“口撃”が始まった。

  たまりかねた夫は、同じ市内に住む長男(48)に電話し「ちょっと家にこんか」。だが、色よい返事はなかった。八時半。シルバー人材センターの同僚に「妻の調子が悪いので、仕事を代わってほしい」と連絡した。仕事の交代を頼んだのは、初めてのことだった。
気晴らしに猫の餌を買いに行こうとすると、妻がわめきだした。「介護に疲れた」夫は、後ろから用意していたロープで妻の首を絞めた。その後夫は自分で通報し、駆けつけた同署員に殺人の現行犯で逮捕された。
夫婦と同居していた長男は二〇〇四年十二月、隣の市から引っ越してきた。一家を知る関係者の話では、妻はそれ以前に脳内出血で倒れ、右半身が不自由だった。障害者認定を受け、普段は車いすを使っていたが、食事はスプーンを使い自分で取っていた。週二回、ヘルパーが来てくれていた。
夫はタイル施工業を営み、七年前に店をたたんだ。昨年二月からは、シルバー人材センターに登録し、市の施設清掃などで働く。同僚らによると「無口だが、まじめにコツコツ働く職人タイプ」。月に二十日ほど働き、収入は同僚の平均より高かった。年金もあり、生活費に困ることはなかったという。

  そんな暮らしに変化が起きたのは、ことし二月。妻に認知症の疑いが出た。四月には、長男が仕事などの都合で別居している。
九月になると、認知症が悪化した。妻は夫をののしり、「卵焼きしか食べさせてくれない」と周囲に“うそ”もつく。ヘルパーが冷蔵庫をのぞくと、卵焼きのほかに、ウインナーや煮物があった。夫が作ったもので、ウインナーはタコの形に細工してあった。
生きがいでもあった仕事にも影響が出た。近所の住民から「奥さんの様子がおかしい」と、電話が入ったこともある。妻は不自由な体で部屋を飛び出し、地べたをはい回っていたのだ。
夫はSOSのサインを発していた。九月中旬、親せきに「頭がおかしくなりそうだ」と話し、同僚に「妻の調子が悪い」と漏らしていた。十月中旬、介護に行き詰まり、妻に「殺したろか」と言い、正気の妻に「殺せるもんなら殺してみい」と反発されたという。
事件の前々日、ヘルパーが異変に気づいた。妻の右手首にあざがあったのだ。「虐待かもしれない」。ケアマネジャーと市の健康福祉部に連絡。翌日の午前中、市の担当者らが、夫と相談する機会を設けた。
虐待はなかった。あざは、外出をせがみ暴れる妻を押さえるときについたものだった。「夫はほっとした様子だった」と担当者。だが、妻の長期施設入居を考えていた夫は、十分相談できなかったと感じていたらしい。
事件があったのは、その二十四時間後。一人で抱え精神的に追いつめられていた夫には、もう、この選択肢を実行するしかなかったのか…。
十日、神戸地検は、妻を絞殺したとして、夫を殺人の罪で起訴した。』
2006.11.15 ☆岡山の特養虐待問題:「阿知の里」に外部調査委設置を要求--市 /岡山 
  15日朝、毎日新聞(岡山)は、以下のように報じている。
  『特別養護老人ホーム「阿知の里」(岡山市下阿知)で指摘された利用者の「虐待」問題で、岡山市は14日、阿知の里に対し、第三者による外部調査委員会の設置と再調査を求めた。年内中に報告を求める。
13日の市議会保健福祉委員会で「虐待はなかった」とする施設側の最終報告に関する説明があり、原因究明と指導を求める市議らの質問に答え、市が実施した。また、この日の同委では「介護ミスによるものと言うのなら、介護の未熟さそのものが虐待ではないか」などの意見も出され、市は「今後も引き続き指導していく」と答弁した。』
2006.11.14 ☆高齢者:虐待から守れ 弁護士と福祉士で専門チーム発足、松江などに配置 /島根 
  14日午後、毎日新聞(島根)は以下のように報じている。
  『県弁護士会と県社会福祉士会が連携し、高齢者への虐待や権利擁護に取り組む「高齢者虐待対応専門職チーム」を発足させた。法律が専門の弁護士と福祉が専門の社会福祉士が一緒に支援することで、問題への迅速で効果的な対応が期待されている。
  チームは、地域包括支援センターなどに寄せられた個別相談を支援する。同センターは、改正介護保険法に基づき市町村が設置している施設で、高齢者が地域で生活していくための相談や支援▽介護予防マネジメント▽権利擁護業務としての虐待対応や成年後見制度の利用支援などにあたっている。
  しかし、担当職員の経験年数が浅く、業務も介護予防が中心となりがちなため、高齢者への虐待事案に対応仕切れていないという。そのため法律と福祉の両面から支援することで、センター職員の能力の向上と対応姿勢の強化を目指す。
チームは弁護士と社会福祉士2人で構成。松江、出雲、浜田、益田、隠岐の5地区に配置し、各地の成年後見センターとも連携する。今後、各市町村に対して虐待対応の実態を把握するためのアンケートも実施する。
  錦織正二弁護士は「成年後見制度で、これまで地域で弁護士、社会福祉士、医師など多職種が連携した取り組みを実践してきた。虐待に対しても多職種が対応できる体制を確立し、専門家ネットワークの構築を目指す。センターの職員の能力向上にもつながるはず」と話している。』
2006.11.14 ☆未熟さ放置も「虐待」 特養問題 岡山市議会委で批判続出 委員会6時間 
  14日朝、産経新聞(岡山)は以下のように報じている。
  『岡山市下阿知の特別養護老人ホーム「阿知の里」の虐待疑惑が13日、開かれた岡山市議会保健福祉委員会で取り上げられ、施設側が介護ミスなどと結論づけた41人162カ所の傷の多さについて「介護技術の未熟さを放置した“虐待”だ」などと委員の大半から批判が続出した。これを受け市は施設側に、外部の専門家による調査委員会を早急に立ち上げて、さらに調査するよう要請する方針を固めた。

