宇和島徳洲会病院 腎臓移植問題
※情報量が多くなりましたので、別枠にしました。
2006.11〜
| 2007.05.02 | ☆<病気腎移植>日本腎臓学会、非難の統一声明に参加 2日夜、毎日新聞は次のように報じている。 『宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で日本腎臓学会は2日、日本移植学会など4学会が先月末に発表した非難の統一声明に参加すると全会一致で決めた。主にネフローゼ症候群のドナーからの腎臓摘出について検討。ドナーはいずれも治療をあきらめる段階でなく「妥当でない」との意見で一致した。』 . |
| 2007.04.30 | ☆腎臓移植でB型肝炎感染、患者死亡 宇和島病院最終報告 29日夜、朝日新聞は次のように報じている。 『病気腎移植問題で宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)が、前勤務先の愛媛県宇和島市の市立宇和島病院で、B型肝炎ウイルスをもつ患者の腎臓を別の患者に移植した結果、この患者がウイルスに感染して肝障害などを起こして死亡していたことがわかった。病気腎の摘出17件、移植25件を実施していた同病院の調査委員会が29日の最終報告で発表。この中で、病気腎移植については、25件とも不適切だったと全面否定の結論を出した。』 . |
| 2007.03.31 | ☆病気腎移植 4学会が「妥当性ない」と非難声明 31日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県などの病院で病気の腎臓が別の患者に移植されていた問題で、日本移植学会など4つの学会は31日、「こうした移植は現時点では医学的に妥当性がない」として、厳しく非難する声明を発表しました。 愛媛県にある宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが行っていた病気の腎臓の移植はあわせて42件に上り、日本移植学会などの学会は、関係した病院の調査委員会に委員を派遣して調べてきました。その結果、31日、4つの学会が共同で声明をまとめ、発表しました。それによりますと、まず提供者に対する治療について、「十分な医療を受けていた確証が得られない」「良性の病気はまず腎臓を残す治療を選ぶのが原則」などと、問題があったことを指摘しました。そして、がんや動脈りゅうなどの腎臓を移植すると「移植を受けた患者に病気が持ち込まれる危険性がある」として、「現時点では病気腎移植は医学的に妥当性がない」としています。そのうえで、多くの患者に対する説明が不十分だったことや、移植を受ける患者の選び方が公平公正でなかったことを指摘し、「実験的な医療が医学的・倫理的な観点から検討を加えられずに閉鎖的環境で行われていたことは、厳しく非難されるべきだ」としています。』 |
| 207.03.26 | ☆万波移植の臓器提出6例「すべてに疑問」 厚労省調査班 26日夜、朝日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる「病気腎」移植問題で、岡山、広島両県の5病院で弟の廉介医師(61)が執刀した6件の摘出手術を検証していた厚労省調査班(班長=相川厚・東邦大教授)は26日、厚生労働省で会見し、「すべてにおいて適応がない、または疑問がある」とする調査報告を発表した。 臓器を摘出したのは、岡山の川崎医大川崎、岡山協立、備前市立吉永、北川の4病院と、広島の三原赤十字病院。 2例の尿管がんのうち、1例は摘出自体は必要だったが、がんの治療ではなく移植を優先した手術法で問題があったと指摘。もう1例の尿管がんは肺に転移があり、患者に負担をかけるだけの手術だったと判断した。また、腎動脈瘤(りゅう)と血管筋脂肪腫の2例では、摘出の際に血管を移植しやすいように長めに切除するなど、患者に危険を与えたとした。相川班長は「いずれの例も移植ありきで手術が進められていたと言わざるを得ない」と話した。』 |
| 2007.03.24 | ☆病気腎移植、万波医師が米学会での発表中止へ 24日夜、読売新聞は以下のように報じている。 『病気腎移植問題で、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)は24日、米国・サンフランシスコで5月に予定していた米国移植学会議での病気腎移植の症例や術後経過に関する発表を中止にしたことを明らかにした。 万波医師によると、24日未明に同学会議の担当者から米国在住の万波医師の知人に、メールで「今回は発表を見合わせてもらう」と連絡があった。詳しい理由はわからないという。 万波医師は「準備を進めていただけに残念。世界的に臓器提供者が不足する中、移植先進国の米国で、病気腎移植がどのように評価、批判されるかを知りたかった。今後、発表が可能なら、どこへでも行きたい」と話している。』 |
| 2007.03.19 | ☆病気腎移植:「25件すべて問題」宇和島病院調査・専門委 18日深夜、毎日新聞は以下のように報じている。 『病気腎移植を検証する市立宇和島病院(愛媛県宇和島市)の調査・専門合同委員会が18日、同病院で開かれた。腎がん摘出を「腎臓の鮮度を優先した移植前提の手術だった」と批判するなど、同病院で行われた25件すべてについて問題点を指摘した。近く、報告書にまとめて日本移植学会などに提出する。万波誠医師(66)がいる宇和島徳洲会病院の調査委は病気腎移植を「否定できない」としたが、委員が徳洲会関係者に偏っており、同学会などは今回の結論に沿って見解をまとめるとみられる。 万波医師は70〜04年春、市立宇和島病院に勤務。90年ごろから病気腎移植を手がけた。 同病院では下部組織の専門委との兼任を含め調査委は9人で、外部委員が過半数を占める。この日は調査委員長の深尾立(かたし)・千葉労災病院長が記者会見。25件のうち、腎がんと尿管がんの治療として腎臓を摘出し移植に使った11件について「再発や転移の可能性がある」と強く批判した。 また、腎動脈瘤(りゅう)、ネフローゼ症候群など他の事例についても「他の治療法をとるべきだった」などと批判した。 さらに腎がんのケースでは、動脈をしばってがん細胞が他の部分に移動することを防ぐ処置を最初にせず摘出にかかっている点を指摘。「移植を前提とした手術で、がん治療のための摘出をすべきだった」と断じた。 一方、尿管がん患者の腎臓摘出については「適切」としたほか、腎がんについても「適当ではないが、患者が強く希望すれば摘出を容認できる場合もある」と判断。尿管狭さくでも「腎臓の保存に努めるべきだが、年齢や本人の希望によっては摘出してもいい」とした。 ◇解説 「移植ありき」許されぬ…市立宇和島病院調査 25件の病気腎移植手術は問題ありとした18日の市立宇和島病院の調査・専門合同委。特筆すべきは、ドナー(臓器提供者)のがん腎臓の摘出ケースだ。 動脈をしばって血流を止め、がん細胞が流出しないようにする処置を後回しにしていたことを問題視しており、一連の病気腎移植が本質的に「移植ありき」で進められていたことを示すものといえる。血流が止まると腎臓の鮮度が落ちるため、移植を前提として レシピエント(移植を受ける患者)への生着しやすさを考えると、万波誠医師らの取った方法は合理的と言えるからだ。 移植医療は通常の医療と異なり、ドナーがいなければ成立しない。ドナーが最善の治療を受けられることが最優先されるのは言うまでもなく、今回指摘されたようにレシピエントを優先することは絶対にあってはならない。』 |
| 2007.03.15 | ☆病気腎移植 調査委入れ替えへ 宇和島徳洲会病院事件 15日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県の「宇和島徳洲会病院」で病気の腎臓が別の患者に移植されていた問題で、病院側は独自に設置した調査委員会の委員の選定に偏りがあったことを認め、今後、委員を入れ替えて、移植が適正に行われたか検討していく考えを明らかにしました。 この問題で「宇和島徳洲会病院」は独自に調査委員会を設置し、11件行われていた一連の手術で、腎臓の摘出や移植が適正だったか検証を続けています。調査委員会は13人の専門家で構成されていますが、15日に開かれた病院側の記者会見で、外部の委員として参加した4人のうち3人が徳洲会の顧問弁護士と同じ事務所に所属していたり、徳洲会グループの理事長の娘婿の経営する会社の役員だったりして、調査委員会は1人を除いて徳洲会の内部か関係のある委員で占められ、委員の選定に偏りがあったことを認めました。そのうえで、病院側は、公平性や透明性を確保するために、今後、外部の委員を増やすなど委員を入れ替えて一連の手術で移植が適正に行われたかなどについて検討していく考えを明らかにしました。また、病院側は、腎臓の摘出がいずれも医学的に問題があるとした外部の専門家の報告書についても公表し、これまで「容認できる」としてきた2件の腎臓の摘出について「必要がなかった」とする意見もあわせて両論併記で調査委員会としての見解とすることを明らかにしました。』 |
| 2007.03.15 | ☆病気腎移植:「11件中9件不適切」専門委が統一見解 15日、毎日新聞は以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院が15日、同病院の万波誠医師(66)らによる病気腎移植について、専門委員4人の統一見解を明らかにした。統一見解は「(摘出は)11件中9件は不適切で、残る2件も不適切か疑問」とし、専門委の個別の報告書でも、事例によっては「医師の裁量権を逸脱」と厳しく指摘する内容。一方、この日は、専門委の上部組織で、「摘出は適切、または容認できる」と対照的な内容をまとめた調査委の協議内容についても、文書とビデオ映像で公開した。 調査委は同病院を舞台にした臓器売買事件の発覚を受け、徳洲会関係者が中心となって設置。専門委はその後、病気腎移植が明らかになり、日本移植学会などから派遣された医師らで発足した。 専門委の報告書では、統一見解で「不適切」としたネフローゼ症候群の患者の腎摘出について、「正確な診断に基づき、内科的な治療を優先すべきだった」と批判。他にも「腎臓を温存するのが前提だった」などと、摘出に疑問を投げかけた。 一方、明らかにされた調査委のやり取りでは、「すべての患者が最高の医療を受けられるわけではない」「(摘出は)最終的に本人が決めた」などと、万波医師に好意的な内容がほとんどだった。』 |
| 2007.03.04 | ☆病気腎摘出「適切・容認」、徳洲会調査委が外部評価と対立移植結論は先送り 4日朝、読売新聞は次のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、同病院の調査委員会が3日、大阪市内で開かれた。 11件の移植に関する最終報告は持ち越したものの、同病院で行われた腎臓の摘出6件は、すべて「適切または容認」とする「結論」を発表した。その上で同調査委は「病気腎移植を完全に否定することはできない」とし、下部組織である外部専門委員の医学的評価や関係学会の考え方に真っ向から対立した。 徳洲会病院では、2004年9月以降、患者5人から摘出した腎臓6個と他の病院で摘出された5個と合わせ、11人に移植が行われた。同委員会は、この日、万波医師本人から説明を受け、移植の適否を検討した。同調査委が配布した議事要旨などによると、同病院での5例6件の摘出のうち、尿管狭さくの3件はいずれも「適切」。ネフローゼ患者からの両腎摘出、腎動脈瘤(りゅう)の1件についても「容認できる」とした。 倫理委員会の審査手続きがなく、患者の書面による同意がなかったこと、資料がきちんと残されていなかったことは「病院と万波医師に問題があったと言わざるを得ない」とした。しかし「医療の選択肢として病気腎移植を完全に否定はできない」として、結論を持ち越した。 万波医師らは、病気腎移植について5月に米国の学会で発表する予定。調査委は、6月ごろに再開する。 大島伸一・日本移植学会副理事長は、「病気腎移植は原則的に認められる医療ではなく、容認できない。調査委員会の構成は身内ばかりで第三者が少なく、問題があった」と批判した。』 |
| 2007.03.04 | ☆「患者と向き合っている」万波医師、調査委で持論展開 4日朝、読売新聞は以下のように報じている。 『医療の常識、ルールを無視した暴走行為だ」「患者のためにやったこと。間違ってはいない」――。 宇和島徳洲会病院(愛媛県)で行われた11例の病気腎移植をめぐり、大阪市内のホテルで3日開かれた同病院の調査委員会。初めて出席した万波誠医師(66)は、「患者と向き合っており、教科書を見て治療をしているのではない」などと持論を展開した。 医学的見地から批判する外部委員と、万波医師を何とか守ろうとする徳洲会関係の委員の意見は、最後まで対立。調査委が出した万波医師の移植を強く支持する結論に、専門委員の一人は「多勢に無勢。もう委員をやめたい」と話した。 「専門委員会も万波医師に話を聞いたが、一方的に質問し、話を十分に聞いていなかったようだ。今日、万波医師から十分に話を聞き、同じように専門委員会も話を聞けば、意見が変わるのではないか」。東京西徳洲会病院から、調査委員会にこの日初めて参加した泌尿器科医は、こう話した。 記者会見には、貞島博通・宇和島徳洲会病院院長のほか、外部委員として調査委員会に参加している雨宮浩氏(日本移植学会)、高木美也子・日本大総合科学研究所教授ら7人が出席。この日の調査委では、3時間にわたり万波医師の意見を聞いたという。その結果、すべての摘出や移植を不適切とした専門委員会の見解はほとんど採用されず、導かれた結論は、同病院で行われた病気腎の摘出6件すべてが問題ないというものだった。 雨宮氏は日本移植学会から派遣され、同学会の考え方を公式に調査委員会に伝えるなど連絡役を務める立場だ。しかし、委員の多くが徳洲会関係者である状況。「100%納得はしていないが、委員としては認めざるを得ない。意見を強制するのは難しい。調査委員会の判断、専門委員の判断、それら両方があってもよい」と話した。 記者会見では、専門委員の見解を否定する報告内容へと質問が集中したが、徳洲会の役員らは「臨床の立場とカルテだけを見た専門委員の立場は違う」「万波医師の説明を聞けば、出席していない専門委員の意見も変わるのではないか」などとかわし続けた。』 |
