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2007.06.07 ☆リハビリ日数制限、緩和後も混乱
  7日、東奥日報は以下のように報じている。

  『公的医療保険で受けられるリハビリテーションに昨年から日数制限が設けられた問題で、厚生労働省は本年度から、心臓病などを新たに制限の対象外とするなど緩和措置を取ったが、本県の医療現場などでは「緩和されたのは一部の患者だけで、リハビリを受けられず困っている人がいる」「今も現場は混乱している」との声が寄せられている。

 国は昨年四月の診療報酬改定で、リハビリの日数制限を設定。医療保険を使える日数を疾患別に九十-百八十日に制限。機能維持は介護保険のリハビリで行うとした。しかし、患者団体などから「患者切り捨て」と反発を受けたため、国は今年三月、異例の緩和策を発表。制限の例外に(1)急性心筋梗塞(こうそく)や狭心症、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫など)で改善が見込まれる患者(2)医師が特別に必要と認める場合で改善が見込まれる患者(3)先天性や進行性の神経・筋疾患(筋委縮性側索硬化症=ALS=など)で治療が有効な患者-を加えた。

  これに対し、県内の医療機関は「リハビリが打ち切られた患者の中には自宅でリハビリをしている人もいるが、自己流ではなかなか難しい。福祉施設でのリハビリもそれほど充実していない」と語る。県南の医療関係者は「身体機能維持のためにも、医療機関でのリハビリの継続は必要ではないか」と語る。

  県保険医協会によると、リハビリを打ち切られた人からは「つえで歩いていたが車いすが必要になってきた。冬の間は外に出られない」「着替えや装具の着脱も容易ではなくなった」との声が寄せられているという。同協会の理事で、整形外科医である大竹進氏は「全国約二十万人の脳卒中の患者さんは、リハビリを受けられない状態が続き絶望のふちに立たされている」と語る。

  同協会はリハビリ日数制限により、日常生活に支障を来したり、精神的に負担になっている人の声を聞くため、九日午前十時から午後五時まで「リハビリ何でも相談」(電話0800-800-7899)を実施する。』

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2007.03.16 ☆[解説]リハビリ日数制限緩和医療と介護、深い溝「難民」解消に新診療報酬
  16日、読売新聞は以下の解説記事を掲載した。
  『厚生労働相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)が、リハビリテーションの日数制限見直しを答申した。
  介護保険のリハビリが受け皿として機能していないためで、医療と介護の溝の深さを浮き彫りにした。
  昨年4月、脳卒中などの患者が病院や診療所で受ける医療保険のリハビリが制限された。それまでは、原則として制限なく行うことができたが、診療報酬改定によって、失語症などの一部の特定疾患を除き、90〜180日の日数制限が設けられた。
「長期にわたって効果が明らかではないリハビリが行われている」という専門家の指摘を受けた措置。病状が落ち着いた「維持期」の患者は介護保険に移行、老人保健施設などの通所リハビリや自宅での訪問リハビリで対応する方針が示された。
  これに対し、「医療保険のリハビリが必要な期間には個人差が大きい上、介護保険のリハビリは質量ともに不十分」として、医療関係者や患者団体が反発。制限の撤廃を求める署名運動が起き、国会でも野党が厳しく追及した。
厚労省は当初、2008年度の次回改定での見直しを検討していた。ところが、12日に公表された中医協の特別調査で、心臓病などでは、算定日数の上限でリハビリを終了した患者の1割弱に、身体機能の改善が見込めることがわかった。また、医療機関から介護保険のリハビリを紹介されながら、適切なサービスではないといった理由で、実際には利用していない“リハビリ難民”も多かった。
  このため、中医協は4月の実施を目指して、異例の改定に踏み切った。

  14日に出された答申では、日数制限を超えてリハビリが可能になる特定疾患に狭心症などを加えたほか、特定疾患以外でも、「医師が必要と認めた場合」にリハビリを延長する特別措置を講じた。さらに、維持期の患者向けに、月2回を上限とする「リハビリテーション医学管理料」を診療報酬に新設し、「介護保険の受け皿は不十分」との批判にこたえた。
今回の改定により、必要なリハビリを受けられない患者が続出し、健康が損なわれるという最悪の事態は回避される。教訓とすべきは、不備な制度がなぜ設計されたかだ。
まず指摘されるのは、医療と介護をつなぐ視点が欠けている点だ。