  委員会は休憩を挟んで約6時間に及び、原因の大半を職員の介護ミスや未熟などと結論付けた施設側の姿勢に対し、議事進行役の正副委員長を除く、7人の委員のほとんどから疑問や批判の声が次々に上がった。
  このなかで、横田悦子委員(無所属市民の会)は「職員のミスに絡むとされるものが(110件の)多数に上るにもかかわらず『虐待はなく介護技術の未熟だった』とするなら、施設側が未熟さを放置したことが“虐待”だ」と強く指摘。太田正孝委員(新風会)らも「家族を信頼して預ける施設において、未熟などは本来あってはならない」「市はどのように認識しているのか」などと施設や市の姿勢を厳しく問いただした。
  こうした批判の中、市は答弁で、施設側の内部調査報告について「納得できるところとできないところがある」とし、外科医や弁護士などの専門家による外部調査委員会を作るよう、施設側に近く要請する方針を明らかにした。
  また、「最低21人に虐待とみられる傷やあざ46カ所がある」として県と市に通報した元嘱託医とは別に、現嘱託医が警察に虐待の疑いを届け出ていた女性入所者(88)=10月に死去=の左右の額やこめかみの青あざについても、施設側の報告書での見解が市から示された。
  この傷について、施設側は左右とも「おしめ交換時にベッドさくにぶつけたもの」と報告。右ほほのあざは「テープによるかぶれ」としていた。他の入所者については、鼻にできた傷は「顔を強くふいてできた」、胸のあざは「入浴時に体を持ち上げた際、腕で圧迫してできた」としている。
  また、入所者41人の162カ所の傷や皮下出血の部位も判明。腕・手84カ所、脚・足34カ所のほか、頭部22▽胸15▽脇4▽肩3-と報告されていた。』

  この問題で、同日朝、山陽新聞は「岡山・特養虐待疑惑 外部調査を要請へ 市が議会委に経過報告 」との見出しで以下のように報じている。
 『岡山市下阿知、特別養護老人ホーム「阿知の里」(岡崎豊施設長)で多数の入所者から不自然な皮下出血が見つかった虐待疑惑について、市は13日、市議会保健福祉委員会に経過報告した。市は、同施設を運営する社会福祉法人センチュリー岡山(保都庸太理事長)に対し、外部調査委員会を設置して皮下出血の原因究明に当たるよう要請する考えを示した。
9月末の県と市による同施設への立ち入り検査後、市が保健福祉委に報告したのは初めて。
「虐待の事実はなく、介護技術の未熟さなどが原因」とした施設側の報告に対し、委員からは「内部調査の域を出ていない」などと市に厳正な対応を求めた。

  さらに同日、読売新聞(岡山)は
  『岡山市の特別養護老人ホーム「阿知の里」で、寝たきりの入所者ら41人に162か所のあざが見つかった問題が13日、市議会保健福祉委員会で取り上げられ、市は、施設に立ち入り検査を行った経緯などを説明した。議員からは「4月に高齢者虐待防止法が施行されて初めて虐待情報が提供された。市はしっかり対応しなければならない」などと厳正な指導を求める意見が出された。
市は、施設側から中間報告書が出された10月3日、施設に対して外部調査委員会を設置するよう指導したが、施設は実行せず、最終報告書で外部の小児科医1人の所見を添付しただけだったことなどを報告。そのほか、社会福祉法人「センチュリー岡山」(保津庸太理事長)が1999年から運営していることや、過去に市が施設に対して行った監査結果を説明した。
議員らは「弁護士や外科医など専門家を含む調査委員会を作るのが当然なのに、なぜ実行していないのか調査すべきだ」などと注文をつけた。』などと報じている。
2006.11.13 ☆虐待疑惑で市議会委員会 岡山の特養「阿知の里」 
  13日夕、西日本放送(RNC)は 次のように報じた。
  『岡山市の特別養護老人ホームで、虐待疑惑が指摘されている問題で、きょう、市議会の保健福祉委員会が開かれ、市に毅然とした対応を求める意見が相次ぎました。
  この問題は、岡山市の特別養護老人ホーム「阿知の里」で、入所者に多数の皮下出血などが見つかったものです。
  岡山市と県の調査に対し、施設側は、先月、「虐待はなかった」とする報告書を提出しました。
今日開かれた保健福祉委員会では、初めてこの問題が取り上げられ、委員から、「施設側の説明は納得できない」とする声が相次ぎ、市に毅然とした対処を求めました。
  これに対し岡山市は、「さらに調査する」と答え、再度の立ち入り調査を示唆しました。
  「阿知の里」の虐待疑惑では、警察も、関係者の事情聴取を始めています。』

■追っかけるしかないでしょう。僕の立場では。
2006.11.12 ☆高齢者虐待防止で独自の研修 埼玉 
  12日昼、NHK(首都圏)は以下のように報じている。
『埼玉県は、年々増えるお年寄りへの虐待を防ぐために、独自のプログラムによる研修を受けた専門の職員を市町村に配置することになりました。
  埼玉県の調べによりますと、県内のお年寄りへの虐待は、昨年度は181件と4年前の3倍近くにのぼり、年々増え続けています。
このため埼玉県は、虐待を防ぐ知識について独自のプログラムによる研修を受けた職員を、来年から県内のすべての市町村に配置することになりました。
  このプログラムでは、警察など関係機関とのネットワークをつくることや、虐待する家族への対応など具体的な手順を盛り込んだ9科目の講義が行われ、虐待の疑いがある場合は、お年寄りを一時的に施設に保護したり、警察と協力して家庭への立ち入り調査ができたりすることに理解を深めてもらうことにしています。
  職員は2日間の講義を受けたあとそれぞれの市町村で問題に対応し、その後、再び集まって課題を検討することにしています。』
2006.11.10 ☆訪問看護13カ所閉鎖 利用家族は危機感 沖縄 
10日、琉球新報は以下のように報じている。
  『在宅医療を支える看護師の拠点「訪問看護ステーション」が、利用者の確保ができないことや看護師不足などにより、県内59指定事業所のうち、13事業所が休止・廃止に追い込まれていることが9日までに、県看護協会(大嶺千枝子会長)のまとめで分かった。同協会は「多くの事業所が24時間連絡体制で運営し、医療依存度が高い患者も多い。1人で訪問することを負担に感じて辞める看護師も多い」と指摘。在宅医療を取り巻く厳しい環境があらためて浮き彫りになった格好だ。
国は医療制度改革の中で在宅医療の推進を打ち出しているが、現実は「人材の確保を含め各事業所の運営は非常に厳しい」(同協会)状態。さらに国は療養病床の再編計画で、病院等から在宅や居宅系サービスへの移行を掲げているが、現実との乖離(かいり)が大きく、関係者は危機感を募らせている。