| 2007.02.24 | ☆病気腎臓移植“多くの問題” 日本移植学会 24日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県などの病院で、病気の腎臓が別の患者に移植されていた問題で、調査に当たっている日本移植学会の田中紘一理事長は24日の記者会見で、手術の進め方や病院の管理体制に多くの問題があったとする見解を示しました。 この問題で日本移植学会は、日本泌尿器科学会などほかの4つの学会とともに、一連の移植手術にかかわった宇和島徳洲会病院などの病院が設けた委員会と、厚生労働省の調査班にメンバーを参加させて、医学的な検証を進めています。24日、東京で開かれた移植学会の臨時理事会では、宇和島徳洲会病院の委員会に参加している委員が、11例の移植のほとんどのケースで医学的な問題があったと判断したことなど、各委員会や調査班で進めている調査の状況について報告がありました。このあと記者会見した田中紘一理事長は「最終的な見解は先になるが、多くの調査委員会で、第三者の提供者から腎臓を摘出して移植する手術の進め方の不備や、倫理委員会がないなど病院の管理体制の問題が指摘されており、わたしもそう思う」と述べ、多くの問題があったとする見解を示しました。日本移植学会は今後の調査の進展を見て、来月末をメドに、5学会合同で一連の移植手術に対する見解を示すことにしています。』 |
| 2007.02.24 | ☆病気腎移植:25件すべての摘出症例「医学的に問題」 24日朝、毎日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、同医師が前に勤務した同市立宇和島病院で行った病気腎移植25件について医学的妥当性を検討していた同病院の調査委員会が、この25件すべての摘出症例について「医学的に問題がある」との中間報告をまとめたことが分かった。日本移植学会など5学会と各病院の調査委員会で作る合同会議で報告、移植を受けた患者(レシピエント)の予後をさらに調査したうえで、最終的な報告を3月中にもまとめる。 同病院では、がんやネフローゼ症候群の患者などからの病気腎の摘出・移植を実施。ネフローゼ症候群については「他の内科的治療をすべきだった」、がんやその他の疾患についても「ドナーに残す治療方法もあった」などとされたという。「摘出という判断もあり得る」という意見が出た症例もあったが「問題がないとまでは言えない」という意見が大勢を占めたという。 一方、摘出した腎臓の移植手術については、カルテが十分に残っていないことなどから、レシピエントの予後がよく分かっておらず、今後調査を続ける。 宇和島徳洲会病院では、同病院で行われた11件の病気腎移植手術について「摘出・移植ともに医学的には不適切」という結論が出されている。』 |
| 2007.02.23 | ☆病腎移植の正当性訴え ドナー5人 23日朝、産経新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる病腎移植問題で、同病院で病腎の摘出を受けたドナー(臓器提供者)5人が22日、万波部長による摘出手術の正当性を訴える会見を開いた。病腎移植を禁止する方向で検討している日本移植学会などの動向を受けて病院側が設定。患者らは「学会はなぜカルテだけで判断できるのか。患者の話も聞いてほしい」と訴えた。 同病院で平成16年9月〜18年9月に行われた11例の病腎移植のドナーのうち5人が出席。尿管狭窄(きようさく)で手術を受けた40代の男性会社員は「万波先生には摘出以外の治療法も説明してもらった」としたうえで、「一日も早く仕事に戻りたかったので自ら摘出をお願いした」と話した。 70代の農業の男性は他の治療の選択肢も示されたとし、「家族で話し合って摘出を決めた。取ってもらってよかったと思う」と述べた。ネフローゼ症候群で両腎を摘出された無職、水島辰喜さん(53)は「学会はなぜカルテだけで判断できるのか。患者の意見や病状をみてほしい」と訴えた。 患者とは別に会見した万波部長は「医療に絶対的な治療法はなく、患者と向かい合うことで方法が決まる。信念をもってやった」と改めて病腎移植の正当性を訴えた。』 |
| 2007.02.22 | ☆万波医師、学会方針に従う考え示す 22日夜、TBSは以下のように報じている。 『病気の腎臓移植に対する議論が活発化する中、執刀した万波誠医師は22日、会見を開き、来月にも出される移植学会などの方針に従う考えを示しました。 「私だけが医療をしているわけではないですから。私の背後には病院もありますし、社会的背景がありますから、勝手な暴走はなかなかできない」(宇和島徳洲会病院 万波 誠 医師) 万波医師はこのように述べ、これまでの移植に問題はなかったとしながらも、日本移植学会など5つの学会が来月にも病気の腎臓移植に厳しい評価を出すとみられる中、今後はこうした学会の方針に従う考えを示しました。』 |
| 2007.02.19 | ☆「移植は患者の権利」万波医師支援者が厚労省に訴え 19日夜、ANNテレビ朝日放送は以下のように報じている。 『愛媛県の宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが病気の患者の腎臓を移植に使っていた問題で、万波医師らの支援者らが厚生労働省を訪れ、移植を推進するよう訴えました。 万波医師らの支援者:「多少のリスクがあっても、それを受け入れて元気になりたいというほうに賭けるんだったら、(病気腎移植は)患者の権利としてあるべきだと思います」 支援者らは、万波医師が今後も医療活動を続けられるよう、約6万2000人分の署名を提出し、可能な限り病気腎移植を進めてほしいと訴えました。万波医師らが行った11件の病気腎移植について、宇和島徳洲会病院は、外部の専門家などを入れた調査委員会などで検証しています。18日に行われた移植学会などが出席した会議では、「がんや感染症の患者からの腎移植は、医学的に適切でない」とする意見が相次ぎました。』 |
| 2007.02.19 | ☆病気腎移植は原則禁止、5学会が方針 「万波式」を否定 19日朝、朝日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる「病気腎」移植について、日本移植学会など関係5学会は、「原則禁止」の方針を打ち出すことを決めた。がんとネフローゼ症候群の患者からの移植は、免疫抑制下で「再発」の危険が高まるなどとして「絶対禁止」とし、それ以外についても例外的なケースを除いて禁止する方向で合意した。3月末の合同会議で、指針としての公表も検討する。個別症例ごとの検証結果は、同病院などに設けられた調査委員会と厚生労働省の調査班が、この方針に沿ってまとめる見通しだ。 同病院と同市立宇和島病院、呉共済病院(広島県呉市)の3病院でこれまでに実施された病気腎移植は計42件。臓器提供者(ドナー)の病名の内訳は、がん(腎がん、尿管がん)16件▽ネフローゼ症候群8件▽動脈瘤(りゅう)6件▽尿管狭窄(きょうさく)4件▽その他(良性腫瘍(しゅよう)や腎臓結石など)8件で、がんとネフローゼで半数以上を占めている。 5学会は病気腎を移植した場合の患者への影響などを医学的に検討。その結果、移植後の免疫抑制剤投与によって、移植患者の体内でがんが「再発」したり転移したりすると、急速に進行する恐れがあるとの見解でほぼ一致した。万波医師の執刀で94年ごろ、尿管がんだった患者の腎臓を移植された男性がその後、肺がんや肝臓がんを患って死亡。移植との因果関係は立証されていないものの、こうした実例の存在が重要視された。 また、たんぱく尿が出るネフローゼ症候群については、内科的な治療法が発達していて、外科的な摘出の必要がないと判断した。 脳死や心停止後の臓器移植の場合、がんや感染症の患者からの臓器提供は、厚労省の局長通知で禁じられているが、治療目的で摘出した腎臓を別の患者に移植する病気腎移植のようなケースを想定したルールはない。このため、がんの腎移植は外科医らでつくる日本泌尿器科学会が、ネフローゼについては内科医らも加入する日本腎臓学会が、それぞれ近く理事会を開き、腎移植の禁止を機関決定する見通し。 関係学会の幹部によると、通常の腎移植の現場でも、提供された腎臓に動脈瘤などの病気が見つかることがまれにあり、その場合は病気の部分に治療を施したうえで移植される。ただ、こうしたケースはあくまで例外的で、移植を前提とした「万波移植」については、否定の方針を明確に示すことにした。方針に反しても罰則はないが、日本での移植医療が困難になる。 万波医師は18日、朝日新聞の取材に対し、「日本の医療界が禁止するのなら、病気腎移植をやめるしかない。ただ、支援してくれた患者らのことを思うと、医者としては今後も頑張らないといけない」と話した。』 |
| 2007.02.18 | ☆病気腎移植は一部「不適切」、専門委 宇和島徳洲会病院 18日夜、TBS「NEWS i」は以下のように報じている。 『愛媛県の宇和島徳洲会病院で病気の腎臓を移植していた問題をめぐり、大阪市内で開かれた18日の病院の調査委員会で、摘出に一部医学的に問題があったとする指摘が出されました。 宇和島徳洲会病院では、万波誠医師が執刀した11件の病気の腎臓移植について、外部の医師らが調査委員会で、腎臓の摘出と移植の妥当性や、患者への説明が十分だったのかなどを調べてきました。 調査委員会の18日の会合では、委員から「摘出した腎臓の中には、他に投薬などの治療方法があったのではないか」といった医学的な問題を指摘する意見が出されたほか、文書などを残していない点について、「手続きに問題があった」という意見も出されました。 委員会では、結果を今月24日の日本移植学会の会合に報告する方針ですが、17日に開かれた5つの学会による話し合いでは、こうした移植に対し批判的な意見が相次いでいて、移植学会の会合でも否定的な見解が出されるとみられています。』 なお、同夜、NHKのインタビューに答えた同医師は「調査委はカルテしか見ずに判断したのだろう。私は患者を診ている。そこが食い違いの原因ではないか」と批判した。 |
| 2007.02.17 | ☆腎移植 無断で負担かかる手術 宇和島徳洲会病院 17日夜、NHKは次のように報じている。 『愛媛県の宇和島徳洲会病院で行われた病気腎移植の問題で、腎臓を提供した患者の摘出手術の際に、移植のため血管を長く切り取るなど、患者に負担のかかる手術が無断で行われていたことが外部の専門家の調査でわかりました。 宇和島徳洲会病院では、万波誠医師が中心になって、病気を理由に摘出された腎臓を別の患者に移植する手術を去年までの2年間に11件行っていたことが明らかになり、病院は外部の専門家による委員会を設けて調査してきました。このうち去年8月、岡山県和気町の北川病院で動脈りゅうの患者から腎臓が摘出された手術では、患者に無断で、腎臓につながる血管を長く切り、大静脈の一部まで切り取られていたことがわかりました。 大静脈を切り取るのは患者に負担がかかるため、生体腎移植では通常行いませんが、摘出を担当した医師は「移植しやすくするために切った」と説明したということです。また、香川県丸亀市の香川労災病院で、去年行われた2人の腎臓がん患者の摘出手術では、がんの転移を防ぐため最初に血管を縛って腎臓の血液の流れを止める処置を行っていませんでした。移植する腎臓をよい状態に保つためとみられていますが、がんが転移するリスクを高めていたということです。調査した専門家は「移植のみを念頭に置いた手術で、誰のための手術か疑われる」と指摘しています。』 |
| 2007.02.17 | ☆病気腎移植:感染症患者から移植、万波医師が実施 17日朝、毎日新聞は以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、B型肝炎ウイルスや梅毒ウイルスの反応が陽性の患者、腎臓が細菌感染などで化のうする腎膿瘍(じんのうよう)の患者の腎臓が移植に使われたことが分かった。いずれも、万波医師が前任の市立宇和島病院で実施。感染症患者からの移植は移植を受ける患者への感染の恐れがあるため、避けるべきだとされており、病院の調査委員会などで検討を進めている。 関係者によると、B型肝炎ウイルスのケースは00年12月、ネフローゼ症候群で両腎摘出手術を受けた。移植前に検査をしたが万波医師は「B型肝炎ではない」と判断して腎臓を2人に移植。その後の血液検査でB型肝炎ウイルス陽性が判明したという。腎膿瘍患者の腎臓は95年11月に移植したが腎機能が十分でなく、移植された患者はその後人工透析に戻っている。 万波医師は毎日新聞の取材に「移植前の検査でB型肝炎ウイルスの陽性反応は出なかった。知っていて移植したのではない」と話し、腎膿瘍については「化のうした部分を切除すれば、きれいな腎臓だった。抗生物質を投与すれば問題ないと判断した」と述べている。 一方、梅毒の抗体が陽性だったのは三原赤十字病院(広島県三原市)で03年、尿管がんの男性患者から摘出した腎臓を移植したケース。抗体反応は治ったと判断されるレベルだったため、当時の主治医は問題ないと判断。摘出手術は万波医師の実弟の廉介医師(61)が執刀し、市立宇和島病院で誠医師が移植した。 当時の主治医は「梅毒は昔にかかったもので既に治っており、当時できた抗体が残っている状態。腎臓を移植しても梅毒がうつるわけではなく、医学的に問題はないと判断した」と話している。』 |