  2年に1度の診療報酬改定と、3年に1度の介護報酬改定が重なった2006年度改定では、医療と介護の役割分担の明確化に重点が置かれた。
「医療保険は早期のリハビリを受け持ち、維持期は介護保険で」という方針は、この流れに沿ったものだが、中医協では、介護リハビリの整備状況や、医療保険から移る患者の受け入れが可能かなどの検討は行われなかった。厚労省も医療は保険局、介護は老健局と縦割りで、中医協に介護の情報を提供しようという意識が薄かった。
「介護がどういう状況か、事前にもう少し分かっていれば、こういう事態はある程度避けられた」と土田武史・中医協会長は振り返る。
中医協の審議期間の短さも足かせとなった。診療報酬の改定は毎回、秋から本格化し、2月に答申を出す。検討課題は多岐にわたるため、すべてに論議が尽くされるとは言い難い。委員の間で意見の対立が見られなかったリハビリの場合、検討に費やした時間は30分に満たなかった。

  もちろん、手術直後などのリハビリを手厚くし、維持期のリハビリは、単価の高い医療保険からはずすという方向性は誤りではない。リハビリの開始が遅いため、回復に時間がかかり、必要以上に病院にとどめられる患者も少なくなかったからだ。
  とはいえ、日数制限は、これまで受けていた医療サービスを保険外とする“劇薬”だ。患者の目からは「切り捨て」に映りかねない。点数を上げ下げする通常の改定に比べて影響は大きく、慎重に論議を尽くすべきだった。
高齢者の増加により、医療と介護の適切な役割分担はさらに重みを増す。08年度の新高齢者医療制度発足を控え、新年度からは、高齢者にふさわしい医療のあり方や、「社会的入院」の元凶とされる療養病床をめぐる論議が本格化する。政府は縦割り行政を排して、患者本位の医療・介護を実現すべきではないか。』
2007.03.14 ☆医療保険のリハビリ日数緩和、狭心症など延長可能に 中医協、国を批判
  14日午後、読売新聞は以下のように報じている。
  『厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協、会長・土田武史早大教授)は14日昼、医療保険によるリハビリテーションの日数制限の緩和を柳沢厚労相に答申した。急性心筋梗塞(こうそく)などを新たに制限の対象外とするほか、40歳未満の患者がより長くリハビリを続けられる仕組みを新設する内容だ。
  厚労省は、答申を踏まえた新たな措置を4月から実施する。

  医療保険のリハビリは現在、保険適用の対象となる日数が、脳、心臓、呼吸器、運動器の4タイプの患者ごとに90日〜180日に制限されている。ただ、筋委縮性側索硬化症(ALS)や悪性関節リウマチなど約50種類の特定疾患は、日数制限から除外されている。
答申では、急性心筋梗塞、狭心症、慢性閉そく性肺疾患の三つの疾患を、新たに日数制限から除外するとした。これらの特定疾患以外の患者でも、医師が改善の見込みがあると判断した特別な場合は、リハビリの延長を認める。ただ、制限を超えたリハビリには、医師に実施状況と計画書を提出して継続の理由を明らかにするよう求めることとし、歯止めをかけている。

  さらに、40歳未満の患者については、診療報酬に「リハビリテーション医学管理料」という項目を新設し、医療保険による機能維持のためのリハビリを日数制限を超えて続けられるようにした。介護保険の対象外であるため、医療保険によるリハビリの終了後に介護保険を使って継続する方法が取れない現状を改めるのが目的だ。

  一方、今回の見直しで医療費が膨らむのを防ぐため、日数制限に近い80日〜140日に達した場合、診療報酬を2割弱、減額する規定も盛り込んだ。8割前後の患者が日数制限の上限より前に回復している実態を踏まえ、必要以上に長いリハビリを防ぐ狙いがある。
  中医協の実態調査では、心臓、運動器患者の1割近く、脳、呼吸器患者の2、3%で、改善の余地があるのに日数制限によってリハビリが打ち切られていた。40歳未満であるなどの理由で、介護保険のリハビリが受けられない患者も1、2%いた。