 同協会によると1992年以降、県内では59指定事業所あったが、ことし8月の調査時点で46事業所に減少した。休止・廃止の主な理由については「在宅医療は家族の負担も大きいため、施設入所や通所系サービスの利用を希望する家族も多く、利用者が伸び悩んでいる」と説明。一方、同協会は運営する4事業所について「需要はあるが、看護師確保が困難だ」とも指摘している。
在宅医療の課題について同協会は「本人が家で療養したいといっても、現状は家族の協力体制がある所しかできない。経済的な面もあり、訪問看護や介護サービスですべて対応することはできない。今後は地域コミュニティーがどれくらい支えられるかだ」と強調。訪問看護師の技術向上などの課題もあると指摘した。
96歳の母親を在宅で介護する「介護を考える女性の会」共同代表の堀川美智子さんは「訪問看護師は24時間体制でいつでも飛んできてくれ、在宅介護をする者に『安心を保障』してくれる存在。事業所が少なくなるのはとても不安。介護を必要とする人が確実に増えていく中、残った事業所への負担増やサービス面での影響も心配だ」と話した。』
2006.11.10 ☆改正介護保険法施行7ヵ月 高齢者サービス減に悲鳴 
  10日朝、河北新報は以下のように報じている。
  『介護予防を重視した改正介護保険法が4月に施行されて7カ月がたった。「要介護」と「自立」の中間に当たる「要支援」に認定され、筋力トレーニングなどに取り組むお年寄りがいる一方、体調は変わらないのに利用してきた介護サービスが受けられなくなったケースも多い。仙台市内で制度の課題を探った。
仙台市宮城野区で独り暮らしのA子さん(71)は要支援に認定され、9月から週2回、下半身を鍛えるデイサービスに通っている。
春に股(こ)関節を手術し、つえを手放せない生活だったが、ケアマネジャーの勧めでマシンを使った筋トレに励んだ。室内ではつえなしで歩けるまでに回復した。
 「手術後は一人で何もできないと落ち込む時も多かったのですが…。今は百貨店で買い物できるようになるのが目標です」とA子さんは話す。

<家事援助は「妨げ」>
介護保険法改正で、状態の改善が見込める「要支援」者には、機能向上トレーニングなどの新サービスが創設された。増え続ける給付費を抑える国の狙いがあり、家事援助などは「自立の妨げとなる」として利用量が制限された。
青葉区で独り暮らしのB子さん(86)は10月、要介護1から要支援2に変わり、利用できる介護サービスが大幅に減った。
週6回の家事援助は3回に減り、通院介助や介護タクシーが使えなくなった。これらを自費で賄うため、出費は月7万円ほど増えたという。
B子さんは「体はよくなっていないのにサービスを減らされ、お手上げです」と困り顔だ。
仙台市で「要支援」と認定された人は9月末時点で、4940人。市介護保険課によると、要介護1だった人のほぼ半数が「要支援」に認定されたという。

<赤字覚悟で提供も>
  今年は住民税や国民健康保険料が上がり、高齢者の負担感はただでさえ大きい。市内のベテランケアマネジャーは「要支援に“落ちた”人に、制度の趣旨を理解してもらうのがひと苦労だ」。通所介護施設職員も「従来のサービス提供を一方的に断るわけにもいかず、赤字覚悟でデイサービスを受け入れることもある」と打ち明ける。
市介護保険審議会会長で東北大大学院の関田康慶教授は「介護予防の方向性は間違っていないが、介護判定が実態に合っていないなど問題点もある。要支援者へのきめ細かい指導が期待される地域包括支援センターも十分に機能していない。新制度が浸透するには、しばらく時間がかかるだろう」とみている。』

[メモ]要介護1で16万5800円(利用者負担は1割)だった1カ月のサービス利用上限額は4月から、要支援2で10万4000円(同)、要支援1で4万9700円(同)に削減された。要介護1、要支援1、2に対する電動ベッドなどの福祉用具の貸与も原則的に保険の適用外となった。』
2006.11.10 ☆老老介護 認知症の妻絞殺容疑で夫、10日にも起訴 介護
10日、読売新聞は以下のように報じている。
 『兵庫県伊丹市の県営団地で10月、認知症の妻(72)を絞殺したとして逮捕された夫、佐々木隆夫容疑者(74)が伊丹署の調べに対し、事件に至るまでの心の揺れを詳細に供述した。徘徊(はいかい)、暴言、幻覚……。日ごと症状が悪化する妻の介護に、心身の疲労を募らせ、追い詰められていく姿が浮かび上がる。神戸地検は10日にも殺人罪で起訴する。
 供述によると、50年近く連れ添った妻が5年前、脳内出血で倒れた。2人暮らし。右半身が不自由になった妻の面倒をみながら、タイル張りのアルバイトと年金で生計を立てた。
歯車が狂い始めたのは今年2月。「部屋に知らない女が入ってきた」。妻に幻覚症状が現れた。認知症と診断された9月中旬から徘徊が増え、昼夜なく大声で騒いだ。食事を作っても「まずくて食べられない」とどなられ、外出すれば、「浮気か」と疑われた。一睡もできない夜が続いた。
  施設への入所を勧めても「家を出るのは嫌や」と拒んだ。近くに住む息子や妻の親族に迷惑をかけたくなかった。「自分で何とかしなければ」。踏ん張ってきたが、次第に妻を不憫(ふびん)に思う気持ちが募ってきた。
「遠い静かな場所で、一緒に死のう」。10月初旬、心中が頭をかすめた。
同月21日朝、妻に「買い物に行ってくる」と告げて市のケースワーカーや担当のケアマネジャーに会って相談した。長期の施設入所を期待していたが、ショートステイや緊急入所ばかりの説明に落胆した。
「楽になりたい」
翌朝、妻の首にロープをかけていた。
ケースワーカーは「具体的な長期入所の相談はなかった。はっきり言ってくれれば、すぐに対応できたのに……」と唇をかむ。
佐々木容疑者は取り調べに淡々と応じ、取り乱すこともない、という。捜査幹部が漏らす。「どんな事情があっても、殺人は許されない。ただ、妻と離れられて、どこかホッとしているような感じがする。』