| 2007.01.14 | ☆摘出病院関係者から聞き取り=病気腎移植で厚生労働省調査班 14日夜、時事通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院の万波誠医師らによる病気腎移植問題で、ドナーとなった患者からの腎臓摘出が適切だったかを検討する厚生労働省の調査班の第2回会合が14日、岡山市内で非公開で開かれ、万波医師の弟で摘出手術を執刀した万波廉介医師や病院関係者から聞き取り調査を行った。 同日の会合では、備前市立吉永病院(岡山県備前市)、北川病院(同県和気町)、三原赤十字病院(広島県三原市)の3病院で行われた4例の摘出手術について、カルテやレントゲンを示しながら説明を受けたという。』 |
| 200612.27. | ☆臓器売買判決:レシピエントら2被告有罪 松山地裁支部 26日昼、毎日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)であった生体腎移植手術を巡る臓器売買事件で、臓器移植法(臓器売買等の禁止)違反の罪に問われたレシピエント(移植を受けた患者)の同市中沢町1、会社役員、山下鈴夫被告(59)と内縁の妻の会社社長、松下知子被告(60)の判決公判が26日、松山地裁宇和島支部であった。福井健太裁判長は両被告にそれぞれ懲役1年、執行猶予3年(ともに求刑・懲役1年)を言い渡した。判決は生体腎移植の現状について「制度上の問題点がある。起こるべくして起きた事態。早急な法整備やガイドライン策定を強く希望したい」と批判した。 97年の同法施行以来、臓器売買に対する判決は初めて。弁護側は控訴しない方針。 判決は制度上の問題点について「脳死移植に比べて規制が十分ではなく、当事者や医師らの倫理観に委ねられているのが実態」とし、「不審な手術に歯止めをかける役割の自覚を医師らに強く求めたい」と述べた。 判決などによると、山下被告は05年6月ごろ、腎不全が悪化し、主治医の万波誠医師(66)から腎移植を勧められた。親族に腎臓提供を断られ、松下被告は8月、松山市の知人女性(59)=同罪で罰金100万円の略式命令確定=に自動車の謝礼を約束して提供を承諾させた。松下被告は医師に対し「妹」と説明していた。 9月、手術は成功。女性が10月下旬に手術後の痛みなどを訴えたため、両被告は謝礼として11月ごろに現金30万円、今年4月には国産自動車(150万円相当)1台を提供した。 今月5日の初公判で弁護側は起訴事実を認め、脳死移植が進まずドナー(臓器提供者)が不足している現状を訴え、病気の悪化で追いつめられていたとして、執行猶予付き判決を求めていた。 事件発覚後、病院の調査で万波医師が腎がんなどの病気で摘出した腎移植を11件執刀したことが判明。安全性や公平性の面で批判を浴びた。前任の市立宇和島病院でも、少なくとも13件の病気腎移植を実施していた。』 |
| 2006.12.24 | ☆医学的検証、来月にも結論=病気腎問題で専門委会合-宇和島徳洲会病院 24日夜、時事通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院の万波誠泌尿器科部長(66)による病気腎移植問題で、同病院の調査委員会が設置した専門委員会が23、24の両日開かれた。病院側は専門委員に対し、11件の病気腎移植手術の資料を提示。今後、各委員がそれぞれの専門的立場からリポートを提出する。調査委はこれを受け、来月中旬にもそれぞれの移植が妥当だったか一定の結論を出す。』 |
| 2006.12.23 | ☆専門委で病気腎移植検証 宇和島徳洲会病院 23日夕、産経新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)が中心となって実施した病気腎移植問題で、同病院は23日、医学的観点から病気腎移植の妥当性を検証する専門委員会の初会合を開いた。 委員会は院外の専門家ら7人で構成され、24日も開かれる。腎臓の摘出が妥当だったか、患者への説明が十分だったかなどを調べ、24日には万波医師からの聞き取りも行う予定。検証結果は、病院が別に設置している調査委員会に報告される。 万波医師は同病院で11件の病気腎移植を実施。前任の市立宇和島病院では、少なくとも13件行っていたことが明らかになっている。』 |
| 2006.12.05 | ☆臓器売買事件初公判、2被告が起訴事実認める 即日結審 求刑は懲役1年 5日夕、朝日新聞は以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市で起きた生体腎移植をめぐる臓器売買事件で、臓器移植法(臓器売買等の禁止)違反の罪に問われている同市の水産会社役員、山下鈴夫(59)と、同社社長の松下知子(60)両被告の初公判が5日、松山地裁宇和島支部(福井健太裁判長)であった。両被告はいずれも起訴事実を認め、検察側は「犯行は悪質で、移植の公平性を損なった」などとして2被告にそれぞれ懲役1年を求刑、即日結審した。判決は26日に言い渡される。 検察側の冒頭陳述などによると、内縁関係にあった山下、松下両被告は05年夏、知人だった松山市内の貸しビル業の女性(59)に対し、重い腎臓病を患っていた山下被告に腎臓を提供するよう依頼。女性の承諾を得て同年9月末に宇和島徳洲会病院で移植を受け、その謝礼として同11月に現金30万円を、今年4月に乗用車の新車(150万円相当)をそれぞれ渡したとされる。 検察側は論告で、「謝礼を前提に積極的に女性に犯行を持ち掛けた。社会的な警鐘を鳴らす意味でも刑を重くするべきだ」と指摘。一方、弁護側は「当初から買い取ろうとしたわけでなく、臓器提供者が身内にいなかったから犯行に至った」などとして、寛大な判決を求めた。』 |
| 2006.12.03 | ☆関与の全10病院調査へ 病気腎移植問題で学会方針 3日午後、朝日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる「病気腎」移植問題で、日本移植学会と日本泌尿器科学会は、移植に関与した10病院すべてについて、摘出手術と移植手術の医学的妥当性を調査する方針を決めた。早ければ年内にも調査結果をまとめる。すでに患者の病状や手術内容を明らかにするための質問票を作成しており、近くカルテの閲覧などを含む本格的な調査に入る。 日本移植学会の田中紘一理事長ら複数の学会幹部によると、調査は学会が派遣する専門医を中心に、カルテや看護記録、検査結果を閲覧したり、手術にかかわった医師や必要な場合は患者にも聞き取りをしたりして、質問票の回答欄を埋める方法を取る。 そのうえで回答結果を分析し、腎臓摘出手術の場合は、「摘出の必要はなく、明らかに医学的に妥当でない」というケースから「摘出にやむを得ない事情があり、議論の余地はある」というケースまで5段階程度で評価。調査結果としてまとめるとしている。 病気腎移植に関与した10病院のうち、万波医師を中心とした通称「瀬戸内グループ」の移植医が勤務し、腎臓の摘出や移植手術を実施するなどしていた宇和島徳洲会病院と同市立宇和島病院、呉共済病院(広島県呉市)、香川労災病院(香川県丸亀市)の4カ所については、各病院が設置した調査委員会に学会側が専門医を派遣。摘出の是非などを慎重に調べる。 一方、摘出した腎臓を移植用に送っていた6病院のうち、岡山、広島両県にある5カ所は、厚生労働省が学会側に協力を依頼して独自に設置した調査班が担当する。』 |
| 2006.11.27 | ☆万波医師支援の会に、移植患者ら700人 27日昼、朝日新聞は以下のように報じている。 『「病気腎」の移植を重ねていた宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)を支援する「移植への理解を求める会」(向田陽二代表世話人)の設立総会が26日、同市内で開かれた。移植患者ら約700人が会員となったことが発表され、病気腎移植を前向きに検討するよう求める要望書を、27日に厚生労働省や日本移植学会などに送る方針を決めた。 総会には、万波医師から腎移植手術を受けた患者ら約120人が出席。病気腎移植について、公平性や公開性など改善すべき点を改めたうえで、正当な医療行為として認めるよう国などに申し入れることを確認した。』 |
| 2006..11.26 | ☆2人は病名知らず移植 宇和島徳洲会の病気腎 26日夕、共同通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)は26日、万波誠医師(66)が執刀した11件の病気腎移植の調査結果を発表、移植を受けた患者のうち2人は、病気の腎臓と説明されたが病名は聞かされていなかったことを明らかにした。 記者会見した貞島博通院長らによると、2人は尿管下部狭窄と腎結石の腎臓を移植されたが、病院側の聞き取りに対し、「万波先生を信頼しており問題はない」と答えたという。 病院が設置した調査委員会メンバーの弁護士は、摘出6件と移植11件について「全件、口頭ではあるが法律的には説明、同意があったと判断される」としている。 貞島院長らは、別の病院での摘出5件のうち1件で、摘出した病気の腎臓は移植に使うという説明がなかったことを明らかにしたが、調査は摘出した病院に委ねるとしている。 移植患者を選ぶ基準について、貞島院長は「万波先生の頭の中に順位があったのではないか。オープンではなかった」との見解を示した。 今後、泌尿器科医ら6人による専門委員会を新たに設け、病気の腎臓摘出が必要だったかなど、医学的観点から検証する。万波医師からも説明を求めるという。 これまで親族間と確認されていなかった生体腎移植5件のうち、3件は親族間と確認された。2件は移植患者が死亡したなどの理由で関係が不明のままだが、病院は「親族関係がないと疑わせる事情はない」と説明している。 病院は臓器提供者と移植患者から、摘出に同意したか、病気腎のリスクを説明されたかなどを聞き取った。健康状態はいずれも良好という。』 |
| 2006.11.25 | ☆病気腎で「ドミノ移植」 万波医師ら6年前に 25日夕、朝日新聞は以下のように報じている。 『病気の腎臓を使った移植を重ねていた宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らが、前勤務先の同市立宇和島病院で6年前、親族からの生体腎移植を受けたネフローゼ症候群の患者から2個の腎臓を摘出し、同時に2人の腎不全患者に移植する「ドミノ病気腎移植」を実施していたことがわかった。生体肝移植などで用いられるドミノ移植を腎臓に適用したのは、国内では極めて異例。複数の専門医は、その有効性に疑問を投げかけている。 市立宇和島病院などによると、00年8月、当時21歳だった難治性ネフローゼの男性患者が再発を繰り返し、薬物療法に難色を示したため、男性の兄を臓器提供者(ドナー)にして生体腎移植を実施。摘出された二つの腎臓はその日のうちに、いずれも腎不全を患っていた愛媛県内の50代男性と高知県内の50代女性に移植された。 3人の移植手術はすべて万波医師が執刀し、ほかに同病院の医師らが立ち会った。術後2年が過ぎた時点で3人とも経過は良好だったという。かかわった医師の一人は「米国で既に、病気腎を使って同様のドミノ移植が行われていたのを知っていた。患者の状態も良かった」と話す。この移植については、02年に高知市で開かれた研究会で報告していた。 一方、ネフローゼ患者の移植については、「さまざまな治療薬を使って体内に残すのが通常の選択」など、否定的な意見が多い。国内で初めて成人間の生体肝移植を執刀した土肥雪彦・広島大名誉教授は「腎臓のドミノ移植は聞いたことがない。腎臓と肝臓とでは緊急性が違う。肝臓には機能を代替する機械がないため、問題のある肝臓でも移植するが、腎臓の場合は安全に透析治療ができるのだから、ドミノ移植をする論理は成り立たない」と指摘する。』 |
| 2006.11.25 | ☆病気腎移植「手続き問題なし」 宇和島徳洲会病院が見解 25日朝、朝日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる「病気腎」移植問題で、同病院は、臓器提供者(ドナー)となった患者と移植を受けた患者計15人から聞き取り調査した結果、「説明と同意など手続き面でおおむね問題はなかった」との見解をまとめた。25日に東京都内で開かれる同病院の調査委員会に報告される。ただ、医学的見地から今回の問題を検証する「専門委員会」は、まだ調査委内に発足しておらず、日本移植学会などからは「自らに都合の良い調査を先行させている」との批判も出ている。 関係者によると、聞き取り調査は病院側が依頼した弁護士によって行われ、病院のスタッフも同席した。対象となった患者は、同病院で04年以降に実施された計11件の病気腎移植の際、腎臓摘出手術を受けた5人と、移植手術を受けた10人。同病院以外で腎臓を摘出された5人の調査は、手術を実施した各病院に委ねることにした。 腎臓を摘出された患者については、摘出手術に関して十分な説明があったか▽ほかの治療法について説明を受けたか▽強引に摘出を勧められていなかったか▽摘出した腎臓を移植に使うことの同意があったか――を検証。その結果、説明と同意は患者本人だけでなく、家族が同席して行われており、「摘出については説明を受けたが、移植のことは聞いていない」と答えた1人を除き、ほぼ十分な説明がなされたと判断した。 一方、移植を受けた患者には、どういった病気の腎臓なのかや、病気腎の移植に伴う危険性などの説明を受けたかどうかを調査。「説明は十分になされ、ほぼ全員が治療の結果に満足している」とした。半面、文書による記録は残しておらず、院内に倫理委員会を設置していなかった、などの問題点も認めている。 今後は、日本移植学会と日本泌尿器科学会から調査委に派遣される専門医らが、カルテの閲覧などを通して医学的な検証作業を進める予定。今回の病院側の見解について、日本移植学会の幹部は「調査委にはこれまで、検証に必要な資料は一切、提出されておらず、評価のしようがない。病院側は早急に態勢を整え、外部の専門家に資料を開示すべきだ」と指摘する。』 |