  厚労省はこうした事情を踏まえて「緊急の対応が必要だ」と判断し、2008年度に予定される診療報酬改定をリハビリ関連に限って1年前倒しする異例の措置をとることにした。』

  また、同日夜、
朝日新聞は、『土田武史会長は見直し案の承認にあたり、「制度改正前に介護保険のリハビリの状況が分かっていれば、このような事態は避けられた」として、厚労省の医療保険と介護保険の担当者間の連携が不十分だった「縦割り行政」を批判。今後は介護保険についても中医協に十分な情報提供をするよう求めた。』
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2007.03.12 ☆リハビリ日数制限、緩和へ 厚労省が不備認め、検討開始
  12日夜、朝日新聞は以下のように報じている。

  『病気や事故で損なわれた体の機能回復を目指すリハビリテーションの医療保険適用が原則として180日までに制限された問題で、心筋梗塞(こうそく)や狭心症、関節炎など特定の疾患の患者の1割以上が、医師が「まだ改善の見込みがある」と判断しているのにリハビリを打ち切られていることが12日、厚生労働省の実態調査で明らかになった。同省は昨年4月の制度改正の不備を認め、日数制限の対象外となる疾患の範囲を広げるなど、見直しの検討に入った。
リハビリについて厚労省は昨年4月、脳卒中などが発症した直後の急性期や回復期は、医療保険で従来よりも集中的なリハビリが行えるように診療報酬を改定。一方で、失語症など一部の疾患を除いては医療保険でリハビリを行える日数に上限を設け、その後、機能を維持するためのリハビリは、介護保険で行うことにした。
しかし、医師や患者からは「一人ひとりの回復の可能性の違いを考慮していない」などの批判が続出しており、厚労省も制度改正の影響を検証する調査を実施した。2822の医療機関を対象とし、855施設から回答を得た。
全体では、8〜9割の患者が日数の上限前に効果が出てリハビリを終えていたか、日数制限の対象外となる疾患だったために医師が十分と判断するまでリハビリが続けられていた。

  しかし心筋梗塞や狭心症では、「改善の見込みがある」と診断されていたのに日数制限のためリハビリを打ち切られた患者が109人中12人(11%)おり、関節の痛みや炎症では235人中32人(14%)に達した。脳卒中など脳血管系の疾患では319人中7人(2.2%)だった。
医療保険のリハビリ終了後は65%の患者が自宅で過ごすとしていたが、医師から介護保険のサービスを紹介された98人のうち46人(47%)は実際にはリハビリを継続する予定がなく、専門スタッフ不足などの課題を抱える介護保険のリハビリに、スムーズに移行できていない実態も浮き彫りとなった。骨折や関節系の疾患では、機能維持のリハビリが必要なのに40歳未満で介護保険が利用できない人も2%いた。

  調査結果は12日午後の中央社会保険医療協議会(中医協)で公表する。厚労省は「日数制限は大筋では妥当だった」としながらも、心臓病などを日数制限の対象から外したり、リハビリの継続について医師の裁量権を強めたりすることを検討。医療のリハビリが必要なのに打ち切られてしまう患者を救済する方針だ。』
2007.02.26 ☆リハビリ日数制限から1年 治療求めさまよう患者
  25日、河北新報は以下のように報じている。
  『身体機能を回復させるリハビリテーション医療の現場が大きく揺らいでいる。医療制度改革の一環として、厚生労働省が昨年4月、保険診療で受けられるリハビリに日数制限を導入した。ところが、日数制限後、リハビリ継続が必要な患者の受け皿となる訪問リハビリや病院外施設の整備、専門職の育成が進んでいない。このため、「リハビリ難民」とも呼ばれる患者が生まれ、治療打ち切りに対する不安や悲痛な叫びが広がっている。
  脳梗塞(こうそく)で右半身がまひする仙台市の男性(62)は憤る。「リハビリは生きる上での頼みの綱。なぜ打ち切られなければならないのか。個人の力では何もできないのに」
  男性は、地域の中核病院からリハビリ中止を告げられ、1月末に治療を打ち切られた。病院は「介護保険の方で何とかして」と言ったきり、特別なアフターケアもなかったという。
  偶然、知人を通じてケアマネジャーを紹介され、介護保険で利用できる短時間型の通所リハビリを受けるようになった。右脚に体重をかけられるようになり、歩行訓練に励む。「ここに来られなかったら、体は全然動かなかったと思う。命拾いした」と男性は繰り返した。
  全国保険医団体連合会が昨年9―11月実施した調査では、全国でリハビリを打ち切られた患者は、推計で4万5000人に上る。「状態の改善度合いは個人差がある。一律に区切るのは間違いだ」と制度改正を訴える。