2006.11.10 ☆高齢者生活実態調査:「自宅で介護を」66% 在宅志向強まる--都調査結果 /東京 介護
  10日朝、毎日新聞は以下のように報じている。
『都福祉保健局が昨年実施した「高齢者の生活実態調査」で、介護が必要になった場合に自宅での介護を希望する高齢者は66%と、5年前の前回調査に比べ14ポイント増えたことが分かった。対照的に、高齢者福祉施設での介護を望む人は全体の1割で前回より半減した。同局は「ホームヘルパーの利用など介護保険制度が浸透した結果、在宅志向が強まったのではないか」と分析している。
 調査は昨年11月1日から1カ月間、都内に住む65歳以上の高齢者6000人を対象に実施。4583人から回答を得た。同様の調査は5年ごとに行われ、前回は介護保険制度が始まった00年度だった。
日常生活で入浴時などに何らかの世話が必要な高齢者は全体の1割程度だった。「主に世話をしている人」は「家族」が最多の56・2%。介護保険制度の普及を受け、「ホームヘルパー」と答えた人は28・1%で前回の倍以上に増えた。
世帯構成では、「高齢者のみ」が80年度の調査開始以来増え続け、今回は52・4%と初めて半数を超えた。うち3分の1は「独り暮らし」だった。高齢者本人の年収は「200万円未満」が前回より2・1ポイント増の48・9%で、高齢者の低収入化が進んだ。
特に女性の場合、「独り暮らし」は4人に1人で、「年収200万円未満」が7割を占め、老後の生活は男性より厳しい実態が浮かび上がった。
  また、認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理などを後見人が代理する成年後見制度について、「言葉も内容も知っている」との回答は3割にとどまり、高齢になるほど知らない人の割合が高かった。』
2006.11.09 ☆さらに1,842床減 療養型病床 1か月で 
  9日、厚労省が公表した「医療施設動態調査 18年8月末概数」によれば、療養型病床は374,620床で、7月末に比べ病床数で1,842床、施設数は6,541で77(うち病院20)減少した。
  これで、病床数が過去最も多かった18年2月(381,987床)との比較では、病床数で7,367床、施設数で279(うち病院96)減少したことになる。
→関連はhttp://www.medicalcarenet.com/ryouyougata_sakugenn_2006_11.html
2006.11.07 ☆2社受け皿に介護報酬また不正請求、指定取り消し業者 
  7日午後、読売新聞は以下のように報じている。
  『介護報酬約1億円の不正請求が発覚し、東京都から今年5月に介護事業者の指定取り消し処分を受けた「芝ケアー・マネージメント」(事業所・足立区)が、別の2社にヘルパーや利用者を移し替えて不正請求を続けていたことが7日、わかった。
2社はもともと芝ケア社の実質的オーナーの所有で、指定取り消し後の受け皿に利用された形だ。都は同日までに、介護保険法に基づいて2社の事業者指定を取り消した。
指定を取り消されたのは、介護事業者「あすかケアーセンター」(荒川区)と「紙布工房」(足立区)。2社とも、芝ケア社の元従業員が社長となっている。

  都福祉保健局によると、芝ケア社は2003年12月~今年1月、足立区小台で訪問介護や通所介護などの事業所を運営。キャンセルされたサービスを行ったように装うなどの手口で、足立区や北区などに計約9400万円の介護報酬を不正請求し、利用者から自己負担分約1000万円を集めた。不正請求額は全国ワースト2位で、都は5月に事業者指定を取り消した。
芝ケア社のヘルパーや訪問介護サービスの利用者が休眠状態だったあすか社に移されたのは、都が足立区から通報を受けて調査を始めた直後の今年2月。あすか社は芝ケア社が指定取り消し処分を受けた後も介護サービス事業を続け、実績を水増しするなどして、荒川区などに介護報酬数十万円を不正請求していた。
また、通所介護の拠点となっていた芝ケア社の事業所には紙布工房が移転。芝ケア社の指定取り消し直後の6月、勤務実態のないヘルパーの資格証明を出すなどして虚偽の申請書類をそろえ、新たに介護事業者の指定を都から受けていた。
事業者指定を取り消された会社や役員は、介護保険法の規定で5年間、新たな指定を受けられない。