| 2006.11.22 | ☆徳洲会病院を共同監査 診療報酬 不当請求の疑い 厚労省など 22日、愛媛新聞は以下のように報じている。 『厚生労働省と愛媛社会保険事務局、県は二十一日、生体腎移植の診療報酬を不当に請求した疑いなどがあるとして、臓器売買事件や病気腎移植問題の舞台となった宇和島市の宇和島徳洲会病院(貞島博通院長)を共同で監査した。三者共同による同病院への立ち入りは十月二十四日以来、二度目。この間に判明した病気腎移植の経緯についても病院側から事情を聴き、報酬請求が妥当かどうかの調べを進めたとみられる。 健康保険法などに基づく監査は、保険医療機関の診療内容や診療報酬請求に不正または著しい不当の疑いがある場合などに実施。関係者によると、愛媛社保局などは同病院が行った七十八件の生体腎移植の診療報酬を返還させることを視野に調査を進めており、監査の結果、不正・不当請求の事実が認められた場合、行政上の措置を検討する方針という。行政上の措置には保険医療機関の指定や保険医の登録の取り消し、戒告、注意がある。 臓器売買事件を機に同病院では、患者らへの文書による説明を定めた診療報酬請求の施設基準を満たしていなかった事実が判明。さらに七十八件のうち十一件は腎疾患患者から摘出した病気腎を移植しており、生体腎移植では健康な腎臓を前提としている診療報酬制度を逸脱している疑いが出ている。監査では、施設基準の適否とともに病気腎移植や報酬請求の経緯なども事実確認し、請求の妥当性について判断する。 また、通常の生体腎移植ではドナー(臓器提供者)の手術料などは移植患者の健康保険で賄われ、厚労省は報酬請求の際、移植患者のレセプト(診療報酬明細書)にドナーのレセプトを添付することを通知で定めているが、同病院はこれまでの取材に対し「(病気腎の)摘出と移植を院内で行った場合、請求は別々。他の病院から持ち込まれた場合は移植手術分だけの請求」と説明。社会保険庁関係者によると、実際にドナーのレセプト添付がないケースを確認しており、請求要件を欠く可能性が出ているという。 宇和島徳洲会病院の大湾朝明事務長は監査について「ノーコメント」とした。』 |
| 2006.11.20 | ☆臓器移植、全医師に「倫理」呼びかけへ…移植学会 20日昼、読売新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で病気の腎臓が移植された問題で、日本移植学会は19日、移植医療に携わる医師に対し、学会員、非学会員を問わず、倫理指針の順守と手続きの透明性を呼びかける方針を決めた。同日、東京都内で開かれた学会倫理委員会で合意した。 また、国際移植学会の指針改定作業に合わせ、1年以内に現行指針にはない、臨床研究に関する項目を追加する方針も決めた。具体的には、国の臨床研究指針の順守などを盛り込むという。 同病院の万波誠医師は、院内の倫理委員会などの審査・承認を経ずに、親族外の腎臓移植を実施。さらに、がんに侵された腎臓を移植に使うなど、危険の度合いが分かっていない医療を仲間内で進めていた。 これらの行為には学会の倫理指針に違反するものもあるが、万波医師は学会に所属していないため、処分などを行うことができず、学会内部から「移植医療全体に対する学会の責任と自浄能力が問われている」との声が上がっていた。』 |
| 2006.11.19 | ☆病気腎移植:1例目はがん患者提供 万波医師が明らかに 19日早朝、毎日新聞は以下のように報じている。 『病気のため摘出した腎臓の移植を続けてきた宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)は18日、毎日新聞の単独取材に応じ、病気腎移植の1例目は、提供者が腎がんの症例だったことを明らかにした。レシピエント(移植を受けた患者)の提供された腎臓にがんが再発しないというデータや根拠については、「ない」と明言。安全性に関する医学的な根拠や検証がないまま病気腎移植を進めてきたことが判明した。 万波医師によると、市立宇和島病院に勤務していた90年ごろ、腎がん患者の腎臓を摘出。4センチ以下の小さな腫瘍(しゅよう)部分を切除して他の患者に移植した。患者には腎臓摘出後にそれぞれ口頭で了解を得たという。腎がんのドナー(臓器提供者)を選んだ理由は「たまたま(患者が)出たから」と計画性を否定した。 万波医師は「万一、移植した腎臓にがんが残っていても、(ドナー)本人に残すより(再発の)リスクは低い気がした」と主張。日本移植学会などの専門家は、レシピエントは免疫抑制剤を使うため免疫機能が低下し、がんになりやすいとして、腫瘍部分を摘出したとしても移植に反対しているが、「がんのような異物に対しては、必ず排除しようとする反応が起きる。万一再発しても免疫抑制剤の投与をやめれば、そのがんはひょっとしたら消失するかもしれない」と独自の理論を展開。「(1例目を含め)再発が疑われ、投与をやめたケースは全くない」と強調した。 また、移植する患者を選ぶ基準は「ない」と明言し、「(適当な人を)思いついたら、その人にやるだけ。順番も何もない。うまくいかなかったら文句を言うような人とか、いろいろ考えて(選ぶ)」と述べるなど、移植機会の公平性という移植医療の原則を軽視する姿勢もうかがわせた。 病気腎移植を公表してこなかったことには、「公表すればたたかれると思ったし、反論するのも面倒くさかった」と釈明した。』 |
| 2006.11.16 | ☆病気腎移植発覚2週間 グループ間で融通 16日朝、山陽新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)での万波誠医師(66)による病気腎移植問題が発覚して16日で2週間。その間、岡山、広島、香川、鹿児島県の各病院でも摘出や移植が相次いでいた実態が明らかになった。病気腎の流れをたどると、万波医師は弟の廉介医師(60)=岡山市=らと「瀬戸内グループ」と呼ばれる独自の移植ネットワークをつくり、腎臓を融通していた構図が浮かぶ。 宇和島徳洲会病院が2日に公表した2004年以降の病気腎移植は11件。6件は同病院で摘出し移植したが、岡山県では備前市立吉永病院(備前市)、川崎病院(岡山市)、北川病院(和気町)で各1件、香川県では香川労災病院(丸亀市)で2件が摘出されていた。その後、岡山協立病院(岡山市)や広島県の呉共済病院(呉市)などでの摘出、移植も判明。明らかになった実施数は約30件で、5県10病院が関係した。』 |
| 2006.11.15 | ☆広島の腎移植 倫理委を開かず 15日夜、NHKは以下のように報じている。 『広島県呉市の呉共済病院で病気を理由に摘出された腎臓が別の患者に移植されていた問題で、広島県の調査の結果、これらの手術の前に病院の倫理委員会が開かれていなかったことがわかりました。 呉共済病院の光畑直喜医師は、平成3年から13年にかけて、がんや動脈りゅうを理由に摘出された腎臓を別の患者に移植する手術をあわせて6件行っていました。光畑医師は、このほかにも、親族以外の健康な第三者から提供を受けた腎臓の移植手術を3件行っていました。これについて、広島県が職員を病院に派遣して調査した結果、これらの9件の手術のうち8件は、平成3年6月に病院の倫理委員会が設置された以降に行われていましたが、8件とも倫理委員会に諮られていなかったことがわかりました。これについて、光畑医師は「倫理委員会にかけなければいけないという認識がなかった」と説明したということです。日本移植学会の倫理指針では、健康な人から腎臓の提供を受ける生体腎移植について、親族以外からの提供の場合は医療機関の倫理委員会で審査するよう定めています。県は、倫理指針を順守して倫理委員会で審査するよう病院側に要請しました。』 |
| 2006.11.14 | ☆呉共済病院を現地調査=病気腎移植問題で広島県 14日午後、時事通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠泌尿器科部長(66)に近い呉共済病院(広島県呉市)の光畑直喜泌尿器科部長(58)の病気腎移植問題で、広島県は14日、関係者からの聞き取りなど行うため、呉共済病院の現地調査に入った。』 |
| 2006.11.13 | ☆病気腎移植:ドナーからの摘出適切か…調査班設置へ 13日夜、毎日新聞では以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、厚生労働省は13日、日本移植学会や病気腎を摘出した病院とともに、臓器提供者(ドナー)からの腎臓摘出が適切だったかどうかを検討する調査班を設置することを決めた。 病気腎を患者へ移植した病院では調査委員会が設置されているが、患者から腎臓を摘出した病院では、事例が少ないことなどを理由に調査委を設置していない病院が多い。このため、厚労省が日本移植学会と病気腎の摘出病院に調査班設置を呼びかけた。同省は「専門家が疑問を指摘する摘出がいくつもある。今回の問題の全体を究明する必要がある」としている。 調査班には、日本移植学会、日本泌尿器科学会の専門医、移植に詳しい有識者、各病院の担当者らが参加する。患者のカルテなどを基に、「摘出が必要だったのか」「患者の提供の意思確認は十分だったのか」などを年内をめどに調べる。 また2学会は、病気腎移植をめぐり、既に調査委を設けた宇和島徳洲会病院▽市立宇和島病院▽香川労災病院(香川県丸亀市)▽呉共済病院(広島県呉市)--の4病院の要請を受け、各病院の調査委に2学会から会員を1人ずつ派遣することを決めた。日本移植学会の田中紘一理事長は「資料の保管期間などもあり、最近5年間の病気腎移植事例について実態を把握したい」と話した。』 |
| 2006.11.13 | ☆病気腎提供者 移植説明受けず 13日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の病院で、病気を理由に摘出された腎臓を、別の患者に移植していた問題で、腎臓を摘出された岡山県内の女性がNHKのインタビューに答え、「手術前に医師からは移植に使われるという説明は受けなかった。裏切られた思いだ」と述べました。 腎臓を摘出されたのは、岡山県内に住む70歳の女性です。この女性によりますと、ことし7月、岡山県備前市の病院で、腎臓の診察を受けた際、宇和島徳洲会病院の万波誠医師の弟の万波廉介医師から、「がんの疑いがある」と診断され腎臓の摘出を勧められたということです。女性は摘出に同意し、廉介医師によって手術が行われましたが、腎臓は摘出後に、がんでないことがわかったうえ、女性に知らされないまま、宇和島徳洲会病院に運ばれて、別の患者に移植されたということです。手術前に、女性は腎臓が移植に使われることについて一切説明を受けておらず、手術から3日ほどたって、廉介医師から移植の事実を知らされたということです。女性は「移植された人が、その後、よくなったと言われて、初めて移植に使われたことがわかった。使える腎臓ならば、なぜ戻してくれなかったのか。裏切られた思いだ」と話しています。一方、これまでNHKの取材に対して、万波廉介医師は「患者には家族も含めてあらかじめ十分説明し、同意を得たうえで移植に使った」と説明していました。』 |
| 2006.11.13 | ☆万波医師の退任を要求 03年、市立病院に愛媛大 13日朝、共同通信は以下を配信した。 『病気腎移植問題で万波誠医師(66)が市立宇和島病院(愛媛県宇和島市)で泌尿器科の科長を務めていた2003年、同病院に医師を派遣していた愛媛大医学部が病気腎移植を問題視し、病院側に万波医師の退任を要求していたことが13日、分かった。 大学側は要求が受け入れられなければ派遣した医師を引き揚げる方針を示したという。万波医師は翌年3月に市立病院を辞め、4月に開業した宇和島徳洲会病院(同市)に移った。 市立病院や愛媛大の関係者によると、大学側が万波医師の退任を病院側に迫ったのは03年初めごろ。大学側は「病気腎移植は適当ではない。万波医師とは意見が合わない。辞めさせないと医師の派遣はしない」と迫った。 大学側は、万波医師が派遣された若い医師の教育に熱心でなく、後継者を育てないことも問題点として挙げたという。 これを受けて当時の院長は、万波医師に手術態勢の改善などを勧告したが、万波医師は聞き入れなかったという。 万波医師は当時、腎移植の多くを弟の廉介医師(60)や呉共済病院(広島県呉市)の光畑直喜医師(58)と行い、大学の派遣医師らは縫合などを担当していた。大学側は派遣を終えて戻った医師らを通じ、病気腎移植の事実を知ったとみられる。 万波医師は、当時の院長から事実上の退職勧告を受けたと認めたが、市立病院を辞めた理由は「話したくない」としている。 全国の大学医学部は地域医療のレベルを維持するとの理由で、地域の公立病院などに医師を派遣しており、市立宇和島病院にも愛媛大が数年交代で多くの医師を派遣している。 万波医師をめぐっては、市立病院で1990年ごろから10-15件、宇和島徳洲会で11件の病気腎移植をしていたことが明らかになっている。』 |
| 2006.11.13 | ☆社保事務局、立ち入りへ…愛媛・宇和島徳洲会と市立宇和島病院 診療請求要件調査 13日、読売新聞は以下のように報じている。 『病気腎移植問題で、愛媛社会保険事務局(松山市)と愛媛県は、こうした手術は診療報酬請求の要件を満たしていない可能性があるとして、移植が行われていた同県宇和島市の宇和島徳洲会と市立宇和島の両病院に対し、月内にも立ち入り調査をすることを決めた。適切でないと確認できれば、診療報酬の返還を求める。 現在の診療報酬制度で想定されている臓器移植は、健康な臓器を使うことを前提としている。このため、病気腎移植は、保険が適用されない「自由診療」との見方もでき、同社保事務局と県はカルテや診療明細(レセプト)を精査する必要があると、判断した。 立ち入り調査では、宇和島徳洲会病院の11件、市立宇和島病院の10〜15件のうち、カルテや関係書類の保存義務がある5年前の2001年以降のケースについて調査し、診療請求が妥当かどうかを調べる。 生体腎移植の1件あたりの手術料は01〜03年度が74万8000円、04〜05年度が71万2000円、今年度以降が74万8000円で、現在は3割が患者の自己負担になっている。 先月24日、同社保事務局と県は宇和島徳洲会病院で行われた生体腎移植について、患者との事前説明や同意の文書が残されていなかったことから、保険適用の要件が不足しているとして立ち入り調査をしている。』 |