  厚生労働省が、リハビリ患者の受け皿とみていた介護保険適用のリハビリサービスは、認知症予防や自宅に引きこもりがちな高齢者のレクリエーションが中心だ。「身体機能の回復を目指すものになっていない」と指摘する関係者は多い。
  リハビリに特化した通所介護事業所を運営する「フォーレスト」(仙台市宮城野区)の千葉博信社長は「退院後の療養が保障される環境は整っていない。地域でのケア体制が不十分だと言わざるを得ない」と言う。

  宮城県の訪問リハビリ指定事業所数は5カ所(1月末現在、医療機関除く)。介護保険指定事業所全体の約0.2%にすぎない。まして40歳未満の患者は介護保険も使えない。仙台市内の総合病院のリハビリ科の医師は「若者の受け皿などほとんどない。治療を打ち切らざるを得ない」と打ち明ける。
東北では専門職の人材難も際立つ。介護保険事業所で勤務する理学療法士数(04年10月1日現在)は、人口10万人当たりで、青森3.9人(47位)、岩手8.0人(29位)、宮城5.9人(40位)、秋田4.4人(46位)、山形7.3人(33位)、福島5.7人(41位)と、6県とも全国平均8.6人を下回っている。

  東北文化学園大(仙台市青葉区)の佐直信彦医療福祉学部長(リハビリ科)は「郡部ほど機能回復のリハビリ病院がなく、地域格差は激しい。病院と地域の診療所、介護事業所などが連携し、継続的なケアができる体制の構築が急がれる」と話している。
[リハビリの日数制限]2006年4月の診療報酬改定で、脳血管疾患は180日、運動器と心大血管は150日、呼吸器は90日以内と定められた。高次脳機能障害や重度の頸椎(けいつい)損傷などは例外とされた。』
2006.12.31 ☆リハビリ日数制限 各機関は対応苦慮/岩手   
  31日、岩手日報は以下のように報じている。
  『(岩手)県保険医協会(箱石勝見会長)は、4月の診療報酬改定により日数制限が設定されたリハビリテーションについて、整形外科およびリハビリテーション科を持つ県内の医療機関を対象に行ったアンケート調査の結果をまとめた。回答した22医療機関の患者416人が中止を含むなんらかの影響を受けたことが分かった。
県内の28病院、77診療所を対象に調査。このうち22医療機関から回答があった。有効回答率は20・9%。
改定により、リハビリが「心大血管疾患」「脳血管疾患等」「運動器」「呼吸器」の4つに再編され、それぞれ150日、180日、150日、90日の日数制限が設けられた。
  日数制限を受け、リハビリの中止、消炎鎮痛などの処置へ移行するなどなんらかの影響を受けた人は「脳血管疾患等」の対象者214人、「運動器」の対象者192人、「呼吸器」の対象者10人。
各医療機関の対応策については「通所リハ施設を開設」「意欲のある人は継続」など積極的な機関もあった一方で、「受け皿がないのが現状」「制限の除外となる疾患がはっきりせず、全部中止になった」「回復には個人差があり、疾患で区切ることは困難」など深刻な影響を訴える機関も多かった。
  同協会会員のさかもと整形外科(盛岡市天神町)の坂本公児院長は「(制限日数の)150日が来たからこれ以上リハビリができないといっても、患者に説明ができない」と訴える。』
2006.12.27 ☆一律の打ち切りは不適切 リハビリの日数制限で通達 
  27日未明、共同通信は以下を配信した。
  『厚生労働省は脳卒中などを患った人が必要とするリハビリテーションについて、医師がリハビリの日数制限を理由に「一律に打ち切らない」ようにし、利用者を医療から介護サービスへ円滑に引き継ぐよう求める通達を、出先機関や都道府県に出した。