  あすか社の届け出上の社長は「会社を借りて事業を引き継いだ。(オーナーの)男性には経営のアドバイスを受けているだけ」と話している。』

■うわ!悪質。
2006.11.07 ☆介護給付費(予防含む)、7月は3月比で0.2%減 
  6日、国民健康保険中央会は06年7月の介護給付(予防を含む)件数と費用を公表した。
訪問通所系では、訪問介護が前月比0.8%減の524.2億円、訪問看護が前月比5.1%減の94.6億円、福祉用具貸与が前月比1.5%減の136.5億円となり、対前月比が2ヶ月連続マイナス。通所介護は0.5%増の590.1億円と増加。施設系は、前月(6月)比金額で2.3%プラスでになった。
いまのところ、厚労省の目論みどおりに給付抑制はされていないが、注目はこれから。特に10月以降の給付である。
2006.11.07 ☆「要支援」へ変更34% 予想大幅に下回る 新介護予防サービス 長野 介護
7日、信濃毎日新聞は以下のように報じている。
『(長野)県は6日までに、介護給付費の抑制を目的に、4月の介護保険制度改正で導入された新介護予防サービスの対象者(「要支援1」「同2」)について、7月末時点の認定状況をまとめた。認定の更新に伴い、改正前の「要介護1」から要支援1、同2へ区分が変更されたのは34・6%で、改正前に国が想定した「60%程度」を下回った。県内の介護関係者からは「制度改正と現場のニーズとの間にずれがある」との指摘が出ている。
4月の改正では介護予防に重点が置かれ、従来の要支援が「要支援1」、要介護1が「要支援2」と「要介護1」に区分変更。要支援1、同2は新たな「介護予防サービス」の対象となり、これまで要介護で受けていたサービスは利用できなくなる。
調査は4―7月に要介護認定を受けた人を対象に、介護保険を運営する67保険者(64市町村と3広域連合)を通じ集計。旧制度で「要介護1」だった9565人のうち、「要支援1」「同2」と認定されたのは3314人にとどまった。
区分変更が想定を下回ったことについて厚生労働省は、「更新時の判定が甘いといった原因は考えられるが、全国的な数字を把握していないので何とも言えない」(老人保健課)と説明。県長寿福祉課は「4カ月のデータで、評価は難しい」としている。
一方、介護認定を審査している長野広域連合の担当者は「慣れ親しんだサービスが変わるのは利用者にとってマイナス。(区分変更が)高齢者の身体の状態の悪化につながると判断されるためではないか」と指摘。北信の在宅介護支援センター職員は、「これまで要介護と認定されていた人が要支援になって戸惑うケースは少なくない」としている。』
2006.11.07 ☆高齢者虐待 前年比2.5倍 埼玉県、対応専門員を研修へ 
  7日、埼玉新聞は以下のように報じている。
『家族から暴力を受けたり、介護放棄など虐待を受けた高齢者が、二〇〇五年度には百八十七人に上ることが六日、県のまとめで分かった。〇六年八月時点で前年同期比二・五倍と深刻な状況が続いており、県は九日から市町村の相談体制を充実するため、職員を対象にした「高齢者虐待対応専門員」の養成研修を行う。
県介護保険課のまとめでは、〇二年度は六十五人、〇三年度は百四十一人、〇四年度は百五十人と年々増加し、〇五年度はさらに三十七人増えた。介護保険制度によりケアマネジャーらが家庭の中に入ったり、虐待の認識が広がったことも増加の一因という。

  〇五年度、虐待を受けたのは男性五十二人、女性百三十五人。
虐待の内容は殴る、けるなど「身体的虐待」が百八件、食事や介護の世話を放棄する「ネグレクト」が五十九件、悪口を言うなど精神的に苦痛を与える「心理的虐待」四十一件、年金や財産を勝手に使う「経済的虐待」四十一件、性的虐待が一件だった(複数回答)。虐待するのは実の息子が一番多く八十五件、次いで実の娘三十二件。
〇六年四月から高齢者虐待防止法が施行され、市町村に立ち入り調査の権限や関係機関の連携などが盛り込まれたが、虐待の知識やノウハウを持っている市町村は少ないという。
  そこで県は、全七十一市町村・百四十四人の職員を対象に三日間の研修を実施。虐待防止のネットワーク構築方法や具体的事例、また虐待する側を支援するための生活保護、アルコール依存症のケアについても学ぶ。
  実際に市町村で虐待防止ネットワークを構築してもらい、来年一月に課題を報告。研修終了後、県は専門員の認定証書を交付する。』
2006.11.06 ☆高齢者行き場失う? 療養病床再編  
  6日、日本海新聞は以下のように報じている。
  『医療費抑制を目的とした療養病床の再編計画について、鳥取県内でも本格的な検討が始まった。療養病床は高齢者の長期的な“社会的入院”が問題視され、国は2011年度までに約六割を削減する方針だが、医療や介護福祉関係者からは「退院を余儀なくされ、行き場を失う高齢者が出てくるのではないか」など、地域の受け皿整備への不安も聞かれる。

地域の介護力不足 受け入れ先どう確保 「医療」に一本化
  療養病床は全国で約三十八万床あり、医療保険適用(約二十五万床)、介護保険適用(約十三万床)に分けられる。計画では2011年度までに介護療養病床は廃止し、医療保険適用の十五万床に一本化。医療の必要性が高い入院患者だけを対象とした病床とし、医療の必要性の低い高齢者には病院ではなく老人保健施設や、有料老人ホーム、ケアハウスなどの居宅系サービス、在宅などで適切な介護サービスを提供する。
再編成を円滑に進めるため、各都道府県においては来年秋ごろまでに「地域ケア整備構想」を策定し、地域の受け皿作りを含め将来的なニーズや状況等に即した地域ケア体制を計画的に整備することが求められた。

大きな痛み
  このうち鳥取県は「高齢化率が高い地域」として、厚生労働省と連携して国のモデルプランを作成する自治体に選定。10月23日には、有識者16人とオブザーバー2人で構成する「県地域ケア整備構想検討委員会」(委員長・井上英晴鳥取大教授)が設置された。
県長寿社会課によると、県内の療養病床は二千四十二床(医療保険適用千六百五十九床、介護保険適用三百八十三床)。国の削減率を当てはめると、約千二百床が削減対象になるが、検討委では「削減はやむを得ないとしても、相当に大きな痛みを伴う」などの不安が続出。こうした懸念に対し、厚労省の担当者は「地域の必要性やニーズを積み上げた病床数であれば、六割削減にはこだわらない」と説明した。