| 2006.11.12 | ☆万波医師:米国から死体腎を空輸して男女に移植 82年 12日未明、毎日新聞は以下のように報じている。 『手法や手続きが問題になっている一連の病気腎移植を執刀した万波誠医師(66)が、愛媛県宇和島市の市立宇和島病院に勤務していた82年6月、米国人女性の死体腎を空輸して県内の男女に移植する当時の日本では珍しい手術を実施した。男性は手術直後に死亡、女性も約2カ月後に拒絶反応を起こして腎臓を摘出し、人工透析生活を送った。05年6月に病死した女性の夫(68)が毎日新聞の取材に応じ、「妻は新しい手法の実験台だったのか。自分には詳しい説明はなく、今も手術が正しかったのか分からない」と話した。 夫の話などによると、女性は慢性腎不全に苦しみ、81年末ごろに同病院で万波医師の診察を受けた。しばらく人工透析を続けたが症状が悪化。移植を勧められたが適合するドナー(臓器提供者)が親せきにおらず、悩んでいる時、万波医師から「外国から腎臓を運ぶ方法ならある。どうしますか」と言われた。 「そんなことができるのか」。悩んだが、女性は「先生を信用してやってもらうよ」と手術を承諾。腎臓は、万波医師が研修したウィスコンシン大が無償で提供し、女性は82年6月21日、松山市の男性と共に、市立宇和島病院で移植手術を受けた。腎臓は19日に交通事故死した米国人女性のものだった。 空輸死体腎の移植は、日本では約1年前、仙台社会保険病院などで行われたばかりで、四国では初めてだった。地方都市で行われた万波医師の手術は話題になり、腎臓を輸送した技師らには宇和島市長の感謝状が贈られた。 しかし、男性は翌日に死亡。女性は7月に無事退院したが、8月ごろから微熱などの拒絶反応が続き、移植した腎臓を同病院で摘出した。この際、万波医師は「これはもう出しましょう」としか説明しなかったという。 万波医師はその後もたびたび腎移植を勧めたが女性は拒否し、05年に死亡するまで透析治療を続けた。夫には「もう移植は嫌。透析の方がまだまし」と話していた。 夫は自宅で取材に応じ、「万波先生は技術が高く、新しいことに挑戦したがっている印象を受けた。しかし、(空輸の死体腎移植が)珍しい方法だとか、(移植する)腎臓についての説明はあまりなかった」と明かした。「妻は長く生きられた。万波先生に恨みはない」とする一方、「病気腎移植などの報道を見て驚いた。外国からの空輸も『実験だったのでは』と思ってしまう」と静かに話した。』 |
| 2006.11.11 | ☆病気腎移植「まずいと思った」と元同僚医師が証言 11日午後、読売新聞は以下のように報じている。 『病気腎移植問題で、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)が市立宇和島病院に勤務していた際、病気腎移植にスタッフとして参加した県内の30歳代の男性医師が、読売新聞の取材に「病気の腎臓を移植するのはまずいんじゃないかと思った」と証言した。 この医師は当時、万波医師の移植や医療方針に疑問を感じ、別の病院に移ったが、「万波先生の実績を考えると、誰も物を言える雰囲気ではなかった」と振り返った。 この医師は、国立大学医学部を卒業後、約10年前に市立宇和島病院で勤務を始めた。万波医師の手術の技量や、1日3人の手術をこなす体力、集中力は突出していた。一方で、手術の内容について、スタッフの医師や看護師にほとんど説明がないこともあったという。 勤務し始めて数か月後の腎臓移植手術の時、手術室に運ばれてきた腎臓を見て病気腎と分かった。手術を補助しながら、病気腎移植は「まずいんじゃないか」と思ったが、「そんな雰囲気ではなかった」と口にできなかった。 医師は、医療方針を巡って万波医師と度々対立し、万波医師に「そんなことは関係ない」と言われ、「意見を聞かない万波先生とは一緒に仕事はできない」と思い、別の病院に移った。その後、交流はないという。 医師は、病気腎移植について「きちんと手順を踏めば、画期的な方法になるかもしれない」としながらも、「万波先生は、自分のやることはすべて正しいと思っていることが問題。理解されるはずがない」と話した。』 |
| 2006.11.11 | ☆腎移植の診療報酬請求「重複ない」徳洲会病院 11日朝、愛媛新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院が実施した78件の生体腎移植について愛媛社会保険事務局や県が診療報酬請求状況の調査を進める中、同病院は10日、11件の病気腎移植に関し「移植患者分は移植手術分だけ請求した。(摘出分との)重複請求などはない」と取材に答えた。通常の生体腎移植では、摘出と移植の両手術の診療報酬がセットで移植患者分として請求されるため、社会保険庁関係者は「移植手術分だけの請求は不自然。(請求を受けた支払機関が)病院側に照会していてもおかしくはない」と指摘している。 生体腎移植の診療報酬は、移植手術74万8000円と移植用腎臓摘出手術22万8000円のうち、自己負担分を除き、移植患者の加入する健康保険の支払機関に請求される。その際、移植患者のレセプト(診療報酬明細書)に腎移植手術の報酬点数や、ドナー(臓器提供者)の氏名と報酬点数を記載し、ドナーのレセプトも添付する。 宇和島徳洲会病院の事務長は「(病気腎の)摘出、移植両手術を院内で行った場合、請求は別々。他の病院から持ち込まれた場合は移植手術分だけの請求となる」と説明。病気腎移植を「分かっていた。だからきちんとできている」とレセプトなどを作成、管理する事務レベルでも知っていたことを示唆した。』 |
| 2006.11.10 | ☆万波部長 病腎移植したくて移籍? ≪市立宇和島病院 最後の9カ月間中断≫ 宇和島徳洲会病院(愛媛県)の万波誠・泌尿器科部長(66)らによる病腎移植問題で、万波部長が前任の市立宇和島病院を辞める直前の約9カ月間、病腎など不自然な腎移植を中断、16年4月に徳洲会病院に移籍した後、すぐに病腎移植を再開していたことが10日、分かった。移籍の半年前に病腎移植に反対の立場をとる市川幹郎院長が就任。万波部長が自由に腎移植をできなくなったことが移籍の背景にあったとみられる。 市立病院が今回の事件を受け、残っていた過去5年分の腎移植のカルテを調査したところ、ドナーの続柄欄が親族以外や空欄になっている不自然なものが、平成13年1月から15年6月までの約2年半で14件見つかった。 いずれも万波部長が執刀しており、病腎移植が疑われるケースも含まれるという。ところが、それ以降は不自然な腎移植は行われていない。 一方、市川院長の就任は、最後の不自然な腎移植から4カ月後の15年10月。市川院長は「私が院長になってから、病腎移植は絶対にしていない」と断言している。 万波部長は16年3月に山口大学卒業後30年以上勤めた市立病院を辞め、4月に新設の宇和島徳洲会病院に移籍した。すぐに病腎や非親族間の腎移植を再開。病院側の調査では病腎移植だけで11件に上っており、徳洲会病院の貞島博通院長は2日の会見で、病腎移植を容認していたことを認めている。 万波部長は昭和52年に初めて腎移植を手がけ、平成2年ごろから病腎移植を行っていた。関係者によると、市立病院では、54年に就任した近藤俊文・元院長が平成11年4月に退任するまで、万波部長の移植活動を全面的にバックアップしたという。 しかし、後を継いだ柴田大法・前院長は万波部長の方針と対立。その後の市川院長も同様に批判的で、病院関係者は「柴田前院長らとは仲が悪かった」と証言している。 万波部長は移籍の経緯について「ごく個人的なこと。もう年だし、給料が高いから辞めてくれと言うから辞めてやった」と取材に答えているが、市川院長は「辞表には『一身上の都合』と書かれてあったが詳しい理由は知らない」。徳洲会病院も「転院理由は把握していない」と話している。』 |
| 2006.11.10 | ☆病気腎「密室」の連携 独自の倫理観、院長には内証 10日夜、朝日新聞は以下のように報じている。 『病気の腎臓で移植を繰り返した宇和島徳洲会病院の万波誠・泌尿器科部長(66)らのグループは、主に瀬戸内地方全域で「病気腎」のネットワークを築き上げていた。医師たちは生体腎、死体腎に続く「第三の道」を旗印に、独自の倫理観と先進技術で、多くの移植を手がけた。だが、特異な姿勢が受け入れられることは少なく、「密室」への道をたどった。 病気腎の摘出が表面化した岡山協立病院の吉崎振起院長は8日夕、いら立ちを募らせていた。突然の「飛び火」のうえ、執刀した万波医師の弟、廉介医師(60)から何も聞かされていなかった。 廉介医師は、4年前まで同病院の泌尿器科部長。だが、院内の倫理委員会で審議されることはなかった。報道陣の前で、吉崎院長は何度も「残念だ」と繰り返した。 衝撃は、同じ岡山の備前市立吉永病院にも広がった。摘出した腎臓を持ち出した廉介医師は、荻野健次院長に「病理検査のため」と説明していたという。 同じ「瀬戸内グループ」の一人、香川労災病院の西光雄・泌尿器科部長(58)は「今までにない分野をやっているという認識があった」と正当性を主張しながら、病気腎の提供を倫理委に諮らなかった。 判明しただけで、病気腎にかかわったのは5県の10病院にのぼる。 計6件の病気腎移植が発覚した呉共済病院で山木戸道郎院長は「それなりの処分はしなければ」と言った。矛先は、すべての手術を執刀した光畑直喜・泌尿器科部長(58)に向けられた。 同病院でもかつて、腎移植をめぐって倫理委が開かれたことがなく、移植の権限は事実上、光畑医師に一任されていた。病院側が移植を把握したのは今月6日。光畑医師はいったん否定したが、夕方になって複数の移植手術を認めた。 瀬戸内グループの4人の医師たちは病院内でも浮いた存在だった。特に、万波医師は前勤務先の宇和島市立宇和島病院で、朝の科長会にほとんど参加せず、忘年会や送別会にも姿を見せなかった。腎臓の移植手術があると、廉介医師や光畑医師を呼んで手伝わせ、ほかの医師は脇役だった。 見かねた柴田大法・前院長は03年、万波医師を院長室に呼び、勧告文を手渡したが、万波医師は拒否。学会入りも勧めたが、従わなかったという。』 |
| 2006.11.10 | ☆診療報酬の返還請求へ 宇和島徳洲会病院 10日朝、神戸新聞は以下のように報じている。 『愛媛社会保険事務局は10日までに、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)に対し、2004年4月から今年九月までに行った生体腎移植78件について、診療報酬の返還を求める方針を固めた。 また78件のうち11件は病気の腎臓の移植で保険適用の規定がないため、愛媛社保局は保険適用が妥当かどうかなどの検討を始めた。 診療報酬制度では、腎移植や肺がんなど24分野の手術で「患者に文書を交付し内容を説明する」ことを求めているが、執刀医の万波誠医師(66)は口頭だけで患者に説明し文書を作成していなかった。このため保険適用施設の要件を満たしていないと判断した。 制度では、生体腎移植は、臓器提供者(ドナー)の腎臓摘出の費用を、移植を受ける患者(レシピエント)の保険で賄う。また病気の腎臓の摘出費用は摘出される患者の保険を適用。病気腎移植を生体腎移植として診療報酬請求すると、ドナーの摘出費用が「二重取り」となる可能性がある。 同病院は「病気腎移植では、レシピエント側は摘出費用を除いて請求した。重複はない」と説明している。 同病院では、10月1日に生体腎移植をめぐる臓器売買が発覚。愛媛社保局が10月24日に立ち入り調査した。』 |
| 2006.11.09 | ☆病腎移植 3人で“密室”手術 院長の中止勧告従わず 9日、産経新聞(大阪)夕刊は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長(66)による病腎移植問題で、万波部長が前任の市立宇和島病院に勤務していた平成15年に、当時の院長(73)から“密室的”な手術をやめるよう勧告されていたことが9日、分かった。 万波部長は当時、腎移植があるたびに、弟の廉介医師(60)と呉共済病院(広島県呉市)の光畑直喜医師(58)を呼び、3人でほとんどの手術をしていた。万波部長は院長の勧告を聞き入れなかったという。 「瀬戸内グループ」と呼ばれる万波部長らは病腎移植を生体腎、死体腎に次ぐ「第3の道」などと独自の考え方をしており、病腎移植もこうした状況の下で行われていたとみられる。 当時の院長によると、15年初め、移植医療の後継者が育たないのを心配し、泌尿器科の科長だった万波部長に3人による閉鎖的な手術の中止や、患者の同意書の作成、日本移植学会への加入など、5項目を勧告したという。 勧告後、同意をめぐる患者とのやりとりは若い医師が記録するようになり改善されたが、万波部長は、手術については「3人にしかできない」と言って従わず、学会にも加入しなかった。 万波部長は16年3月、定年まで約2年を残して、30年以上勤めた同病院を辞め、翌月開業した宇和島徳洲会に移った。 万波部長は「基本的に(派遣された)愛媛大の医師と手術をしていた。大きな手術のときは弟に応援を頼んだ」と閉鎖性を否定している。 万波部長は市立宇和島病院で2年ごろから10~15件の病腎移植を実施。宇和島徳洲会でも11件の病腎移植を行った。』 |