  同省は4月から身体機能の回復効果が高まるよう、発症直後からの短期・集中的なリハビリを重視する制度改革をした。半面、期限や目標があいまいで「漫然とした」リハビリを減らし、介護保険に引き継ぐため、特定の疾患と症状を除き、公的医療保険が使える日数を疾患別に制限(最大180日)。これに対し、国会などで「説明不足」「患者切り捨て」などの批判が起きた。
  このため同省は通達により、利用者が新制度下でも、医療保険と介護保険で切れ目なく必要なリハビリを受けられるよう、医師はじめ関係者に促すことにした。』
■なにコレ? 
2006.12.19 ☆脳血管疾患系患者420人 リハビリ打ち切り 京都府内22病・医院 
  19日、京都新聞は以下のように報じている。
  『今春の診療報酬改定でリハビリが発症から最長180日に制限されたことに伴い、京都府内22の病院・医院で脳血管疾患系の患者420人がリハビリを打ち切られていたことが、府保険医協会のアンケート調査で分かった。医療機関からは「必要なリハビリを打ち切らざる得ず、症状の悪化した患者もいる」と批判が出ている。
府保険医協会は10月、脳血管疾患を対象とする「リハビリ1」を実施している府内の33の医療機関にアンケート調査した。29の病院・医院から回答があり、うち22の病院・医院で脳卒中、脳こうそくの後遺症やパーキンソン病に悩む患者計420人のリハビリを日数制限で打ち切っていた。
病院側は「症状の改善は見られなくても、制限日数以降もリハビリを継続すれば患者の現状維持は可能だ。打ち切りで、回復した機能を維持できなければ、暮らしの質が低下する患者が数多くいる」とし、症状改善だけを評価するのではなく、維持目的のリハビリの重要性を指摘する声が目立った。
打ち切り後、介護保険制度でのリハビリの対象外となる40歳未満の人が25人いた。また▽自主訓練を本人・家族に指導

▽(理学療法士や医師でなく)病棟で看護師がリハビリに対応-などの回答があり、専門的なリハビリを継続できていないことが分かった。

  医療機関でのリハビリ終了後の患者について、厚生労働省は介護保険制度での通所リハビリや訪問リハビリに移行して対応するとしている。これに対して「リハビリ診療報酬改定を考える会」や全国保険医団体連合会が「生命の質を守ることができず、寝たきりになる人も多い。必要なリハビリを打ち切ることは生存権の侵害だ」として、約40万人の署名を集めて国に見直しを求めている。

  第二岡本総合病院(宇治市)の高橋守正リハビリテーション科部長は「介護施設での通所リハビリは集団リハビリが主で、病院での一対一の個別リハとは質が違ううえ、訪問リハも理学療法士が少なく十分ではない。受け皿を作らないで日数制限という制度を実施したことから混乱が生じている」と指摘している。』
2006.12.19 ☆リハビリ「最長180日」制限、専門医の56%問題視 
  18日夜、朝日新聞は以下のように報じている。
  『今春の診療報酬改定で公的医療保険によるリハビリテーションの日数が「最長180日」に制限された問題で、日本リハビリテーション医学会が会員のリハビリ医らにアンケートしたところ、半数以上が「適切でない」と答えていたことが分かった。厚生労働省は制限にあたり、同学会などの意見も参考にしたとしているが、現場との考えの違いが浮き彫りになった。
同学会は、リハビリにかかわる医師や看護師などで構成し、会員は約1万人。アンケートは8月に、同学会評議員の医師と無作為抽出した専門医計400人に実施した。回答率は56.5%。