既存施設を整備
  県医師会が今年八月に実施した緊急アンケートによると、本県では社会的入院とされる高齢患者はそれほど多くない。また当事者も「医療必要度が低くても実際には寝たきり」「高齢者のみの世帯で家庭に介護者がいない」「介護者が高齢などで在宅療養が困難」といった事情を抱えており、医療と介護サービスが一体的に提供される退院後の受け入れ先の確保が課題となっている。 検討委でも「医療病床の必要な患者が満床のため入院できない現実もある」とする一方で、「在宅支援の訪問診療や訪問介護は都市部に集中し、地域偏在が大きい」「地域の介護力が不足した段階で、在宅といっても無理がある」などの指摘があり、在宅介護に対する不安は大きい。
  また、本県ではすでに特養や老健の整備が十分に進んでおり、今後療養病床からの転換以外の新規整備が見込めない状況にある中で、既存の介護施設での積極的な受け入れ体制整備も検討課題だ。
最終的にどれだけの病床数が削減されるかは大きな関心事だ。地域ケア整備構想は今後一年間かけて検討されるが、委員からは「在宅介護という美しい言葉で終わらせないためにも、実効性のある計画策定が必要」という声が上がっている。』
2006.11.05 ☆療養病床:行き場失う高齢者 県内45施設2042床、再編へ /鳥取 
  5日、毎日新聞(鳥取)は、以下のように報じている。
  『慢性の病気で長期入院が必要な高齢者向けの「療養病床」が、来秋以降に廃止・縮小されるのに伴い、県は県内医療機関の利用実態調査に着手した。高齢化で膨張する医療費削減を目的に国が行う施策が、現場にどう影響するか調査するもので、再編される45施設2042床が対象。「高齢者の行き場がなくなる」との声もあり、来年2月にも集計結果を公表して対策を講じる。

  同病床は、介護保険から費用が支払われる「介護型」(13万床)と医療保険から支払われる「医療型」(25万床)があり、厚生労働省の調べでは、1人当たりの月額医療費は介護型41万円、医療型49万円。1973年の老人医療費の無料化導入もあり、両型とも患者の5割は治療がほとんど必要ない「社会的入院」の状態にあるとされ、医療費かさ上げの要因になっている。
  このため、同省は今年6月、全国にある38万床を今後6年で介護型を全廃、医療型を6割削減して15万床にする方針を決定。老人保健施設や在宅療養などへの移行で、3000億円の削減につながると試算し、各都道府県に来秋をめどに実情に応じた「整備構想」策定を求めた。

  これを受け、県は9月、対象の医療機関に社会的入院の実態を問うアンケートを配布。10月24日には、福祉関係者で作る「第1回地域ケア整備構想検討委員会」を開き、円滑な移行に向けて協議した。県医師会によると、療養病床入院の背景には介護者不足や老々介護の問題もあるといい、同検討委でも「本来は地域での介護が望ましいが、在宅での医療や介護は難しい面もある」との意見や「要介護の高齢者の行き場がなくなる」と受け皿整備の重要性が指摘された。
  県内には全廃予定の介護型が383床、医療型が1659床あり、県はアンケートで、入床率の把握や実態、転院先の確保ができるかなどを調べる。』
2006.11.04 ☆介護予防に情報開示義務化/筋トレの事故防止策など
  4日未明、共同通信は以下を配信した。
  『厚生労働省は3日までに、改正介護保険法で4月から導入された筋力トレーニングなどの介護予防サービスを提供する事業所に対し、事故防止策や研修実績などの情報開示を義務付ける方向で検討に入った。利用者が事業所を選ぶ際に適切に比較検討できるようにするのが狙いだ。

  介護予防をめぐっては、体力測定の片足立ちの際に高齢者が転倒し骨折していたことが10月に発覚。利用者が今後も増える見通しであることから、情報開示の必要性が指摘されていた。
  介護予防は要介護度が最も軽い要支援1とその次の要支援2の高齢者が対象。それより要介護度が重い高齢者が利用する訪問介護や通所介護など大部分のサービスを提供する事業所には、既に情報開示が義務付けられている。

  要介護度が重い高齢者が利用する事業所の開示項目は事故の防止マニュアルの有無、職員研修のガイドラインや実績の有無などのほか、利用料金や職員数、営業時間などで、都道府県の大部分はホームページ上で開示している。インターネットが使えなくても、都道府県や市町村に直接問い合わせれば情報が得られるという。

  厚労省は、介護予防についてもこれらを参考にして来年3月までに有識者らの意見を聞いた上で、開示対象となる具体的な内容や項目の検討に入る見通しだ。

  介護予防の情報開示の義務付けが遅れていることについて、厚労省の担当者はサービスが4月に始まったばかりであることを指摘し「こういう情報が知りたい、という利用者の声などがまだ把握できていない」などとしている。』
2006.11.04 ☆有料老人ホーム、介護大手が入居費用下げ
  4日朝、日経新聞は以下のように報じている。
  『介護関連サービス大手が有料老人ホームの入居費用を引き下げ始めた。ジャスダック上場の業界大手、ツクイ、メデカジャパンなどが入居時に必要な費用を100万円前後と従来の半分以下に下げた。2000年の介護保険制度導入から6年たち、有料老人ホームが急増。入居者の選択眼が厳しくなり、サービス内容だけでなく、価格も競う時代に入った。
  メデカジャパンは来年秋開業する埼玉県戸田市の施設の入居一時金を100万―200万円に抑える予定。従来の施設と比べると5分の1から10分の1の水準だ。今後も価格を抑えた施設を増やす。デイサービス、認知症高齢者が共同生活するグループホームなどを併設することで、介護職員の作業効率を上げる。ホームの入居率も高め、収益を確保する考えだ。』
2006.11.05 ☆追跡やまがた:東根・一家3人死亡/下 介護者交流で悩み共有 /山形 
  5日朝、毎日新聞(山形)では次のように報じた。
  『無理心中とみられる一家3人の死は、介護にかかわる関係者にも大きな衝撃を与えた。周囲が介護疲れに気付き、施設への入所を勧めたが拒否され、状況を変えることができないまま最悪の事態となってしまった。
東根市保険年金課の森谷健課長補佐は「施設の入所を拒否する高齢者や家族は多い。虐待でもない限り、市が無理やり入所させることはできない」と話す。