| 2006.11.09 | ☆「命助けられた」と告白=3度目手術で病気腎-移植者の会会長が会見・愛媛 9日夜、時事通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院の万波誠泌尿器科部長(66)が、同病院や前任の市立宇和島病院で病気腎移植を実施していた問題で、県内で腎臓移植を受けた患者らでつくる「えひめ移植者の会」の野村正良会長(57)=愛媛新聞報道局編集委員室部長=が9日、県庁で記者会見し、「自分も万波先生から病気腎移植を受けた。命を助けられた」と万波医師を擁護した。 会見で野村会長はこれまで、万波医師の執刀で腎臓移植を3度にわたり受けたと告白。2000年8月30日の3度目の手術がネフローゼ患者からの病気腎だった。』 |
| 2006.11.09 | ☆病気腎移植:万波医師が別病院でも両腎摘出 9日午後、毎日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、万波医師が市立宇和島病院に勤務していた03年2月、県内の50代の男性患者から両腎を摘出し、男女の腎不全の患者にそれぞれ移植していたことが分かった。手術の約1年前からネフローゼ症候群が悪化して体がむくむなどし、万波医師から打診を受けて手術を受けた。現在は人工透析生活を送っている。男性は毎日新聞の取材に応じ、「万波先生から『人にやってもいいか。あわんかったら捨てる』と言われ、臓器提供を承諾した」と話した。 男性からの腎移植は、同病院が、ドナー(臓器提供者)とレシピエント(移植を受けた患者)の続き柄が不明な腎移植があると公表していた14件のうちの2件だった。 万波医師は宇和島徳洲会病院でも04年9月、50代の男性患者から両腎摘出を実施している。この患者と同様、ネフローゼ症候群の男性患者で、摘出後にしばらくして同病院内で摘出した病気腎の移植を受けた。万波医師はこの患者について、会見で「現在は健康体になった」と説明している。』 |
| 2006.11.08 | ☆「腎臓摘出必要なかった」 立ち会った外科医が証言 8日夜、共同通信は以下を配信した。 『病気腎移植問題で、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)が2000年に鹿児島徳洲会病院(鹿児島市)で腎動脈瘤の女性から腎臓を摘出した手術に立ち会った外科医(43)が8日、共同通信の取材に「腎臓を摘出する必要はなく、移植ありきだった」と語り「目の前の患者の治療にベストを尽くしていない」と万波医師らの姿勢を批判した。 外科医は現在、関東地方の病院に勤務。手術は同年9月28日、当時、宇和島市立宇和島病院に勤務していた万波医師が執刀。70歳の女性から腎臓を摘出後、血液の抜き取りなど移植のための保存作業をし、外科医は傷口を縫合した。腎臓は翌日、万波医師が市立宇和島病院で別の女性に移植した。 外科医は「動脈瘤を切除し血管をつなげば十分だと思った」とした上で「移植ありきで、万波医師が言う『出合い頭』などということは絶対ない」と指摘した。 鹿児島徳洲会病院の北島敬一名誉院長が「『(治療後に本人に戻す)自家腎移植は時間がかかる難しい手術』と女性側に説明し、患者が摘出を望んだ」とした点を、外科医は「移植のための誘導尋問だ」と批判。「高齢の患者が腎臓を1つ取られるのはきつい。他人に移植する腕があるなら本人に残せたはず」と語った。』 |
| 2006.11.08 | ☆万波医師の弟、患者に説明なく腎臓摘出 8日夜、TBSは以下のように報じている。 『腎臓移植をめぐる問題です。宇和島徳洲会病院の万波 誠 医師に腎臓を提供していた弟の廉介医師が6年前、岡山市内の病院で膀胱ガンの女性患者のガン除去手術の際、ガンではない腎臓を何の説明もなく摘出していたことがわかりました。 息子の介護を受けながら寝たきりの生活を送る岡山市内の78歳の女性。この女性は2000年12月頃、岡山市の岡山協立病院で、膀胱と尿管にできたガンの除去手術を受けました。しかし、摘出されたのはそれだけではありませんでした。 「腎臓をまさかとるとは思わなかったんですよ。ガンがないんだから。だから尿管と膀胱を取ればいいわけですよね」(女性の夫) 手術を担当したのは万波廉介医師。岡山県内の病院で病気の腎臓を摘出し、兄・誠医師の勤める宇和島徳洲会病院に提供していた医師です。手術前、女性と家族へは、膀胱と尿管だけを除去すると説明していました。 この女性のカルテには、万波医師ともう1人の医師が手術を担当したことが記されています。『左の腎臓を摘出』。家族に知らされたのは手術の後、つまり摘出後のことでした。 「(移植に)使われているかもしれませんよ。ガンがなかったんだから」(女性の夫) 女性の家族は、摘出した腎臓がどうなったのか、今後、病院に説明を求めていく考えです。 また、この女性のケースとは別に岡山協立病院では、5年前にも万波廉介医師が60歳の男性の病気の腎臓を摘出、愛媛県の市立宇和島病院で、兄・誠医師が移植に使っていたことがわかりました。 患者と家族から、移植に使うことについての同意書は得ていましたが、病院への報告はありませんでした。』 |
| 2006.11.08 | ☆病気腎移植、診療報酬の返還請求も 8日昼、TBSは以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市で病気の腎臓が移植されていた問題で、愛媛社会保険事務局は、診療報酬の基準を満たしていなかった可能性もあると見て、返還請求も視野に調査する方針を固めました。 病気の腎臓は宇和島徳洲会病院で11件移植されていたことが明らかになっているほか、万波誠医師は7日、以前、勤めていた市立宇和島病院でも、10件ほど同様の手術を行ったと証言しています。 診療報酬の基準を定めた症例では、生体間の腎臓移植について、健康な腎臓を移植することが前提となっています。 愛媛社会保険事務局では、移植手術がこの基準を満たしていなかった可能性もあると見て、宇和島徳洲会病院を調査する方針を決め、市立宇和島病院についても調査が必要かどうか確認を進めています。 そして、病気の腎臓移植を含め、違反が明らかになった場合、診療報酬の返還を求める方針です。』 |
| 2006.11.08 | ☆病気腎移植、患者団体が疑問表明 8日夜、朝日新聞は以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で病気の腎臓が移植に使われていた問題で、臓器移植を受けた患者ら5団体でつくる「臓器移植患者団体連絡会」(大久保通方代表幹事)は8日、厚生労働省で会見し、「疑問を明らかにし、ルール作りに取り組む必要がある」などとした声明を発表した。 声明は、病気腎移植について、(1)臓器を摘出する必要があったのか(2)提供者に経緯を説明し、同意を得たのか(3)患者にリスクを説明し同意を得たのか(4)患者は公正に選ばれたのか、という疑問点を挙げた。厚労省に対しても、生体移植の早急なルール作りに取り組むよう求めている。 大久保代表幹事は「将来への危険性などが専門家によって議論もされていないのに、一部の医師グループで判断した。しかも、医師たちは何も悪いことはしていないと思っている。倫理観が全く違う」と批判した。 また、「全国心臓病の子どもを守る会」の福岡靖人副会長は「(68年に)問題となった和田移植が再現したと私たちは思っている。あのことが今の臓器移植を厳しくした。それをやっと立て直そうという時期なのに……」と話した。』 |
| 2006.11.07 | ☆前任病院で病気腎移植10件 万波医師、90年ごろから 7日夜、共同通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の病気腎移植問題で、万波誠医師(66)は7日、同病院で記者会見し、以前勤務していた市立宇和島病院(同市)でも1990年ごろから約10件の病気腎移植を行っていたことを明らかにした。 最初の病気腎移植について、実施した正確な時期は「記憶にない」としたが「普通の腎移植としてやった。捨てる腎臓だったので気が楽だった」と話した。 万波医師は「生体腎移植、死体腎移植に続く第三の道として、このような医療行為も残ってもいいのではないか」と正当性を主張するコメントも発表した。 万波医師は、患者だけでなく家族からも同意を得ていたと説明。「わたしが全責任を負っていた。院長に報告したこともあるし、しなかったこともある。同僚の医師もみんな知っていた。異議は全然なかった」などと話した。 臓器提供者(ドナー)の病名は覚えていないという。 万波医師は70年から2004年3月まで市立宇和島病院に勤務。その後、移籍した徳洲会病院で計11件の病気腎移植を行っていた。6日には、市立宇和島病院でも2000年に1件実施していたことが明らかになっていた。』 |
| 2006.11.07 | ☆病気腎移植:調査委に第三者委員の増員を要請 厚労省 7日午後、毎日新聞は以下のように報じている。 『厚生労働省は7日、愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院が設置した腎臓移植手術に関する調査委員会について、「(同病院関係者が多く)日本移植学会の専門家など、第三者の委員を増やすべきだ」と、同病院に要請する方針を決めた。 調査委は、同病院での臓器売買事件発覚後に院内に設置された。同病院の万波誠医師(66)が病気で摘出された腎臓を移植していたことも、調査委を通じて公表された。 しかし、委員16人のうち同病院のスタッフが8人、残り8人の外部委員のうち5人は他の徳洲会病院の理事や徳洲会の顧問弁護士が占めていた。徳洲会と関係がない委員は3人、そのうち臓器移植の専門家は同学会が派遣した1人だけで、人選の偏りが目立っていた。 同学会も「事態の解明には、かなり大きな調査が必要になる」として、学会から調査委に参加する委員の増員を同病院に要請しているという。』 |
| 2006.11.07 | ☆病気腎移植:柳沢厚労相「非常に異常だ」と発言 7日昼、毎日新聞は次のように報じた。 『愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で病気で摘出された腎臓が移植に使われた問題で、柳沢伯夫厚生労働相は7日の閣議後の会見で「報道されている通りなら非常に異常だ。事実の確認が何よりも求められている」と述べた。同病院が設置した調査委員会に対しては「きっちりやっていただきたい」とする一方、厚労省としても、関係各県などを通じ、事実関係の調査を進める意向を改めて示した。』 |
| 2006.11.07 | ☆「移植法、見直し必要」法相 7日午前、読売新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院で病気の腎臓を移植した問題で、長勢法相は7日の閣議後会見で、「法的規制という観点からの議論はなかった。必要なものは見直ししなければならない」と述べ、生体移植に関する規定がほとんどない現行の臓器移植法の改正も視野に入れ検討する方針を示した。 同法は脳死移植について厳格な条件を課している一方、生体移植に関しては臓器売買の禁止をのぞいて明確な規定がない。このため、愛媛県や岡山県など複数の病院で、入院患者から病気の腎臓を摘出し、別の患者に移植した行為は規制の対象にならない。 長勢法相は「厚生労働省の調査を待って(改正を)検討したい」と話した。』 また、柳沢厚生労働相も閣議後会見で、「異常な事態。場合によっては職員の派遣も必要」と述べ、腎臓を摘出した病院がある関係県にも職員を派遣し、調査する方針を明らかにした。 同省は同日午後、愛媛県と共に宇和島徳洲会病院に事実確認を行う。』 |
| 2006.11.07 | ☆病気腎移植:1患者に2回手術も 万波医師が前任の病院で 7日未明、毎日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院の万波誠医師(66)が、前任の市立宇和島病院時代に1人の患者に2回の疾患腎移植を行っていたことが6日、わかった。 市立宇和島病院で、2回も疾患腎移植を受けたのは、01年に死亡した宇和島市内の男性(当時29歳)。母親(61)が6日、毎日新聞の取材に対して男性から聞いた話として「万波医師の執刀で2回、市立宇和島病院でがんなどの病気の腎臓を移植された」などと証言した。これまで万波医師は「病気の人の腎臓の移植を始めたのは宇和島徳洲会病院に移ってから」と説明していた。 母親によると、男性は小学3年で慢性腎炎を発病。87年4月に母親から、92年2月に父親から腎臓の提供を受け、いずれも市立宇和島病院で万波医師の執刀で移植手術を受けた。手術は成功し一時回復したが、次第に症状が悪化。00年12月と01年3月にも万波医師の執刀で移植手術を受けたが、同年6月に同病院で死亡した。死因は別の医師から「急性すい炎」と説明されたという。 男性は01年の手術後、母親に00年の腎臓は腎臓病の女性患者から摘出されたもので、01年の腎臓は腎臓がん患者のものだったと説明したという。 一方、市立宇和島病院の市川幹郎院長らは同日会見し、「00年以降、カルテがある分では病気の腎臓を移植したケースはなかった」と、疾患腎移植を改めて否定した。 ◇死亡患者の母「知っていたら、絶対に止めた」 万波先生、本当のことを話してほしい--。宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)が前任地の市立宇和島病院で、男性患者(当時29歳)に4カ月間で2回、疾患腎臓の移植手術をしたことが明らかになった。男性は手術後間もなく亡くなった。万波医師から事前に家族へ説明はなかったといい、母親(61)は、悲しみをこらえながら複雑な心境を語った。 男性は小学生で慢性腎炎を発病し、01年6月に亡くなるまでに市立宇和島病院で計4回、万波医師の執刀で移植手術を受けた。母と父からは20歳前までに提供を受けた。 00年12月に3回目の移植をした。01年3月の4回目の手術前、母親は血縁者以外の腎臓提供を不思議に思い尋ねた。男性は「とにかく(腎臓が)あったんと。万波先生から『病気の(腎臓)やが、やってみんか』と言われたから、とにかく受けてみる」と答えたという。男性は手術後、00年の腎臓は腎臓病の女性患者から、01年の腎臓は腎臓がん患者から摘出されたと母親に説明し「がんが出来てたけど、がんを取り除いて入れてもらった」と話した。 母親は「息子の話を聞いた時は、まさか病気のものを移植するなんて、と思った。今回の報道でようやく理解できた。がんの腎臓と知っていたら移植なんてさせない。絶対に止めた」と怒る。一方で「息子は、どんな病気の腎臓でも治るなら移植してほしいと思ったのだろう。その気持ちは分かる」と複雑な心境も明かした。 男性は小学校時代、体調が悪くて遅刻すると「社長出勤じゃのう」と同級生らにからかわれたという。母親は「移植は患者の生活を変えてくれる大きな希望。00年の腎臓は『2%の機能しか働いていないらしい』と言っていたが、あの子はその2%の希望に人生のすべてをかけたんでしょう」と涙を浮かべる。 万波医師については「助けようと思ってしてくれたのだろうが、私たちには説明がなかった。何があったのか、本当のことを話してほしい」と話し、「ルールは患者のためにあるべきもの。ちゃんとした仕組みが整備されて腎臓病患者についての理解が広まれば、息子の死も無駄にならないと思う」と訴える。』 |