  国民健康保険など公的医療保険を使って受けられるリハビリの日数が、発症から90〜180日に制限されたことについて、「適切でない」としたのは56%で、「妥当」は7%だけ。「設定は必要だが、日数に問題」も33%あった。
リハビリの内容を、脳血管疾患▽手足の骨折など▽呼吸器疾患▽心臓や血管の疾患、という4疾患に分けたことについても、69%が「見直しが必要」とした。
  上限を超えてリハビリを継続する例外規定として厚労省が挙げた「身体機能に向上がある場合」という条件についても、「維持で可」が37%、「低下の程度を軽減できれば可」が26%と、反対意見が過半数を占めた。
上限を超えてリハビリが打ち切られたり回数が削減されたりした患者がどれだけいるか、との問いには、全患者の「75%以上」が16%、「75%〜50%」が17%、「50%〜25%」が35%だった。
また、制限は最大で9月末まで猶予期間が設けられていたが、8月の段階で45%が「長期外来患者にはすでに中止または回数削減」していた。
  アンケートを担当した昭和大医学部教授の水間正澄理事は「障害は一つでないことが多く、リハビリは横断的にしないといけないのに、できなくなったことへの不満が大きかった。学会として、厚労省に見直しを求めていきたい」としている。』
2006.12.06 2006.12.06
東奥日報
☆リハビリ日数制限、青森県内でも影響  
  6日、東奥日報は以下のように報じている。
『「家に閉じこもり、うつ気味になった」「歩き方が悪くなった」-。今春の診療報酬改定で、リハビリテーション治療に日数制限が設けられた影響が県内でも出ている。病院でのリハビリ治療を終了し、自宅で自己流のリハビリを行った結果、運動機能が低下したり、人と話す機会が減り、精神的にうつ状態になる人も。家族は「雪が本格的に降ると、ますます出歩かなくなる。体が弱る」と不安を口にする。
青森市の女性(73)は四年前、脳梗塞(こうそく)で倒れ、右半身にまひが残った。市内の病院でリハビリを継続した結果、車いす生活から、つえをついて歩けるまでになった。針仕事もできるようになり、手作りのきんちゃくを仲間に配るのが楽しみになった。病院での「おしゃべり」も、良いリハビリになったという。
  ところが、リハビリ日数制限により、十月から病院でのリハビリを中止した。自宅周辺の道路で歩行練習しようと試みたが、道路の傾斜がきつく、車の交通も危険なため屋外でのリハビリを断念。自宅でうつうつとした日々を送っている。
「良くなるという望みを持って頑張ってやってきたのに…。励み、希望を失った。誰も遊びに来てくれないのがつらい。いつまでこうやって生きなければならないのだろう。週、数日でも病院に行けるようにしてほしい」

  青森市の六十代の男性は今年三月、脳出血で倒れ、右半身に軽度のまひが残った。入院しながらリハビリを行い、六月に退院、病院でのリハビリを終了した。介護保険を利用したデイサービスでの機能訓練も考えたが「子ども扱いされるのが嫌で」自宅でリハビリを実施した。
自宅の階段を上り下りしたり、周辺を散歩したり…。病院で行ったリハビリを参考にしながら、自己流の訓練を行ったが、次第に外に出なくなった。勇気を出して外に出ても、周囲の視線に苦痛を感じ、閉じこもりがちになった。
妻の目から見て、明らかに男性はうつ状態になり、妻にも当たるようになった。病院でケアを再び受けたいと思ったときには、既に脳血管疾患の日数制限(百八十日)が過ぎていた。
  妻は言う。「夫は、歩く速度、歩く姿勢が明らかに悪くなった。医療制度が変わって、本当に悪いときに倒れてしまった。これから雪が積もれば、出歩かなくなる」と不安を漏らす。』
2006.12.04 2006.12.03
読売朝刊
☆“リハビリ難民”急増、診療報酬改定で日数制限 推計4万人 足りぬ受け皿

  今春の診療報酬改定で、医療機関でのリハビリテーションに日数制限が設けられたことにより、10月以降、リハビリ治療を打ち切られる脳卒中の患者が相次いでいる。「質の高いリハビリを受けられないと、脳卒中の後遺障害が悪化する」との指摘もあり、患者に不安が広がっている。

打ち切り
  東京都の男性(63)は3年前に脳梗塞(こうそく)を患い、右半身まひ、失語症の後遺症が残った。病院でリハビリを受け、つえをついて歩いたり、家族とコミュニケーションを取れる状態を保ってきた。ところが、9月末にリハビリを打ち切られてしまった。
  脳卒中の症状が落ち着いた時期(維持期)のリハビリは、3月までは制限なく行うことができた。だが、4月の診療報酬改定で、医療機関で行うリハビリには、脳血管疾患(脳卒中)、運動器、呼吸器、心血管疾患など疾患別に90〜180日の日数制限が設けられた。男性のリハビリ打ち切りは、4月から数えて180日の制限を超えたためだ。
  「これでは病状が悪化する」と心配した家族は、リハビリを専門にする東京都日の出町の大久野病院に相談した。
リハビリの日数制限には、救済措置として、医師が「改善が期待できる」と判断した場合、失語症など一部の疾患に限りリハビリを継続できる除外規定がある。大久野病院の進藤晃院長は「男性には失語症などがあり、改善も見込める」と判断、同病院で言語聴覚士や理学療法士らによる会話、歩行訓練などのリハビリを続けることを決めた。