  介護保険制度では、市も家族や被介護者の意志に反してサービスを提供することはできない。そうした中で、在宅介護という家族の選択を尊重しながら、介護の負担を少しでも軽減しようとする取り組みもある。
東根市では「家族介護者交流事業」を実施している。要介護4以上の高齢者を在宅介護する家族を対象に、1泊2日の旅行で介護者同士の交流を図る。「介護で苦しんでいるのは自分だけじゃなかった」と安心して家族の元に戻っていく人が多く、連絡先を交換し、その後も交流を続ける人もいるという。
  県高齢者総合相談センター(山形市小白川町2)は今年度から、認知症相談の専用窓口を設けた。小沢嬰子センター長は「認知症の家族を在宅介護する相談者に対して最も重要なのは、悩みを1人で抱え込ませないことだ」と指摘する。
山形市蔵王上野の介護老人福祉施設「蔵王やすらぎの里」に事務局がある「認知症の人と家族の会」の山形支部では、電話で相談を受け付け、月1回の相談会も開いている。認知症の家族をみとり終えた県内の介護者34人が「世話人」として登録され、希望があれば、世話人を紹介することもできる。事務局は「誰にも悩みを相談できず、抱え込んでいる人の愚痴を聞くことが一番重要。当事者同士だからこそ悩みを共有できるし、必要な情報も提供できる」と呼び掛ける。
東根市の事業やそれぞれの相談窓口は、介護者の悩みを外に引き出すための取り組みだ。しかし、介護者はこうした制度の存在を知らないことが多く、周知の徹底が課題だ。
このほか、今年4月に施行された「高齢者虐待防止法」の枠組みの中で、解決の手掛かりを探ろうとする動きも出ている。県長寿社会課は、介護疲れによる無理心中を「究極的な身体的虐待」ととらえようとしている。
同法施行後、同課は虐待につながりそうな具体例を示し、民生委員やケアマネジャーなど現場のスタッフに注意するよう指導してきた。虐待やその可能性がある事例が確認されれば、県の虐待防止相談窓口を通じて市町村へ伝えられる。市町村は調査したうえで、家族の会や専門家への紹介、サービスの情報提供、最終的には警察と連携した対応も可能となる。

  今回の東根市のケースは介護者が熱心に世話をしていたため、周囲の人が介護疲れを知りながら「虐待につながる可能性がある」とまでは認識できていなかった。こうした実情を踏まえ、同課は今後、留意項目の中に、介護を代わる人がいない▽施設に入れようとしない――などを加え、指導を続ける。
弱音を吐けずに苦しみ、1人で負担を抱え込む介護者。その負担を何とか減らそうと、さまざまな手段が模索されている。介護者の状況に周囲が気付きながら結果的に3人の死を防げなかった事実を重く受け止め、再発防止のために手を尽くさなければならない。』
2006.11.04 ☆追跡やまがた:東根・一家3人死亡/上 施設入所に後ろめたさ /山形 
  4日朝、毎日新聞(山形)は以下のように報じている。
  『東根市の民家で9月、高齢の姉妹と姉の長女の3人の遺体が見つかった。姉妹は体が不自由で、長女が2人の世話をしており、介護に疲れた長女による無理心中事件とみられている。長女の様子を見かねた周囲の関係者は、施設への入所を勧めていたが拒まれ、状況が変わらないまま最悪の事態となってしまった。介護保険制度が始まって6年になるが、「介護疲れ」が引き起こす悲劇は後を絶たない。在宅介護の負担を減らすには、どうすればいいのか。問題の背景を探った。
遺体が見つかったのは、本郷政子さん(89)方。政子さんと妹の色摩千鶴さん(88)、政子さんの長女律子さん(60)の3人暮らしだった。政子さんと千鶴さんは認知症などで要介護認定を受け、政子さんは最も重い要介護5、千鶴さんは要介護3。律子さんも足などの具合が悪く要支援2だった。
  近所の人の話によると、5~6年前に引っ越してきた当初、律子さんは近くの主婦らで作るサークルに入り、お茶会などを楽しんでいたという。しかし、2年前ごろから、姉妹に認知症の様子が見え始め、一晩中騒いだり、夜中にはいかいしたりすることもあった。家のドアには、2人が外に出た時に気付くよう、開けると音の鳴る仕掛けが付けられた。律子さんがサークルに顔を出す回数は徐々に減り、今年4月には退会を申し込んだ。

  親類の男性は「一家が金銭面で困っていたという話はない。(姉妹を)施設に入れるよう度々説得したが、『母が入所したがらない』と断られた。(律子さんは)家族にさえ弱音を吐かなかった」と話す。担当していたケアマネジャーも、律子さんが1人で介護をする様子を見かねて、施設への入所を何度も勧めた。しかし、「母と叔母と一緒に暮らしたい」と拒まれたという。
律子さんが体調を崩し4月に入院した際には、村山市の介護施設に2人を預けたこともあったが、退院が決まった途端、体の回復も待たずに2人を引き取った。その後、施設を利用することはなかった。
  研究テーマに「介護者のストレス」がある東北福祉大の渡部純夫助教授(臨床心理学)は、律子さんがかたくなに施設への入所を拒んだことについて「2人を介護することで、自分自身の存在価値を確認していたのではないか」と推測する。周囲から心配され、1人で介護するのが困難になり、自分の存在価値が脅かされてしまったと考えたのではないかという。「弱音を吐くのは、とても勇気がいる。そういう話ができるような人間関係の構築が必要だった」と指摘する。
  山形市小白川町2の県高齢者総合相談センターには、認知症に関する相談がここ数年多く寄せられるようになり、今年度から専用の窓口を開設した。9月末現在、今年度の認知症に関する相談は53件に上る。
「在宅介護をしている介護者は、施設に入所させることを後ろめたく感じ、1人で抱え込んでしまうケースが多い」。小沢嬰子センター長は、周囲の目を気にしながら介護疲れを悪化させてしまう介護者の状況を危惧する。』
2006.11.01 ☆老健「すずしろの郷」、今日1日「閉鎖」、利用者・職員は  
  1日夜、TBSは以下のように報じている。
  『突然、施設からの退去を余儀なくされたお年寄りたち。ずさんな経営が明らかになった東京の介護老人保健施設が、東京都の命令によって1日から業務停止となりました。
東京・練馬区にある介護老人保健施設「すずしろの郷」。この日、入所者の松原芙美子さんと家族が別の施設に移る準備をしていました。1年以上過ごしたこの施設。 4人部屋の友人たちはすでに他の施設へ移りました。急な別れに松原さんは寂しさを隠せません。
  「職員さんも、自分で給料がもらえるか、もらえないか分らんのに、一生懸命働いていらっしゃる。頭が下がります」(松原芙美子さん)
  「残念ながら改善が見られない」(東京都の会見)