| 2006.11.06 | ☆鹿児島でも腎臓摘出に加わる 宇和島徳洲会病院医師 6日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の「宇和島徳洲会病院」が病気を理由に摘出された患者の腎臓を使って移植手術を行っていましたが、手術を執刀した医師が6年前、鹿児島市の病院で腎臓の摘出手術に加わっていたことがわかりました。病院側は、摘出された腎臓が移植に使われなかったかどうかなどについて調査を進めています。 愛媛県宇和島市にある「宇和島徳洲会病院」が、病気を理由に摘出された腎臓を別の患者に移植していたケースは、これまでに11件確認されています。鹿児島市の「鹿児島徳洲会病院」によりますと、移植手術を執刀した万波誠医師は、平成12年9月ごろ、この病院で行われた腎臓の摘出手術に加わっていたことがわかりました。手術は、動脈りゅうの70歳くらいの女性患者から右側の腎臓を摘出するというもので、万波医師は、当時の病院長だった北島敬一名誉院長の呼びかけに応じて手術に加わったということです。鹿児島徳洲会病院は、摘出された腎臓が移植に使われなかったかどうかなど、詳しいいきさつについて北島名誉院長から事情を聴いたうえで、記者会見して説明することにしています。』 この件について、同日夜、TBSは 『愛媛県宇和島市で病気で摘出した腎臓を移植していた問題は各地に広がりを見せています。移植を行った万波誠医師には、同じく医師で岡山の病院に勤める弟がいますが、この弟が5、6年前に病気の患者から摘出された腎臓を当時・万波医師が勤めていた病院に送ったと証言。そして、愛媛だけではなく、鹿児島で行われていた同様の手術にも万波医師が加わっていたことが明らかになりました。 「全部本当のこと言いますけど1例ありますよ。市立宇和島病院でやった」(万波廉介氏) 万波誠医師の弟、廉介医師によりますと、5、6年前に病気で摘出した70歳くらいの男性の腎臓を他の患者へ移植するため、岡山県内から、当時万波医師が勤務していた市立宇和島病院へ搬送したということです。 この発言を受け、市立宇和島病院では6日朝、会見を開き、そうした移植の書類が一切存在しないことや、チーム医療にもかかわらず当時関わった医療スタッフがいないこと、さらに、前任者の病院長が否定していることを理由に挙げて、病気で摘出した腎臓を移植した事実はないと結論づけました。 「どういう理由で、どういう根拠をもって、どういう責任をもって、そういう発言をされたか。今この時期の発言にということに憤りを感じています」(市立宇和島病院 市川幹郎・院長) しかし、6日の会見を受け、3年前まで市立宇和島病院の院長だった柴田大法医師は次のように語り、病院側の会見内容とは食い違いを見せています。 「誰の腎臓をどこから持ってきてやる(手術する)か、そんなことは全部、彼(万波誠医師)が責任を持ってやっていること」(市立宇和島病院 柴田大法・前院長) このように、移植手術の詳細な内容については万波医師しか知らず、院長だけでなく、現場で手術をサポートするスタッフにも説明はなかったはずだと当時を振り返っています。 「それ(腎臓)が何処からきたかは関係ない。手術室に持ち込んで、万波先生がこの人にこの腎臓を移植する。それだけのこと」(市立宇和島病院 柴田大法・前院長) 万波医師は2003年に病院側から腎臓提供の同意書をとるよう改善命令を受けていましたが、拒否したということで、柴田前院長はこのままでは大変なことになるという認識があったと話しています。 一方、2000年9月頃、鹿児島県の徳洲会病院で行われた病気の患者から腎臓を摘出する手術にも万波誠医師は加わっていました。 病院側の説明では、腎臓は70歳くらいの腎動脈瘤と見られる女性患者から摘出されたということで、別の患者の移植に使われたかどうか、現在、病院で確認しています。 また、県では6日病院関係者を宇和島保健所に呼んで報告を求める一方、今月17日に立入検査を実施して同意書などの有無を確認する方針です。』 |
| 2006.11.06 | ☆病気の腎臓移植 厚労省も調査へ 7日職員派遣 6日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の病院で病気を理由に摘出された腎臓が別の患者に移植されていた問題で、厚生労働省は、本来必要のない腎臓の摘出手術が行われていなかったかどうか調査を始めることを決め、7日、愛媛県に職員を派遣することになりました。 臓器売買事件で手術をした宇和島徳洲会病院では、病院を開設したおととしから事件の発覚までに、病気で摘出された患者の腎臓を別の患者に移植する手術を11件行っていました。これらの腎臓は、宇和島徳洲会病院と岡山県、香川県の病院でがんや動脈りゅうなど、腎臓の病気の患者から摘出されたとされるもので、専門家は「ほかの患者に移植できる腎臓を摘出するのは医学的におかしい」と指摘しています。このため、厚生労働省は、本来必要のない腎臓の摘出手術が行われ、移植に使われていなかったかどうか、日本移植学会や愛媛県とともに調査を始めることを決めました。厚生労働省は7日、職員を愛媛県庁に派遣して宇和島徳洲会病院の関係者から話を聞き、摘出手術が行われた詳しい経緯などについて調べることにしています。」 |
| 2006.11.06 | ☆宇和島徳洲会病院に立ち入り調査へ 病気腎移植で社保局 6日夕、朝日新聞は次のように報じた。 『愛媛社会保険事務局は6日、病気で摘出された腎臓を別の患者に移植した宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)からの診療報酬請求が妥当だったかどうかを確認するため、同病院に立ち入り調査する方針を決めた。診療報酬の規定では、「病気腎」の移植を請求することは想定されておらず、病院スタッフらからの聞き取り調査など、移植の詳しい経緯を調べる。 同病院などによると、病気腎の移植に伴う診療報酬請求は計11件。内訳は尿管狭窄(きょうさく)と腎がんが各3件、動脈瘤(りゅう)と良性腫瘍(しゅよう)が各2件、ネフローゼ症候群が1件だった。 同事務局は「病気の腎臓を移植した場合、請求ができると明記されていない」としており、それぞれの摘出手術と移植手術についての中身を分析し、請求の妥当性を判断する。 愛媛県は6日、病気腎移植の実態を解明するため、同病院への調査を始めた。院長ら責任者に対し、県宇和島保健所に出向いて今回の経緯を報告するよう求めた。』 |
| 2006.11.06 | ☆「万波医師からの説明なかった」 ドナー男性証言 6日昼、産経新聞(岡山)は、以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠・泌尿器科部長が病気治療で摘出した腎臓を他人に移植していた問題で、ドナーとなった県内の男性が5日、産経新聞の取材に応じ、万波部長の弟で摘出手術を執刀した万波廉介医師(60)=岡山県=から「直接には移植の説明は受けなかった」と語った。しかし、男性は「今はすっかり回復し、ありがたいと思っている。取った腎臓が役立つならと同意しており、実際に使われたかどうかは気にしていない」と話した。 男性は10年ほど前から腎臓の痛みを覚え、ときどき通院。他の医師から「悪化すれば腎臓を摘出しなければいけないかもしれない」と言われていたという。今年5月、激しい痛みが出たため岡山市内の病院に入院。主治医から入院当日に「腫瘍(しゅよう)が大きく、摘出手術の必要がある」と言われ「実績のある医師を呼んで執刀してもらう」と説明を受けた。 その際、主治医から「万波医師が『使える状態ならば、臓器を別の人への移植に使わせてもらいたい』と言っている」などと説明を受け、男性や家族は了承。承諾書にサインしたという。 しかし、男性が万波医師と初めて顔を合わせたのは手術当日。その後も、入院中に術後の経過確認で1度会っただけだという。いずれの際にも「万波医師から、移植に関しての話はなかった」と話している。』 |
| 2006.11.06 | ☆万波医師前任地の腎移植を調査へ…宇和島市 6日、読売新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で病気の腎臓が移植された問題で、宇和島市は、執刀医の万波誠医師(66)が2年半前まで勤務していた市立宇和島病院で、同様の移植を行っていなかったかどうか調査することを決めた。万波医師が5、6年前に病気腎を移植したと、弟の廉介医師(60)が証言しているため。 廉介医師によると、5、6年前、岡山県内の病院で、70歳代の直腸がんの男性患者から摘出、宇和島病院に運ばれた腎臓を、万波医師が移植したという。 万波医師は、これまで徳洲会病院で11件の病気腎移植を行ったと認め、「2004年9月が初めてだった」と説明しているが、同病院に移ったのは04年4月で、2人の証言が食い違っている。』 |
| 2006.11.05 | ☆<疾患腎移植>「常識外」に法規制なく 5日深夜、毎日新聞は以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で、病気のため摘出した腎臓が別の患者に移植されるという事態は、倫理上の問題が大きいうえ、臓器提供の自発性といった移植医療の根幹を揺るがしかねない行為だけに、関係者の批判は強い。移植医療の枠組みの外で発生した問題を検証する。 「病気の腎臓でもいいかと患者に説明して了承を得た」。今回の移植について、同病院の万波誠医師(66)はこう説明する。しかし、移植を受けた患者10人からは、一人も文書による同意を得ておらず、移植後に危険性があるというマイナス面の説明を、レシピエント(移植を受けた患者)にきちんとしていなかった可能性がある。 病気の腎臓を移植に用いることは、レシピエントに高い危険性をもたらす。腎臓に限らず、臓器移植を受けた患者は、拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を服用する必要があるからだ。体の免疫力の低下によって、さまざまな感染症などにかかりやすくなるうえ、腎臓の負担も増す。 特に、がんの腎臓を移植するケースが今回11件中3件であったが、これは危険が大きい。厚生労働省が示すドナー(臓器提供者)の適応基準では、ドナーが対象臓器以外のがんであっても、移植した臓器ががんになる恐れがあるため、原則として除外されている。 日本臓器移植ネットワーク西日本支部長の園田孝夫・大阪大名誉教授は「がんの部位を取り除いても、血液中にがん細胞が残っている場合もある。免疫抑制剤を使うのでがんが再発しやすくなる」と指摘する。 また仮に説明していたとしても、患者が同意すれば、医師はがんなどのため摘出した腎臓を移植してよいのだろうか。 腎移植を待つ患者は「どんな腎臓でも、のどから手が出るほどほしい」(大阪府内の泌尿器科医)という心理状態だ。危険性を十分認識して正常な判断をするのが難しい人や、危険を伴っても今よりましだと信じて移植を望む人がいても不思議ではない。むしろ、患者の負うリスクを考慮して自制を求めることが、医師の役割でもある。 ◇摘出必要だったのか? 今回の11件のうち、岡山県内の病院で3件を実施したのは、万波医師の弟の廉介(れんすけ)医師(60)だった。廉介医師は「もし使えるような腎臓だったら、透析をしていて欲しがっている人にあげてもいいか」などと摘出患者に持ち掛けたと説明している。 臓器移植法は、基本理念で「移植に使用されるための臓器の提供は、任意にされたものでなければならない」と明記しており、廉介医師の行為がその趣旨に反する可能性も否定できない。 宇和島徳洲会病院によると、ドナーの疾患は▽腎がん3件▽尿管狭さく3件▽動脈瘤(りゅう)2件▽良性腫瘍(しゅよう)2件▽ネフローゼ1件。摘出したということは、その臓器を体内から除去した方がよいと判断したことになるが、そもそも摘出までする必要があったのかどうかについて、複数の医師が疑問を投げかける。 園田名誉教授は「尿管狭さくなら、普通は狭さくした部分の剥離(はくり)などをすれば、摘出しなくても治療は可能。動脈瘤も、こぶの部分だけを切除すればいい」と指摘する。ある大学病院の泌尿器科助教授も「腎臓の機能が正常なのに摘出する病態は極めてまれ。腎臓を取る必要がない患者から摘出したということになる。医師が移植当事者の間に入ることが問題で、摘出が誘導されなかったか調べないといけない。同じ泌尿器科医として、本当に情けない」と話した。 廉介医師自身も「(元の患者に)戻したらいいというのはもっともな意見」としながら「僕はそういう技量は持っていないし、面倒で失敗もある」と打ち明けた。 一方、2件の摘出手術をした香川県内の病院の勤務医は「弁護士に確認したが、法的に問題はないとのことで、倫理委員会は開いていない。患者に同意書も書いてもらっている」と説明する。 ◇専門家が科学的に検証を 脳死や心臓死後の臓器提供は、臓器移植法や関連法令で、その手続きが厳しく決められている。同法で「移植術を受ける機会は、公平に与えられるよう配慮されなければならない」と規定され、ドナー自身や家族、医療機関がレシピエントを任意に決めることはできない。「日本臓器移植ネットワーク」が、同法に基づいて厚生労働相からあっせん業の許可を受けた国内唯一の組織で、重症度や血液型などからレシピエントを決定する。 一方、生体臓器移植は「臓器売買の禁止」を除いて具体的な法規制はなく、医療現場では日本移植学会の倫理指針に基づいて進められている。ドナーは原則として指針で定める親族のうち、自発的な提供意思がある人に限られ、第三者があっせんすることはない。親族以外の場合は、院内の倫理委員会の承認に加え、同学会倫理委員会の審議を必要とし、妥当性をチェックしている。 今回明らかになった「病気のため摘出された腎臓」の移植は、親族以外の場合に当たるが、指針の原則は一切守られていなかった。病院の管理者が知らないまま、主治医ら現場の判断だけで提供されるなど、医師があっせん行為をしていたとも言える。このため、患者の移植機会の増加を望む患者団体からも、移植機会の公平性などの点で批判的な意見が出ている。 米本昌平・科学技術文明研究所長は「病気のため摘出した腎臓を移植することが治療といえるのか、まずは専門家が科学的に検証すべきだ。その上で倫理的な問題も明らかになった場合は、法による規制なども検討していくべきだろう」と話している。』 |