反対署名
  男性は、介護保険を使った介護施設でのリハビリにも通うが、集団で10分間ほど体操する程度。一方、病院では理学療法士など専門スタッフが1時間20分、マンツーマンで個々の患者に合わせた内容を工夫する。
もし男性が歩行訓練をやめれば、筋力が低下、転倒しやすくなる恐れがある。家族は「父は一人で立てるので、母と二人暮らしでも入浴できる。病院のリハビリは欠かせない」と話す。
  全国保険医団体連合会が、脳卒中などのリハビリを行う医療機関に実施した調査では、リハビリを中断された患者は9月下旬以降、全国で約1万7000人に上った。すべてが日数制限のためかどうかは不明だが、同連合会は「回答率は3割強なので、全国では4万人を超える」と推計、多くの“リハビリ難民”がいるとみられる。
  リハビリの日数制限には、医療関係者や患者団体などが当初から反発してきた。5月には、患者らによる「リハビリテーション診療報酬改定を考える会」が発足、制限撤廃を求め、48万人の署名を集めた。
反発の要因は、リハビリを打ち切られた患者の受け皿不足だ。厚生労働省は、病院でのリハビリを打ち切られた場合、要介護認定を受けて介護保険の通所 リハビリや訪問リハビリに移ることを勧めている。しかし、利用者の大半を占める通所リハビリは、引きこもりがちな高齢者の社会参加促進に軸足を置いている。医師以外に理学療法士ら多くの専門職がいる医療機関に比べ、老人保健施設は定員100人に対し専門職は1人で良く、マンツーマンの指導は難しい。

身体機能低下も
  厚労省は「手術後などの入院患者を対象とした調査では、脳卒中などでは約8割の患者のリハビリが100日未満で終了している」との調査結果を改定の根拠に挙げる。だが、兵庫医大の道免(どうめん)和久教授(リハビリテーション医学)は「機能回復には個人差があり、医師の監視のない介護リハビリに一律に移ることで、身体機能が低下する患者が今後続出する恐れがある」と指摘する。

患者の視点置き去り 中医協、見直し視野に調査へ
  リハビリに日数制限が設けられたのは、より効果的なリハビリ医療を行う狙いからだった。
リハビリは、発症直後に病気の治療と並行して行う急性期、病気の治療が一段落して身体機能の回復を目指す回復期、症状が安定してからの維持期に分けられる。発症や手術から長時間たってからリハビリを始めても効果は乏しいが、患者の入院日数が海外に比べて長い日本では、維持期に効果を見込めないリハビリが漫然と行われるケースが少なくなかった。
4月の改定では、維持期のリハビリに制限を設ける一方、急性期や回復期のリハビリを手厚くし、従来の1・5倍程度行うことが可能になった。「発症後、早期のリハビリを重点化することで、寝たきりの原因になる廃用症候群を予防でき、入院日数も短縮できる」と、初台リハビリテーション病院(東京)の石川誠理事長は指摘する。

  ただ、維持期のリハビリも、打ち切るとせっかく回復した身体機能が衰える可能性もある。改定を審議した厚労省の中央社会保険医療協議会(中医協)では、望ましい維持期のリハビリのあり方や、病院から介護施設でのリハビリに移ることで何人の患者が影響を受けるかなどは議論されず、「患者の視点」は顧みられなかった。このため中医協は、患者へのアンケートを実施し、次の改定での見直しの是非を決める方針だ。

廃用症候群 ベッドで安静にしていることにより、筋力が低下して体の動きや歩行が困難になるなど身体的機能や、精神的機能も衰えること。高齢者ほど発症しやすく、回復も難しいため、予防と早期発見が重要とされる


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