  先月14日、東京都が「すずしろの郷」に出した業務停止命令。直接の理由は、法律で決められた施設管理者がいない事でした。
「がっかりですね。がっかりしました」(利用者)
  しかし、このほかにもずさんな経営の実態が明らかになりました。東京都によりますと、負債12億円の返済が滞り、建物と土地を第三者に売却。さらに月3000万円の介護報酬を差し押さえられるなどしたのです。東京都は改善を指導しましたが、結局、今回の業務停止命令となりました。
松原さんが移った施設の部屋は4人部屋。ベッドを一つ加えて過ごすといいます。 「母がすごい神経質なたちっていうんですか、新しいところになじむまでに時間がかかるんですよ」(松原さんの息子)

  今回の事態の背景には何があったのか。裁判所から理事長代行に選任された弁護士はこう話します。
「(経営者らの)三つ巴のような状況。(経営者の思惑のひとつは)上手に経営すればそういう利益も生める」(理事長代行 高橋裕次郎 弁護士)
  70人以上いた入所者は全員、ほかの施設に移りました。
  「スタッフもいつでも再開できるように、何人かが望んでこちらに残ってくれていますし」(残された職員)
  東京都が出した4億円の補助金も回収不能の見込み。高齢化社会に大きな不安を投げかけた今回の問題は、責任の所在がうやむやのまま、幕が引かれようとしています。』

■哀しい結末・・・残った職員の方には、かける言葉も見つかりません。
2006.11.01 ☆介護保険:監査特別機動班を設置 県施設監視課、報酬水増し請求に対応 /群馬 
  1日、毎日新聞(群馬)朝刊は以下のように報じている。
  『介護保険を適用するサービス施設で介護報酬の水増し請求などが増加傾向にあることから、県は1日から、施設監査課に4人体勢の「監査特別機動班」を設置し、利用者からの通報や苦情に迅速に対応する。
  10月に高崎市内の通所介護施設で介護報酬の不正受給が判明、事業者指定が取り消されるなど、介護サービス業者の不正が指摘されるケースが増えている。こうした中で情報提供があっても即座に対応できない事例が増えており、専門班の設置となった。東京都で同様の特別機動班が設けられているという。
  機動班は利用者や家族からの情報や内部告発などがあった際、迅速に実地検査などを実施。必要に応じて処分や行政指導を行う。県内には特別養護老人ホームなど社会福祉施設が187、民間のデイサービスなど在宅サービス事業所が約4300ある。監査は3年に1度と定められており、行政の指導が行き届かないケースも生じている。
  同課はさらに県と市町村との連携強化や相談窓口の設置、指導監査結果が開示されることを事業所などに周知徹底するなどして介護報酬の受給適正化を図る方針。』

■ここまでやるか・・・・。でも、まあ4人で何ができるんだか? 金のむだかなあ。
2006.10.30 ☆療養病床で介護サミット 11月、全国8都市で開催 
  30日夕、共同通信は以下を配信した。
  『厚生労働省は30日、介護保険を運営する市区町村長との意見交換会(介護保険サミット)を11月に全国8都市で開催することを決めた。療養病床の再編について理解を求め、地域ケア、介護保険料の抑制に向けた取り組みなどについて、話し合う。
  医療費削減のため政府が打ち出した療養病床の再編については、2011年度末までに療養病床38万床を15万床に削減、介護保険適用の老人保健施設などへの転換を促すことが決まっている。
  だが、共同通信社がことし5?6月、全国の市区町村長を対象に実施したアンケートでは、患者の退院後の受け皿が不安であることを理由に、6割近くが再編に「反対」の考えを示すなど、消極的な意見が多く、現地に赴いて意見を交わす必要があると判断した。
意見交換会には、同省幹部が参加、病院から老健施設などに移行しやすいよう施設基準の弾力化や、既存病床の計画的な転換など「地域ケア整備構想」を策定して中長期的な受け皿づくりをどう打ち出すかなど意見交換し、首長らの不安を解消させたい考えだ。
  介護保険料の上昇傾向についても、給付を抑制するためにコストがかかる施設介護から在宅介護へとどう取り組んでいくのか意見交換する。』

■参加したい!(これをアリバイ作りにするならそれもそれ。メディアに暴露すりゃいい・・それしかできない?)
2006.10.29 ☆介護予防、出足は低調 指定市0.2% 
  29日未明、朝日新聞は以下のように報じている。
  『将来、介護が必要になりそうなお年寄りに運動などをしてもらい、要介護状態になるのを防ごうと導入された介護予防事業で、都市部の「介護予備軍」の把握状況が国の目標を大きく下回っていることが朝日新聞の全国調査でわかった。厚生労働省は65歳以上のお年寄りの約5%を目安としているが、15の政令指定都市では、平均0.2%だった。事業がスタートして半年余り。参加者不足で予防教室が開けないなど、出足は順調とはいえない状況だ。
  厚労省は、今年4月から3年かけて、「特定高齢者」と呼ばれる介護が必要になる可能性が大きいお年寄りの把握を進めたい考えで、今年度は、各自治体とも2~3%を目標にしている。同省が一部の都道府県から集計した現時点の把握状況は平均0.9%(4~8月分)だが、自治体側からは「人口の少ない自治体ではお年寄りの状態を把握しやすいが、都市部では難しい」との声が出ている。

  このため、朝日新聞は7月から9月にかけてまとまった政令指定都市の状況を調べたところ、65歳以上人口に対する把握された「予備軍」の割合はいずれも国の目標を大きく下回っており、0.3%を超えているのが千葉、名古屋、京都の3市だけ。仙台、広島、北九州、福岡では0.1%にも満たない状況で、年間でも1%の達成は困難な状況だ。
  また把握できても、「私はまだ元気」などの理由で、介護予防教室への参加を断る人も多く、参