| 2006.11.05 | ☆病人腎移植問題・香川労災病院から2件の提供 5日夕、西日本放送(RNC)は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院の医師が病人の腎臓を移植していた問題で香川県丸亀市の香川労災病院が手術で摘出した臓器を2度提供していた事が分かりました。 香川労災病院によりますと去年5月と今年9月初期ガンにかかっていた70歳代の女性と50歳代の男性から腎臓を摘出し、臓器を宇和島徳洲会病院に提供しました。いずれのケースも「別の病院で移植に使ってもいいか」と患者と家族に説明したうえで同意書をもらったという事です。しかし、摘出手術をした医師はこの事を院内の倫理委員会に諮っておらず、その理由について「摘出手術を受けた患者に不利益は無く、同意も得ていた。必要は無いと判断した」と説明しています。 井上一院長は「臓器提供の報告は受けていなかった。今後は必ず倫理委員会に諮ってもらう」と話しています。』 |
| 2006.11.05 | ☆病腎利用「新たな道」 想定外の移植に批判、疑問 「常軌を逸している」 5日夕、共同通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)が病気の腎臓を移植していた問題で、万波医師と腎臓を摘出した香川県の医師らは普段から手術で協力、この移植方法を「患者のための新たな道」とする独自の主張をしているが、専門医は「常軌を逸している」と強く批判している。 万波医師が宇和島徳洲会病院で腎臓がんや尿管狭窄の患者の腎臓を移植したのは11件。使った腎臓のうち6件は自ら摘出、3件は弟の廉介医師(60)が岡山県内の3つの病院で、2件は香川労災病院(香川県丸亀市)の西光雄医師(58)がそれぞれ摘出した。 3人は広島県呉市の病院の医師(58)らを含め手術で協力、論文を共同で発表し、「瀬戸内グループ」と呼ばれている。万波医師は山口大卒で、廉介医師と西医師らは岡山大の学生時代に知り合ったという。 万波医師は4日の会見で「病気で摘出した腎臓を使うのは、臓器提供者(ドナー)がいないということ。死体からの移植が理想だが日本では増えていない」と持論を強調。「ほかの病院でもその気があればやれる」と述べた。 腎移植には、脳死や心停止後の提供と、親族など健康な人からの提供があるが、病人から摘出した腎臓を使うことは、臓器移植法や日本移植学会の倫理指針に禁止や制限の規定はない。同学会関係者は「こうした移植が行われることは想定していない」と話す。 廉介医師は「僕と兄貴は生体腎移植、死体腎移植に続く『第3の移植』と思っている」と主張。西医師も会見で「第3の道」と表現し、「話を聞いたときは『コロンブスの卵』だと思った。リスクよりも患者のメリットが大きい」と擁護した。 だが泌尿器科の専門医は「尿管狭窄などは普通、腎臓を摘出しなくてもいいと思う」と摘出の妥当性に疑問を示す。 別の専門医は「がんを目に見えるだけ取っても、がん細胞が残っていることがある。移植手術で免疫抑制剤を使い、抵抗力を弱めてしまうのでリスクも高い」と移植を受ける患者への危険性を指摘する。日本移植者協議会の大久保通方理事長は「あるべき姿ではないが、提供者に提供意思があり公正に患者が選ばれ治療成績が良いなら、移植医療として間違っているとは言えないと思う。その3点が守られているのか分からない」と困惑した様子だ。』 |
| 2006.11.04 | ☆病気で摘出の腎臓使用を批判 日本移植学会 4日夜、NHKは以下のように報じている。 『愛媛県宇和島市の「宇和島徳洲会病院」が、病気で摘出された患者の腎臓を使って移植手術を行っていた問題について、日本移植学会の大島伸一副理事長は「医学的には考えられないことだ」と厳しく批判するとともに、移植学会としても調査を行い、問題点を検証していく考えを示しました。 大島副理事長はまず、病気で摘出された腎臓を移植したことについて、「第三者に移植できるような腎臓なら、そもそも摘出する必要はなく、今の医学では考えられないことだ。病院側は双方の患者の同意を取ったと説明しているが、第三者の証明もなく、同意の確証はない」と厳しく批判しました。そのうえで、今後の対応について大島副理事長は「臓器移植に対する社会の不安が起きているので、何が起きたのかを専門家が詳細に調査し、問題点を検証することは義務であり、責任でもある」と述べ、日本移植学会として事態の解明を急ぎ、調査結果をすべて明らかにする考えを示しました。』 |
| 2006.11.04 | ☆移植隠し虚偽説明か 万波医師の弟が病院に 4日夜、共同通信は以下を配信した。 『宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)が病人の腎臓を移植していた問題で、万波医師の弟の廉介医師(60)が岡山県備前市の病院で腎臓の摘出をした際、院長に「病理組織を検査したい」と説明し腎臓を持ち帰っていたことが4日、分かった。 院長は「移植に使ったことは知らなかった。使うと知っていれば止めていた」と証言。廉介医師が移植に使うことを隠し、虚偽の説明をした疑いが浮上した。廉介医師は4日、取材に対し「(移植に使うことを)言ったように思うが、記憶がはっきりしない。院長がそう言うなら言っていないかもしれない」と話した。 院長らによると、廉介医師はことし6月、同病院で腎臓がんが疑われた70代の女性から腎臓を摘出。手術後、廉介医師は「腎臓がんだと思うが、普通のがんと違うので持ち帰って検査したい」と話したため、院長は許可した。 腎臓は宇和島徳洲会病院に運ばれ、検査の結果、組織が石灰化した珍しい症状でがんではないことが判明。万波医師が翌日、血液型などが適合する患者に移植した。院長は「かなりたってから、がんが良性だったと聞いたが、移植のことは聞いていない」と話している。 廉介医師は「移植のために腎臓を取ったのではない。(臓器提供者の)治療が大前提で、可能性があるならと移植の手配をしていた」と説明した。廉介医師は、病人の腎臓が移植された11件のうち3件で摘出をしたことを認めていた。』 |
| 2006.11.04 | ☆がん患者の腎臓移植、執刀医明らかに さらに4日夜、TBSは以下のように報じている。 『愛媛県の宇和島徳洲会病院で病気で摘出した腎臓を他の患者に移植していた問題で、4日、執刀した医師は、この生体腎移植の中で、腎臓がんの患者から摘出した腎臓を3件移植していたことを明らかにしました。 執刀した万波誠 医師は4日の会見で、病気のため摘出した腎臓を他の患者に移植していた11件のうち、腎臓がん患者から摘出した腎臓を移植していたケースが3件あることを明らかにしました。 こうした、がんの腎臓の移植に対して万波医師は、「腎臓の提供を受ける側には再発の危険性などを事前に十分説明し、了承は得た」と述べました。 「どうしても腎臓を私はもうがんは気持ち悪いから取ってくれという人がおるわけです。腎臓はひとつあったらいいから。もう本当に切羽詰った状態だったんです。そういう状況じゃから、それを何とかしようとするのが臨床じゃないでうかな」(執刀した万波誠 医師) ただ、こうした移植に専門家からは異論の声も出ています。 「(機能する腎臓なら)戻すことが多いかもしれませんね。(他の)人に埋めようというのは、なかなか考えないんじゃないでしょうか」(日本移植学会・雨宮浩 名誉会長) 一方、問題となっているこの11件の移植のすべてが、移植を受ける患者と提供者の面識がなく、ほとんどのケースで提供者からの同意書もとられていなかった上、病院もこの事実を黙認していました。 「腎臓を取ったあとはもう、破棄するわけですから、アルコールの中に漬けるわけですから、それも(提供者の)了承がいるのですか」(執刀した万波誠 医師) 日本移植学会では今回の事態を重く見て、病院側に説明を求める方針です。』 |
| 2006.11.04 | ☆執刀医の弟、岡山で3件の腎臓摘出 4日夜、TBSは以下のように報じている。 『愛媛県の病院で病気で摘出した腎臓を他の患者に移植していた問題で、病人の腎臓を移植したとされる11件のうち3件は、執刀医の弟の岡山県内の医師が摘出したことを会見で明らかにしました。 「僕の問題がいろいろ言われて、皆さんがおっしゃること、同意書がないとか病院長がどう言ったこう言った、お前勝手にやっとんのかと言われても、しょうがないような面もあるんじゃないかと思いますが」(摘出手術をした万波廉介医師) 今年6月から8月の間に岡山県内の病院で摘出して宇和島徳洲会病院に運ばれ、適合検査をしたうえで、患者に移植されたということです。3件はいずれも親族間ではない移植でした。 一方、病院では、移植のための臓器を摘出したという認識はなかったとしています。 私には移植の話は全然。腎臓のがんであるだろうということで、ただ普通のがんと違うから少し病理組織を持って帰って、十分検査をしたいということです」(荻野健次院長) 万波医師は患者に「良性の大きな腫瘍がある」と説明し、摘出の承諾を得たケースもありましたが、提供者への説明は十分だったと話しています。』 |
| 2006.11.04 | ☆疾患腎移植:学会が批判「金になるからやらせたのか」 4日昼、毎日新聞は以下のように報じている。 『宇和島徳洲会病院の腎移植問題を調査している、日本移植学会の「生体臓器提供にかかわる特別委員会」の大島伸一委員長(泌尿器科)は「移植を受ける患者は免疫抑制剤を使うため免疫機能が低くなり、通常よりがんになりやすい。それなのに、がんの腎臓を移植するのは常識でもありえないし、医師として許されない。患者が希望したというが、希望の内容は医師の説明次第で変わってしまう。万波医師は患者との信頼関係を強調するが、これでは、ルールに基づいて行っている移植医療に対する、社会の信頼を失わせる。院長がこういう医療を黙認したなら、病院として社会性を欠く。金になるからやらせたのか、とさえ疑われかねない」と批判する。』 |
| 2006.11.04 | ☆疾患腎移植:病院側が初会見「院長が了承していた」 4日昼、毎日新聞は以下のように報じている。 『 愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で病気のために摘出した腎臓を別の患者に移植する11件の手術が行われた問題で、同病院側が4日、この問題発覚後に初めて会見した。貞島博通院長(54)と泌尿器科部長、万波誠医師(66)が出席。貞島院長は「病院として11件の移植を認識し、院長が了承していた」としたが、この中には手術後に報告を受けたケースがあることを認めた。万波医師は「捨てる腎臓があれば連絡してほしいと友人(の医師)に頼んでいた」と話したが、「初めから移植を計画していたわけではない」とし、移植が可能な腎臓が出てきた段階での「出合い頭」の手術だったと説明した。 会見によると、移植手術が行われたのは04年9月〜06年9月。ドナー(臓器提供者)の疾患は尿管狭さく3件、腎がん3件、動脈瘤(りゅう)2件、良性腫瘍(しゅよう)2件、ネフローゼ1件。このうち6件については、宇和島徳洲会病院で摘出手術も行ったという。 レシピエント(移植を受けた患者)は10人で、1人はいったん移植した腎臓を手術後に取り出して、計2件の移植を受けていた。大半は宇和島市内に住んでおり、ドナーが発生後、腎臓を移植に使えるよう保存できる3日の間に移植に関する説明をしたという。 レシピエントとドナーの間に面識はなかったといい、万波医師は両者の間で臓器提供を巡り、「(金銭授受などは)ないはずだ」と話した。 ドナーの同意については、他の病院では同意書を取ったケースもあるとしたが、宇和島徳洲会病院で腎臓を摘出した6件については、「(摘出した腎臓が)使えるなら、(移植に)使わせてほしい」と話して口頭で了解を取ったものの、同意書はいずれも取っていない、という。 レシピエントに対しては「がんの腎臓でも(移植して)大丈夫か」と話して了承を得たと説明。しかし、当時、同病院に移植に関する倫理 委員会はなく、10人全員から同意書も取っていなかった。 万波医師は11件すべてについて、ドナーとレシピエントは親子以外の関係だったと話し、「1件は親子間だった」とする病院の発表を訂正した。 病院側は11件について外部の医師らを交えて移植が適性だったかを検討し、同意書がなかったケースについては、弁護士らがドナー、レシピエント双方の患者側の意志を確認する、とした』。 |